北方謙三を知ってますか?
ハードボイルド作家の北方謙三です。
この北方謙三が書いた三国志(全13巻)に、
どっぷりとハマっています。
今、2週目です。
北方・三国志の魅力は、色々あるのですが、
どの武将もカッコ良く描かれているんですよ、これが。
魅力的に描かれているからこそ、
散り際の悲しさと言ったら…
敢えて筆舌に尽くしますと、
蜀の義兄弟3人が散ったときは、
あまりの悲しさと寂寞感で、
読んでる最中にもかかわらず、
5分くらい何もできなくなった程です。
たぶん喪に服していたんでしょうね。
僕はそんな魅力的な北方・三国志を読むことを楽しみに
毎日、満員電車に乗って通勤しているのです。
どうです?
ささやかな幸せじゃないですか。
しかしまともに本を読めない日もあります。
いつものように満員電車の中で立ちながら本を読んでいると、
僕の右隣にヘッドフォンをした
ファンキーな20代の女性。
このファンキーな女性のヘッドフォンから漏れる音が凄まじく大きかった。
何を聞いているのか、判別できるほど。
いや、歌詞がはっきり聞き取れるほどです。
どうやら倖田來未の「恋のつぼみ」という曲らしい。
ドラマ「ブスの瞳に恋してる」の主題歌のようです。
しかも1曲リピート。
ちょうどそのとき、
有名な赤壁の戦いの章を読んでいたのですが、
僕の脳が、三国志の世界と現実の世界をうまく処理できずにいました。
張飛と許褚の豪傑同士の一騎打ちのバックで、
♪めちゃくちゃ好きやっちゅうねん~、
がBGMとして流れるほど心乱されました。
さらに僕の左隣には少し疲れた感じの30歳前後のカップル。
このカップルの女性の話し声がこれまた大きい。
朝から彼氏にべったりと甘えたような話し方も
なかなか、げんなりさせてくれます。
また話す内容がイヤでも耳に入るんですよ。
どうやら職場の上司や同僚の事を話しているのですが、
「私は何も悪いこと言ってないのに、
なんか、あれから○○さんはしゃべってくれないの。
不思議じゃない?なんで?」
と、彼氏に同意を求めている様子でした。
倖田來未とのツープラトンで、
僕の気持ちはささくれていきました。
頼む、張飛。
オレの両隣を蹴散らしてくれ。
電車を降りて、起こった出来事を反芻しながら
払拭するように会社に向かって小走る。
トラブルで途中電車が停車していたため、
ギリギリの出勤になってしまったのです。
しかし。
駅で電車の遅延証明をもらうのを忘れていることに気づきました。
ネガティブスパイラルの中で自分を見失いながら、
僕の脳内で起こる倖田來未のリフレインに辟易して会社へ急ぐのでした。
♪ドキドキに勝てない~
小林朋広
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