「ポーチュラカとスベリヒユとマツバボタン」シリーズの第4回目で、茎の断面の比較です。このシリーズは、あと何回か続く予定です。やり尽くした、というところでまとめたいと思います。
早速本題。この三種を茹でて食べようとした時に、茎から赤い汁が出てきたので色素の種類と分布についても興味が出ました。
それぞれの茎で輪切りの切片を作って顕微鏡で観察しました。簡易的なミクロトームで切り出したのですが、高ナットとボルトとワッシャーで作った自作なのですよ。それゆえ なかなか綺麗な切片は得られません・・まぁ安上がりに努力はしています。
まずはポーチュラカ・・・花の色が赤と薄ピンクと黄色で違いがあるか調べてみました。
- 花色:赤・・
- 花色:薄ピンク・・
- 花色:黄色・・
色素の分布は環状に並んだ維管束の外側に限られてありました。おそらく内皮に当たる部分でしょうか。花の色に関わらず、茎の色素は全て赤紫でした。ただ、赤花の茎では他よりも濃い色をしていました。それゆえ花の色と茎の色は何らかの関係はあるのかもしれません。
次にマツバボタン・・・
- 花色:赤・・
- 花色:黄色・・
マツバボタンは、ポーチュラカと違って色素は表皮にありました。環状に並んだ維管束の外側ラインは、やや色づいているようにも見えますがほとんど色素はないと言っていいでしょう。こちらも黄花でも茎の色素は赤紫ですが、やはり赤花の方が濃い色をしていました。
最後にスベリヒユ行きます・・・
スベリヒユは園芸種ではないので花の色は黄色のみです。
スベリヒユの葉や茎の様子はポーチュラカに近いので色素も同じ部位に存在していると想像していましたが、それとは異なりマツバボタンと同じに表皮に限られていました。野生のスベリヒユは黄花だけですが、こちらの色素も赤紫色をしていました。倍率を上げてみると・・
こんな感じ。表皮細胞に色素が充満しているのがよくわかります。
調べたところ、これらの色素は、ベタレインだそうです。赤紫色しているのはそのうちのベタシアニン類と推測されます。
その色素の特徴として、アルカリ性にすると黄変し、酸性では色は変わらないそうです。簡単に調べられそうなので、明日、キッチン研究室で実験したいと思います。
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