大阪芸大ジャーナリズム研究会

ツイッター @oua_journal
メール oua_journal@goo.jp

左海さんが市民・学生・自治体部門で「優秀賞」 「地方の時代」映像祭

2024-11-09 16:03:16 | ニュース

 11月9日、第44回「地方の時代」映像祭の贈賞式が吹田市の関大千里山キャンパスで行われました。市民・学生・自治体部門では、母と向き合った左海一花さん(大阪芸大放送学科4年)の作品が「優秀賞」を、ため池水害に警鐘を鳴らした大坪千成さん(同学科今春卒)の作品は「奨励賞」を受賞しました。グランプリには、放送局部門の名古屋テレビ放送『掌で空は隠せない~1926木本事件~』が選ばれました。<取材班:神農 雄、上村りさ、狭間 翼、森下菜穂、北垣内 隆一>


(写真:第44回「地方の時代」映像祭の贈賞式 2024年11月9日午後、吹田市の関大千里山キャンパス第3学舎で)

 「地方の時代」映像祭は、地方文化を映し出した映像作品を対象としたコンクールで、1980年から始まりました。現在は、吹田市、関西大学、日本放送協会、日本民間放送連盟、日本ケーブルテレビ連盟が主催し開かれています。

 コンクールは4部門に分かれていて、今年は、放送局部門144作品、ケーブルテレビ部門58作品、市民・学生・自治体部門80作品、高校生(中学生)部門38作品がエントリー。大阪芸大放送学科4年広告コースの左海一花さんの作品と、同アナウンスコースを今春卒業した大坪千成さんの作品は、9月17日、市民・学生・自治体部門で入賞が公表されていました。

 11月9日、吹田市の関西大学千里山キャンパスで行われた第44回「地方の時代」映像祭の贈賞式は、関大・高橋智幸学長の開会宣言で始まりました。
 入賞者をはじめ、各放送局の関係者も多く詰めかけ、作品に込めた思いを伝えあう和やかな雰囲気で式は進行。グランプリには、放送局部門の名古屋テレビ放送が制作した『メ~テレドキュメント 掌で空は隠せない ~1926木本事件~』が選ばれました。

 市民・学生・自治体部門の発表では、左海さんの『母について』が「優秀賞」を、大坪さんの『身近に迫るため池水害 51人犠牲 鳥取池の教訓』は「奨励賞」を受賞しました。


(写真:壇上でスピーチする左海一花さん 2024年11月9日午後)

 黄色いワンピースにグレーのジャケットでステージに登壇し、笑顔でトロフィーを受け取った左海さんは、「今まで避けていた母の深い心情に迫ることができました。先生、先輩に支えてもらい、家族と向き合う機会になりました。ありがとうございました」とあいさつ。
 ダークスーツに青いネクタイの大坪さんは、引き締まった表情で表彰状を受け取り、会場から拍手が送られました。

 左海さんの『母について』は、自ら命を断とうとした母親へのインタビューから、精神的に悩む当事者に対して、家族や社会は何ができるのか、見る人に問いかける内容です。
 左海さんは、「放送学科出身で副手だった安部陽さん(2020年フューチャーデザイン賞受賞)の背中を追っていたので、同じ舞台に立つことができ光栄に思います」と話しました。その上で、「目に見えない障害を持っている人は身近にいるかもしれないということ。いると知った時には周りはどのようにすればいいのか、この作品を通じて一緒に考えてほしいです」と、ジャーナリズム研究会のインタビューに真剣な面持ちで答えました。


(写真:壇上で賞状を受け取る大坪千成さん 2024年11月9日午後)


 大坪さんの作品『身近に迫るため池水害 51人犠牲 鳥取池の教訓』は、地元・大阪府民のあいだでもほとんど忘れられていた、1952年(昭和27年)のため池決壊をテーマにしたドキュメンタリー。家族を失った女性の証言を丹念に取材し、全国有数のため池密集地の大阪府南部に潜む、「ため池水害」の危険性を指摘しました。
 大坪さんは、「制作にあたって、協力していただいた方々へこれからの展望を交えつつ、どのように情報を引き出していくのかを工夫しました。生活する上で必要なため池の意外な危険性を理解している方は少ないと思うので、普段からどのように意識すれば命を守れるのか、作品を通じて考えて欲しいです」と応じました。

 第44回「地方の時代」映像祭は、11月15日(金)まで開催され、入賞作品は会場で上映されます。
 左海さんの作品は11月10日(日)12時30分から、大坪さんの作品は同日15時05分から、関西大学100周年記念館第1会議室で上映されます。

《市民・学生・自治体部門 入賞作品》
▽優秀賞
『母について』 大阪芸術大学放送学科 左海一花
『線を越えて』 「線を越えて」制作チーム(東海大学)
『全盲の空手家 〜父を見て感じるもの〜』 沖縄大学 古波藏好太郎
『あなたが私のパパですか?』 太田あきの
『まつぼっくりと牛丼』 中野美子(上智大学 水島ゼミ)
▽奨励賞
『家族のかたち~母と僕と、初めての父~』 関西大学社会学部齊藤ゼミ 松田真毅・杉岡泰斗
『弱みが強み』 関西大学社会学部齊藤ゼミ 飯山秋桜・山本真生
『あるけあるけ 浪江町、未来への歩み』 慶應義塾大学メディアコミュニケーション研究所 福島班
『あしたよなあ-不時着した特攻隊員-』 中央大学国際情報学部 松野良一ゼミ 田畑美徳
『花のまちづくり』 山田裕一郎(Yahoo!ニュース ドキュメンタリー)
『身近に迫るため池水害 51人犠牲 鳥取池の教訓』 大阪芸術大学放送学科 大坪千成

《第44回「地方の時代」映像祭2024》
●日時=11月9日(土)から11月15日(金)。
●場所=関西大学 千里山キャンパス 吹田市山手町3丁目3番35号[地図]。
●主催=吹田市、関西大学、日本放送協会、日本民間放送連盟、日本ケーブルテレビ連盟。
●「地方の時代」映像祭 公式サイト= https://www.chihounojidai.jp/guide/ 。
●問い合わせ=電話 06-4256-8485。


初日は大雨で一部イベント中止も 2日目は秋晴れでにぎわった第60回学園祭【動画ニュース】

2024-11-07 10:18:25 | ニュース

 

 大阪芸大学園祭が11月2日と3日に行われました。今年のテーマは『Laugh Sketch』。初日は昼過ぎに台風崩れの前線の通過で土砂降りとなり、屋外のイベントが中止されましたが、2日目は秋晴れのもと、模擬店も営業を再開。お笑い芸人の「ななまがり」の2人をゲストに迎えたライブなどで賑わいました。<長田恭一>

 今年は、一般企画の模擬店・イベントに約60団体が参加。初日の2日は今にも雨が降りそうな曇り空のもと、開場間際には入場を待つ人で列ができていました。


(写真:入場を待つ人々。)

 昼過ぎには本降りとなり、ずぶ濡れで接客を行う模擬店もありました。
 14時を回る頃には台風崩れの前線の通過で雨足が強くなり、14時30分までには、実行委員会が屋外でのイベントの中止を決定。模擬店の担当者はテントの足を縮めるなど営業を取りやめ、第二食堂の「てづくり横丁」や、総合体育館2階の第1アリーナの「Main Stage」など、屋内のイベントのみとなりました。


(写真:学祭1日目14時頃。)

 3日は、前日とうってかわって、秋晴れとなり、天の川通りの模擬店も営業を再開しました。
 12時を回る頃には、天の川通りのテントの前には人だかりができ、人が前に進めない状況になるところもありました。模擬店のなかには食材の追加調達をするため、近くのスーパーに買い出しをしに行く店もあり、大賑わいでした。


(写真:学祭2日目の様子。)

 15時からは、9号館前広場で前日に雨天のため中止となったゲーダイガーショーが行われ、多くの来場者が楽しんでいました。


(写真:学祭2日目のゲーダイガーショー。)

 『Main Stage』では、60回を記念して、大阪芸大の卒業生でお笑い芸人の「ななまがり」の2人をゲストに迎えた『Laugh Sketch ~大阪芸大×FM大阪! ラジラジ!コラボスペシャル』が開催されました。


松本セイジさんのイラスト壁画20号館に 学園祭を前にカラフルに完成

2024-11-07 10:11:19 | ニュース

 松本セイジさんによるミューラル(壁画)のライブペインティングが、10月24日から31日の8日間行われ、20号館ピロティ裏に新たに「ねずみのANDY」などがカラフルなパステルカラーで描かれました。<狭間 翼>


(写真:ライブペインティングを行う松本セイジさん)

 松本さんは大阪芸大美術学科出身で、卒業後はデザイナーとしてキャリアをスタートしました。ニューヨークで本格的にアーティスト活動を始め、これまでに東京、ニューヨーク、ロサンゼルスで個展やアートイベントで作品を発表しました。

 イラストには、松本さんが描くアート作品のキャラクター「ねずみのANDY」と共に、カラフルなパステルカラーで「EVERYONE IS DIFFERENT」と文字が大きく描かれていて、「みんなが同じではない。違いがあるからこそ良い」という松本さんから大阪芸大の学生に向けたメッセージが込められています。

 
(写真:完成したイラスト)

 20号館ピロティ裏には、実際に松本さんがイラストを描く様子にデザイン学科の学生が集まり釘付けになっていました。ライブペインティングを観た学生たちは、「シンプルながら1目見ただけで印象に残って(イラストに対して)愛着を持てます。小さい子から大人まで、たくさんの人に愛されるイラストだと思います」と嬉しそう。

 「大阪芸大での時間は、間違いなく今の自分を作っている大きな要素。またこの場所で絵を描けるのがうれしい」と松本さん。
 8日間かけて行われたライブペインティングは、31日に完成を迎え、松本さんは、「一週間描いてみてとても楽しかったです。学園祭などでいろんな方に(自分のイラストを)観てもらえる機会があってうれしいです」と笑顔を見せました。

(写真下:ライブペインティングを行う松本セイジさん)