「ちょちょちょっと待って。おばあちゃんの力は若返る力だよね? なんでその……物体がこんな姿になってるの?」
そこである。野々野足軽はさっきの話を信じるのは別にかまわないとおもってる。なにせ野々野足軽が使う様な超能力があるのである。ならば呪術とかそんなのがあってもおかしくない。実際大体のそういうのはただの思い込みを利用したインチキというか? そんなのだと足軽も思ってるが、全てがインチキだったとは流石に思ってない。なにせ人類の歴史はそこそこ長く、沢山の人がいたはずだ。そんな人類の歴史の中で特別な力に目覚めたのが足軽だけ……なんておもってない。
きっと「本物」は他にもあって、これはきっとその中の一つ……「本物」の一つなんだろう。けどこのサルたちの元……と思われる呪物は否定しない足軽だけど、それがサルになってる事だはよくわからない。おばあちゃんの力は若返りの筈。
(いや、若返りというのはそう思ってる可能性もあるけど。だって元に戻ってるわけで……となると、見た目を変化させる力……ともいえるんじゃないか?)
そんな事を足軽は考える。もしも本当に若返るだけの力なら、元に元ることが出来ないかもしれない。自分の力なのにそんな……とか思うが、そういう事は往々にして起こる。どれだけ速く走れる力を持った人も、速く走れるが、素早く止まれるわけじゃなかった。つまりはそういう事だ。本当に一方向……若返る力しかないのであれば、おばあちゃんは最初に若返った時点で固定されるはずだ。でもおばあちゃんの場合はそうじゃない。何度も今の姿に元って、そしてまた姿を変えることが出来てるのだ。つまりは……
「おばあちゃんのその力は、若返りじゃない?」
「え? そうなの?」
ずごーーーーー! である。おばあちゃんの力なんだからそこは理解しててほしかった足軽だ。てか若返る力だけと思ってるなら、本当になんでそいつらサルになってるんだよという事である。何をおばあちゃんはやったというのか……
「えっとそいつらをその姿にしたのはおばあちゃん……で、いいんだよね?」
「そうね、それは否定しないわ」
「なら、やっぱりおばあちゃんの力は若返りというか、姿を変化をさせる事じゃないの?」
「でもこの子たち今は私の力を消費してないわ」
「え? いや……」
そういえばである。足軽はおばあちゃんの言葉を受けて改めてサルたちをみる。すると、明らかにおばあちゃんの力とは違ってる。このサルたちがおばあちゃんの力でこの姿になってるのなら、纏ってるのはおばあちゃんの力であるべきだ。足軽はそう思う。けど、違う。こいつらはおばあちゃんの力でこの姿を維持してるわけじゃないようだ。
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