シリーズ平成の本音―民主党を食いつぶした防衛専門家!
防衛専門家の森本毅拓殖大学特任教授が10月16日付で中谷防衛相の政策参与に任命された。同氏は、民主党政権下で防衛相を務めており、大臣だった人が防衛相の政策参与になるという摩訶不思議な人事だ。森本氏は、民主党政権での防衛相から自民党政権下の防衛大臣の下の政策参与に鞍替えしたことにもなる。
降格か、加齢なる転身か?処世術のスペシャリストか、日和見評論家か?摩訶不思議な変わり身ではないだろうか。いかにも節操が無さ過ぎる。ご都合で寝返るので、その言動は信用出来そうにない。
同氏は、テレビ番組でコメンテーターなどをしているが、元防衛相というのが売りのタイトルとなっている。しかし野田内閣或いは民主党政権ということが消えている。もともと同氏は、保守政権側の評論家であった。討論会でも自民党政権下で政権側についていた。元に戻ったということであろうが、民主党は食いつぶされた形だ。
森本防衛相参与は、沖縄の普天間基地(米国海兵隊空港)の移転先となっている辺野古の沿岸の埋め立て工事に関連し、沖縄知事が埋立て工事許可を取り消したことに関連し‘安全保障は国の権限であり、国に任せてほしい’旨述べている。しかし辺野古への米軍基地建設は安全保障と関連しているが、75%近くの米軍基地が集中している沖縄県辺野古での米軍基地建設であるので、沖縄県での基地建設問題であり、地権者との関連を含めて国内問題である。更に政治的には、辺野古基地建設反対が県民の選択である。国が勝手に何処でも米国の軍事基地を作って良いということではない。もしそうであれば、沖縄以外のどこかに勝手に建設できるではないか。辺野古沖にはサンゴ礁が広がっており、希少動物のジュゴンの生息地でもある。周辺住民の生活環境や風紀の問題等もある。米兵については、日本側に裁判権もない。
安倍政権は、沖縄県の経済開発ため今後5年間で年3000億円の財政支援を提案し、辺野古移設に慎重であった仲井間知事(当時)の説得に努めた結果、同知事は2013年12月に辺野古沖の埋め立てを認め、また埋め立てのための岩礁破砕を承認し、これを受けて防衛省は辺野古沿岸の調査、準備を開始した。
しかし仲井間知事は、2014年11月16日の知事選において辺野古移設に反対、普天間基地の早期返還を公約にした翁長雄志氏(自民党県連を脱退)に敗れ、落選した。更に、同年12月の衆院総選挙において、自民、公明両党は同県の4つの1人区で1議席も確保できなかった上、2年前の選挙で獲得した3議席を失った。また2014年1月に行われた辺野古の地元である名護市長選挙でも、辺野古移設反対の稲嶺進氏が当選した。自民党側は、与党候補支援のため500億円の財政支援を示唆したが、与党推薦候補は敗れた。
政治的には同県の民意は明らかだ。市レベルはもとより、県レベル、国政レベルでも辺野古移設反対が沖縄の民意と言えよう。民主党政権が発足した際、同県の民意を尊重し、‘普天間基地の移転先を県外他’と提案して本土での受け入れ先を探したが見つからず、頓挫した。その際、‘移転先は辺野古が唯一の選択肢’と主張していたのは自衛隊出身の森本氏だ。今回沖縄県の民意は明らかであり、民主党政権の判断は正しかったと言えそうだ。
国内に米軍基地や自衛隊駐屯地を建設するような国内の問題を、同氏が主張するように、‘安全保障は国の権限であり、国に任せてほしい’ということで沖縄県の民意を踏みにじるわけにはいかないだろう。それは同県の地方自治を踏みにじることにもなる。同氏のような専横的考えでは、国の安全保障上の問題と判断すれば、国民に銃を向けることにもなり兼ねない。(2015.10.17.)(All Rights Reserved.)
防衛専門家の森本毅拓殖大学特任教授が10月16日付で中谷防衛相の政策参与に任命された。同氏は、民主党政権下で防衛相を務めており、大臣だった人が防衛相の政策参与になるという摩訶不思議な人事だ。森本氏は、民主党政権での防衛相から自民党政権下の防衛大臣の下の政策参与に鞍替えしたことにもなる。
降格か、加齢なる転身か?処世術のスペシャリストか、日和見評論家か?摩訶不思議な変わり身ではないだろうか。いかにも節操が無さ過ぎる。ご都合で寝返るので、その言動は信用出来そうにない。
同氏は、テレビ番組でコメンテーターなどをしているが、元防衛相というのが売りのタイトルとなっている。しかし野田内閣或いは民主党政権ということが消えている。もともと同氏は、保守政権側の評論家であった。討論会でも自民党政権下で政権側についていた。元に戻ったということであろうが、民主党は食いつぶされた形だ。
森本防衛相参与は、沖縄の普天間基地(米国海兵隊空港)の移転先となっている辺野古の沿岸の埋め立て工事に関連し、沖縄知事が埋立て工事許可を取り消したことに関連し‘安全保障は国の権限であり、国に任せてほしい’旨述べている。しかし辺野古への米軍基地建設は安全保障と関連しているが、75%近くの米軍基地が集中している沖縄県辺野古での米軍基地建設であるので、沖縄県での基地建設問題であり、地権者との関連を含めて国内問題である。更に政治的には、辺野古基地建設反対が県民の選択である。国が勝手に何処でも米国の軍事基地を作って良いということではない。もしそうであれば、沖縄以外のどこかに勝手に建設できるではないか。辺野古沖にはサンゴ礁が広がっており、希少動物のジュゴンの生息地でもある。周辺住民の生活環境や風紀の問題等もある。米兵については、日本側に裁判権もない。
安倍政権は、沖縄県の経済開発ため今後5年間で年3000億円の財政支援を提案し、辺野古移設に慎重であった仲井間知事(当時)の説得に努めた結果、同知事は2013年12月に辺野古沖の埋め立てを認め、また埋め立てのための岩礁破砕を承認し、これを受けて防衛省は辺野古沿岸の調査、準備を開始した。
しかし仲井間知事は、2014年11月16日の知事選において辺野古移設に反対、普天間基地の早期返還を公約にした翁長雄志氏(自民党県連を脱退)に敗れ、落選した。更に、同年12月の衆院総選挙において、自民、公明両党は同県の4つの1人区で1議席も確保できなかった上、2年前の選挙で獲得した3議席を失った。また2014年1月に行われた辺野古の地元である名護市長選挙でも、辺野古移設反対の稲嶺進氏が当選した。自民党側は、与党候補支援のため500億円の財政支援を示唆したが、与党推薦候補は敗れた。
政治的には同県の民意は明らかだ。市レベルはもとより、県レベル、国政レベルでも辺野古移設反対が沖縄の民意と言えよう。民主党政権が発足した際、同県の民意を尊重し、‘普天間基地の移転先を県外他’と提案して本土での受け入れ先を探したが見つからず、頓挫した。その際、‘移転先は辺野古が唯一の選択肢’と主張していたのは自衛隊出身の森本氏だ。今回沖縄県の民意は明らかであり、民主党政権の判断は正しかったと言えそうだ。
国内に米軍基地や自衛隊駐屯地を建設するような国内の問題を、同氏が主張するように、‘安全保障は国の権限であり、国に任せてほしい’ということで沖縄県の民意を踏みにじるわけにはいかないだろう。それは同県の地方自治を踏みにじることにもなる。同氏のような専横的考えでは、国の安全保障上の問題と判断すれば、国民に銃を向けることにもなり兼ねない。(2015.10.17.)(All Rights Reserved.)