大阪芸大ジャーナリズム研究会

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芸大生も多数出演、短編演劇祭「ぱくっと!2024」 1月27日(土)、28日(日)大阪・旭区で

2024-01-11 21:29:18 | 告知記事

 15分の短い時間で、ぱくっと気軽に演劇を楽しめるイベント「ぱくっと!2024」が、1月27日(土)と28日(日)に大阪市旭区の大阪市立芸術創造館で開かれます。大阪芸大生や芸短大生など、芸大関連の役者が所属する劇団は5団体が参加します。チケット応募はhttps://www.confetti-web.com/detail.php?tid=75930&から、全席指定。<大坪千成>

(画像:「ぱくっと!2024」ポスター。公式X<旧Twitter>アカウントから)

 

 演劇祭「ぱくっと!」は今年で2回目の開催で、公募で選ばれた20団体が短編作品を上演するものです。コロナ禍で活躍の機会が減ったアーティストの支援事業として、発表、プロモーション、スキルアップの3つの面から支援するために始まりました。

 15分という短い時間で行われることについて、大阪市立芸術創造館の演劇祭担当者は、「自分たちの魅力や、見せたいテーマに関してはダイレクトに、短い時間の中で発信する傾向があると思う」と評します。

 参加する20団体については、「若手に関しては活動歴が短い中でも、ぱっくと!以外にも出演できる機会を見つけてチャレンジするところが多く、アグレッシブ。その勢いが成長につながるので楽しみ。ベテラン勢でも新しい試みに挑戦していることがわかる」と期待していました。

 

 今回は大阪芸大生が参加する劇団やユニット5団体が出演します。あらすじや見どころを聞きました。

 

①劇団アンゴラ・ステーキ

作・演出:中村圭吾(なかむら・けいご)  関西学院大学2年
出演  :熊谷帆夏(くまがい・ほなつ) 大阪芸術大学3年
     佐藤大夢(さとう・だいむ)   大阪芸術大学3年
     上田鈴夏(うえだ・りんか)   大阪芸術大学3年
     大島深幸(おおしま・みゆき) 関西学院大学3年
     坂下夏菜(さかした・かな)   大阪芸術大学3年
     波佐間凜(はざま・りん)    大阪芸術大学3年
     

▼あらすじ
 いわゆる「賛成派」であるパム・ウェクスラー氏は、全身になんとも言えぬ痒みを感じ、気づけば身体は手術台に乗っていた。頭蓋を電ノコで開かれたと思えば、クリニックの待合室では足にカイワレの生えた看護師が溶けていて... キャラクターの「自身を取り巻く状況に対する葛藤」のみならず、「物語をいかに推し進めるのか」という生きる世界の構造に対する葛藤をご覧頂きます。

▼劇団の特徴
 劇団アンゴラ・ステーキは、近代にて大量生産/大量消費されるカルチャーに対抗する「ノーウェイヴ」なテーマ性と、ナンセンスな笑いを帯びた会話劇を作るように心がけています。「SNSにて増殖する単調な宣伝文句」や、「感情移入を強いる利己的なストーリー」に飽き飽きなお客様に向けて... なんて謳いつつも、「わからなくても面白い、わかったらより面白い」演劇を作っています。

▼15分の工夫
 超ネタバレになるので詳らかには言えませんが「15分しかない」という観客の意識を利用して、「15分で出来ないこと」をやってみました。 私たちの身体に通う時間的感覚と申しましょうか、そういう神経は少しの「ズレ」であれば脳が埋めてくれるのが人間の便利なところです。しかし、演劇を通して「ズレ」を俯瞰して見れば、おや?辻褄が合わない!私たちの身体に通う神経への信頼度が下がる体験をお届けします。

▼来場者へのメッセージ
 滅茶苦茶なあらすじですが、事実でございます。この劇をご覧になった後には、なんだそうだったのか、というふうに思っていただければ幸いです。そして、「そうだったのか状態」のまま2024年上演予定の新作公演『THE CREEP SHOW』に足を運んでいただけると、もっと幸いです。どうぞご贔屓によろしくお願いいたします。

 

②ベイビー、ラン

作・演出:田中陽太(たなか・ひなた)
  出演:安堂天姫(あんどう・あまね)
     和泉彩葉(いずみ・いろは)
     木戸あい(きど・あい)
     原口はじめ(はらぐち・はじめ)
     申廉(しんれん)
※全員、大阪芸術大学舞台芸術学科3年。本劇団は田中陽太の個人ユニット。出演者は客演での参加。

 

▼あらすじ
 ある国。中小企業で工員として働くリシチカ。心の支えであった友人を亡くし、これからの人生に絶望していた。ある日、空から降ってきた天使「ライカ」と出会ったリシチカは、その天使を自身のアパートに匿う。天使に夢中になった男の人生が、徐々に狂い始めていく物語「ライカ・イン・ザ・スプートニク」 ——————その終演後。カーテンコールから舞台は始まる。

▼劇団の特徴
 私の作品の特徴は、「物語の世界」と「現実の世界」が舞台の上で揺れ動いているところです。ベイビー、ランの役者たちは「自分自身」という役を演じ、日常的な声量と身体で舞台に立ちます。すると観客には、その役者たちが「登場人物」とも「役者本人」とも見える、不思議な存在として映ります。そんな役者たちの言葉や身体の在り方には、他の演劇ではあまり見られない面白さがあると思っています。

▼15分の工夫
 役者の「言葉や身体のたどたどしさ」を、いかに残していくかに気をつけました。15分で舞台を創っていると、何度も繰り返し練習することになります。すると台詞の掛け合いや身振りがスマートになっていき、劇にとって無駄な要素が無くなっていきます。しかし私は、その無駄な部分も作品の一部として残したいと思っています。役者たちと作品についての理解を深めながら、「いかに洗練されていない様をキープしていくか」を意識しました。

▼来場者へのメッセージ
 この作品「ライカ・イン・ザ・スプートニク」は、観劇が好きな人は勿論、初めて演劇を見る人・演劇に興味が無い人にも面白いと思って貰えるような作品になったと自負しております。役者が役者そのものとして舞台の上にいることで、観客と役者が直接繋がれるような、そんな喜びを体験できるかと思います。是非劇場まで足を運んで下さいますよう、よろしくお願いいたします。

 

③劇団カチコミ

作・演出:長野・アントニー・コルッツォ   近畿大学
  出演:玉井・セルゲイ・アレクサンドル  大阪芸術大学
     山田・ハバロッティ・コルレオーネ 近畿大学
     生田・ビンディ・アブドゥルラザク 摂南大学
     片山・権之助・2号機       大阪芸術大学
     田原・フランシーズ・マリー    近畿大学

▼あらすじ
 ワテは大阪人やさかいに、2度、3度やり直せっちゅうのが大嫌いなんやっ!今かてチャリンコ飛ばしながら朝飯食うて髭まで剃っとる!せっかちの代名詞は伊達やあらへんでぇっ!まぁおまはんが寄越してくれたこの3万え...やなくて取材の機会!に免じて答えたるさかいに、耳かっぽじってよぉ聞いとけよ!
 ええか!ボクシングちゅうたかてただの喧嘩やない!ドラマにおいて肝心なのはキャラクターの葛藤、そこを描いとるんが見どころや。特に今回の喧嘩は大変やでぇ!なんせ米国輸入の大手ボクシングジムが日本の片田舎のちっこいジム買収する言うてきたんや。もちろん日本側は反対、欲しいんなら試合組めぇ言い返したったんや。...そんな嫌ならその金使て新しいジム作ったらええのに...とか言うたらあかんでぇ!物語終わってまうがな!それにな、世の中なんでも金で動くわけちゃう。特にこのジムの会長の親父は典型的な例やさかい。選手もおらんのに試合受けて、挙句にジムは倒産寸前。日本側のジム内の空気は最悪や!そこに現れた男が...コイツが屁撒き散らして大立ち回りする。続き(※本当です)は劇場来てその目で確かめてやぁ!!ほなワテは忙しいさかいに、ばいなら!...なんやお巡りさん。えぇ?片手運転?片手運転の何が悪い、ワテは今髭剃っとるさかいに...条例違反!?舐めたこと抜かしとんちゃ...

大阪出身劇団営業マンより。
(原文をそのまま掲載しています)

▼劇団の特徴
 カチコミの製作陣は普段演劇を専門に活動しとらん。従来の演劇とは違うじゃけぇ、エエ意味で「演劇らしさが無い」のが特徴や。実際によぉ、「カメラワーク演劇」「ハリウッド映画のよう」「シネマイムが応用されている」って言われちょる。実際、普段のシノギは映像やったり漫才やったり楽器鳴らしたり色々じゃ。
 見どころ言うたら、やっぱり再現性が求められる演技という分野に置いて格闘技っちゅう再現性の難しいもん取り入れたことかのぉ...。まぁどっちも「生」っちゅうことには変わり無いけどのぉ。まったくドスの聞いたる良い兄貴(作品)じゃけん。歯無くなるまで殴りあっちゃる、よぉ見とけぇよぉ。なっ!誰じゃお前!ぐ!グググ...あぁ。くっそ...先にあっち行っとります。親父によろしゅうたのんま...

広島出身劇団構成員より。

▼15分の工夫
 これでも、うっとら全国3位・この頃は関西演劇祭さんにも評価されて多方面のお兄い様、お姉え様に世話なっ取りますさかいに、下手なことはできません。 (奥ゆかしさを感じずにはいられない三味線の音色)えろお気いつけましたんわ、取捨選択どす。生花とおんなじで、無駄があると(ジョキ)綺麗にならへんどすさかい...。まぁ、うっとこは普段、漫才の構成もやっとります。漫才言うたら...こんぷら♪ふね♪ふね♪(※恐らく漫才におけるフリ・ボケ・ツッコミをお座敷遊びで表している。)で基本的には笑いとっていきますさかい、お芝居の笑いとは手数も速度も違うどす。その技をぎょーさん盛り込んどりますさかいに、はんなりした内容にはなったんとおます。後は、いつも通りロサンゼルス仕込みのフックのある構成どすさかいに、見るなりすぐ引き込まれると思うでごわす! ほいなら、どうぞおたの申します。

京都出身劇団員舞妓はんより。

▼来場者へのメッセージ
 「Back into the stone age!」

在米カチコミ大使館員より

 

 

 他にも、参加団体の「劇団 竜人世界」などにも、大阪芸大関連の人が参加しています。

 「一堂に20組が集まると座組の数だけ作り方があることがわかる」と演劇祭の担当者は話していて、「バラエティー豊かな大阪の舞台芸術の、いろんな演劇に出会いに来てください」と呼びかけていました。

 また別日には、舞台技術や演技、演出などについて考える特別講座や、本演劇祭の感想や今の演劇の状況を話す会などといった、アート相談窓口「なにそうだん」との連携企画も行われます。

 

《ぱくっと!2024 パフォーミングアーツ&コンテンポラリーシアター大阪2024》

●日時=2024年
1月27日(土)
【Aブロック】13:00〜。
【Bブロック】17:00〜。
1月28日(日)
【Cブロック】11:45。
【Dブロック】15:30〜。
※受付は各ブロック開演の40分前。開場は開演の20分前。各ブロックの上演時間は約95分を予定。
●場所=大阪市立芸術創造館3階 大練習室(大阪市旭区中宮1-11-14)【地図】。
●参加団体=
【Aブロック】▽後付け、▽演劇集団シアターライズ、▽演劇unit青空ソーダ、▽劇団 竜人世界、▽プラズマみかん
【Bブロック】▽青コン企画(仮)、▽演劇強制収容所旦煙草吸、▽kusukusu on parade、▽劇団アンゴラ・ステーキ、▽ベイビー、ラン
【Cブロック】▽Ahwooo、▽劇団カチコミ、▽劇団逃避行、▽tarinainanika、▽よるべ
【Dブロック】▽架空カンパニーあしもと、▽カムパネルラ、▽劇団ステイメン、▽超人予備校、▽ロシュフォール姉妹
●料金=前売2500円、当日3000円。※全席指定。※未就学児入場不可。※車いすでの来場、観劇、障がいを持つ人、妊娠中の人など不安がある場合は事前に芸術情報館まで連絡のうえ予約を(優先スペースあり)。
●チケット=観劇ポータルサイト:カンフェティ(https://www.confetti-web.com/detail.php?tid=75930&)から。※「カンフェティ」及び「GETTIIS」への会員登録が必要。※セブンイレブンへの発行手数料が必要。
または、電話、FAX、来館して予約(当日精算)。※座席指定不可。※予約時に参加団体名が表記されたチケット一覧が表示される。応援する団体がある場合は団体名入りのチケットを選択。特にない場合は無記名のチケットを選択。
●問い合わせ=電話(06−6955−1066)、FAX(06−6955−7901)、開館時間:10:00〜22:30。
●アクセス=▽大阪メトロ谷町線「千林大宮」駅から徒歩10分。▽京阪本線「森小路」駅から徒歩10分。▽JRおおさか東線「城北公園通」駅から徒歩15分。▽大阪駅前より大阪シティバス83号線系統「花博記念公園北口」行き、または78号系統「守口車庫前」行き約30分「旭区役所」下車すぐ。
●公式サイト=https://www.pacto.jp/index.html
●特別講座=申し込みフォーム(https://pacto2024lecture.peatix.com

 ▽照明プランの考え方〜演出家とのコミュニケーションを通して〜(1/15)
 ▽演出家のための演出ワークショップ(1/16,18両日参加必須)
 ▽俳優による演劇ワークショップ(1/16)
 ▽演劇ワークショップの作り方〜演劇の可能性を探ってみる〜(1/17,18両日参加必須)。
 ▽自由研究好き、集まれ!自由研究交換会(1/17,22両日参加必須)
 ▽なにそうだんのノンクロン、ぱくっと!と。(1/27,28)
●ワークショップ=申し込みフォーム(https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSeVBBGykRemE0TvXnmuhIhtbrN-bb9c-4Lk7tsNHpk2OFWufQ/viewform
全て開催は2024年2月12日。
 ▽演じるわたしを楽しもう!演劇ワークショップ
 ▽生活道具でつくる「効果音」
 ▽台本なんて必要ない!?台本無しの劇団カチコミが教える簡単♪即席演技術
 ▽身体言語のいろは〜カラダで伝えるメッセージ〜
 ▽会話劇をやってみよう!
●主催=大阪市/企画制作:アクティオ株式会社(大阪市立芸術創造館指定管理者)。

【訂正】
ワークショップの開催日程を2月17日と記載していましたが、正しくは「2月12日」でした。お詫びして訂正いたします。(2024年1月14日21:20 編集部)

 



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