ある自営業者がいます。
ここは、これまでに頑張って働いてきた成果として、およそ1400万円以上の貯金があります。
何人かの従業員を雇っていますが、その方々への支払いや取引先への支払いを済ませても、大体年間で数十万円貯金できる余裕があります。
でも、今年は不景気で、あまり売上が伸びず、予想していたよりも年間で15万円近くダウンしてしまいました。
株式会社として、出資者に対しての配当は一昨年は年間で44万円、さらに昨年は中途で20万円、また役員の方々に対しては厚遇してきました。
ですが、売上が思ったように上がらないので、従業員何人かに辞めていってもらわないといけないと考えました。
でも消費税は20万円以上、還付を受けています。……というか、消費税は支払っていません。
仕入れ税額控除、という仕組みで、支払わずに済んでいます。
15万円近い赤字でも、貯金の1%強、何もしないでも90年近くは生きながらえることができると思います。
なのに、従業員をどんどん首切りしようとしています。
それぞれ、生活があるのです。
食べていかなくてはいけませんし、住むところも必要でしょう。この寒空、着るものも要ります。
……俺に言わせたらやな、トヨタショックなんて「ふざけんな!!」やで、マジで。
上の例は、トヨタショックの報道を分かりやすく書き改めた(つもりの)もの。
かなり、はしょっとるけどな。
どう見てもおかしいやろ??
ことはトヨタだけではない、多くの大企業がどんどん「派遣切り」を行なっている。
あんなぁ、あんたらホンマにこの人らの気持ち分かってるんか??
生きるか死ぬかの問題やで!!マジで。
あんたらにとっては月々20万かそこらって言うたらやなぁ、まあ微々たるもんかもしれんけどやなぁ、
多くの一般庶民にとってはせやないねんでぇ。
逆の立場になったらどない思う??
……っちゅうか、なりようがないからイマジネーションも湧かへんし、せやからこそ平気でこんなムゴいことできんねやろな、全く。
問題になっている「派遣労働」、これは1985年に法成立したことによって始まった制度だが、
大きな転換点は、1999年にあると思う。
このときに、極めて限られた職種でしか認められていなかった派遣労働が、いろんな業種・職種に広がることを
よしとされた。
大きなダムも蟻の穴から決壊すると言うが、法成立が蟻の穴には違いない。
だが、転換点は1999年、さらに付加するならその後の小泉改革のもとで原則自由化してしまったことが、今の日本の貧困層の拡大を生む温床になったと思う。
やれ規制緩和だ、新自由主義だ、価格破壊だと……乱雑無秩序にしてしまったことのツケがこの有様だ。
自民党をぶっ壊す、と言って首相になったように思うが、ぶっ壊したのは自民党なんかじゃない、この日本だ。
派遣村や派遣切りの報道に際して、もっと切り詰めて貯金でもしておけば良かったんじゃないの、という声も聞かれないわけではない。
なるほど、それも一理ある。だがしかし、今問題になっている派遣村や派遣切り、この人たちが一体どんな賃金水準で働いていたか調べてみると……ビックリすると思う。
住み込みで会社の寮などにいた場合、寮費やら食費で差し引かれ、手取りはわずか10万円とかそれ以下。
これで貯蓄やらができる水準と言えるかどうか……疑問だ。
数は力、とはフランシス・ベーコンの言葉だが、これは派遣村に集った人数が多かったから大々的に報道され、話題にもなった。
一般企業、公務員を問わず、勤め人で苦しい思いをしている人って沢山いてるはず。
中小零細の商工業者や、農林水産業などの第一次産業従事者、大変な思いでいることと思う。
真面目に働く者が報われる世の中にしていかなくてはいけない、そう思った。