プチコミ情報局

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シリーズ平成の本音―財源は無いは嘘、財源はやはりあった!!

2015-12-31 | Weblog
シリーズ平成の本音―財源は無いは嘘、財源はやはりあった!!
 2017年4月からの消費税再増税(2%アップ)に際する軽減税率について、連立与党の自・公両党間において財源問題で難航したが、‘生鮮食品及び加工食品(酒類と外食を除く)’を軽減税率の対象品目とすることで合意し、更に‘定期購読契約を結んだ日刊新聞’も軽減税率の対象品目に加えることで合意し、首相もこれを評価していることから、基本的にはこれを前提として税率が決められる見通しとなった。
これにより約1兆円から1兆3千億円程度の税負担の軽減となるが、当初自民党側は‘財源は4,000億円’しかなく、‘無い袖は振れない’などとしていたが、それが一部加工食品を加えることで8,000億円程度になり、そして持ち帰り食品を加え、更に‘定期購読契約を結んだ日刊紙’まで加え1兆円から1兆3千億円の財源が出て来た。
‘財源は無い’は嘘で、やはりあることが明らかになった。打ち出の小槌はあったということだ。
そ のための‘恒久財源’が必要とされており、円安による輸出・観光産業などの局部的景気改善や通貨の大量の供給緩和による証券業界などのプチ・バブルなどによる税の増収や国債の他、たばこ税、相続税、所得税などの増税が挙げられているが、17年4月からであるので、先延ばしする意向のようだ。
今年度の補正予算として3.3兆円ほどが検討されており、低所得者に1人3万円の現ナマの大盤振る舞いが検討されるほどであるので、国民には見えないが、相当程度の税の自然増収を当て込んでいるのであろう。
軽減税率を適用する代わりにたばこ税、相続税、所得税などの増税を行うというのは筋が通らない。そもそも生鮮食料等には軽減税率を適用するが、その他消費については2%の消費増税が実施され、増収となる。生鮮食料等には2%の増税を行わないだけで、減収になるわけではないので、その他の増税などで補てんなどする必要はない。狸が取れないので、狐を捕る類の理屈でしかない。
年金、医療の社会保障費が漸増し、軽減税率により社会保障財源が足りなくなると言われ、一部マスコミやTVコメンテーターなどが紋切り型の論評をしているが、社会保障費は従来消費税を含む一般財源から支弁されていたもので、一般財源は社会保障費には支弁ぜず、消費税だけで賄うなどと決めたことはないし、そもそもそのような仕分けは不適切であろう。特に年金や医療等については、所得から保険料を拠出して運営されているので、所得税を含む一般財源で対応し、不足分を消費税で補てんして行くということであろう。
もし財務当局や一部保守党議員が言うように、‘社会保障費は全て消費税で賄う’というのであれば、従来社会保障費が充てられていた一般財源にその分大きな余裕が出来、人件費、管理費を含め、従来通りの大盤振る舞いが可能になるということになる。そんなことを国民が認めたことはないだろうし、認めるべきではない。少子高齢化の福祉型社会においては、社会保障費は予算の大きな部分を占め福祉型の予算となることは当然のことであるので、消費税を含めた一般財源で対応することが国の大きな役割なのであろう。消費税だけで社会保障費を全て賄おうとすると、消費税は更に引き上げられ、消費は更に低迷し、景気は上がらなくなるであろう。ギリシャへの道を辿ることになる。
 財源問題で政府、与党が避けてきている項目がある。それは中央官庁だけでなく、特殊法人、独立行政法人や地方公共団体、国会の人件費を含む管理費の節減である。
 消費税を2017年4月に10%に増税しても、政府が目標とする2020年度の財政黒字化が困難というのであれば、まず歳出を節減するしかないであろう。財務省や政府税調、党税調などは、‘財源不足’となると‘増税’を検討するが、歳出節減も重要な財源であると共に、財政破綻と膨大な借金を抱えている場合は、歳出の節減は不可欠だ。
 どの民間企業にしても、どの団体にしても長期間赤字が続き、膨大な借金を抱えていれば、まずコスト削減する。特殊法人や独立行政法人を含む行政組織は例外とでも言うのだろうか。逆にそのコスト感覚の無さが行政機関の最大の問題なのだろうが、同時に行政機関は経済や経営を分かっていない集団であり、また内閣も同様ということを物語っているとも言えよう。財務省を含む経済官庁の管理職には法律専攻の者が多過ぎることも、経済、経営の健全化より、法律偏重の行政に傾斜する要因ではないだろうか。いずれにしても、現政権が歳出節減に着手しないようでは、経済や国家経営への理解や誠意が欠けていると見られても仕方がないであろう。
 消費税の再増税を行っても財政赤字は解消しないし、少子化による税負担能力の低下などを勘案すると、例えば2016年度より2020年度までの5年間、歳出全体を毎年一律⒑%近く節減するなどの大胆な歳出カットを行うことが不可欠であろう。本来であれば、優先度の低くなった事業やサービス、そして人件費を含む管理費を削減することが望ましいが、‘横並び論’が支配的な行政組織であり、それは困難と予想されるので、一律カットとして、人件費を含む管理費を中心として何を節減するかは各省庁の責任に委ねることが現実的であろう。独立行政法人などは、その名の通り、真に独立させ、原則として民営化を図っても良いであろう。
 歳出の節減については、地方公共団体や国会、地方議会も同様である。人口減は見えている。
 もし政府や国会が人件費を含む管理費を中心とする歳出節減を行わないということであれば、増税してもいわば胃に穴が開いているのに輸血するのに等しいので、国民側とすれば、そのような不誠実で放漫体質の政権や行政組織、政党にレッド・カードを出すと共に、生活防衛のため徹底的に消費節約するしかないであろう。(2015.12.21.)(All Rights Reserved.)
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シリーズ平成の本音―「1億総活躍」で低年金受給者に現金給付って何??

2015-12-31 | Weblog
シリーズ平成の本音―「1億総活躍」で低年金受給者に現金給付って何??
11月26日、安倍内閣は、‘1億総活躍社会’の具体のため「1億総活躍国民会議」を首相官邸で開催し、緊急対策を決定した。
‘新3本の矢’に掲げられた「希望出生率1.8」や「介護離職ゼロ」などの達成のため、‘保育と介護の受け皿を新たに各々50万人分拡充する’ことなどが柱となるようだが、一部は‘緊急に対応すべき施策’として、3兆円規模と見られる補正予算に盛られることになる趣だ。
その中で、‘所得の低い年金受給者に対し、1人当たり3万円程度の現金給付を行う’ことも補正予算に盛られるという。恐らくマスコミは‘またばら撒き’との批判程度で済ませるのだろうが、この現金給付は、2016年6、7月の参議院選挙の時期に合わせて1回限りで行われるものであるので、特定の低所得年金受給者を狙い撃ちした自・公政権による公営の選挙買収に近い。政権与党による官製選挙違反ではないのか。しかも税金を使ったものであり、政策意図が不浄、不正であり、納税者をバカにしている。
まるで宗教団体が貧しい信者に施しをするようなものであるが、低所得年金受給者に施しをするというのであれば、巨額の企業献金で潤っている自・公両党の党費か議員のポケットマネーで行えばよい。
 この現金給付は、‘新3本の矢’の中心に据えられる‘GDP600兆円’達成に向けての‘緊急対策’と報じられているようだが、1回限りである上、国民から税金を吸い上げて低所得年金受給者に回すだけであり、国民所得に影響はない。見識が疑われる。そもそも1億総活躍「国民会議」という名称も、国民を代表するようなメンバーでもなく、行政当局に任意に任命されただけの人達で構成されており、国民の誤解を招く怪しげな名称であるので、仕方ないのかもしれない。
 だが最近、‘下流老人’や‘下流年金生活者’などとの表現が見られるが、それは年金の給付額などが実質的に引き下げられて、年金だけでは生活出来ないからであろう。とすると、年金給付額を全体として少しでも引き上げるなり、天引きされる介護保険料を引き下げるなりして、年金で生活できるように充実させて行く方が継続性のある困窮対策になろう。
 官製選挙違反まがいのばら撒きをする財源があるのであれば、2017年4月からの消費税再増税を中止か延期をするなりした方が‘GDP600兆円’達成には効果的であろう。国の借金を前倒しして返済するのも良い。
 政府がくれるというのであれば頂いておけば良かろうが、このような不浄、不正な無駄を国民に強いるような政党の議員を国会に送り込まないようにすることが必要なのだろ。(2015.11.28.)(All Rights Reserved.)
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シリーズ平成の本音―臨時国会拒否は国会軽視、国民軽視の独善化!

2015-12-31 | Weblog
シリーズ平成の本音―臨時国会拒否は国会軽視、国民軽視の独善化!
 11月12日、安倍内閣は自民党幹事長と協議の後、秋の臨時国会を開催しないことを確認し、2016年の通常国会を例年より2~3週間早め、来年1月4日にも召集する意向を明らかにした。
民主党他野党側は、9月に内閣改造が行われ10閣僚が交代しているなどから、10月20日、自・公両党に対して臨時国会の開催を求めていた。与党側は、首相の‘外交日程が立て込んでいることなど’から開催しない方向で既に調整に入っており、11月12日になって‘外交日程’を理由として臨時国会不開催の意向を明らかにすると共に、その間閉会中審査には応じることとしている。
 民主党、維新の会、共産党など野党6会派は、憲法53条に基づく4分の1以上の議員による臨時国会開催要請であるので、‘外交日程’は理由にならず、憲法に違反するとしている。
 憲法53条は、内閣が国会の臨時会を決定できるとしつつ、「いずれかの議院の総議員の四分の一以上の要求があれば、内閣は、その召集を決定しなければならない」と規定している。普通に読めば、一方で内閣の臨時会招集権を認めつつ、他方で4分の1以上の議員の要請がある場合、内閣は臨時会の招集を決定しなければならない、との義務規定を定めていると言えるだろう。内閣が臨時会から逃げることを防止するということであろう。今回内閣側がいろいろ理由を述べているが、野党側の開催要求から12月20日頃まで2か月という期間がありながら臨時国会を開催しないことは、憲法規定に違反していると言えそうだ。通常国会を前倒し開催することで臨時国会の開催に代替することは出来ない。憲法上内閣に求められていることは、‘臨時会の開催’なのである。憲法違反以前の問題として、日本語の能力不足なのかもしれない。‘新3本の矢’の経済対策で5年で国民総生産(GDP)600兆円達成他が挙げられているが、言論界では、それは目標であり、‘的’であって、‘矢’ではないとして、的外れな表明として失笑されているなど、全般的にちぐはぐな言語問題がありそうだ。
 もっとも最近、自・公政権が安保関連法案や衆・参両院選挙での有権者の1票の格差問題などで、憲法違反と指摘されていることを独善的に進めているので、今回また憲法や国会を軽視し、野党を無視する行動をとっても確信犯的な行動であり、余り驚くことでもないとの見方もある。しかしこのようにチェック感覚が麻痺し、大勢に順応して行くことになると全体主義に突き進み、民主主義自体が否定される恐れもあり、大変危険なことでもある。憲法の解釈や憲法違反行為のチェックには最高裁の機能が重要となるが、これまで政権の意向に順応し過ぎ、憲法の番人としての機能を十分に果たして来ているとは言えないのではないか。もし最高裁が憲法の番人としての機能が果たせないのであれば、憲法裁判所のような独立の組織が必要になって来ているのではないか。裁判所がそのような機能を発揮できない場合、マスコミや学者等がその機能を補足しなくてはならないが、マスコミや評論家などは事業、職業であるのでいわば事業化し、また国立大学の学者は公務員であるので、そのような機能は余り期待出来なくなって来ているように映る。
 それよりも外交分野において、環太平洋パートナーシップ協定(TPP)や南沙諸島への中国の進出に対する日米軍事協力になど、日本の将来に根本的な変化をもたらす可能性がある問題につき、求められても臨時国会を開催せず、野党のみならず、国民をつんぼ桟敷にしていることの方が問題ではないだろうか。
外交で忙しいとのことだが、一部の保守系紙で内容が小出しにされているものの、海外で何を言って回っているのか国民には知らされていない。国際テロやIS問題では、わざわざ中東に出かけて行って反テロ支援を約束し、日本人2人が公開処刑されているし、首相によるトップセールスだと宣伝しているが、インドネシアでは新幹線が中国に取られている。TPPについては10月5日に‘大筋合意’し、消費者や大企業、輸出産業には歓迎されるところだが、保護され続けて来た農業、酪農にとっては大きな影響を与えると共に、協定となって実現することになれば日本の針路にそれ以上に大きな影響を与えるものであるのに、‘大筋合意’から2か月半以上経っているのに、国権の最高機関である国会の臨時会にも応じていない。
2016年はサル年で、‘見ざる、聞かざる、言わざる’という3猿の諺がある。江戸時代の商人がお上の悪行を知らんふりして商売に専念するという処世術を皮肉ったもののようだが、国民に‘聞かせず、見させず、言わせず’の3猿作戦に出ているとしか思えない。早々にサル年を見越した対応か!?
このような中で、自民党の農業関連議員を中心として、11月17日、TPP大筋合意を受けて農業対策を決定し、政府に申し入れることとしている。例えばコメについては、米国、豪州からの輸入枠が設けられるので、この輸入枠に相当する国産のコメを備蓄用として政府が買い取り、コメ価格の下落を防止するとしている。それでは、輸入枠の意味も消費者へのメリットも無くなってしまう上、農家も‘備蓄のための生産’で、いずれ家畜の飼料等になってしまい、‘主食用’と言いながら必要のない生産を続けることになるので、若い世代はそんな仕事には戻って来ないであろう。過保護の農政で日本の農業を衰退させ、その失政をまた先送りするようなもので、その場しのぎの対応にしかなっていない。酪農も補助金を積み増す程度でその場しのぎでしかない。国民に事実を伝え、広く議論し、対応を国民レベルで検討することが必要ではないか。
 その上不気味なのは、これだけの重要な問題がありながら、臨時国会を開催しないことにほとんどのマスコミが政府見解を伝えるのみで、大きな問題としていないことだ。憲法上、‘4分の1以上の議員により、内閣は臨時国会の開催を決定しなくてはならない’としているのに、多くのマスコミや評論家等は1月上旬の通常国会開催で良いかのような無気力な対応、論調となっている。憲法上義務付けているのは‘臨時国会’の開催であり、‘通常国会’で代替出来ない。明らかな憲法違反であり、法治国家として、民主国家として褒めた話ではない。逆にその危機であり、独善政治へまい進しつつあると言っても良いのかもしれない。
18歳以上にも選挙権が与えられることになるが、有権者の賢明な判断が求められる。(2015.11.22.)(All Rights Reserved.)
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シリーズ平成の本音―年金受給者、弱者いじめの自・公連立政権! (その2)

2015-12-31 | Weblog
シリーズ平成の本音―年金受給者、弱者いじめの自・公連立政権! (その2)
 財務相の諮問機関である財政制度等審議会の分科会において、2016年度の診療報酬の「マイナス改定」や75歳以上の医療費負担割合の2割への引き上げや受診時定額負担が復活など、社会保障抑制策が示されている。更に2016年1月に開始するマイナンバー(個人番号)制度を使った医療費削減策も考えられている。
財務省としては、2015年予算で社会保障費が31兆5000億円(国家予算の約3分の1)を占め、また毎年約1兆円が「自然増」するとして、その伸びを年5000億円程度に抑えたい意向のようだ。
他方厚生労働省は、9月28日、支払い年金保険料に対し生涯で受け取れる年金受給額を倍率で示し、‘公的年金の世代間格差’に関する試算を発表した。それによると、厚生年金では、70歳の者が保険料の5.2倍、30歳以下の者は2.3倍にとどまる等としている。これを丸呑みにして‘格差が依然として大きいことが浮き彫り’などと報道した保守系新聞もある。
長寿化に伴い増加する社会保障費を節減、圧縮する努力は評価するが、一方で消費増税により国民の負担を求めた上、社会保障の水準を引き下げ、受益者たる国民の負担を実質的に更に増やすことは、社会保障失政と言えるのではないか。
1、年金給付額の減額は国民の将来不安を煽るのみ           (その1で掲載)
2、定年後高報酬の者には現役世代と同様の病院での窓口負担を     (その1で掲載)

3、不可欠な人件費を含む行政管理費の大幅削減
自民・公明両党は、民主党政権時代に「社会保障と税制の一体改革」に同意し、また議員定数の実質的削減にも同意し、2011年12月の総選挙で勝利し政権の座に返り咲いた。しかしいずれについても進んでいないばかりか、消費増税を実施し国民に負担を求めた一方、社会保障については反福祉の福祉切りに向かっている。
そもそも社会保障の改善のために消費増税を実施したとされているので、国民の負担が増加することは仕方ないが、年金他の社会保障サービスの向上、充実が図られるのであればという期待感があったことは事実だ。しかしその期待は見事に裏切られている。自・公連立政権の下では、受益者へのサービスや給付額の改善は行わず、逆に個別に利用者、受給者の「負担増・給付縮小」を強いており、国民を騙しているに等しいのではないだろうか。議員定数の削減についても、衆議院は議長の下での外部の有識者会合に丸投げし、自・公連立与党が十分な多数を占めていながら真剣に取り組んではいない。参議院に至っては、10増10減の区割りを採択し、削減については取り組もうともしていない。
社会保障費が財政を圧迫しているというのであれば、年金や社会保障サービスの抑制、削減を図る前に、まず人件費を含む行政管理コストを削減すべきであろう。どの事業でも、業績が振るわず、赤字が増加し破たん状態になれば、まず人件費、管理費などのコスト削減を行うのが常識だ。財務省のお役人にこれが分かる人は少ない。財源がなければ、法律を作り税金を上げれば済むからなのだろう。経済、経営を学んだ人が少ないからだろう。
国民に更なる負担を強い、年金やその他社会保障サービスの抑制をする前に、両院の議員定数の大幅削減や議員歳費・諸手当の引き下げを実施して、国民に誠意を示すべきであろう。また独立行政法人や特殊法人を含む公務員・準公務員の新規採用の段階的な削減など、定員の削減や給与の引き下げを実施すべきであろう。それが出来ないのであれば、3年間で人件費を含む行政管理費の3割削減を実施することを真剣に検討して欲しいものだ。定員と給与のいずれを削減するかは各省庁に選択させればよい。人件費を除く管理費全般についても、公務員宿舎他国有財産の売却などにより、2020年度までに総額で4割程度を段階的に削減することをまず実施すべきではないのか。事業経費については削減できないところは維持するということで良いが、ニーズのある事業は、民間事業に転換することにより維持出来る。国民のニーズのある事業であれば、事業化を望む企業家は多いであろう。
この点は地方公共団体においても検討、実施されるべきであろう。2040年までに、全国1,748の市区町村の約3割が消滅するとの予測もあり、多くの地方の人口減は深刻で現実味がある。中央にしても地方にしても、少子高齢化対策の上で財政の節減が不可欠な対策と言えよう。
 自・公両党の上記の約束は主要公党間の約束であり、国会で表明された国民への約束であるので、実現しなければ非常に深刻な約束違反となる。
それを議員や行政府・公務員が真剣に検討、実施しないのであれば、消費税の10%への再増税は実施すべきではないのではなかろうか。
 このように自・公連立政権は、公党間や国会、国民との約束を守らず、また憲法を軽視している上、その結果でもあろうが、増税等で歳入を図る一方、歳出面では社会保障費の圧縮など、国民への負担増加、反福祉的な政策を推し進めようとしていることがだんだんと明らかになっているように見える。
 このような政策や将来を選択するか否かは、国民世論であり有権者であるので、賢明な選択が望まれる。(2015.10.14.)
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シリーズ平成の本音―年金受給者、弱者いじめの自・公連立政権! (その1)

2015-12-31 | Weblog
シリーズ平成の本音―年金受給者、弱者いじめの自・公連立政権! (その1)
 財務相の諮問機関である財政制度等審議会の分科会において、2016年度の診療報酬の「マイナス改定」や75歳以上の医療費負担割合の2割への引き上げや受診時定額負担が復活など、社会保障抑制策が示されている。更に2016年1月に開始するマイナンバー(個人番号)制度を使った医療費削減策も考えられている。
財務省としては、2015年予算で社会保障費が31兆5000億円(国家予算の約3分の1)を占め、また毎年約1兆円が「自然増」するとして、その伸びを年5000億円程度に抑えたい意向のようだ。
他方厚生労働省は、9月28日、支払い年金保険料に対し生涯で受け取れる年金受給額を倍率で示し、‘公的年金の世代間格差’に関する試算を発表した。それによると、厚生年金では、70歳の者が保険料の5.2倍、30歳以下の者は2.3倍にとどまる等としている。これを丸呑みにして‘格差が依然として大きいことが浮き彫り’などと報道した保守系新聞もある。
長寿化に伴い増加する社会保障費を節減、圧縮する努力は評価するが、一方で消費増税により国民の負担を求めた上、社会保障の水準を引き下げ、受益者たる国民の負担を実質的に更に増やすことは、社会保障失政と言えるのではないか。
1、年金給付額の減額は国民の将来不安を煽るのみ
厚労省は‘公的年金の世代間格差’を問題にしようとしている。しかし65年
以上も前、昭和20年代の所得水準は、現在の10分の1から15分の1以下であり、当然保険料負担額は現在の負担額より遥かに少なくなることは明らかだ。年金保険金の所得比率がほぼ同一であるので、個々人にとって負担感には格差などはないと見られる。
年金給付については、退職時の給与水準が基準となることが加入時に明記されており、だからこそ、定年後も生活できる程度の給付があるという安心感が与えられる。それが少なくても6割近くが保障されないのであれば、実体的に退職後の所得保障にはならない。社会保障の本旨に反している上、年金保険の契約違反となる。
 所得水準の低い数10年前からの負担額を基準として年金支給額を決めても、受給者はそれでは生活苦に陥る可能性が強い。そうであれば公的年金保険料など支払わず、個人の貯金や財テクに頼る方が賢明と判断されるようになる可能性が強い。
そもそも、厚労省や年金機構など政府当局は、年金給付額を徐々に引き下げ、支給年齢を引き上げ、更に介護保険料を引き上げながら年金から天引きしているので、年金受給額は減少する一方であり、それが長期にわたり国民の将来不安の原因になっていると見られる。年長者への日常的な不安だけでなく、入社後間もない女性職員もボーナスなどを優先して貯金する傾向もあるようであり、世代を問わず、年金破たんによる消費の抑制にも繋がっているようだ。
 法務省や警察は兎も角として、厚労省や財務省その他の経済官庁の幹部に法学部出身者が多く、経済や経営などの見識や経験に欠け、規則、規制志向となっていることが遠因との指摘もある。
 そのような年金給付額の減額は好ましくなく、逆に削減した分を回復し、将来不安を無くして行くことが望ましい。
年金受給年齢に達している者でも、高額の報酬を受けている者が多いが、年金を同じように給付している。年金財源が潤沢な時は良いが、年金財源が不足する今日においては、例えば年750万円以上の高額の給与或いは報酬を得ている場合には、年金給付の凍結或いは2割程度の部分給付などをまず検討すべきであろう。或いは、今後就労年齢は伸びると考えられるので、65才以上でも得ている給与又は報酬が年420万円以下の者には年金を満額給付するが、それ以上の者については年金給付額を減額して行くこともやむを得ないであろう。社会保障には、所得の高い者から低い者への所得の再分配の意味合いがある。で
 2、定年後高報酬の者には現役世代と同様の病院での窓口負担を
社会保障費を節減、圧縮する努力は必要であるが、例えば65才以上の者で年750万円以上の高額の給与或いは報酬を得ている場合には、病院での窓口負担を現役世代と同水準としてもやむを得ないであろう。
 他方介護については、年金生活者には追加的な負担となっているので、75才以上で年金以外の報酬が210万円以下の者については介護保険料は免除することが望ましい。
 3、不可欠な人件費を含む行政管理費の大幅削減       (その2に掲載)
(2015.10.19.)(All Rights Reserved.)
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シリーズ平成の本音―マイナンバー情報流出の被害者に賠償を!

2015-12-31 | Weblog
シリーズ平成の本音―マイナンバー情報流出の被害者に賠償を!
 各種申請や社会保障などに使用される個人番号制(マイナンバー)が10月からスタートし、2016年1月から実施に移される。
 これにより国民のほとんどがマイナンバーを持ち(希望しないものは申請しないで良い)、一つのカードで各種申請や年金、税金の処理等が出来るので便利になる。行政事務処理においても、ほとんどの国民を捕捉出来、税金の徴収漏れなども防げるので便利になる。行政事務の簡素化になると言われているが、新しい制度に当面予算を3,000億円使用することになっており、煩雑な入力作業などが増えるし、旧来の制度は当面残るだろうから、簡素化などにはならないだろう。国民を効率的に捕捉できる膨大な行政システムが構築される。
 しかし利用者側にも行政側にも便利ということは、それを犯罪目的に利用しようとする者にも、マイナンバーには住所、戸籍、生年月日、家族構成、年金事項、銀行口座など重要な個人情報が詰まっているので、情報を入手したら使い勝手が良く、犯罪集団にも便利であろうから、情報保護が最大の課題だ。
 その恐れが現実のものになっている。茨城県取手市や札幌市厚別区でマイナンバーが入った住民票が発給された。住民票の提出先の善意を信じたいところであるが、悪用や再流失等から詐欺等に利用される可能性がある。更に深刻なのは、マイナンバー制度の企画・設計に携わっている厚労省情報政策担当参事官室の室長補佐(事務職)が制度企画・設計入札において受注したIT会社から賄賂を受け取った汚職事件が発生している。マイナンバー制度企画で不正を行ったIT民間会社がマイナンバーの仕様を最もよく知っていることになるので、その仕様が漏れれば犯罪等に悪用される幅が広がり、マイナンバー制度自体の安全性や保秘性が疑わしくなるので、深刻な問題だ。
またマイナンバー制度が実施に移されれば、その情報管理は行政当局が行うとしても、実際の情報処理は外部の民間会社か日本年金機構等と同様、天下りで作る行政法人で行われる可能性が強いので、個人情報が外部に流失する恐れは非常に高くなる。マイナンバーに入れられる情報が財産・口座情報や年金・医療情報、納税情報等と増え、使途が拡大されればされるほど、1億人以上の国民の重要な個人情報が危険に晒されることになる。マイナンバーは、地方自治体にも連結されるので、故意か過失かは別として、情報流失の危険性は更に高まる。
 厚労省の監督下にある日本年金機構でも多数の情報流失が出ており、政府機関による個人情報の流失は現実の問題になっている。マイナンバーについては、使途が複数に亘り、地方当局とも繋がるので、どのように注意していても、情報流失が起こる可能性は高い。それを防ぐためには、使途を限定的にし、外部インターネットと遮断することが必要であろう。
 しかしどのように注意していても情報流失は起こるであろうから、流失を引き起こした行政当局や行政法人等は、責任を認識にし、被害者のマイナンバーの取り消し、再発給等の不利益に対し補償すべきであろう。また情報流失により具体的な被害にあった場合には、関係行政法人を含む行政当局が賠償することが当然ではなかろうか。
 また流失したマイナンバー情報を利用して詐欺等を行って経済的利益を得た個人やグループについては、それぞれの犯罪行為に従って罰せられることになるが、従来中心となっている禁固刑から、利益の3倍以上の罰金を中心とした罰則に転換して行くことが望まれる。経済的利益を目的とした犯罪を抑止し、また被害者の被害を補てんする上でも、高額の罰金を科す方が効果的であろう。現状では罰金が少額過ぎるので、禁固刑を受けても儲かるとの印象を与えてしまい、抑止には余りなっていない。その上、税金で禁固刑中の経費を国民が負担することになり、2重の負担となっているように見える。経済犯には高額の罰金で抑止することがより効果的であろう。
(2015.10.17.)(All Rights Reserved.)
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シリーズ平成の本音-‘自衛隊員の安全を守る’は世界の笑いもの!?

2015-12-31 | Weblog
シリーズ平成の本音-‘自衛隊員の安全を守る’は世界の笑いもの!?
安倍政権は、日本の‘存立危機事態’に際する集団的自衛権行使を含む安全保障関連法案を衆議院で採択し後、参議院の審議も終盤を迎えており、9月18日ころまでに成立を期している。
この安保関連法案の最大の焦点は、集団的自衛権行使に伴う武力行使が合憲か否かであり、多くの憲法学者等が違憲としている。
しかしもう一つの現実的な問題は、派遣され場所での自衛隊員の‘安全確保’が求められていることだ。国連の平和維持活動(PKO)や多国籍軍等の下での兵站支援や復興支援目的などでの自衛隊派遣に際し、自衛隊と同一行動を取っている諸国や同盟国の軍隊が反政府軍やテロ組織等により武力攻撃された場合、自衛隊は、駆けつけ援護を含めて敵対勢力に対し反撃をすることが可能になるが、戦闘に巻き込まれることになる。政府側は、自衛隊員の‘安全確保’は義務であり、安全確保に努めるとしている。駆けつけ警護を含めて敵対勢力に対し反撃を可能にしておいて、安全確保もないものだ。安保関連法案は、戦闘の可能性を広げており、自衛隊員の安全が損なわれる可能性は高まる。
政府は、自衛隊員の‘安全確保’は義務であり、努力するなどとしているが、何らかの形で敵対勢力から武力攻撃されることは排除されず、ましてや応援的反撃の場合には交戦となることは避けられず、それが任務であるので、現場での自衛隊員の‘安全確保’などは空ごとに過ぎない。危険な地域に派遣されるので、相応の武器を携行している。
安全の問題は、派遣される自衛隊員以上に、このような自衛隊の海外派遣、国際的な平和・治安活動への参加拡大に伴い、敵対勢力から日本人や日本自体が敵視され、安全が損なわれる可能性も考慮されるべきであろう。2003年12月に、米国よりの強い要請で、イラクのサマアに‘人道復興支援’のため自衛隊が派遣されたが、2009年2月までの派遣期間に、死者は出なかったものの何回も施設周辺に砲撃等を受けている。しかしそれ以上に、自衛隊のイラク派遣に対し、モスレム過激派アルカイーダは、日本を敵対国に含め、世界のどこでも日本人を攻撃すると表明した。その警告は、2015年1月に日本人2人がイスラム国に処刑されたことに繋がっている。日本の国際的な平和・治安活動への参加拡大に伴い、日本国民が世界でより大きな脅威にさらされることを認識し、そのための安全策を講じることの方が大切だ。
更に、同盟国米国や友邦国の軍隊と自衛隊が共同行動等を取っている際に、同盟国の艦船等が敵国より攻撃された場合、集団的自衛権行使の一環として、自衛隊が援護のため敵国を攻撃する場合が想定されている。この場合、敵国は日本を攻撃しているものではないのに攻撃してきたと捉え、自衛隊に反撃して来るであろうし、場合により、この敵国への日本の宣戦布告と解釈され、日本を武力攻撃の対象として来ることも有り得るので、自衛隊だけでなく、日本自体の安全に重大な影響を与える可能性がある。集団的自衛権の行使は、一定の抑止力となろうが、危険も広がる。
首相側は、日本人の生命と財産を守るためと説明しており、確かにその面はある。しかし集団的自衛権の行使については、米国の安全を守り、米国の世界戦略と世界の警察としての役割を自衛隊を派遣して協力する可能性を確保するためのものであり、日本は自衛隊員や日本人の命を掛けて双務的に同盟関係を促進することを第一義的な目的にしている。
新たな‘安全神話’を作り出すのではなく、集団的自衛権行使や国際的な平和・治安活動への参加拡大により、派遣された自衛隊の安全が損なわれる可能性は高くなると共に、日本人自体の安全にも重大な影響を与えることにつき、日本国民の理解と同意を得る必要であろう。その歯止めが憲法となっているのであろう。(2015.9.19.)(All Rights Reserved.)
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シリーズ平成の本音-軽減税率の還付方式は問題だらけ!

2015-12-31 | Weblog
シリーズ平成の本音-軽減税率の還付方式は問題だらけ!
消費税が8%に増税され未だに負担感がある中で、2017年4月より10%に増税され、生活が圧迫され、結果として消費が更に抑制されことが懸念されている。このため食料など必需品については軽減税率とすることが検討されていた。
この中で財務省は、消費税率10%への引き上げに際し、購入時には一律に消費税10%を支払うが、‘酒を除く飲食料品の2%分を購入後に消費者の申請に基づき還付する’案を検討していると伝えられている。
還付方法については、購入時に「個人番号(マイナンバー)カード」を使用し、そこに‘軽減ポイント’を貯め、一定のポイントに達したら申請し、指定の銀行口座に還付される仕組みのようだ。但し還付額の上限は年間で1人4,000円程度にすることを検討中だという。
10%への消費増税に際し、‘酒を除く飲食料品の2%分’につき還付されることは、若干の負担軽減として評価できるが、この案については財務大臣が‘面倒くせえ’と言ったとかであるが、それ以上に重大な欠陥があり、この還付制度の導入には多大の疑問がある。
1、購入時の消費者の負担感は軽減されない
この還付制度の下では、購入時に一律10%の消費税を支払うことになるので、負担感は現在の8%以上となるので、一般の消費を抑制することになろう。現在、インフレターゲットが導入されたこともあり、便乗的に多くの商品が消費増税率を上回る10%~20%前後の値上げ(場合によりサイズや数量の削減)されていることと相まって、消費者は1円でも安い商品を探す傾向が強くなっている。実際上、日常消費は低迷している。一律10%の消費税増税分をレジで払うこととなれば影響は大きく、軽減税率の意義は低下する。
2、販売業者の納税負担は一律10%
中小、零細の業者も一律10%分の納税を行わなくてはならず、納税時に重圧となる。
3、在日外国人などマイナンバーカード非保有者には不適用
海外からの観光客はもとより、マイナンバーカード非保有者となる在日外国人は還付対象とはならず、差別的となるので問題となろう。
4、マイナンバーカードを日常的に持ち歩かせるのは不適切且つ危険
マイナンバーカードを日常的な消費税還付に使用することになると、老齢者か
ら子供までこのカードを日常的に所持し、使用させることになるが、所持していなかったり、受け取り忘れたりなどのトラブルが多発することは予想に難くない。
 また中小、零細の販売業者にまで読み取り機を設置し使用させることになるが、末端で重要な個人情報が漏れたり、盗まれたりする恐れがある。
 このようなことからカード情報が各種の犯罪等に悪用される恐れが更に高まる。
 厳重に保護されなくてはならない個人情報が詰まっているマイナンバーカードを老齢者から子供まで日常的に所持させ、小売りの末端で使用させるこの制度は、個人情報を守るという意識に欠ける制度であり、不適切であろう。マイナンバーカードの利用については、年金や税の確定申告など、情報の管理能力がある程度認められる限定された用途と場所に限るべきであろう。
 5、1人年間4,000円、月330円限度の還付で膨大なシステム管理予算の無駄
 還付は少額で、このシステムを構築、管理する人件費を含む予算は多額に及ぶと予想される。‘日本式軽減税率還付制度’は、無駄の上に無駄を重ねるようなもので、どうして制度をひねくり回して敢えて分かり難く、複雑なものにするのだろうか。
 電子的申請についても、一般的に複雑で、電子納税など電子申請は普及していないことからも、更なる社会的コストとなり、疑問だ。
 その上、還付額総額は各年の予算措置だけで決められるもので、予算が確保出来ない場合には減額、中止等が可能で、財務当局に都合の良い制度でしかない。
主要先進国で実施されている軽減税率制度を良く勉強し、類似のすっきり、スマートな軽減税率を導入して欲しいものだ。税率を軽減する対象となる商品が明確に出来れば、それらの商品の消費税を8%に据え置き、それ以外の商品の消費税を10%にすれば良く、レジで処理されるので、誰にも明朗で公平だ。そうすれば、マイナンバーカードや読み取り機は不要で、申請する手間も要らず、税務当局が人件費、管理費を使って還付する必要もない。税というものは、誰に対しても明確、明朗で、公平に適用されることが不可欠だ。
(2015.9.9.)(All Rights Reserved.)
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シリーズ平成の本音-介護保険料引き上げ、反福祉政策が国民生活を直撃! (その2)

2015-12-31 | Weblog
シリーズ平成の本音-介護保険料引き上げ、反福祉政策が国民生活を直撃! (その2)
 安倍自・公連立政権は、2016年度の予算編成の基本的な方針である概算要求基準を閣議で了解し、2020年度での財政の黒字化を目途に歳出を抑制することとし、その中で社会保障費の削減を図るとしている。財政の黒字化方針は、遅きに失しているものの評価されるところであるが、増税等で歳入を図る一方、歳出面では社会保障費の圧縮など、国民への負担増加、反福祉的な色彩が強い。
 1、介護保険料再三の引き上げが年金受給者の生活を既に圧迫 (その1で掲載)

 2、増税、福祉切りに終わろうとしている「社会保障と税制の一体改革」 
 自民・公明両党は、民主党政権時代に「社会保障と税制の一体改革」に同意し、また議員定数の実質的削減にも同意し、2011年12月の総選挙で勝利し政権の座に返り咲いた。しかしいずれについても進んでいないばかりか、社会保障については反福祉の福祉切りに向かっている。
そもそも社会保障の改善のために消費増税を実施したにもかかわらず、総合的な社会保障制度改革も行わず、個別に利用者、受給者の「負担増・給付縮小」を強いることは、国民を騙しているに等しいのではないか。議員定数の削減については、衆議院は議長の下での外部の有識者会合に丸投げし、自・公連立与党が十分な多数を占めていながら取り組んではいない。参議院に至っては、10増10減の区割りを採択し、削減については取り組もうともしていない。
 年金受給者に更なる負担を強い、国民に更なる負担を強いる前に、両院の議員定数の大幅削減や議員歳費・諸手当の引き下げを実施して、国民に誠意を示すべきであろう。また独立行政法人や特殊法人を含む公務員・準公務員の新規採用の段階的な削減など定員の削減や給与の引き下げを実施すべきであろう。それが出来ないのであれば、3年間で総人件費の3割削減を実施することが望まれる。定員と給与のいずれを削減するかは各省庁に選択させればよい。人件費を除く管理費全般についても、公務員宿舎他国有財産の売却などにより、2020年度までに総額で3割から4割の程度を段階的に削減することをまず実施すべきではないのか。
 この点は地方公共団体においても検討、実施されるべきであろう。2040年までに、全国1,748の市区町村の約3割が消滅するとの予測もあり、多くの地方の人口減は深刻で現実味がある。恐らく財政の節減が少子高齢化対策の上で不可欠な対策と言えよう。
 自・公両党の上記の約束は主要公党間の約束であり、国会で表明された国民への約束であるので、実現しなければ非常に深刻な約束違反となる。それを議員や行政府・公務員が真剣に検討、実施しないのであれば、消費税の
10%への再増税は実施すべきではないのではなかろうか。
 自・公政権の約束違反はこれらだけではない。環太平洋経済連携協定(TPP)について、民主党が消費増税同様危険を冒してTPPに賛成を表明したのに対し、自民党は‘反対’を掲げ、農業票、地方票を引き寄せた。しかし政権の座に就くと賛成に転じている。上記の社会保障と税制に一体改革にしても、議員の定員削減、歳出節減やTPPにしても、政策的には民主党政権時の方針の方が正しかったように見える。
 更に現自・公連立政権は、2012年12月及び2014年12月の総選挙において、1票の格差について裁判所で‘違憲’、又は‘違憲状態’との判決を受け、是正勧告がなされているにも拘わらず、自民党政権において常態化した‘違憲状態’を解消する努力を行っていない。因みに‘違憲状態’も違憲であることに変わりがなく、自・公連立政権が憲法を軽視する姿勢が鮮明になっている。衆議院で強行採決された安保法制、特に集団的自衛権の行使に関しても、多数の憲法学者や国民が違憲と考えているにも拘わらず、このような世論にも耳を貸さず、憲法軽視の姿勢と受け止められている。政権側は、‘他国領土で戦うことはしない’、或いは‘徴兵制は行わない’などとしているが、憲法や世論を軽視する政権の言葉は空疎に聞こえる。少子化、人口減の中で、自衛隊への応募は停滞している上、集団的自衛権行使による戦闘や海外での武力行使などにより危険性が著しく高まるので応募が減少する可能性がある。従って将来兵員確保のため、何らかの形で自衛隊義務化や徴兵制度が導入される可能性は高いと言えないだろうか。更に集団的自衛権行使等により日本攻撃がより現実味を帯びて来るが、危機的状態になれば徴兵制度は実施せざるを得なくなるであろう。少なくてもその覚悟は必要であろう。
 政権側が国民に対しこのような覚悟を求めるのではなく、只々‘最低限の自衛に徹する’、‘海外で戦闘は行わない’、‘海外での自衛隊員の安全は確保する’などの安心材料のみの説明に終始することは、原子力発電で‘安全神話’を作って推進したのと同様、集団的自衛権行使でも‘安全神話’を作ろうとしているようにも見える。国家の安全保障や国際的な平和貢献はそんなに甘いものではないことは、国民は何となく気付いており、違和感と不信感を呼んでいるようだ。太平洋戦争では、日本国民が200万人以上死亡し、多数の負傷者や多くの不孝や悲劇を生んでいる。
 このように自・公連立政権は、公党や国会、国民との約束を守らず、また憲法を軽視している上、その結果でもあろうが、増税等で歳入を図る一方、歳出面では社会保障費の圧縮など、国民への負担増加、反福祉的な政策を推し進めようとしていることがだんだんと明らかになっているように見える。
 このような政策や将来を選択するか否かは、国民世論であり有権者であるので、賢明な選択が望まれる。
(2015.7.31.)(All Rights Reserved.)
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シリーズ平成の本音―五輪エンブレム、やはり出直しては!?

2015-12-31 | Weblog
シリーズ平成の本音―五輪エンブレム、やはり出直しては!?
 東京オリンピック2020のエンブレムを巡って、組織委により採用された佐野氏のデザインが採用されたが、重要な部分がベルギーのリエージュ劇場のエンブレムに似ているとして、ベルギーのデザイナーから差し止めの訴えが行われ、撤回か修正が求められている。
 これに対し佐野氏は盗作を否定していたが、他のデザインのトレ-シング(なぞり)が新たに明らかとなり、盗作(パクリ)疑惑が内外に広がっている。
 これを受けてオリンピック組織委(会長 森元首相)の武藤事務総長(専務理事)が8月28日に記者会見を行い、選考過程を説明しつつ盗作疑惑を否定し、理解を求めた。それによると、‘佐野氏の原案は、現在のものとは異なるものであったが、既に存在する他のデザインに似ていることから、2度の修正を行い現在のエンブレムとなったもの’で、盗作などではないとした。
 確かに、佐野氏の原案はベルギーの劇場のエンブレムとは異なるものであり、修正されたものについてもパーツが似ているところはあるが、全体のデザインや色調が異なるので、盗作(パクリ)ではないように見える。
 しかし採用されたデザインは、結果として重要な部分において似ていることは事実であるので、‘佐野氏の原案が他のデザインと似ている’との理由で修正されたのだから、同様の理由で撤回又は修正するべきではなかろうか。しかも今回は訴訟までされている。
 このエンブレムは2020年夏まで5年近くの長期に使用されるもので、東京オリンピックのシンボルとして日本だけでなく世界の人々に親しまれるものでなければならない。このままでは、日本人だけでなく世界の多くの人々の疑惑が拭えず、日本の盗作(パクリ)の象徴として利用される恐れもある。気の毒だが、佐野氏のデザイン自身にも疑惑が付きまとうだろう。
 明年のリオ・オリンピックもこれからであるので、2020年東京オリンピックのエンブレムが本格的に世界中で使用されるのは2016年夏以降となろう。出直しする時間は十分ある。盗作(パクリ)などではないにしても、多くの人の心は離れている。それに固執することはマイナスの方が大きい。「間違いを正すに、はばかることなかれ」という諺がある。
 オリンピック組織委の説明は、人の心が離れているにも拘わらず、このエンブレムに固執しているが、どうも保身、組織防衛に聞こえる。オリンピック組織委は、新国立競技場の法外な建設費(実質3,000億円)と2019年のラグビー世界大会までの完成に固執し、対応が遅れ、一部発注してしまったため数十億円の損失を余儀なくされた。また同じ過ちを繰り返すべきではないだろう。
 いずれにしてもオリンピック組織委の度重なる不手際が明らかになっているので、明年夏のリオ・オリンピックまでに刷新し、出直すことが望ましい。
 また新国立競技場の事業主体の独立行政法人日本スポーツ振興協会も主体性がなく、無責任さを露呈したので、早急に刷新されることが望ましい。
新国立競技場建設問題で、数十億円の無駄をし、エンブレム問題で相当の損失が生じることなどを勘案すると、同振興協会の建物を高層ビルに建て替えるなどの計画(440億円内外か)は、贅沢であり、内装のリノベーションのみとするか自己資金又は民間資金で行うことはよいが、税金で賄われるべきではなく、その他のオリンピック関連建設経費なども節減を図り、税負担を軽減するなどし、損失への責任を取るべきなのであろう。
新国立競技場の出直し案についても、政府は8月28日、総工費1550億円を上限とすることを決定し、旧案の2650億円から削減が図られたとしている。しかし、旧案では大会時席数7.2万席、観客席・トラック上部も屋根付き(空調あり)が、新規案では大会時席数6.8万席、観客席のみ屋根付きで、観客席の空調も無しということで競技場自体が縮小されているにも拘わらず、総工費1550億円上限は可成り割高に映る。温暖化で夏期の暑さが心配されている中で観客席の空調も無しなど、質を落としスケールダウンされているのだからもっと節減が図られて良いのだろう。ダブダブと業界に予算(税金)を投入するだけでなく、一層の節減と関連業界からも資金を募り、官民で競技者にも観客にも快適な競技場として欲しいものだ。
  (2015.9.1.)(All Rights Reserved.)
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