十一月に入って 書き足しあり

朝目覚めたら、昨日よりほんの少しだけ空気が暖かかった。
布団の中で伸びをしながら、先月末近くお向かいのお兄さんからあけびをいただいたので、もと隣人に届けに行ったこと、思い出す。
今は介護施設に入居してらっしゃるので、受付に会いたい由届け出たら、コロナの後、今でも面会はできない、のだそうで。

　　いつも、亡くなった旦那様の仏前にあけびをお供えしてらしたから、今年も、と思っただけですので、渡していただけましたら。

はい、了解しました、と、受け取ってくださったのだけれど。
くだんの彼女からは「届いた」由の電話もメールも来ないよ。ま、いいんだけどさ。
パパさんに言ったら

施設とかは、面会だけでなく食べ物の差し入れも、止めているのかもしれないよ。

ですと。
それならそうと、言ってくれたらいいのにね、と答えながら、もはや今時は、お仏壇とかも拝んでないのかなぁ、などと不埒な妄想。
楽しそうですよ、とか、お元気ですよ、とか、よその方からの口伝えで聞くだけで、現状はわからない。
亡父が、あたしが息子の結婚式に出席するために上京する数日だけお預かりさせていただいた施設で、なじめなくて無口になって、どんどん消耗したこと、思い出した。
復活するのに、しばらくかかったよね。
人間（あるいはペット）と親しく接触し続けてないと、ボケるのが年寄りなんだもん。
もしかしたら、あけびなんかもらっても理解できない（年に一回のイベントだから）、とか、携帯をいじれない、とかも・・・、あるのかもしれない。

わっかんない、よなぁ。妄想は、もうよそう。

話はかわって。
もう一週間になるが、もと仲良しだった方の飼い猫ちゃんが亡くなった。
　もと、って、言い方がなにだけど、メルアド入ってるパソコンが壊れてプロに頼んだけど回復できなかったので、いまだに連絡不能だから。。。
本当に本当に大事にしてらしたもん、ね。
その飼い主の方が、がんになって、入院からの手術と言われて。
あたしは、自分が真冬さなかに救急車で運ばれて手術＆長期入院になった経験から、飼い猫ちゃんのことも飼い主のこともいらなく案じてしまって

　　新しい飼い主さんを探してあげたら？

などと言ってしまった。飼い主本人も飼い猫ちゃんにも、生きてほしかった。
保護猫は、良い里親さんを探すのに時間がかかる。
自分の飼い猫は、あたしのいきなりの入院中に死んだのだよ。・・・までは、縁起でもなくて言えなかった。
　いとしいいとしい、あたしのピリカは、もう帰ってこない。
　里親募集かけてたら、どこかで生きてくれてたかも、と、深い後悔の念が今もあたしを責め続ける。

でも、飼い主さんは激怒した。軽い気持ちで他人（ひと）の猫の行く末を慮るな、と思ったのだろう。
瞬間、思い出したのは、今は亡いあたしの祖父と父との会話。

交通事故で死にかけて、何人もの医者からも見放された小学生のあたしの枕もとで、祖父が言ったそうだ。

　　かわいそうだが、もう、この子のことはあきらめるんだ（あきらめなさい）。

そうしたら、それまで一度も親に逆らったことがなかった孝行息子の父は、ものすごい剣幕で泣きながらくってかかったそうだ。

　　あきらめる？それ、どういうことだ！できるもんか！！

あたしは生き返って、しばらくして落ち着いてから、その話を聞いた。

それを、そっくりそのまま、飼い主さんの猫ちゃんへの愛情の深さ、と、瞬間に理解できて。
ずっと見守ってきた。
コメントとかしたら気に障るだろうと、できるかぎり何もせず。

幸いに、飼い主さん自身の手術はうまくいって、その後の経過も順調に進み。
年老いたにゃんちゃんも、何回も不調になりながら乗り越えて回復し続けてくれて。
ふたり（一人と一匹）の強いきずなを感じさせてくれたんだ。
立派に最後まで見届けてあげられて、よかったね。
飼い主さんの願いは、できるだけ苦しまないように、痛くないように、と。
陰ながら、あたしも祈ってた。
飼い主さんの願いを一緒に祈ってた人は、あたしだけでなく、大勢いると思う。
幸せな猫ちゃんだった。
素晴らしい猫生だったのだ、と、どこからどう見ても、思えるのだ。
よかった。

庭先に、にゃんこが集まってくる。
メンバーの入れ替えが時々ある。なかなかさわらせてくれない。
触れたら、抱っこできたら、保護して手術受けさせてあげられるのに、なかなかにむずかしいよ。
元からの猫ちゃんで、あたしが退院の時に出迎えてくれた子は、最近目にしていない。
外猫にとって、暑さも寒さも交通事情も危険がいっぱい。
どっかで飼い猫修行してくれてればいいなぁ、と思う。
その子の母親猫は保護して手術受けさせて、いまうちの家猫になってるけど、年に二回くらい、脱走するのよね。
餌袋を運びだそうとしてるあたしの足元をすり抜ける。
十分注意してるはずなのに、見計らって猛ダッシュで、戸口から走り出る。
餌袋は大きい（７キロ入り）ので、下を走ると見えないんだよ！んもう。

でもね。呼ぶとちゃんと戻ってくるのよ。
抱っこして、てこてこ歩いて家に戻すのよ。
外の空気を吸いたかった、だけなのね。だっこも、すきだもんね。
かわいいのよ。・・・・という、の・ろ・け。

黒夜は、元気いっぱいで、食欲旺盛。肩乗り、だっこ、鼻ちゅぅ、なでなでぐりぐり、全部好き。
あとから保護したブルー（黒猫だけど）の大きくなったことよ。
おだやかで、というよりのんびり屋で、少しとろい。
三階の猫たちは、食いしん坊。
三階は暖かいから、冬場は最高よ＾＾

ブログ友達の「雪割一華」さんとこで、陶芸作品、出してらっしゃるの。すごく素敵なの。
じつはあたし、若いころ陶芸にはまった、ことがあるの。
でも、子供が小さくて、置いて歩けないので一緒に教室に連れていってました。
介護してた祖父が亡くなって、少し時間ができたから、頑張って学んでました。
小さい子供は泥遊びが好きだから最初の頃はうまくいってた、んだけど。
ある日、子供がよろめいて、とっさにそこらの板につかまって。
でも支えきれなくて板と一緒に転んだのね。
そしたら、その板の上には、生徒さんたちの作品群が乾かしてあったの。
んで、半分以上が壊れてしまって、皆様、いいよいいよ、っておっしゃったけど、作品って一期一会だから。
生だったらまだ作り直しがきいたけど、ほぼ乾いてたものだったから、どうしようもなくて。
申し訳なくて、子供がもう少し大きくなるまで、と、しばらく休ませていただいた、のでした。
その後、今度は父が倒れて、長い長い介護生活が始まって。
その幼子が成長してがっこに入り、進学し、大学出て就職しても、介護はずぅっと終わらなかった。
そのうち、母が亡くなり、父も続き、さらに大震災があって、おまけに水害（床上浸水）にも二度見舞われて、
自身の重複ガンも発覚し、手術、治療などなど続いて。
そうこうの間に陶芸の先生は亡くなってたし、お仲間もほとんど鬼籍に入ってた。
ということで。
陶芸は、いまはかなわぬ夢に終わってしまった、のでした。
雪割一華さんの素晴らしい作品を見せていただいてて、様々な想いに、涙が出た。

と。
想い出はさまざまに浮かんでは消え、漂っていきます。秋の憂い、ですかしらん、ね。

さ、掃除でも始めるか。
今月も元気で頑張るのだ。
皆様も、風邪などひかれませぬよう、ご注意めされよ。＾＾