幻想小説周辺の 覚書

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高田崇史 レビュー 鎌倉の地龍 

2022-08-23 18:51:00 | 神仏探幽
神の時空 ―鎌倉の地龍― 高田 崇史著  288頁 を読む((( ;゚Д゚)))
★★★ 153冊目

高田さんの歴史謎解きシリーズはとても好きなジャンルで
特にQEDや毒草師は全部読まさせていただいた。

なかには強引で飛躍しすぎかなあ。。。と思いつつも
歴史や宗教について学校やテレビで今まで単純に丸暗記や
テスト勉強的に問題意識を持つこともなく覚え込んでいた知識が
いかに脈絡もなく断片的で、しかも一面的であったかを
思い知らされて 知恵熱のような快感に打ち震えたことが
何回もありました。

神話や神社に伝わる神々と先祖の過去の歴史と
その伝承の裏に隠蔽された真実。
大体は朝廷や権力者により滅ぼされたり地位や財産、
土地をはく奪された古い有力者が巧妙に祀り上げられつつも
社に封ぜられているというのが基本テーゼです。
神社や祀られる神は昔は庶民の信仰対象ではなく
権力者の政治装置であったのです。

多くはその神社での御利益はその神々が奪われ、
果たせなかった望みの数々。
曰く、権力から追われた天神さまは出世と学業成就に、
曰く、身体を損なわれた神様は足腰に効くとか眼病に効くとか
曰く、病いや毒を盛られた神様や仏様は病気平癒の御利益が、、、
といった具合。

また本殿に祀られる神様の陰に追いやられるように
壮大な敷地の片隅や裏山にひっそりと小さく祀られる
その地に住んでいたかつての本来の土着の神様のことなど。。。
ああ なんて自分はモノ知らずで、本来の神様たちの心情や
隠された本質も思うこともなく、ただ自分の御利益ばかり
安穏とお願いしていたんだろう。。。
と恥じ入ってしまうこと数知れず、です。

さて今回のシリーズでは推理サスペンスのQEDシリーズとは
趣向を変えて現代に怨霊を解き放とうとする悪役側と
それを阻止すべく対抗する正義役側の伝奇アクション的な
風合いになりました。

やや年齢的に下がった感があり、本巻は導入と説明、
物語の筋を進める必要性から、肝心の僕たちが好きな
歴史謎解きの部分は残念ながら縮小気味ではあります。が、
その分鎌倉と伊豆を舞台に源三世代の将軍の怨霊と
悲劇的な真実についてコンパクトにまとめられて良くできています。

昔は泥質地でむじなも住まなかったような荒地の鶴岡八幡宮と
鎌倉の土地について、今はスイーツとオシャレスポットだらけな
観光地の裏側にひっそりと息づく昔の真実の相を肌で感じる。
な~んて粋なぶらり旅を、この本を読んで予習していくのも
なかなかヨロシイと思います。






イヤホラー ツキマトウ 真梨幸子

2022-08-23 18:46:00 | 書評 読書忘備録
「ツキマトウ 警視庁ストーカー対策室ゼロ係」
   真梨幸子 304頁

きっとドロドロのグチャグチャなんだろうなあ・・・と思いながら読むと期待通り、いや期待以下に(以上に?どっちや?)グチャドロの展開の嫌ミス本。
ああ、、、なんで俺はこんな本を読んでわざわざ嫌な思いに染まってるんだろう・・と思いながらもついつい読み進めてしまう。時に眉を寄せ、時に顔をしかめながら。

そんな観点から見ると先日の宮西真冬さんの小説は稀有な作品でぎりぎりのところで踏みとどまった、まっとうな小説だったのだなあ、、と改めて思う。
こんな風にイヤミスの定点観測みたいな読み方をしていると自分が歪んでゆくのが分かるのでどこかでリハビリしないとイカンと思う。

この本はストーカーネタで付きまとう男や女や 
付きまとわれる女や男をトラブルごとに混柄がらせてゆく、
ストーカー対策室に来た被害者が実は別の件の加害者であり、更にそいつは別の被害者を産みつつ、
その被害者は別の相手に付きまとう。

最初はミステリの丁寧な読者の様に登場人物をメモしたり、頭の中で整理しながら読み進めたりを試みるが、
すぐに本の1/3くらい過ぎたところで、
こんなことは無駄だ、ということに気づく。
真梨は綿密で精緻な叙述トリックを構築する気はないんだ。
むしろ混乱しカオスな心理状態に登場人物達と読者をぶち込み、闇鍋状にふつふつと煮込みたいんだ、と僕は理解する。

教訓とか感動とかそういう、イイモノをこの本から得ることはできない。
受け取ることが出来るのは、イヤな夢を見た後でようやく目が覚めてホッと「良かった。現実じゃなかったんだ、、、」と
安堵するときの解放感である。

そして困ったことに、わざわざそんな気持ちを味わいたいと人間は時折思ってしまうのである。
現実であっちの世界に一歩踏み出すよりは、イヤミスの世界の方が安全、安心。だからこその存在意義か。。。。。?
そんな台風の時のダムの放水弁のように僕はこの種の本をとらえているのかもしれない。




甲子園 仙台育英の監督納税言葉が沁みる

2022-08-23 18:36:00 | 日記
東北に春夏を通じて初の栄冠をもたらした指揮官の言葉が、多くの高校野球ファンの共感を呼んでいる。

 第104回全国高等学校野球選手権大会は8月22日、阪神甲子園球場で決勝が行なわれ、仙台育英が下関国際を8対1で破り、初優勝を飾った。仙台育英は夏3度目の決勝の舞台でついに栄冠を掴んだ。

 試合後、チームの指揮を執る須江航監督は「宮城の皆さん、東北の皆さんおめでとうございます!」と感極まり涙を拭うと、「100年開かなかった扉が開いた。多くの人の顔が浮かびました」と、万感の想いを打ち明けた。

 チームを引っ張ってきた現在の3年生たちは、コロナ禍にあるなかで入学。多くの苦難を強いられながら、野球に打ち込む高校3年間を過ごしてきた。そんな3年生部員たちへの想いを問われた須江監督は次のように答え、インタビューを結んでいる。

「(高校の)入学どころか、おそらく中学校の卒業式もちゃんとできなくて、高校生活はなんというか、僕たち大人が過ごしてきた高校生活と全く違うんですが、青春ってやっぱり密なので、(行事など)そういうことは全部ダメだダメだと言われて、活動していてもどこかでストップがかかって。
どこかで止まってしまうような苦しいなかで、本当に諦めないでやってくれた。

でもそれをさせてくれたのは僕たちだけじゃなくて、やっぱり全国の高校生のみんなが、本当によくやってくれた。
例えば今日の下関国際さんもそうですが、大阪桐蔭さんとか、そういう目標になるチームがあったから、どんな時でも諦めないで、暗い中でも走っていけた。

本当にすべての高校生の努力の賜物で、ただただ僕たちが最後にここに立ったというだけなので、ぜひ全国の高校生に拍手してもらえたらなと思います」

 このインタビューには、甲子園球場の観客から割れんばかりの拍手喝采が送られ、SNS上でも多くの野球ファン、SNSフォロワーから
「須江監督のインタビューに泣いた」「めちゃココロに響いた」「素晴らしすぎる」「最後のインタビューに普通に涙してしまった」「涙腺終わりました」などと、感動を綴った多数のコメントが寄せられ、ツイッターでも「須江監督」がトレンドの上位にランクされるほどの大反響となっている。

構成●THE DIGEST編集部

アート小噺 あやしい美人画 日本画のファムファタル

2022-08-23 07:04:00 | アートコラム
あやしい美人画 shady ladies.strange bijinga
 松嶋雅人  東京美術

怖い絵シリーズが洋画中心であるとすると
東京美術のあやしいシリーズの本書は日本画中心

というよりは わが国の怖い女性を中心に編纂されてる
怖い女性といえばわが家にも。 。。。
美しいかどうかは別ですが