日々是迷走中

まったく同じ名前のブログがあるけど、gooのがあたしの。
自称永遠の八歳。
ただし他称、宇宙人。

九月怪談

2019-09-04 06:31:06 | 
八月の末。
暑い日が続いていた。

三階の猫たちの世話をしていて、ふと、ちびくろの姿が見えない、と気づいて、声を張った。

ちびくろ~~~!?ちびくろさんや~い!!

ふらり、というふうに、部屋の奥の方から顔だけを見せたのだが、えさ場に近寄らない。
あ、混み合ってるからね、落ち着いた頃合いに食べたらいいよ。

なんとなく感じた違和感は、足下の猫たちの大騒ぎにまぎれて、消えていった。


階下に降りて、外に出たら。
庭先から猫の声が呼びかけてくる。

おや、ずいぶんとなつっこい猫さんだね、と見たら、見覚えがある顔なのだが、思い出せない。
一瞬、どっかの窓から脱走したのか?と思ったが、若い子だ。(うちのはみんな、大人猫。)
生後半年~八ヶ月くらい、か?とら縞さん、かわいらしい丸顔で、くりくりお目々。

  とらちゃん、だね。ご飯、食べるかい?

と声をかけたら、すすす、と近寄ってくる。
手をさしのべたら、立ち止まっている。
ま、そう簡単には、なつかないやねぇ。と思いながら、外猫用の食器にパウチを分けてあげた。
警戒しているようなので、離れて様子を見た。

すすす、と食器に寄ってきて、慣れた感じにはぐはぐ食べる。
飼い猫さんかな?
と思いながら、三階から下ろした食器類を洗いに、家に入った。

翌日。
また、三階で食事時、ちびくろが見えない。
呼べば顔を見せるけど、近寄ってこない。
忙しさにかまけて、そのうち食べるだろう、と思っていた。
置きえさが、あまり減らないのも、暑さのせいだと思っていた。

階下に出たら、また庭先で、前日と同じ猫さんが呼ぶ。
同じように食事させながら、声をかけた。

  あなたは、どっかで見た気がするんだけど、うちの子たちに似てるだけ、なのかもね。
  誰かと血がつながってたりして、ね。ほんと、似てる。

猫は、ちょっと顔をこっちに向けたが、またすぐ、食器に顔を突っ込んではぐはぐ食べていた。
野良さんのように「がっついた」食べ方でない。安心して食べている風に見えているが、触れる距離までは来ない。
気にはなるが、忙しいので、また、食べているのを確認しただけで離れた。


さらに翌日。
同じことが三度続いて。
ちびくろさん、あんた、ちゃんと食べてる?
と声をかけたが、なんとなく、影が薄い感じがして。
猫の性というか、追うと逃げるものだから、声がけだけにしていて。

階下に出たら、またぞろ、若い猫さんが呼びかけてくる。
玄関先の鍵を開けて、そこにいたクロさんとジジさんに挨拶していたら、すすす、と若い猫さんが寄ってきて、挨拶を交わしている。
おやまぁ、外猫さんには厳しいジジさんまで、優しいそぶりで、あんたら知り合いかい?なぞと声をかけて。

でも、あたしの足下には寄らないんだよね、仮名とらちゃんは。

ご飯をあげながら、声をかけた。

  わかった!!
  あんた、ちびくろに似てるんだ!!
  道理で、見たことある、と思ったわ~^^

十数年前の、愛らしい子猫時代を、ふいに思い出した。
ほ乳瓶でミルクをあげた。ジュッジュジュッジュ、上手に飲んだ。
すくすく育って、兄弟で転げ回って遊んでた、甘えて背中に駆け上ったりおもちゃで遊んだり。
眠くなるといっつも、あたしの膝の上でころんころんしてた。
あんなこと、こんなこと、懐かしくてうれしくて、涙が出た。


また翌日。九月になった、夜。

三階で、またちびくろが見えない。
声をかけても、出てこない。
どっかに隠れたみんみんを探していたら、一番奥のサイドボードの下、絨毯の上に、ちびくろが横たわっていた。

あ。。。。

と手を伸ばしたら、もう亡くなっていた、のだが。




昨日今日に死んだのでない、と手触りでわかった。
少なくとも三日四日は経っている。
でも、毎日顔を見せてくれていたよ?なんで?なんで????
この場所だって、毎日みんみんを探して、のぞき込んでいたよ?
何も無かったよ???


泣きながら階下に出たら。

庭先のとらちゃんは、・・・・・・・居なかった。
それきり。
今日も、とらちゃんは来ない。

もしかして。。。か、な??

まさか、ね~~~~~~~。

2 コメント

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Unknown (鳶助)
2019-09-05 03:18:01
ちびくろちゃん、残念だったねー (T_T)
そうだったかも知れないし、偶然かも知れないし~ (^^;
虫の知らせとかもあるから、とらちゃん使ったかな?
まあ、なんか「あれ?」って思ったら、「後で食べてね」じゃなくて、今度から見に行こ!
後悔するより、いいんじゃない?

ちびくろちゃん、お母さんにちゃんと伝わったから …… 安らかにね!
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鳶助さん、こんにちは^^ (otikomi)
2019-09-05 15:16:22
うん。。。。ありがと。(TT)
もう、ね、三年ほど前から、薄くなってて、ね。
気むずかしくて、あたしの足下にすり寄っては、甘えてくれるんだけど。
ついでに、ほかの誰にでも、特大シャー、かましてくれちゃって。
一人っ子にしてあげたかったけど、それも難しくて、つい。

最後の辺り、食欲がなくて、のことだった、みたい。死んだのは一日なんだな、と納得した。
外のとらちゃんは、ゆんべ、来たんだよね。安心した。

たくさん保護していると、ね、やっぱり、ご飯と水、トイレの世話、くらいしか、面倒みられなくて。
これでも睡眠時間は削ってるし、休みもたま~に、だけど(年に一回か二回は、半日くらいの小さな旅はするんだよ、昨日、パパさんが、なぐさめのつもりか、誘ってくれた)
やっぱり、難しいよね。。。。かといって、家に入れてあげてない子は、一ヶ月以内~一年以内に死んでるし。。。。
どうしたらよかんべ。
育てるのが難しい子は産ませない、っての、飼い主さんたちが徹底してくれないと、無理っす。。。
元からのノラさんは、けっこう生き方の指導とかしてるみたいで、それなり、生きている。
飼い猫の子どもっぽい子たちが、交通事故とかで死んでいくよ。
捨てたら、殺すのと一緒だよ、って、何度言っても、聞いてくれない。。。
農家ではモグラ退治に毒をまいたりする人たちがあって、それで死ぬ子も、けっこう居る。
野生の生き物対策に罠を仕掛けてて、それで引っかかって死んじゃう子だって、いる。
家庭育ちの子から生まれた子は、警戒心が薄いぶん、拾われたらなつくけど、拾ってもらえなかったら、死へ一直線、だよ。
やりきれない。けど、自分の無力さに、胸が痛い。
道路とか山で死骸を片付けながら、くそっ!!くそっ!!!って、泣くこともある。
あ。これ書いてたら、コメント欄で済まないわ。やめ。ごめんよ。^^;;
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