■「砂時計」への唱和
砂時計。砂漠で風が砂を動かす。
「永遠を計り尽くす」と、思いつのらす。
恒河沙(ごうがしゃ)を遥かにしのぐ大量の砂。
たちのぼる砂塵の煙。積雲となる。
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知人が書いた「砂時計」という、無限の時を計る事に
砂漠と風が挑戦する、とうい詩への唱和です。
全体の形式はルバーイイですが、行の形式は旋頭歌の片歌
になっています。
■「砂時計」への唱和
砂時計。砂漠で風が砂を動かす。
「永遠を計り尽くす」と、思いつのらす。
恒河沙(ごうがしゃ)を遥かにしのぐ大量の砂。
たちのぼる砂塵の煙。積雲となる。
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知人が書いた「砂時計」という、無限の時を計る事に
砂漠と風が挑戦する、とうい詩への唱和です。
全体の形式はルバーイイですが、行の形式は旋頭歌の片歌
になっています。
■【正倉院展ニテ 御物・瑠璃坏ノ語レル】 を読んで 長歌を詠ず
はるばると 時空を超えて たどりつく 地の果ての島。
見上げれば はるかに続く 蒼い空。心がうずく。
浮かんでは 消え去る笑顔。もう二度と 会う事はない。
望郷の 思い虚しく、胸の中 流れる涙、
飲み込んで 思いはつのる。時既に 千数百年。
今ここが、我が故郷(ふるさと)と 思い定める。
反歌
気高くも心哀しきモノローグ
故郷をつなぐ 天(あま)翔ける道
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これも、知人が書いた、正倉院の宝物、瑠璃杯を貴婦人に
見立てて、時間的、空間的に離れてしまった故郷ペルシャの
人々、国、青い空への郷愁と、今いる日本の地を新たな故郷
としてこれからを生きるという決意を述べるモノローグ詩を
読んで、作ったものです。
元の詩をアリアとするなら、こちらはバックに静かに流れる本人
の心情を歌ったコーラスの様なものです。この長歌は万葉の形式
ではなく、五七五七調のクプレ(二行連詩)で現代口語を使って
書き、句読点をつけています。
元の詩では、故郷は遠く離れてしまったと綴られているので
こちらでは青い空でつながっているのだよ、という返事で
結んでいます。「天翔ける道」は元の詩が「シルクロード」を
はるばるやってきた、と述べていることへの返事にもなっています。
■小野道風青柳硯(おののみちかぜあおやぎすずり)
時は平安寛平の、小野の生まれの道風は、
和様書道を打ち立てる 基礎を築いた人物だ。
ある日道風自らの 非才に悩みへこみつつ
散歩に出ると外は雨。雨か涙か濡れる頬。
通りかかった道の端、カエルが一匹跳ねていた。
見れば近くに柳の木。枝を目指して跳びはねる。
あれじゃ飛びつく事は無理。諦めるしかないだろう。
思いながらも道風は、なおもカエルを見続けた。
するとにわかに一陣の 突風柳に吹き付けて
枝がしなってカエルとの 距離が一瞬縮まった。
ついにカエルはこの枝に 見事飛びつきしたり顔。
道風己の努力など カエルにはるかに及ばぬと
思い直して発奮し 書道の道をやり直す。
そして大成した後は 名を残すこと一千年。
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柳つながりで出てきたカエルつながりで出てきたのが
小野道風の故事です。これを七五調x2を1行とする
クプレ(二行連詩)でバラッドに仕立てました。
カエルを見習って努力し続ければ、小さなチャンスも
モノに出来る、というご教訓として道徳の教科書などに
載っていたそうです。
■「柳刃包丁」への反歌。俳諧之連歌風。
うららかに 柳絮(りゅうじょ)舞い散る 雪化粧
記憶のすみに そっと留め置く
柳の木 担ぐ幽霊 移動中
暗く静かな 居場所求めて
上を見る 柳の下の やせ蛙
みじん切りなど どうぞ勘弁
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これも「柳刃包丁」という詩への反歌。
知人が書いた、楊の葉がすべて包丁だったら
風が吹いたら風もみじん切りにされる、
という内容の詩です。
柳つながりで柳絮、幽霊、と登場し、
最後に出てきたカエルがみじん切りは勘弁、
と訴えます。
■「ドラムビートを読んで」への反歌
大舞台 高まる鼓動 秋の風
よぎる刹那に 進む人馴れ
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表題にある「ドラムビート」とは、知人が書いた
心臓ドキドキはあなたを応援してくれている、という内容の
普通の現代詩です。これに対する反歌として書きました。
ぬばたまの 夜に佇む 博物館
宴の夜だ、自由空間
百年に いちどの祭り もう習慣
いつもの面々 いざ、常習犯
負けられぬ アンモナイトも 作れ集団
一気に晴らす 欲求不満
それぞれの 悲喜こもごもな 夢の終端
残された ラクリマ(lacrima)の跡 恋の愁嘆
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知り合いの博物館の詩に贈った詩です。形式的には俳諧之連歌相当ですが、
細かく見ると韻数が足りない、発句に季語がない、前の句から連続した
内容を綴っている(変化がない)など不備が目立つので、正式な連歌とは
みなさず、2行連詩のバラッド、という事にしました。
(1) Open
I can see and others, too.
We know it well, what is true.
Although it is not perfect,
I will try my best to do.
(2) Blind
All but I can know it well.
That's what I want them to tell,
To improve my soul and mind.
I will get out of the shell.
(3) Hidden
I can see but others NOT.
This is charming secret spot.
Which must not be never shown.
I will give it thanks a lot.
(4) Unknown
No one can see it at all.
Even it is very small,
The great fruit will come to me.
I will not fail catching all.