UENOUTAのお絵描きとかブログ

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ある日、超能力に目覚めた件 第二章 第二十四話Part4

2024-11-25 19:53:04 | 日記
「ほら、さっさと食べなさい」
 
 遅めの朝食の時間。食卓には小頭と足軽……に成り代わってる鬼が座ってる。既にお爺ちゃんもおばあちゃんもなにか用事があるようで外に出てるらしい。それに父親もだ。出されたのは白飯に味噌汁。あとはおばあちゃんが漬けてた漬物が数点である。朝なんてこんなものだ。それは別にいい。むしろ小頭はパンでもいいくらいだ。けどおじいちゃんもおばあちゃんもご飯派なのだ。
 
「あっ」
 
 プルプルと震えてる小頭は箸でうまく挟むことが出来なかった。狙ってた漬物が箸から飛び出していってテーブルに落ちた。それも丁度小頭と鬼の間である。ちなみにいうと二人は隣り合わせで座ってる。だってそれがいつもの位置なのだ。自然と小頭はいつもの位置に座った。そしたら鬼もいつもの……そういつも本当の足軽が座る所に鬼は座ってきたのだ。その瞬間もちろんだけど小頭は後悔した。どうしていつもの場所に座ってしまったのか。別に今は六人分の椅子があるのだ。今ならどこにだって座り放題だった。
 なのに、自然といつもの場所に座ってしまった。もしかしたら鬼も足軽がいつも座る所に座るかもしれない――とちょっとでも考えたら回避できたかもしれない。でももう遅いのだ。移動しようとしたときには既にお母さんが朝食を持ってきてた。逃げ場はなかった。
 
 小頭の箸から飛び出た漬物はポツンとテーブルの上に野垂れてる。
 
(どうしよう)
 
 このまま無視してもいいと小頭は思ってた。だって別に漬物の一個である。床に落ちたわけでもないからまだ食べられるが……これはもう気付かなかったふりをしてさっさと朝食を済ましてしまおうか? と葛藤してる。すると……だ。ニョキっと伸びてくる別の箸。それがテーブルに野垂れてる漬物に伸びてそれを器用にとる。そしてそのままパクッと口に放り込んだ。そして一気にご飯をかきこむ。茶碗に大盛だったご飯は一瞬で口の中に放り込まれて、大きく頬を膨らませて咀嚼してる。
 そしてそんな鬼と目が合う小頭。そしたらなんとその口の両端の口角を上げて、にやーとしてきた。まるで得意げに「やってやったぞ」みたいな……そんな表情だった。
 
「何ぽけーとしてるのよ小頭。今日も二人で知り合った子と遊ぶんじゃないの? 急がないと遅れるわよ」
「はっ!?」
 
 その母親の言葉で思い出した。確かに今日も幾代との約束がある。でも……だ。でも……二人で、二人っきりで彼女との待ち合わせ場所でいくの? 絶対に間が持たない自信がある小頭だ。それに、こんな鬼と二人っきりなんて何されるかわかったものじゃない。今は普通に野々野足軽として大人しくしてる。でも、こいつは兄じゃない。兄じゃないのだ。他の人たちには足軽に見えてるようだけど、小頭にはそうは見えない。だから二人っきりなんてなんとしても嫌だった。

転生したらロボットの中でした(ただし、出ることはできません)盤上の迷宮航路にご招待 119

2024-11-25 19:46:46 | 日記
 強い……ただの二本の腕なのに、その強さは計り知れないものがあります。まさか攻撃の制御まで奪えるなんて……どこにそんな頭が? だって頭ないですよ? 頭がないのに考えて、理解して、こっちに対応して更にはこっちの動きを上回ってくるのです。
 それは頭がないと無理ではないでしょうか? 私はそう思います。ただ頑丈で強いだけじゃない。私達のことをよく見てるんです。目はないですけど。
 
「アイ君……このままじゃ」
「それ以上言わないでください。私だってこれは想定外です」
 
 勇者様とアイ様がそんなふうな会話をしてます。やっぱりお二人もあの存在の攻略には苦心してるようです。実際私ではお役に立ててない……どころか、足手まといです。一体何回勇者様に守ってもらったのか……私の代わりに勇者様がボロボロになってしまいます。
 それが心苦しくて……辛くて……私は徐々に積極的に攻撃できなくなっていきます。だって私の攻撃は意味をなしません。それなら、二人から距離を取って周囲の目玉のように観戦してたほうがいいのではないでしょうか? けどこの場から逃げ出す……というのも無理です。なにせ天井にくっついてた無数の目玉が私達の周囲にいるからです。
 戦闘の余波で何体も目玉たちは壊れてます。だって私や勇者様は近接攻撃を主体に戦ってますが、アイ様は遠距離攻撃をします。だから避けられたりしたら、勿論その攻撃は後方に行くわけで、そこにも勿論目玉は居ます。
 むしろ下の目玉の生産部分にはいかないように目玉たちは身を挺して守るほどです。
 
(私は……どうすれば……)
 
 私はもう時々ポニ子アーマーで作った聖剣のレプリカを振り回す程度になってます。それもヒットアンドアウェイです。むしろヒットしなくても一旦離れてます。追撃……ということができないです。
 だって通用しないのがわかってるからです。それに……勇者様でも、アイ様でもどうしようも無い敵……と思うと、恐怖がお腹からせり上がってくる感じがして、怖くなってしまいます。
 どれだけお二人に甘えてたんだってことですよね……私はお二人が居たから、安心して戦えてたんです。お二人は強いってわかってるから、お二人がいれば絶対に助けてくれる……それが心の余裕になってた。
 でも今の戦いではそれが期待できないから……私は恐怖を感じてあまつさえ逃げ道を探してしまう。
 
(私は……最低です)