被疑者が犯行を否認している場合,①黙秘する(何も又は一部を話さない),②弁解する(そこにいなかったとかやってない理由を言う)という対応が考えられる。
最近の刑事弁護に関する本だと,原則黙秘で,利益がある場合には必要な範囲で話すという対応を勧める本が多い気がする。そんなたくさん読んでないけど。
でも,弁護士と話をすると,②弁解させるという人もいる。
最近は,本の影響で,①という人が多い気がする。
でも,被疑者に黙秘するようアドバイスしても,黙秘を貫徹できる人は少ない。途中で証拠を突きつけられて言い逃れできないと諦めることもあるし,本当はやってましたと途中で認めることもある。
弁護士としても,短時間で黙秘のメリットを十分に理解してもらえるように説明するのは難しい。
個人的には,原則黙秘が良いと思う。
その理由は,本にも色々書いてあると思う。
個人的には,①弁護士や警察官などその道のプロが捕まるとおそらく例外なく黙秘する,②前に弁護人と被疑者の会話を被疑者から聞き出して調書を作られたことがあったが,大事な部分が省略されていた。捜査機関が見た重要なことしか書いてないから,調書は基本的に誤解を招きやすい不完全なものだからないほうが良い,とかが思いつく。
否認してれば原則黙秘だろうが,認め事件で黙秘する必要があるだろうか。
個人的にはあると思う。
捜査段階では証拠が見ることができない。
起訴された後に証拠が不十分だった場合,証拠が不十分だから無罪などといった主張をすることになるかもしれない。
ここからは黙秘できたかが重要だと思う。
黙秘できていた場合は,検察官の証拠の信用性を争えば足りる。
しかし,自白していた場合,任意性を争わない限り,証拠としては出てくる。信用性を争うだけだとあまり意味がないだろう。自白してしまえば自白調書は証拠として出てくる。
そうすると,補強法則の問題になる。
補強法則として補強の範囲や補強の程度は,裁判例はかなり緩く解釈しているものもあるので,裁判官の立証のハードルはかなり下がる。
結論としては,認め事件でも,自白してしまうと,補強法則により事実上立証のハードルが下がるので,後で証拠が不十分であることがわかっても,有罪になる可能性が高まる,のではないかと思う。
したがって,認め事件でも黙秘しておくことが重要だと思う。
最後に
ちゃんと調べて書いたわけではないので,間違ってるかもしれない。