Potter's Diary

私の生活諸々と陶芸作品の紹介(ヒューストンより)

懐石料理

2008-03-24 | 料理

今日はゴージャスなランチをいただきました。そう、これ、懐石料理のランチです。実はもう一品、揚げ物があったのですが、写真を撮るのを忘れて食べてしまい、気づいたときはもうおなかの中にありました。

関西の料亭で8年間ほどシェフとして修行をつんだあと、考えるところがあって仕事をやめ、アメリカを旅行しながら懐石料理を紹介したいという“やぶいともかず氏”が我が家に来て懐石料理を披露してくれました。かなりの部分は彼が前日仕込んだものを持ってきて、暖めなおしたりしていましたが、それでも寿司を作るところや、飾りつけなどを目の前で見せていただいて、懐石料理とは一種の日本のアートだと思いました。


一品、一品手を抜くことなく、彩り、香り、風味に気を配り、さらに客の顔色、気分を慮りながら出す料理。それが懐石料理の真髄らしい。な~んて奥の深い料理だこと。そこまで考えて出された料理は、さすがにパクパクとは口の中にほおりこめなくて こちらもじーっと吟味して、よ~く味わっていただきました。我々日本人にはこのお客に対するシェフと料理のふか~い思いやりっていうものがさすがにスルッと伝わるし、「いやぁ~美しくて、口にいれるのがもったいない」なんていう気になるものなのですが、しかし、ここはアメリカ。ともかず氏がこれまで数箇所でアメリカ人を対象に懐石料理を披露したところ、「パパッ」「ペロッ」「はい、次!」というかんじで、アピタイザーのごとくに一連の料理を食べてしまい、「で、メインは何かな?」という雰囲気になってしまったといいます。お皿にこんもりと盛られた料理に慣れている人間に、この「試食かな?」くらいの量がのっているお皿は物足りないらしい。そうよねぇ、理解できないわよねぇ、こういう言ってみれば「美を楽しむ食事」なんてねぇ。最近までどちらかというと質より量で、味だって関係ないような食文化だったんだから。今ようやくハンバーガー、ホットドック、ピザだけが食事じゃないということが広まりだしたところ。確かにニューヨークなどの大都会では「Nobu」みたいなお店が西洋懐石のような料理を高~い値段でだしてるけれど、まだまだ一般的じゃないし。どこの日本料理のお店もアメリカ人好みの味で盛りが多めになってるような気がする。でもともかず氏のような人がどんどんアメリカに来て、日本の美しい文化、味だけではなくて、お客とシェフとの食べ物を通した交流、気遣いというのが理解されるようになるとよいなぁ、とつくづく思いました。ちなみにナイショ話ですが、格式ある懐石料理のお店で、「おかわり」は許されるのかどうか 一通りのお料理をいただいた後、どうしてももう一度ということなら、かまわないということでした。シェフがお客のおなか具合を見計らいながら出していく懐石料理。客もシェフの気持ちを大切にしながら味わいたいものです。いやぁ、口だけでなく、目と心もおいしゅうございました。ともかずさん、ごちそうさまでした。
(Houston)春!



我が家のコンサート 2

2008-03-23 | 音楽


この週末、我が家でまたステキなコンサートを開くことができました。我が家のコンサートにいつも参加してくれるクラリネット奏者の麻衣子さん(www.oscinetrio.com)と、今回初めて来てくれたジャスパー・ストリングカルテット(http://www.jasperquartet.com/)の皆さん。何度か我が家に来てくれている、ヴァイオリニストの紗絵さんがメンバーの一人であるジャスパー・ストリングカルテットは、麻衣子さんと同じく現在ヒューストンのライス大学シェファード音楽院で学びながらコンサート活動を続けています。この夏からはイェール大学に移り、室内楽の大御所、東京カルテットのもとでさらに音楽に磨きをかけるそう... そんな彼らが気軽に我が家に来てくれて、演奏してくれるというのです。ピアノの部屋では狭いので、前日、家具を壁側に移動させて、我が家のファミリールームを即席コンサート会場に。これぞ室内楽、という感じで我々のすぐ目の前で演奏していただきました。最初は私がリクエストしたシューベルトの「死と乙女」の1,2楽章。すごい迫力。すばらしい音色。以下のウェブサイトで彼らの演奏を聴くことができるので是非お試しください。ほんとうに素晴らしいですから。http://profile.myspace.com/index.cfm?fuseaction=user.viewprofile&friendID=232317300

その他にも我が家の思い出の曲の一つであるS.バーバーの曲も演奏していただきました。ちょうどイースターの週末で家に帰ってきていた娘たちもこれには感激。一曲、一曲に我々素人にわかりやすい、ていねいな解説をつけながら演奏してくれました。その上最後には突然のお願いにもかかわらず、モーツァルトの「クラリネット五重奏曲」を麻衣子さんと共演し、これまたすばらしい演奏。しかもこれは今まで演奏したことがなかった曲だとか...初見で、初めてあわせた演奏だなんて思えないほど、彼らの演奏はぴったりと合っていてみごとでした。麻衣子さんのクラリネットもとても気持ちよさそうにのびやかな美しい音をだしていました。はぁ~、いやぁ、うっとりでした。幸せでした。言葉もありません。プロというか、才能のある人たちって、ホントに凄いワァ。おまけに人柄もいいのよねぇ。彼らはきっとこれからどんどん活躍して、世界を飛び回るようになるんだろうなぁ。ほんとうにステキな一夜をありがとうございました。そして、うれしい事にヒューストンを去る前にもう一度我が家に来て演奏してくれることを約束してくれました。たのしみだワ~。
(Houston)よいお天気