茫庵

万書きつらね

ソネット練習 - 2011年11月27日 二番

2011年11月27日 20時53分24秒 | ソネット
二〇一一年十一月〇一日

日本語ソネットの試み

一番の続きです。推敲未完につき後日改編する可能性があります。
試行錯誤の道は長いです。

二番

01 光眠れる世界
02 全ての音も途絶え
03 孤独の歓喜にふるえ
04 心目覚める世界

05 言葉溢れる世界
06 真実は息絶え
07 まやかしだけが栄え
08 心欺く世界

09 そんな世界の中で
10 うごめくだけの命
11 生きた意味があるのか

12 懐疑のすぐとなりで
13 それでも生きる命
14 とわの運命なのか

ソネット練習 - 2011年11月27日

2011年11月27日 18時41分57秒 | ソネット
日本語 ソネット練習です。日本語で作るに当たり、以下を基本ルールとして作成します。

10音節14行、4つの聯(各4、4、3、3行)、脚韻。

英語でソネットの作り方を解説したPDFドキュメントがあったので読んでみました。
すると、聯としては最初から、部位としては行末の脚韻を踏む単語選びから
はじめる、と書いてありました。例えば

------ ice cream
------ nice dream

のようになります。この上に、主題に合う様に前半部分を重ねていき、各行を構築して
いくのです。中高生向けの指導要領のようなテキストなので、本当はまた違う
やり方があるのかもしれませんが、七絶を後ろ(結句の下三文字)から作っていくのと似てると思いました。七絶と違うのは、句(行)ごとに作っていくのではなく、
聯の行末の単語をいちどに決めていたことです。第一、二聯なら4行、三、四聯なら3行
になります。

普通の口語日本語でこれをやるのはちとしんどいです。
1行10文字で行末を決めても頭に何を持ってくるか、それで行がつながるか、自分の語学力ではなかなか無理があったので、とりあえず先の一行を書いて、その末尾に合わせて脚韻をとることにしました。

作成の順番は以下のようになりました。

第一聯、第二聯、第三聯、第四聯。の聯単位。但し順番は自由。
各聯は一行ずつ。但し何行目からかは自由。
第三聯、第四聯は先に揃った方に合わせて脚韻をとる
こんな調子で一作、また一作、と作っていきます。

ソネットの各連はそれだけでも七言絶句よりはるかに多い語数になり、七絶屋の自分には広大な詩空間は持て余し気味でした。また、10音、というと、七五調などの馴染みのある調子に比べるとリズムがとりにくく、脚韻を踏むには身近すぎる感があり、目下のところ出来栄えはいまいちなのですが、この点は練習を重ねて改善するとして、ひとつ課題として考えているのは10音以外の音数で作るか否かという事です。日本語のリズムとして丁度良い加減を検討していきたいと考えています。






ソネット練習 - 2011年11月27日 一番

2011年11月27日 11時03分51秒 | ソネット
2011年11月01日

日本語 ソネットの試み

 七絶を作る様になって、西洋の定型詩はどんなものがあるか、ふと気になりだして調べてみると、ソネット、という14行の詩形がある事を知り、らしきものを作ろうと思い立ちました。

 ソネットは、5組の短-長音節と脚韻を持つ14の行から構成される定型詩で、ルネッサンス時代にイタリアで考案され、ヨーロッパ諸言語に普及しました。ゲルマン系言語では短-長は弱-強に置き換わったものの、基本的な形態は同一で、4行、4行、3行、3行(シェイクスピア方式では4、4、4、2)で4つの聯により構成されます。この聯はほぼそのまま絶句の起承転結にあてはまる用い方をしているようです。

 ソネットの主題は愛情ですが、歴史を重ねる間にそれ以外の主題で作られる様になったようです。私も自由主題で作っていこうと思います。

 ソネットの脚韻パターンは色々とバリエーションがありますが、私はPetrarca形式といわれるものを採用することにしました。問題は日本語でこれを採用するか否かです。よく知られている様に、日本語は脚韻をとり難い言語なので、ここに縛りを入れてしまうと表現が単調になり、詩としての体裁を為さないしろものになってしまう可能性が大なのです。このため、日本語のソネットというと、ほとんどは韻は無視してただ14行ある、というだけのもので、若干良心的なものでもせいぜい七五調、四七六調など「律」を定型化して対応しようとした作品群がある位です。

 自分がやろうとしている十音脚韻つきのものはないのか、捜してしましたが、今のところ見つけられていません。で、暗中模索ながら書いてみました。まだまだこれからですが、今後書きためていきます。


一番
Petrarca 形式(II. 2 : abba abba cde cde)

秋の夜は更けゆく
独り心静めて
眠る処求めて
遙かな旅路をゆく

月の光消えゆく
闇に心沈めて
祈る処求めて
険しい旅路をゆく

夜は全てを隠(かく)し
傷をさらさずに済む
優しい世界を見せる

夢は希望を秘(かく)し
安らぎと共に棲む
静かな時間が過ぎる