Potter's Diary

私の生活諸々と陶芸作品の紹介(ヒューストンより)

アイルランド ダブリン2

2018-08-13 | 旅行

学会が終わった後の最後の日は、世界遺産のボイン渓谷とタラの丘に行くツアーに参加しました。日本語のガイドのあるツアーを申し込んだのですが、なんと参加者は私と夫だけ。完全貸切ツアーとなったのでした。日本語のガイドさんをお願いすると、よくこういうことがあります。しかも日本人のガイドさんというのは、結構痒いところに手の届くような案内や行動をしてくれる方が多いので、本当にありがたいのです。やっぱり日本人って良いなぁ、とそういうときはしみじみ思うのです。今回の森谷さんという方も色々勉強されていて、多方面に知識を持っていらして、とても面白かったです。


ボイン渓谷の眺め。まるでおとぎ話の絵のようです。
そしてこんな景色の中に5000年前に作られたという巨大な古墳が点在しています。5000年前というのは、エジプトのピラミッドよりも古く、インカ帝国の遺跡よりもさらに古いのです。

 
ニューグレンジという古墳。この不思議な渦巻き模様のある入り口から中に入ることができます。
中はとても狭い通路になっていて、多分10数メートルくらい進むとちょっと広い墓室があります。天井はびっしりと大小の石で組まれていて、一滴の水も漏れて来たことがないそうなのです。そしてもっと驚くことは、入り口から墓室まで、計算し尽くされた緩やかな傾斜になっていて、普段真っ暗な墓室が、冬至の日には太陽の光が真っ直ぐに墓室の中を照らすように作られているのです。一体こんな精巧なものを5000年前に誰が作ったんでしょうねぇ。私は思わず「宇宙人説」を考えてしまいました。考えることは皆さん同じらしく、空想が空想を呼び、ガイドさんと話がすっかり盛り上がりました。天文学的知識と、この模様、積まれた石(総重量が20万トンを超えるそうな)、一体誰がどうやって??? 

次に訪れたのは、モナスターボイス。とても古い屋根のない修道院跡とその辺りは墓地。人の墓の上を歩き回るというのは、ちょっと不謹慎なような…、でも教会なんかはみんなそうなのよねぇ。


その墓地の中にたくさんのアイルランド独特のハイクロス(ケルト人が信じていた神とキリスト教が合体したクロスだそうな)が立っています。これはその中でも模様がとてもよく残っている美しい背の高いハイクロス。


"Station House Hotel" ランチをいただいた、レストランですが、この建物、名前の通り、昔は駅舎だったのだそうです。

中もおしゃれに改装されていて、結婚式のレセプションなどにも使われているようでした。

 

ランチを食べた後はいよいよタラの丘。後で知ったことですが、「どこかで聞いたことのある名前だなぁ」と思っていたら、やっぱり「風と共に去りぬ」のスカーレットの故郷の農場の名前がタラなのです。で、あの作者のマーガレット・ミッチェルさんはやはりアイルランド人で、故郷のこの丘の名前をつけたのでした。確かスカーレットのお父さんもアイルランド系の人っていう設定だったような…


昔、ケルト人が作ったこの辺りの国の王様は、代々この石を触ることによって、石が王様の名前を呼べば、国王になれたそうな…。ということで、この石はとてもパワーのある石で、この丘は「タラの丘」としてアイルランド人の心の故郷になっているのだそうです。なので、私も夫もナゼナゼして見ましたが_、何も起こりませんでした。ところが、その夜、なぜか、どうしたことか、私も夫も興奮状態のようになり、私など心臓がドキドキしてしまって、全く眠れなくなってしまったのです。パワーに当たったのでしょうか…。こういうことに関しては、かなり鈍感な方なのだけれどなぁ。いろいろな墓地も歩いてきちゃったし、何か持って帰って来ちゃったかしらん。

このツアーの後、ホテルに戻る途中、川沿いに新しいEPIC『The Irish Emigration Museum』という斬新な建物の博物館があり、気になっていたので入って見ました。これはアイルランド人がこれまで世界中に進出して(移民して)行った足跡をたどった博物館でした。ものすごいITを駆使した展示で、なかなか楽しめました。そして、ラストネームにO'がつく人、(オコナー、オサリバン、オニール etc.)や、Macがつく人(マクドナルド、マクゴウェン、マクギャバン etc.)はほとんどアイルランドからの移民だとのこと。我が家の娘の夫くんのラストネームDoughertyもアイルランド系。考えて見たら、私の周りにもいっぱいいますが、世界中で活躍してる有名人もたくさんいることがわかりました。いやはや5000年前からあんなにすごい天文学を駆使した穴なんかを作っちゃっていたんだもの、偉人がたくさんいてもおかしくないわねぇ。アイルランドって予想をはるかに超えて見応えのある、面白い国でした。

 

 

 

 

アイルランド ダブリン

2018-08-03 | 旅行

アイルランドの首都ダブリンに行って来ました。私にとってはほとんど知らない国。イギリスの隣にある、かつてイギリスに支配されていた国くらいの知識でした。なので、特別な期待もなく、夫の学会にいつものように金魚のフンのごとくついて行きました。

テンプル・バーの通り。若い人がたくさん。ほとんどパブやレストランばかりが並んでいる通りなのですが、なぜかものすごい観光客。


最初に訪れたのはアイルランド最古のカレッジ、トリニティー・カレッジ。


ロングルームのあるオールドライブラリー。ここにはアイルランドの最高の宝と言われている「ケルズの書」が300年以上も前から保管されています。
知りませんでしたが、これは牛150頭分の皮を使って作られた、とても豪華な装飾が施された4つの福音書で、このオールドライブラリーで見ることができますが、残念ながら撮影禁止で、写真は撮れませんでした。

 
ここがロングルーム。足を踏み入れて、この迫力にびっくり。上から下まで部屋中が全部本です。でもなぜか落ち着く。いつまで居ても良いような… 世界中の人間が残して来た足跡に囲まれているような、不思議な気分にさせてくれました。ちなみにここはスターウォーズの場面にも出てくるのだそうです。


カレッジの裏の方にローマのバチカン宮殿の庭で見たあのグローブと同じ作者(Arnaldo Pomodoro)の作品がありました。

そして夫の学会が始まる前日、二人で「ギネス・ストアハウス」に行きました。

 

 
ギネスビールのトレードマークのハープ

 
かの濃厚な黒ビール、ギネスビールの工場の中にあって、ギネスビールの歴史などを色々な形で紹介し、見学の最後にはビールの注ぎ方を学んで、サーティフィケイトをもらい、おまけに結構な大きさのジョッキで試飲ができます。

 

ホテルから歩いて行けるところにアイルランド国立美術館があったので、一人でふらりと出かけてみました。入場無料でした。


私の好きなブリューゲルの絵を発見!


カラヴァッジォの"The taking of Christ" すごい迫力でした。


フェルメールの"Lady writing a letter with her maid" 窓から入る光が柔らかで、本当に美しい。


フェルメールの作品に出会ったのはこれで何作目だろう。予期しないところでこんな風に出会えるなんて_下調べもしないで行く私も私だけど。すっごく得した気分。

 

 
吹き抜けの廊下にあった白木のスラリとしたオブジェ。

当然ですが、アイルランド出身の作家の作品がたくさんありました。Jack B Yeatsもアイルランド人だったと初めて知りました。

 


Central Market in Houston

2018-08-02 | 生活

今日はスーパーマーケットの話です。
これはセントラルマーケットというヒューストンにあるマーケットです。そして、このスーパーマーケットを見て、私と夫はヒューストンに引越しすることに決めたのでした。18年前、初めてヒューストンに来たのは、夫の仕事のインタビューでした。その時は、オクラホマシティとヒューストンの病院の両方からオファーをいただき、私たちはどちらにしようかととても迷っていました。車を借りて市内を見て歩き、通りすがりに見たこのスーパーマーケットがとても気になって、夫と入ってみることにしたのです。それまで我が家は、何度も引越しを繰り返していたのですが、その度に家を決める際、近くにあるスーパーマーケットを見に行くことにしていました。スーパーというのは、その地域の雰囲気を表すというか、住んでいる人の雰囲気も良く見えるものです。あの時、セントラルマーケットに一歩足を踏み入れた時の印象は今でもはっきりと覚えています。あんなマーケットは今まで見たことがありませんでした。野菜、果物、どれをとってもとても美しく並べられていて、しかも種類が豊富なこと!じゃがいもひとつとっても、何種類もあるのです。何種類ものオリーブの陳列ケース。シーフードの売り場に行っても、さらにびっくり。サーモンにあんなにいろいろな種類があるとは知りませんでした。日本のデパートの地下も綺麗ですが、規模が違いました。このスーパーを見て、私と夫は「ヒューストンに決めた!」と即決し、現在に至ります。
そして、昨年、ここは改装されて、以前よりもさらに大きくなり、品数もぐっと増えました。特に世界中の色々な調味料をどんどん集めてくれています。今日、久しぶりに行ってまたまたびっくり。日本のものがどーんと増えてました。

 
セールになっているこの調味料、一番上の棚はラーメンのスープの素、3種類ありました。次の棚は醤油(桜の花醤油、ウィスキー樽の熟成醤油、スモーク醤油)と、イワシの魚醤。 初めて見た醤油です。私は、イワシの魚醤を買って見ました。


その他の棚にも色々な醤油があること、あること!


キューピーマヨネーズからポン酢からホントによく揃ってます。


本出し、七味、味塩コショウ、柚子胡椒などなど… 時々怪しいものもありますが、いろいろな国のものがミックスしているのですから、文句は言えません。ありがたいことです。その他、ここにはのマグロやサーモン、ハマチのお刺身の冷凍もあります(最近、ハマチがないけど)。


そして、今日発見!このブドウ、日本の甲州葡萄にそっくりです。しかも種無し。去年、一度だけ巨峰を見たけど、今年も出てくるかしら…。


それから、今年は桃。桃がめちゃくちゃ美味しい。日本のあの美しい白鳳がいつも恋しかったのだけれど、これで満足しちゃいます。世界中のチーズあり、パンあり、花屋さんあり。セントラルマーケット、恐るべし。

ヒューストンの食文化も本当に変わって来ています。今や日本食のレストランは大人気で、日本食に飢えることもなくなりました。日本で食べるより美味しいと思うことすらあります。