ゲイリーマンのカミングアウト的思考

長年サラリーマンしながらLGBT活動。45歳にしてフリー。同性愛者らが自分らしく生きられる社会を地方から目指す。ミラー版

性的マイノリティへのセクハラが明記(今月より施行してます!)

2017-01-22 21:51:20 | Weblog
このたび、同性愛や性別違和など性的マイノリティに対する職場でのセクハラもセクハラ指針の対象となることが明確になった厚生労働省が示す「改正セクハラ指針」が施行されました。

去年8月に改正され、今年1月から施行されていますので、これから少しづつ、それぞれの職場でも変化が起き始めていくことになります。


◆セクハラ指針に性的マイノリティも明記
厚労省雇用均等課による改正の趣旨概要がこちら
http://www.mhlw.go.jp/public/bosyuu/iken/dl/p20160427-02-01.pdf
 セクハラ指針全文
http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11900000-Koyoukintoujidoukateikyoku/0000133451.pdf
(この文面の、性的指向や性自認という言葉が同性愛や性別違和など性的マイノリティの人たちのことを指しています)


もともと、職場におけるセクハラはすべての人が対象で、性的マイノリティへのセクハラについても職場では適切に対処する必要があったのですが、そのことが周知徹底されてないことで、LGBTがセクハラ被害について職場の相談窓口に相談しても取り合ってもらえないという事例もありました。

それを改善するために、性的マイノリティに対する職場でのセクハラもセクハラ指針の対象だと明示されたのです。

これからはこの指針にそって、職場の規定が変わっていくことになります。

さっそく国家公務員では変化がありました。

去年の12月に人事院規則のセクハラ規定が一部改正され、国家公務員におけるセクハラとして性的マイノリティにまつわるものもダメですよ!と明記されました。

国が決めたセクハラ指針にあわせて、国家公務員が率先して範を示すべく今月の施行前に規定を改めてくれたと思います。

指針というのは、こうしたほうがいいですよという基準のようなもので、各企業への拘束力はありません。
しかし、今回のセクハラ指針の改定は国が決めた指針ですので、企業への啓発も進められるでしょうし、日本社会としてはその方向へ進んでいきますよということです。

民間企業では、意識的な企業から始めていくことになりますが、それぞれ社内で設けているセクハラ禁止規定をLGBTも含めた形に改正することや、セクハラ防止研修にLGBTを含めた内容を取り入れることなどが指針に合わせて見直されていくでしょう。人事院が決めた国家公務員の例も参考にされていくでしょう。

職場の規定が変われば、それはその職場にとっては懲罰付きの守るべきことになっていきます。
(国家公務員はそうなりました)

そうは言っても、中小企業にまで広がるには、まだ時間がかかるかもしれません。

でも、国が示した社会の指針が変わりましたから、こちらも着実に変わっていくことは間違いないでしょうし、遅れた会社があったとしても、社会の空気感が変わっていきます。


人事院規則10―10(セクシュアル・ハラスメントの防止等)の運用についてを見ると、セクハラになり得る言動の具体的な事例が紹介されていました。

・スリーサイズを聞くなど身体的特徴を話題にすること。
・聞くに耐えない卑猥な冗談を交わすこと。
・体調が悪そうな女性に「今日は生理日か」、「もう更年期か」などと言うこと。
・性的な経験や性生活について質問すること。
・性的な噂を立てたり、性的なからかいの対象とすること。
・「男のくせに根性がない」、「女には仕事を任せられない」、「女性は職場の花でありさえすればいい」などと発言すること。
・「男の子、女の子」、「僕、坊や、お嬢さん」、「おじさん、おばさん」などと人格を認めないような呼び方をすること。
★性的指向や性自認をからかいやいじめの対象とすること。
・ヌードポスター等を職場に貼ること。
・雑誌等の卑猥な写真・記事等をわざと見せたり、読んだりすること。
・身体を執拗に眺め回すこと。
・食事やデートにしつこく誘うこと。
・性的な内容の電話をかけたり、性的な内容の手紙・Eメールを送ること。
・体に不必要に接触すること。
・浴室や更衣室等をのぞき見すること。


「性的指向や性自認をからかいやいじめの対象とすること」として性的マイノリティのことも書かれていますね。

その他にも、知っておいた方が良い事がたくさん書かれたありますので、下記の人事院規則は一度読んでみておくといいですよ。


◆人事院規則10―10(セクシュアル・ハラスメントの防止等)の運用について
平成28年12月1日改正
http://www.jinji.go.jp/kisoku/tsuuchi/10_nouritu/1032000_H10shokufuku442.htm


これら変化の元となった厚生労働省「セクハラ指針」の改正は、自分たちが自民党性的指向・性自認に関する特命委員会に提言し、自民党から菅官房長官に申し入れていた政府への要望33項目の1つです。

やはり政権党が動くと変化が速いですね!

現状でも改善できることも次々と見直してもらえるよう、これからも「全国LGBT理解増進ネットワーク会議」からしっかりと声を上げ、協力を取り付けていきたいと思います。

性的マイノリティの労働者にとって、大変心強い変化の基礎が、今月からスタートしています。

まだまだこれからですが
月曜日からの仕事が少しでも勇気づけられ、皆さん一人ひとりが健やかに頑張れますように!!


(政府への要望している33項目はこちらを参照)
■自由民主党政務調査会 性的指向・性自認に関する特命委員会
性的指向・性自認の多様なあり方を受容する社会を目指すためのわが党の基本的な考え方
http://jimin.ncss.nifty.com/pdf/news/policy/132172_1.pdf
2ページ目以降にあり

(過去記事参考)
http://blogs.yahoo.co.jp/deep8822/65853568.html




●全国LGBT理解増進ネットワーク会議
http://lgbtrikai.net/

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