茫庵

万書きつらね

バラッド練習 - 2021年02月01日 - 小野道風青柳硯

2021年02月11日 10時35分25秒 | バラッド

■小野道風青柳硯(おののみちかぜあおやぎすずり)

時は平安寛平の、小野の生まれの道風は、
和様書道を打ち立てる 基礎を築いた人物だ。

ある日道風自らの 非才に悩みへこみつつ
散歩に出ると外は雨。雨か涙か濡れる頬。

通りかかった道の端、カエルが一匹跳ねていた。
見れば近くに柳の木。枝を目指して跳びはねる。

あれじゃ飛びつく事は無理。諦めるしかないだろう。
思いながらも道風は、なおもカエルを見続けた。

するとにわかに一陣の 突風柳に吹き付けて
枝がしなってカエルとの 距離が一瞬縮まった。

ついにカエルはこの枝に 見事飛びつきしたり顔。
道風己の努力など カエルにはるかに及ばぬと

思い直して発奮し 書道の道をやり直す。
そして大成した後は 名を残すこと一千年。

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柳つながりで出てきたカエルつながりで出てきたのが
小野道風の故事です。これを七五調x2を1行とする
クプレ(二行連詩)でバラッドに仕立てました。
カエルを見習って努力し続ければ、小さなチャンスも
モノに出来る、というご教訓として道徳の教科書などに
載っていたそうです。

 


贈答詩練習 - 2020年12月15日 - アンモナイトの夢

2021年02月11日 10時15分34秒 | バラッド

ぬばたまの 夜に佇む 博物館
 宴の夜だ、自由空間

百年に いちどの祭り もう習慣
 いつもの面々 いざ、常習犯

負けられぬ アンモナイトも 作れ集団
 一気に晴らす 欲求不満

それぞれの 悲喜こもごもな 夢の終端
 残された ラクリマ(lacrima)の跡 恋の愁嘆

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知り合いの博物館の詩に贈った詩です。形式的には俳諧之連歌相当ですが、
細かく見ると韻数が足りない、発句に季語がない、前の句から連続した
内容を綴っている(変化がない)など不備が目立つので、正式な連歌とは
みなさず、2行連詩のバラッド、という事にしました。

 


2012年01月08日 - 日本語バラッド練習 - 扉

2012年01月08日 07時41分07秒 | バラッド

日本語バラッド練習 - 扉

8,6,8,6音を1つの聯としてそれを繰り返す。単純な作りですがこれがなかなか難しいです。ひとつの聯の最終行に出てきたキーワードを次の聯の最初の行でも使う、という古典的な手法も混ぜてみました。今は理屈より練習、練習、といったところです。人の魂が古の幸福を求めて彷徨い、最後の救済が待つ扉にたどりつく、という筋です。

過ぎ去りし歴史
 記憶の森
ひそやかに眠る
 幸福あり

幸福は何処
 探求の森
裏切りの連鎖
 孤独あり

麗しき孤独
 迷路の森
人間(じんかん)の縁(えにし)
 寂寞あり

寂寞の果てに
 幽玄の森
果てしなき生滅
 輪廻あり

輪廻の末路は
 封印の森
扉の向こうには
 救済あり

最後の救済
 終焉の森
希望は唯一
 扉にあり


2012年01月01日 - 日本語バラッド練習 - 新年

2012年01月01日 14時27分53秒 | バラッド

日本語バラッド練習 - 新年

新年あけましておめでとうございます。

本年も皆様にとって、よい歳になりますよう、

お祈り申し上げております。

 

 バラッド律は音数でいえば4、3、4、3、いわゆる弱強四歩格と弱強三歩核を交互に繰り返す4行詩です。これを日本 語で再現すると、形式的には音数8、6、8、6を一聯とし、これを繰り返す事になります。脚韻は、弱強三歩格の行のみ踏みます。弱強四歩格の行は脚韻を踏 むことはありません。日本語ソネットの試みのように、日本語バラッドも音数と脚韻のみ継承して試みていきます。

 もともとは物語などを歌 い上げる、比較的長い詩を書く事が多いのですが、基本は上記の一聯の作り方で、あとはそれを延々と繰り返していくのです。8音、6音というのは日本語的に 言うと七五調が一音ずつ増えて八六調になった、と考えればよいところですが、なにぶん始めての事なので、慣れるのに暫くかかりそうです。


日本語バラッド練習 - 新年

前途苦難あり
 如何せん
決意新たにし
 ただ前進

前途同志あり
 如何せん
絆新たにし
 ただ前進

前途転機あり
 如何せん
勇気新たにし
 ただ前進

前途好機あり
 如何せん
勇躍遂げるは
 是、壬辰(じんしん)