茫庵

万書きつらね

漢詩練習 - はたちよしこさんの俳句に和す

2009年01月23日 08時24分46秒 | 漢詩
二〇〇九年一月二十日

はたちよしこさんからのメールに書かれた俳句に応ふ  七陽韵
あやとりの川に冬日がさす、という内容でした。

                   風雷山人

窓外寒威敷薄霜  窓外の寒威 薄霜を敷く
(そうがいのかんい はくそうをしく)

爐邊暖取両童唱  爐辺に暖を取り 両童唱う
(ろへんにだんをとり りょうどううたう)

午陽嬉笑翻花鼓  午陽 翻花鼓に嬉笑す
(ごよう、ほんかこにきしょうす)

繍架綸橋映麗光  繍りて綸橋を架ければ 麗光に映える
(ぬいとりてりんきょうをかければ れいこうにはえる)


【大意】

家の外は寒さ厳しく薄霜が降りています

温かくした部屋では 女の子が2人歌声をあげています

お昼時、窓から冬日がさす中、あやとりに興じる笑い声

糸の橋が照り映えてとてもきれいです


     あやとりの 冬日にかざす 糸の橋



漢詩練習 - 二度目の詩論研出席

2009年01月20日 08時46分41秒 | 漢詩
二〇〇八年一月十八日、またまた詩論研に行ってきました。

漢詩の話を40分ほどして欲しいと言われ、
素人なりに漢詩にまつわる話をして、
現代の漢詩や中国の児童文学の話を混ぜて、
なんとか時間きっかり話をつなぎました。
帰りに喫茶店で暫し談笑の時を得て、
色々な話が聞けてたいへん勉強にもなりました。


二〇〇九年一月十八日、二度目の詩論研出席 四支韵

                    風雷山人

歓談無際日西移  歓談際無く 日西に移り
(かんだんきわなく ひ、にしにうつり)

青眼論詩暮色遅  青眼詩を論じ 暮色遅し
(せいがん、しをろんじ ぼしょくおそし)

清話傾杯神樂坂  清話傾杯 神樂坂
(せいわ、けいはい かぐらざか)

親交一献忘帰期  親交一献 帰る期を忘る
(しんこういっこん かえるときをわする)


【大意】
話は尽きぬ 昼下がり

詩論は続く 日は暮れる

夕闇包む 神樂坂

時を忘れて 傾聴す


易論 - 第一回 心の4つの窓

2009年01月02日 19時24分54秒 | 易学
二〇〇九年一月一日

なんか、とても適当ですが、以前から温めていた易論を
そろそろ形に、ということで、少しずつ書き連ねていこう
と思います。ただ、中身は易論ですが、形式は出来るだけ
漢詩っぽく、と、心掛けていきたいと思います。

人には心の4つの窓がある、という論は、昔新人研修か何かで
講師の説明で聞いたことがあります。今となっては、誰の何と
いう理論かは知る由もないのですが、なかなか良い考え方だと
思って、自分の易断にもとり入れたのでした。


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誰云心中有四窓  誰か云う、心中に四窓有りと
余題一詩寄心窓  余、心窓に寄せて一詩を題す

開心窓
(心の窓を開く)
                風雷山人

彼我能開是一窓  彼我能く開く 是れ一の窓
(ひがよくひらく これいちのまど)

唯我開之是二窓  唯我のみ之を開く 是れ二の窓
(ただわれのみこれをひらく これにのまど)

唯人開之是三窓  唯人のみ之を開く 是れ三の窓
(ただひとのみこれをひらく これさんのまど)

人不能識是四窓  彼我識る能わず 是れ四の窓
(ひとしるあたわず これよんのまど)



【大意】

心の中には4つの窓があるといいます。
この窓にちなんで一詩作ってみました。

心の窓を開けて

彼我能く開く 一の窓  天下に示す我が魂
(ひがよくひらく いちのまど、てんかにしめす わがこころ)

我のみ開く  ニの窓は 人には見せぬ志
(われのみひらく にのまどは、ひとにはみせぬ こころざし)

我には見えず 三の窓 人から観ゆる 我が姿
(われにはみえず さんのまど、 ひとからみゆる わがすがた)

誰も識り得ぬ 四の窓 真の己はここに在り
(だれもしりえぬ よんのまど、 しんのおのれはここにあり)

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要は、易は、4つの窓すべてを開くことが出来る、と言いたい訳です。
なぜ易なのか、易以外に出来ないのかについては別な議論にまかせる
として、ここではそういうことでスタートしたいと思います。

第二回はいつのことになるやら。。。

漢詩練習 - 2009年年賀

2009年01月01日 11時42分36秒 | 漢詩
二〇〇九年一月一日

年も改まり、なんとか生き延びてこられて
感謝の思いをこめて一首。起句と承句に
意味的な重複があって少し気になりますが、
初心者故に代替の詩句も浮かばず、
将来の推敲でなんとかする、ということで
このままにしました。


二〇〇九年 年賀    風雷山人

三元瑞気寿齢春  三元の瑞気 寿齢の春
(さんげんのずいき じゅれいのはる)

一陽來復感特新  一陽來復 感特に新なり
(いちようらいふく かん とくにあらたなり)

天惠地恩身未老  天惠地恩 身未だ老いず
(てんけいちおん み、いまだおいず)

全家無恙守清貧  全家恙が無く 清貧を守る
(ぜんか つつがなく せいひんをまもる)


【大意】

年明けて 齢重ねる慶びと
(としあけて よわいかさねるよろこびと)

環る陽気に 感も新たに
(めぐるようきに かんもあらたに)

天地の 恩惠受けて 未だ老いず
(あめつちの おんけいうけて まだおいず)

家人息災 清貧に棲む
(かじんそくさい せいひんにすむ)