中村紘子さん

お病気の事は知っていたけれど、演奏活動を再開されたし、５月にはテレビでも拝見していたし、そして来年一月には秋山和慶先生とのコンチェルト共演もあるし、中村紘子さんのような方はなんでも乗り切られるのだと信じていたので、訃報にはすごく驚いた。

実は私も含めて、高校時代の友人たちの間では、中村紘子さんに対する「嫉妬」があった(笑)
嫉妬もなにも、はじめから人としての土俵が違うんですけれどね（＾＾；
しかも嫉妬の理由は、ピアノじゃなくて庄司薫さんと結婚したから。

私が高校生の頃、1969年に庄司さんは「赤頭巾ちゃん気をつけて」を発表して芥川賞を受賞。
内容はまさに都立高校生の生活と1969年の東大闘争からの入試中止のこと。
当時は駒場東大前の改札を出ると、アジ看がずらっと並び、大学生がアジびらを配っていた。
闘争の内容はよく理解できていなかったけれど、その雰囲気は肌で感じていたので、庄司さんの小説にもすごく共感を覚えた。

その後も庄司さんは「さよなら快傑黒頭巾」「白鳥の歌なんか聞えない」「狼なんかこわくない」といった青春小説（って言ってしまって良いのか？）を次々に発表されて私も夢中で読んだ。
そして、その後に中村紘子さんと電撃的な結婚！
なーんとなく、面白くなくて(笑)友人たちとぶーぶー言ったりもしたっけ。。。

個人的には銀座ヤマハの楽譜売り場でお見掛けしたことがあった。
当時、ヤマハの楽譜売り場は地下にあって、ちょっぴり薄暗い感じだったけど、中村紘子さんのいらっしゃる所だけ、ぱーっと輝くような華やかさだった。
そして、にこやかに周囲へ微笑まれながら私の横を通っていらした。
この頃には私の庄司薫熱もおさまっていたので、やっぱり綺麗だなーーって感心しちゃったのですが。

ともかく、とても残念なことです。
このニューイヤーコンサートもどうなるのでしょうか？ピアニストの交代ということになるかな。。
本当に残念！