UENOUTAのお絵描きとかブログ

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ある日、超能力に目覚めた件 第二章 第二十三話Part4

2024-11-17 19:33:10 | 日記
「最初は声が聞こえたわ。どこかから聞こえる声」
 
 そんな風におばあちゃんは言う。けどそれを馬鹿にする気は足軽にはない。だって、力があるのならそういう事もありえるだろう。野々野足軽にだって時々どこかからか聞こえる声というのはあるのだ。でもおばあちゃんの場合、そこには因縁というか、縁というか……そんなのがあったみたいだ。
 
「実はね。子供のころもこの声は聞こえてたのよね。いつの間にかその声は聞こえなくなったけど、私が若返ってるとき、その声はまた聞こえてきたの」
 
 なんと……このサルは子供に向かって声を届けてた……という事なんだろうか? それだとやっぱりかなり悪質では? と野々野足軽は思ってきた。だって……だよ? このサルの元は呪物らしいのだ。それもいくつもの人、そしていくつもの村を滅ぼしてきたような凶悪な呪物だ。それ自体は別に望んでそうなったわけじゃないと、おばあちゃんの話で足軽だってわかってる。けど今の発言だとこの呪物は子供を狙ってたらしい。それは悪質だとおもうのだ。
 ただ感性とかが子供の方か鋭いから呪物も共鳴できるとわかってたりするのかも。やっぱり拾われたりしたのは子供が多かったのかもしれない。
 
「怪しいとか思わなかったの?」
「若返ることが出来るのよ? かつてわからなかった友達を救いたいって思うじゃない。声が聞こえるなんて若返ることに比べたら……ね」
 
 そういわれると足軽も「確かに」――と思える。だって若返えってるんだよ? いやおばあちゃんの若返りは「変化」の方が今のところは近いじゃないか? と思ってる足軽だが、そこら変はおばあちゃんは気にしてない。だから単純に若返る力とただどこからか聞こえる声……それを比べたら確かに声なんてそんなに恐怖を感じるようなことはないかもしれない。しかもおばあちゃんは昔にこの声を聴いてたのだ。ならば今なら応えることが出来るかもしれないと思うのも仕方ないと足軽も思う。
 
「それでおばあちゃんはこいつらの元だった呪物を見つけたの?」
「違うわ。この子たちは既に解放されてたもの。変な生物の目撃情報はちらほらあったのよね。でもその形は固定されてなかったわ。私が見つけたときはなんだかゼリーみたいだったわね」
「ゼリー……」
 
 モワモワと想像する足軽。その姿は棒国民的ゲームのスライムのようなそんな姿が思い浮かんだ。
 
「ゼリーみたいなのをこの姿にしたの?」
 
 もっと何かあったんじゃないか? と思わなくもない足軽だ。なぜにサル? もっと可愛らしい生き物なら、森の奥深くに住まなくても……と一瞬思った野々野足軽だが――
 
「そうだったこいつら呪物なのか……」
 
 それを踏まえると、下手に可愛らしい見た目にして人とかかわるとか、人間社会にいるというのはある意味で危険かもしれない。物理的に見た人が逃げていくような見た目なら、このサルたちの力……というかこの場合は「呪い」だろうか? それが発揮されることはないから合理的なのかもしれない。でもそれはおばあちゃんがそこまで考えてやったのか、それともこいつらが自身が望んだのか……それでさらに印象のプラマイが上下することになりそうだと足軽は思う。
 でも……おばあちゃんもサルたちもそんなことを考えるかな? と疑問を持つ足軽でもあった。

転生したらロボットの中でした(ただし、出ることはできません)盤上の迷宮航路にご招待 113

2024-11-17 19:27:04 | 日記
 私たちは三人で見事なコンビネーションを披露して攻撃をしました。それに……です。向こうの腕は一つが聖剣を掴んで抑え込むことで使用不可の状態なのですから、私達三人を撃退するのに腕は一本しか使用できないのです。物理的に足りないでしょう。きっとどれかは通る。私はそう思ってました。ですがどうやらあの腕は私の予想以上に強いみたいです。わっかを滑るように移動するそれはアイ様が放った光線を拳圧で押し返しました。そして私と勇者様の攻撃ですけど、どうやら私は眼中にないようです。私への……というかポニ子アーマーへは何も反応しませんでした。
 拳を作って殴りに行ったんですけど、さっき腕を軽く振るっただけで弾かれて粉砕されたから、「その程度」と学習されたみたいです。確かに私の力の出力ではあの腕に有効打を打つのは難しいでしょう。それはその通りです。
 そんなのはわかってる。わかってます! でもそれでもちょっとでも私に構うことでお二人の助けになるのなら!! その気持で諦めません。なので関係なく殴りかかりました。
 
 勇者様はその本領は聖剣とのシンクロであります。でも、勇者様は素手でもとてつもなく強いです。一番近いところにいる勇者様は一番近く……ようは自身の聖剣を掴んでる腕の手……それも指に向かってその肘をおろします。
 
 バキャン!!
 
  とかいう派手な音がきこえました。これは指の一本くらい折れてるでしょう。そう思うだけに十分な音でした。まるで自分自身にも痛覚が作用しそうな……そんな音でした。
 でも……
 
「くっ、どれだけ頑丈なんだ!」
 
 どうやら指を持っていくことはできなかったようです。勇者様もきっと遠慮なんてしてない全力だしたでしょう。なのに……破壊できてない。
 聖剣での攻撃はまだ攻撃が通ってました。でも素手ではさすがの勇者様でもあの腕に攻撃を通すことはできない? それって一体どれほど……少なくとも勇者様の直接的な攻撃でもだめと言うなら私なんて確かにアリンコみたいなものでしょう。事実私の攻撃は全く意に介してないです。
 
 けどここで思います。剣での攻撃は通ってました。もしかして刃物には弱くて、打撃には強い材質なのかもしれません。ポニ子ちゃんアーマーで打撃以外の攻撃ってしたこと無いですけど……このアーマーは変幻自在のハズ。ならば……私はポニ子ちゃんのこの鎧を鋭く研ぎ澄ますことにします。