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5章 シュメールとアヌンナキ-8:地球人のルーツ(Project vega)

2016-01-22 | 宇宙種族

Project Vegaさんより http://www.project-vega.org/2014/03/5_30.html 

(1章序文より抜粋) この文章は様々な専門家が、インターネット、テレビ、本などで断片的に論じている出来事を集め、年代別に並べたSFである。可能な限り確実性の高い物的証拠やデータを優先的に集めているが、偽情報やノイズの判断が難しいこともある。特にチャネラーのチャネリングに頼った文章に関しては、本当かどうかは判断が難しい部分なので、この内容を鵜呑みにするのではなく、最終的には自分の頭で考え、確認して、正しいかどうか判断する必要がある。

 

5章 シュメールとアヌンナキ : 地球人のルーツ

(つづき)

生命の家------------------------------------------------------------------------------------------------------

 アヌはあるときニビル星に、宇宙の隅々から科学者たちを招待した。これが年がら年じゅう、つまり永久に続いているのがアンツの宮殿で、あるときいつものように恒例の祝賀会が開かれた。アヌご自慢のニビルの果実酒やご馳走がアンツの宮殿の大広間に並べられた。賓客たちの会話で会場はざわめいていた。
 今回、アヌがパーティを開いた目的は、宇宙一すばらしい科学者を表彰することだった。アヌは、定期的にこのようなパーティを開催することによって、自分にとって有益な情報を収集していた。アヌは突然、自分の手に持っていたゴブレットを鳴らして、皆の注目を集めた。
 「みなさん、ようこそニビル星へ・・・」
 アヌはそう挨拶すると、彼らしく早速本題に入った。
 「私たちアヌ一族は最近、地球を植民地としました。そこで今新しい実験が繰り広げられています。ご関心のある方は、壁にあるme(メ)のスクリーンをご覧ください。リフレッシュメントも用意していますので、じっくりお楽しみください!」
 そうゲストたちに挨拶するとアヌは、ゲストの一人である蛍光色の虹色に輝く巨大イモムシのような形をした生きものと会話していた。しばらくするとアヌは、表彰式は担当者に任せて、自分はアンツの宮廷のどこかに姿を消した。アヌは、地球から遠く離れたニビルにいながらも、いつも地球の事を頭においていた。そして、あのエンキとニンマーの共同プロジェクトを陰ながら応援していたのである。

 「生命の家」では、宇宙中から収集された生き物や、それぞれの「生命のエッセンス」のサンプルが並べられていた。ニビル星には存在しない生き物や、地球のあらゆる種類の生き物のエッセンスが保管されていた。地球は比較的新しい星ではあるが、多くの生物が宇宙のあらゆるところから地球に辿り着き、順応しながら生きていた。
 「生命の家」ではラボの外にも、ハンター兵士によって生け捕りにされたさまざまな動物が飼育されていた。ハンター兵士とは、ニビルから地球に派遣された兵隊で、彼らは細長い青いビームを放つ鞭(むち)のようなme(メ)を腰にぶら下げていて、それを巧みに操りながら狙った動物を生け捕りにしてはラボに持ち帰ってきた。

 ニンマーは、研究に疲れると気分転換に平原に行き、ハンターたちの動物狩りの様子を木陰からよく観察していた。
(色々な動物がツガイで捕獲されている。種が違うものを交配させて、品種改良を続けるだけがエンキの目的かしら・・・?)
 ニンマーは、エンキの目的はだだのジーン(遺伝子)の紐(ひも)の操作と思っていたが、実際には、エンキは、ニンマーの想像を超えるようなことを頭の中で考えていた。つまり、クローニング(遺伝子を単子化すること)を構想していた。捕獲した生き物のプロトタイプを他の生命体にオートメーションで複写することによって、ロボットのようなルルを大量生産することを考えていた。すでにそのための工場の場所まで見つけていた。エンキにとっては、ロボット化された労働者こそ、「ルル・アメル」のモデルなのである。

 生命の家の床からは、地下深くに続くトンネルがあった。むろんそのトンネルは、エンキの屋敷とも繋がっていた。エンキは、仕事を終えて帰宅する暗いトンネルの中で、いつもいいアイデアが思いつく。これもきっと彼のヘビ族の血が流れているせいなのかもしれない。
(できるだけ、便利な場所に工場を建てよう。そして、輸送には地下ルートがいいだろう。地下ルートの開発には、ヘビ族の各長(おさ)に話をつけて交渉すればいい。)
 エンキはこんなことを真っ暗なトンネルの中で眼を光らせながら考えた。
 生命の家の外に運び込まれた動物たちは、それぞれ一匹ずつ仕切った檻の中で飼育された。それらの中には、アブズのサバンナ平原を猛スピードで走るガゼルの原型のような四本足動物もいた。ほかにも、ものすごい力で物を持ち上げることができる猿類の仲間や、強烈な顎の力で肉を切り裂く大猫類や、地球の地下で暮らす爬虫類も混じっていた。
 驚いたことには、ある檻の中には、宇宙彼方の星からやってきたドラゴン族の子まで捕獲してあった。ヘビ族も、ドラゴン族も鋭い知能が備わっているので、捕獲するのは簡単ではなく、また檻の中に捕らえておくことも困難である。

 ドラゴンは、地球のはるか上空から地上に舞い降りてきて、その長くて太い尾っぽを引きずって歩き回る生き物である。そして彼らは、平原地帯に生息している直立獣を見つけては、火を噴いて脅かし、失神させてから口にくわえて、空に舞い上がり、連れ去る。ときとして彼らは、異次元へのポータルを越えて、獲物をくわえたまま遠くに消えてしまう。
 ドラゴン族は、異次元を住処にしているどう猛な生き物であり、機嫌を損ねると火を吐きつけてくる。そんなドラゴン族の子供のツガイが、生命の家の外の檻の中に入れられ、細心の注意が払われて飼育されていた。ドラゴン族は、ニビル人もほかの生き物同然に魔法にかけて捕らえることができるので、特に厳重にme(メ)のベールが掛けられていた。

 ラボ内の各檻は、夜になると黒いベールが掛けられていた。しかし決して静かではなく、捕らえられている地球の動物たちが寝静まったあと、別の次元から連れてこられた生き物がいる部屋やニビル星の生き物がいる部屋からは、この世のものとは思えないあやしい空気が漂っていた。

 エンキは、ドラゴン族を捕獲し研究することで、ルル・アメルに、空を飛べるという機能を与えるという夢があったからだ。そうなれば、シェムの必要もなくなる。つまり人類の可能性として、飛ぶということが加わっていたのかもしれない。そのためにエンキはドラゴンをはじめとする、さまざまな鳥類の生命のエッセンスを研究した。
 しかし、そのためにもドラゴン族のどう猛さをエンキはクリアせねばならなかった。実際に、この実験が成功していれば、人類の歴史もまったくちがったものになっていたはずである。しかしながら、創造主はしっかりと背後からアヌンナキを監視していた。

ルル・アメルが誕生するまで-----------------------------------------------------------------------------

 ニンマーは、異なる細胞を融合させる実験に熱中していた。これは、あえて染色体を融合させるのではなく、細胞同士を融合させて、新しい細胞をつくる試みであり、2つの核と染色体を倍持つ“スーパー細胞”なるものを完成させようとしていた。
 (スーパー細胞が分裂していくと、新しい遺伝子の生物が誕生する。その遺伝子を移植すればいいんだわ……)
 ニンマーは、エンキとはまた違う角度でルル・アメルを完成させようとしていた。エンキとニンマーたちが、ルル・アメルのプロジェクトに費やした時間は、ざらに20シャルを越えていた。それは地球の時間にしておよそ7万2千年という長い期間だった。生命のエッセンスを混ぜ合わせる実験によって、奇想天外ともいえる生き物たちが誕生した。それらは、

● 幾つもの目や顔を持つ猿類
● 翼を持つライオン
● 体を背合わせに共有する生き物
● 男女の二つの顔をもつヘルマフロディテ(両性具有)
● 角を持ち、人間の顔の四本足の生き物
● 馬の足を持つ直立人
● 牛の頭を持つ直立人
● 人間の頭をした巨人
● 猫羽のある直立巨人

などであった。

 それらの中には、ラーマ(火星)に送られて飼育されるものもあれば、危険でないものは、生命の家の外の目に見えない檻の中で放し飼いにされたり、逃がされる生物もいた。しかし、実験室で生まれたほとんどが魂を宿しておらず、生き延びる術も知らなかった。
 彼らには、魂という重要なエレメントが欠けていたために、しばらくすると死んでしまう者も多かった。うまく魂を宿し、頭脳をもった者の中には、自らが神であると装い、後に誕生するルルたちを操作するようになった生き物もいた。もちろん、中にはアヌンナキやルルに使われる従順な奴隷となる生き物たちもいた。

 やがてやってきた古代エジプト時代には、寿命が長いそういった生き物の中には、崇拝される者たちも現れた。確かに彼らは、アヌンナキの生命のエッセンスが掛け合わされているかぎり、神といえば神なのである。魔力で人を魅了させては操る、悪魔の落とし子とさえいえる生き物が彼らの実験の結果生まれた。
 実験の最中には、エンキもニンマーもルル・アメルを完成させることに熱中していて、これらの副産物まで誕生させていたことにはあまり気にしていなかった。
  
■紀元前30万6000年頃

ルル・アメル(人間)の誕生---------------------------------------------------------------------------------

 ようやく彼らの実験は、最終段階に近づいていった。やっとルル・アメルと呼べるような原始的労働者のプロトタイプが誕生した。実験開始から約20シャル、地球時間で約8万年かかったことになる。50万年前にアヌンナキが地球に到来し、40シャル(地球の時間で14万4千年間)もの間、金の採掘作業はアヌンナキの労働者だけによって続いたが、しかし、エンキがアブズのサバンナ地帯で発見した直立原人(ホモ・エレクトス)の生命エッセンスとアヌンナキのものと掛け合わせた結果、やっとルル・アメルとよばれる原始的労働者が誕生した。実際にこれが今の人類のプロトタイプとして、地球上にいちばん最初に現れたということである。

お産の家「シムティ 」-------------------------------------------------------------------------------------

 ニンマーは、その器の中に混ぜ合わされたアヌンナキと地球人のエッセンスを垂らし、さらには直立人の雌から抽出した卵子をそっと入れた。そうしておいたあとニンマーは、 me(メ:この場合はアヌンナキの精子のこと)の器の温度調節を確かめた。しばらくそのままにして置いた後ニンマーは、受精卵の入ったその容器から液体を取り出し、自分の子宮に注入するというプロセスを何回も繰り返した。残念ながら人間たちには、女神のそんな側面はあまり知らされていない。
 エンキは研究熱心なニンマーのために、「生命の家」に隣接して、「シムティ」とよばれる彼女専用のラボを新しく設けた。シムティとは、「心地よく出産できる家」という意味である。
 ニンマーは、自らの子宮を提供しての実験を繰り返したが、それとはまた別に、受精卵を入れた粘土(猿人の卵子)を小さく捏(こ)ねり、地球のその生き物の雌の子宮に注入するという実験も繰り返した。奇想天外な結果を生みだすことを繰り返しながらもついにそれは成功した。


 ここでの地球の粘土から作った容器といっても、素焼きの土器などではなく、フラスコのようなガラス容器である。粘土はアッカド語で“ティト”で、泥を意味する。その同義語はビサ=湿地、ベサ=卵なので、粘土は“猿人の卵子”をも意味する二重語義となる。粘土にはケイ素が豊富で、その化合物の酸化ケイ素は光学活性を有する。生命体の根源であるアミノ酸は光学活性があるので、酸化ケイ素の光学活性が効いていた。

 女神ニンマーとエンキ、そしてニンギシュジッダが中心となって、ニビルの科学者らも交えた、アヌンナキの神々のルル・アメル(原始的労働者)を誕生させるというその実験から、ようやくアヌンナキの姿をした、つまり立派な両手両足がある生命体が誕生した。そのときは、実験に関わったアヌンナキ総勢でその誕生を祝った。
 ニンマーは、「ついに成功しました!これからメスのおっぱいに近づけましょう!」
 といって、生まれたばかりの直立原人の赤ちゃんをそのメスの乳房に近づけたが、メスは恐怖と警戒から歯をむき出し、野生の本性を露わにした。自分の子に近寄ろうとはしなかった。そこでニンマーは、その子の母親代わりとなって育てることにした。その子は、ニビル星人の新しい命と比べると成長が遅く、言語を発達させる能力がないこともすぐに明らになった。そこで彼らは再び実験をし直した。その実験に対してもニンマーは自分の肉体を提供した。
「怪物が生まれるかもしれないのに、他に子宮を貸してくれる女神なんていないわ!」
と、彼女はため息いた。心配になったエンキはどうにかしようと考えた。
「もうこれ以上君に苦労をかけたくない。次は、ニンキに生命の家に来てもらうことにしよう!」
「それはだめよ、エンキ。こんな危険なことを彼女にさせるなんて!この実験は、私たちがスタートしたのだから、私が責任を持って果たすわ!」
と、ニンマーはエンキに返した。エンキは、心の優しい妹を自分に引き寄せた。そして彼女の耳元で申し訳なさそうにうなずいてみせた。
 このようにして、エンキとニンマー、神・女神の献身的な努力の末、今の人類のプロトタイプが誕生した。ついに彼らの実験である体外受精は成功した。
 地球の雌の卵をニンマーに注入することで、ようやく彼らが「ルル・アメル」とよべる、男の新生児が生まれた。地球のメスの生命のエッセンスと、選り抜かれたアヌンナキの男神の生命のエッセンスが掛け合わせることに成功して生まれた作品、それが「ルル・アメル第一号」」である
 しかしながら、そのメスの生き物の妊娠期間はどれくらいだっただろうか。ニビル星の女神たちのように9日間なのか、それとも地球の人間のように9カ月間なのだろうか?
 それは地球の9カ月よりも短く、ニビルの9日間よりも長かった。しかし、結果としてニンマーは健康な男の子を出産した。そして、その子を最初に腕に抱きかかえたのは、他の誰でもなくエンキだった。実はそのメスの卵に受精させたのは、当の自ら自身の生命のエッセンスであることを、エンキはしばらくたってからニンマーにうち明けた。それを聞かされたとたんにニンマーは怒りがこみ上がってきたが、エンキが元気に泣き叫ぶ男の子を満面の笑みで抱く姿を見たときに、彼女の怒りもどこかへ飛んでいった。嬉しい気持ちでニンマーは満たされた。
「エンキ、私があなたのために、初めて産んであげた男の子よ!」
「ニンマー、きみは勇気のある女神だ。これからは君のことを尊敬の意を込めて、“ニンティ(人類誕生の母)”と呼ぶことにしよう!」
 それ以来、女神ニンマーは、「ニンティ」(偉大なる人類の母)とよばれるようになった。ニンティはアヌンナキたちが地上での使命を達成するために、なくてはならない存在としてさらなる尊敬を得るようになった。

ルル・アメルとアダマ(アダム)第一号の誕生の物語---------------------------------------------------

シュルッパク:第四の都市。エディンの近くで、エンリルが自分の城近くに建てたニンマーの病院周辺をいう。大洪水後そこはニンフルサグによってアダブと改名される

シムティの家:エンキのラボ「生命の家」に隣接したニンティ(ニンマー)のお産の家

ニンギシュジッダ:エンキの息子の一人で、マルドゥクとネルガルの弟。「生命の家」の所長を務める。双子山の設計士。南米ではケツァコアトル、エジプト時代には、トート(朱鷺の神)と呼ばれる

エディン :北にエンリルの城があるレバノン杉に囲まれた森林地帯

ニンマー:俗に、「ニンフルサグ」とよばれる、プレアデス、ニビル、シリウスのヒーラーアークチュール星人とアヌとの間に生まれたハトホルとも呼ばれる)

エンキ:アヌの第一子で、いちばん最初に地球に派遣される「水の神」、アヌが妃アンツ(妹)を娶(めと)る以前に、ニビルからヘビ族が支配する惑星を探検したとき出会ったヘビ族帝国のプリンセス「イド」との間に生まれる。

me(メ):ニビル星人たちがもっているプレアデスのテクノロジーが生んだ魔法のツール。さまざまな種類がある


 生まれてきた男の子は、生命の家の学者らによって注意深く毎日観察された。その子の姿は、直立原人のように毛むくじゃらではなく、皮膚もアヌンナキのようにブルー系統ではなかった。アブズの粘土のように茶褐色だった。また、彼の血液も同様にアヌンナキのブルーブラッドとも、ヘビ族の深緑色とも違っていて、赤色をしていた。さらに言えることとして、その男の子の陰茎部の包皮は、胴体と区別がつかなかった。
 これをデザインしたのはエンキであり、わざとそうしておいた。ここにルル・アメルとアヌンナキの相違点を明らかにさせたかったからである。エンキはルル・アメルに生じる可能性のある諸々の問題点を避けるために、あえて肉体労働以外の機能を発達させないように苦心した。
 こうして生まれた人類第一号(アダマ)の容貌は、現在のアラブ系やインド系であった。ちなみに、ニンマーは古代バビロニア文書では“助産婦、利口なマミ”と呼ばれており、“ママ”の語源となった。 


 さて、ニンマーの腹を借りて生まれてきた乳児は、ラボの研究者が毎日行なう身体検査に疲れてしまい、つい泣きじゃくった。するとニンティは、その子を抱きかかえて自分の乳首を含ませてやり、なだめた。それを見てほっとしたニンギシュジッダは、ラボの全員を集めて労(ねぎら)の言葉をかけた。
 「皆さん、ご苦労様でした!長らく頑張ってくれましたね。でもこれからが本番です!」
 エンキは息子のスピーチが続く間、じっとニンティを見つめていた。彼の目が捉えたニンティは、科学者というのではなく、やさしい母親の笑顔だった。
 「ニンティ、その子に名前をつけてはくれないか?」
 「そうね、粘土から生まれた地球の子どもだから、“アダマ(粘土:アダム)”とでも呼びましょうか」
 生命の家の研究員一同の視線が集まる中、ニンティは赤ん坊の頭をなでながらそう述べた。エンキはアダマを原始的労働者、ルル・アメルのプロトタイプ(ひな型)第一号と呼んだ。そして、第一号の生命のエッセンスは、アヌンナキの科学を誇る貴重なサンプルとして大切に保管された。
 ちなみにその「人類第一号」ともいうべきアダマ(アダム)は、幸いにも肉体労働を課されることはなく、シムティの家のニンティのもとで可愛がられて育った。
 一方、ニンギシュジッダはというと、父エンキがいつアダマの大量生産に入るか、気がかりに待っていた。なぜならば、金採掘の労働をめぐってアヌンナキの反乱が抑えられなくなっていたからである。そこでその、「ルル・アメル計画」の次のステップを彼らは検討する運びとなった。あらゆる地域からアヌンナキの代表たちが集まり、またもや会議に召集された。そして、ニンティはその場をかりて素晴らしい提案を発表した。
 「シュルッパク」の病院から看護婦に来てもらうことにしましょう。代理母に相応しい候補者を何名か推薦しましょう!」
ということで、ニンティのすばらしい提案が受け入れられた。早速、ニンティはシュルッパクから「シムティの家」に若い看護婦たちを送った。
 ティアマトの誕生-------------------------------------------------------------------------------------------

 ニンマーは、シュルバクにいる女性治療者たちを呼び寄せ、課せられた任務を説明した。そして、強制ではなく希望を募った。すると、7人が任務を引き受けた。その名をニンギシュジッダが記録した。ニニンマ、シュジアンナ、ニンマダ、ニンバラ、ニンムグ、ムサルドゥ、そしてニングンナである。今度は、アダマから生命エッセンスを抽出した。そして、ニンマーはアダマの男性生殖部分に切込みを入れ、血を滴らせた。
「これを“生命の印”とし、肉体と魂が混ぜ合わされたことを、永遠に宣言させよう!」
彼女はそれぞれの容器に、血を1滴ずつ落として混合物に加えた。ニンマーは、
「この粘土の混合物の中で、地球人とアヌンナキが結び付けられんことを!」
と言って、呪文を唱えた。
「この2つのエッセンスに統一あれ!1つは天の、1つは地球のものが一緒にされ、地球のものとニビルのものが、血によって血縁関係を結ばれんことを!」
ニンギシュジッダは、この言葉も記録した。
 出産のヒロインたちの子宮に、卵子は挿入された。受胎があり、出産があり、7人の男児が誕生した。そして、“正常”であった。しかし、この方法は過酷すぎるし、時間も掛かりすぎた。そこで、雌(めす)を創ることをエンキが提案した。地球人自身で生殖させるのである。アダムゥの対を成す者を創るためには、1人、アヌンナキの子宮が必要であることを、ニンギシュジッダが述べた。今度はニンマーではなく、ニンキを呼び寄せ、彼女が任務を引き受けた。“調整”はニンギシュジッダが行った。ニンキの子宮に卵子が挿入され、受胎したが、割り当てられた時に出産の印は来なかった。更に月を数え、10ヶ月目、“邪悪な宿命の月”と彼らは呼んだが、ニンマーが帝王切開して取り出すと、女の子が誕生した。彼らは新生児の手足、容貌、各器官の機能を調べ、いずれも問題なかった。頭髪は浜辺の砂のような色で、毛むくじゃらではなく、肌は滑らかでアヌンナキの肌の滑らかさと色だった。
「この子は君に姿がそっくりだ」
とエンキが言った。そして、ニンキが名付け親となり、ティアマト、“生命の母”とされた。地球の大元となった、あの古い惑星に因んで。

 このアダマから生命エッセンスを抽出する儀式が、現代の割礼の原型となった。アヌンナキには包皮が無く、地球人には包皮があり、これがアヌンナキと人類を区別する印である。男子の性器の包皮の一部を切除することが割礼であるが、そうすることにより、容貌はまさしくアヌンナキ=「神々」そのものとなる。これこそが、割礼による“選ばれた民”の真意である。ユダヤ教では、割礼はブリット((ברית/Brit)と呼ばれ、ヘブライ語で「契約」を意味する語である。ユダヤ教徒の家庭に生まれた乳児および改宗者は、割礼を行わなくてはならない。 
 この他、イスラム教、昔のキリスト教、そしてアフリカ・オセアニアの諸民族などでは風習として行われ、オーストラリアのアボリジニーの間では尿道の下部を切開する「尿道割礼」が行われていた。またミクロネシア連邦のポナペ島の住人や、南アフリカ共和国からナミビアにかけて居住するホッテントット族の間では、片方の睾丸を摘出する「半去勢」が行われていた。


 またティアマトの浜辺の砂のような栗毛色の髪に合う肌色は、黄色味を帯びた肌、モンゴロイドのような色で、つまりアヌンナキの肌はモンゴロイド系である。よって神の系譜はモンゴロイドなのである。その証拠が蒙古斑で、これが後に誤解されて“青い肌”となった。更に、その直系は遺伝子的に特別なYAP(ヤップ:Y染色体ハプログループ)遺伝子である。
 アフリカ北部・地中海沿岸(エジプト・イスラエル・レバノン・シリア)やヨーロッパのオーストリアなどに父系を通じて広がった集団がハプログループEであり、分岐後東方に向かい、ジャラワ族・チベット・ヤオ族・フィリピンのマクタン島・グアム島・日本列島などに父系を通じて広がったのがハプログループDである。 


 こうして、「ティ・アマト(イブ)」は、母なる地球のエレメントである粘土と、アヌンナキの「生命のエッセンス」、そして、直立人のメスの卵子から誕生したのである。さらにいうと、血液とアブズの国の地の粘土が混じり合ったことによって、しっかりと魂も宿すことができた。アダマはアヌンナキの学者たちから教育を受けて育ち、また、アヌンナキと同じように神にほぼ等しい長寿を授かっていた。やがて彼は、130才を迎えたとき自分よりもあとから生まれたティ・アマトと結ばれた。


 そのあともニンティの実験は続いた。ティ・アマトの生命のエッセンス+アブズの粘土で、7名の出産の女神に代理母をさせた。別の7名の女神には、ティ・アマトの「生命のエッセンス」だけを自らの受精卵と掛け合わせて女神たちに産ませた。それで男女計14名のルル・アメルが誕生し。ニンティは、アヌンナキの遺伝子を強く引いたルルを創造するために、特別にアダマ第一号と第二号はすべて女神自身で産むという工夫を凝らした。
 
急増しはじめたルル----------------------------------------------------------------------------------------

生命の家:エンキがアブズの自分の領土に建てた「ルル・アメル計画」のための実験所

アダマ(アダム):(アダマ一号)粘土という意味。エンキが自らの生命のエッセンスをホモ・エレクトスの雌に与えて生まれた男。原始的労働者ルル・アメルのプロトタイプ第一号

ティ・アマト(イヴ):生命の母という意味。アダマの生命のエッセンスからクローニングして生まれた女。原始的労働者ルル・アメルのプロトタイプ第二号

エディン:北にはエンリルの城があるレバノン杉に囲まれた森林地帯

me(メ):ニビル星人たちがもっているプレアデスのテクノロジーが生んだ魔法のツール。さまざまな種類がある
 
 「生命の家」の周囲には、目に見えないme(メ)のドームがはり巡らせられた。ドーム内には、14人のルルたちが快適的な生活できるような環境設定がなされていて、彼らの生態を観察できた
 ようやく役目を終えて自由になったティ・アマト(イヴ)とアダマ(アダム)は、エンリルの居城近くの「エディン」という場所に送り込まれることになった。が、エディンにも、生命の家と同じように、いやそれよりかは2倍も広い、目に見えないドームのバリケードが張られていた。
 しかしながらアダマとティ・アマトは、あることを教えられていた。それはそのエディンの端までいくと、すなわち、バリケードの境界近くまで行くと、恐ろしいことが起きるということだった。実際には、このドームは彼らを展示するための機能を備えていて、モニターを通してアヌンナキたちが彼らを観察する場所で、動物園のような役割をした
 アヌンナキやラーム(火星)のイギギまでが、その珍しい生き物のつがいを見学しようと、遠路はるばるやってきた。2匹のルル・アメルを一度見物したいとエディンに押し寄せてきた。エンキの長男のマルドゥクまでもが、わざわざ訪れた。ニビル星でも、ルル・アメル第一号アダマと第二号のティ・アマトは噂の的となった。しかし見学者たちは、高度な学習能力をもつ彼らに気づかれないようにと、モニターを通して始終彼らの動きを捕らえていた。
 あの目に見えないme(メ)のドームは、単にバリケードの役割を果たすだけではない。me(メ)が制限する範囲内で、今も人間は世界を我が物顔にしているのである。そろそろその事実に気づくときである。そのような巧妙さを備えているのが、アヌンナキのテクノロジーである。

 ついにエンリルも、妻のニンニルとニヌルタを連れてティ・アマトとアダマの見物にエディンを訪れた。最初は、このプロジェクトに大反対だった彼も、ルル・アメル第一号の見事な出来には驚かされた。エンリルは、このプロジェクトを称えて、地球の総司令官として一同に演説した。
 「愛する兄エンキと妹のニンティ、そしてニンギシュジッダ、生命の家の諸君、よくぞ頑張ってくれた!アヌンナキの女神である君たちの力によって、原始的労働者ルル・アメルプロジェクトは成功したといえよう。皆に私から、栄誉の勲章を与えることにしよう!」
 エンキはこの任務に一息ついたことで自分の屋敷に戻り、家族と一緒に過ごすことにした。ニンティとニンギシュジッダは、さらに研究を続けるために生命の家に戻ることにした。
 しかし案の定、生命の家ではある問題が浮上していた。me(メ)のドームの中で放し飼いにされていたルル7対が、茂みの中でつがっているのが確認されていたにも関わらず、雌は子を産まず、ルルの数は増えていく様子がないということが明らかになったからである。これを知ったエンキは、生命の家に早速戻ってくることになり、再び彼の指揮の下で対策が練られることになった。
 一方で、金の方はというと、エンリルの尽力でラーマを経由せずに直接ニビルに届けられるようになった。しかし、肝心の労働者は未だにアヌンナキであることには変わりなく、逆に地球に精製場の建設ラッシュが訪れて以来、アヌンナキの仕事は増え、不満の声はさらに高まっていた。
 常にどこかで暴動や事件が起こり、不安定な状態が続く中、ニビル星からは、大気圏を安定させるために、もっと多量の金が必要だと催促が届いた。エンキたちはこの悪循環を解決するためにも、一刻も早くルルを増やす方法を見出さねばならなかった。エンキは、改めて小さなme(メ)の設定を確認し、アダマとティ・アマトの生命のエッセンス、そしてアヌンナキのものを掛け合わせるという実験をし直すことに決まった。こうして「ルル・アメル計画」は第二段階を迎えたが、その鍵はといえば、それはアヌンナキとルルの生命のエッセンスの違いを完璧に理解するしかなかった。
 遺伝子工学の研究においては、ニンティの右に出る者はいない。なんといっても彼女は、地上で最初に螺旋状の二本の紐を操った女神である。
 「この地球上に科学をもたらしたのは女神である」と、いってもおかしくはない。ニンティが実験に取り入れたのは、ニビルやプレアデスのサイエンスだけでなく、呪術もふんだんに取り入れた。

 満月の夜に、彼女は月の光を浴びながら歌を歌ったり、舞を踊った。これも彼女の「妊娠の儀式」のひとつだった。このようなニンティのユニークな科学者としての側面は、後に魔術や錬金術と呼ばれるようになるが、それでも近代科学のもととして実にニビルの女神ニンティが種を蒔き、いつまでも科学の知られざる影の側面として存在し続けることになる。
 魔法とは、実際には「真法(まほう)」といった方が正しいのであり、それを自由気ままに操ってきたのが、ニビル星人たちなのである。そこには、遠く彼らの祖先にあたるプレアデス星人から受け継がれたものもあれば、アークチュール星人から受け継いだ叡智も含まれている。さらには、創造主から意志を直接取り入れる魔法もニンティは知っていた。
 ただしニビル星人のすべてが、ニンマーのように魔法が使えるというわけではない。これは、アヌの血を引く純粋なアヌ一族の特権であり、この魔法と彼らが持つパワフルなme(メ)はうまく共鳴し合った。

 さて、生命の家では、アヌンナキの生命のエッセンスが、男と女別に皿に振り分けられて、それぞれがティ・アマトとアダマのものと比較された。小さな me(メ)を通して観察すると、絡まった2本のヘビのようなものが見え、それをさらに拡大させると、“生命の木”であるDNAの連なりの染色体の上に、22本の枝がついていた。これが、いわゆる彼らとアヌンナキとの決定的な違いであり、これに気づいたニンギシュジッダは、エンキに言った。
 「これでは、生殖能力は持てない! 男と女を決定的に分ける2本が欠けているのです」
 時を同じくして、ニンティもこのことに気づいていた。そこで、エンキとニンティとニンギシュジッダの三人は、新しい実験を試みた。ニンギシュジッダはエンキ、ニンティ、アダマ、ティ・アマトにトゥルバのエリキシル(特効薬)を飲ませて、深い眠りに誘導し、エンキの肋骨から抽出した生命のエッセンスを、小さなme(メ)にかけてアダマの肋骨に抽入した。同様に、ニンティの肋骨から抽出したものがティ・アマトの肋骨に注入されて手術は完了した。
「成功しましたよ。彼らの生命の木に枝が2本加わりました!」
 ニンギシュジッダは嬉しそうに、眠りから覚めたエンキとニンティに告げた。

 体外受精による異種交配種アダマとティアマトには生殖能力が無かった。その原因は、性染色体が存在しなかったことによる。ニンギシュジッダは、肋骨からの“骨髄移植”により、生殖能力付加に成功した。22本の枝とは染色体のことであり、2つの小片(しょうへん)が性染色体(XY、XX)である。
 ここで「生命の樹」が登場した。「生命の樹」とは染色糸である。細胞核の中に染色糸があり、それが細胞分裂の際に染色体となる。染色体はDNAとタンパク質の結合物である。22本の枝=染色体は、カッバーラの「生命の樹」におけるパスの数の原型である。
 また実質的に人類を創成したのはエンキではなく、ニンギシュジッダである。エンキは監督者、リーダーである。
 今の人類は天才科学者ニンギシュジッダ無くしてあり得ない。そして、「生命の樹」を基盤とするカバラもニンギシュジッダということである。よってエジプトのトートのような知恵の神となる。
 また男性のY染色体はエンキ、女性のX染色体はニンマー由来である。よって人間は皆、神々アヌンナキの子なのである。約30万年前のことである。
 聖書のアダムは“赤い土”や“人間”を意味するが、“血”も意味する。これは、人類の血と神々の血=遺伝子が混ぜられたことを意味する。ニンフルサグはニンティとも呼ばれ、シュメール語の“ティ”は“生命”と“肋骨(ろっこつ)”の意味なので、アダムの肋骨からイブが創られたことに対応する。そして、後に“礼拝”として訳される言葉“avod”は“仕事”の意味だが、神を礼拝するのではなく、人類が神々の労働力として働かされていたことを表す。
 

(つづく)


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