ゲイリーマンのカミングアウト的思考

長年サラリーマンしながらLGBT活動。45歳にしてフリー。同性愛者らが自分らしく生きられる社会を地方から目指す。ミラー版

人権擁護委員さんがどう向き合えるか?

2010-08-25 01:06:02 | Weblog
性的マイノリティの講演の機会が増えていますが、先日は人権擁護委員さん向けで話してきました。

人権擁護委員とはこういった方々です
http://www.moj.go.jp/JINKEN/jinken18.html

委員は市町村長が「人格見識が高く、広く社会の実情に通じ、人権擁護について深い理解のある人」
を選んで議会の意見を聞いた上で法務局・地方法務局へ推薦、弁護士会及び人権擁護委員連合会に
意見を求めて検討した後で法務大臣が委嘱するのだそう。
http://www.moj.go.jp/JINKEN/jinken02_00007.html

人権啓発を先頭に立って推し進めていく役割のある人たちですし、人権相談を受ける人たち
地域に根ざす人権に関するエキスパートさんたちということになっているのです。

自分が性的マイノリティのテーマで人権擁護委員さんたちにお話しできるのは今年2回目。
振り返れば、一番最初は2007年に委員一部の皆さんへ講演したきりで進んでなかったのですが
人権擁護課の課長さんが状況を理解してくれて、今年は積極的に取り組んでくれています。

前回は6月に子供委員会の皆さんと、そして今回は3年目の研修として行われました。
それぞれ3,40人づつ集まっていただけてました。
委員の方は県内に150名かいらっしゃいますので、まだ全体には行き渡りそうにはないですが。

法務局の人権課題に、同性愛を示す「性的指向」そして「性同一性障害」が項目に入ってから
もう何年も経っているのですが、委員の皆さんに理解が進められているとはいえません。

今回も初めて話しを聞く機会になるという人が大半でした。

特に報酬もなく、長年社会活動されてこられた皆さんのボランティアということもあり
少し受身的なところを感じるところもあります。

でも一番に理解をしていただきたい人たちですし、この皆さんが理解を広げてもれたら相当心強い!
ようやく求めていた委員の皆さんとの機会を得たので短い時間ですがしっかり話してきました。

全体時間1時間半のうち70分ほど自分が話して、その後を質疑応答など皆さんと話し合い

どんどん手が上がって質問や発言がない・・というのは我が国らしい雰囲気だったですが
それでも4人ほど声を上げてくださいました。

中でも年配の男性2人がこんな興味深い問題提起をざっくばらんにしてくれました。

「男とはこう!女とは!こういうものはこう!と長年そう思い行動してきた自分としてはなかなか理解しづらい」
「同じような考え方の人をどう理解させることができるだろうか?」

「障害がある人の人権は分かる。でも同性愛は障害者ではないし・・」
「同性愛者が増えないように予防の方法を考えるとかは必要ないか」

こんな趣旨だったと思います。
まさしく自分たちが切り崩していかねばならない考え方なんですよね。
こういう考えにより自分たちは追い込まれてきたわけです。

頭が固い人にどう理解させていくか、委員の皆さんがどのように理解していくか、できるか?と
いうところで見えてくるのでしょうね。

ぜひお願いしたいと伝えましたが、回答が明快でないものは対応できずも仕方なしでしょうか?
たぶん何か考え始めてくれたのではないかと思います。

予防云々についてもそう、自分を受けいられ自分らしく生きる人が一人でも増えることは喜ばしいこと
同性愛者が増えるのが問題なんて考えや意識こそ見直されなければ!

さすがにこれは参加の皆さんの多くがそれはトンでもないでしょという顔をしてました
だれかを追いやることで社会の問題が解決するなんて・・・ね。

こういったざっくばらんな発言を実際にしていただけることも意義深いことです。
実際に口に出してみて気が付くことってあると思うのです。

レインボースタディーズでこの男性のような意見の方を招いて討論出来れば面白いのでしょうね。
ほんとやってみたいもんです(笑)出てくれる強い意志の人がいればいいけど。

オブラートに包みまくって、人権という言葉だけを恐れて聞き心地の良いことばかり言っててもね!
改めて時間が設けられるなら、もっと突っ込んだ理解のための討議が出来ればいいのになあ~

なかなかこういう本音の議論をこの社会では避けてしまいがちです。
向き合わない分、本質がぼけ、問題は棚上げされ続けてしまうのですよね。

さあ、この日の一歩がどう今後に繋がりますか~!!
種は撒いた!ボールは投げたつもりです。

1時間ほどでどれほど伝えられるものか?と頭抱えたその晩でしたが
楽観的に期待してても良いのだとも思っているのです。


コメント
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