大地震の死者4万人超える=トルコ最悪の被害、救出も続く
この国にあるからこそ、まだ「救助」がなされる。ひとつ国境を越えると「敵対地域だから」と救助のない国もある。トルコに断絶を申し渡してきた国境を拓いた国もある。「火事と葬式は村八分」なんていう故事が日本にはあった。「国境の向こうは絶望しかない。子供たちは建物の生き埋めとなり親たちは何とかして救出しようと残骸を片付けている。数百人、数千人が生き埋めになったが、10人に1人でも救出できるか分からない」トルコとシリアの国境にあるハタイ県東部の検問所で12日朝にシリアから逃げてきたラブハンさん(40)は「地震で停電となり、食べ物も飲み物も足りなくなった。このままではみんな死ぬと思い国境を越えた」と語った。約20キロ離れたアルカマラから母親と妻、息子を連れてきたラブハンさんは「これからどうやって生きていけばいいか心配だ」と深いため息をついた。
中日春秋2023年2月15日 05時05分 (2月15日 05時06分更新)より
▼オスマン帝国で一九一五年に始まった少数民族アルメニア人迫害は知られる。犠牲者は百五十万人とも。アルメニアは「ジェノサイド(民族大量虐殺)」と位置付けるが、トルコは組織的な虐殺を否定し対立する
▼国交のない両国の国境が先日開かれ、大地震で被災したトルコにアルメニアから救援物資を運ぶトラック五台が入ったと通信社が伝えた。国境開通は閉鎖された一九九三年以来らしい。トルコ政府関係者は「アルメニアの人々の寛大な支援をいつまでも忘れない」とツイートした。対立があっても、危機の人々を救おうとする姿に胸を打たれる
天災に国境なし。一人でも多く生き残って欲しい。