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北朝鮮のミサイル発射テストへの対応に疑問! (その2)

2017-10-28 | Weblog
北朝鮮のミサイル発射テストへの対応に疑問! (その2)
 北朝鮮は、8月29日早朝(5時58分頃)、日本の津軽海峡から北海道襟裳岬上空の大気圏外を飛翔する形で太平洋公海上に達する中距離ミサイルの発射実験(飛行距離約2,700㎞)を実施し、朝鮮半島を巡り米・韓両国と北朝鮮の緊張が高まっている。北朝鮮が核兵器とその運搬手段であるミサイル開発を加速させる一方、米国は韓国にミサイル迎撃のためのTHAAD配備し、また3月の米韓合同軍事演習‘首斬り作戦’を実施したのに続き、8月に合同軍事演習を実施する中で、これへの反発と見られている。
 更に北朝鮮は、このような国際的な批判の中で、9月3日、地下核実験(6回目)を実施した。水爆実験とされている。また北朝鮮は、核爆弾を大気圏外の宇宙空間で爆発させ、電磁パルスにより地上に広範囲な被害を与えることも示唆している。電磁パルス攻撃については、宇宙空間の平和的利用の趣旨に反する上、軍事政策的にも、倫理的にも、人道的にも常軌を逸した考えと言えよう。
 このような中で、国連安保理は、石油の部分的輸出制限を含むこれまでで最も厳しい制裁決議を全会一致で採択した。北朝鮮の非人道的で常軌を逸した考え方が明らかになった以上、強い対応が必要になっていることは明らかだ。
しかし北朝鮮のミサイル発射テストへの日本の対応については疑問を残した。
 1、正確を欠く発表と過剰な反応 (その1で掲載)
 2、Jアラートの在り方 (その1で掲載)
 
 3、北朝鮮側に日本へ一定の考慮が 
 今回の長距離ミサイルの発射実験は、日本の上空を超えて行われたことから、‘日本への新たな段階の脅威’として公表、報道され、軍事専門家やコメンテータ―なども同様に日本への脅威を強調している。確かに、北朝鮮の一連の核、ミサイル開発は日本にとっても脅威となる。
 しかし、北朝鮮側も日本に対し一定の考慮をしていると見ることもできる。
(1)長距離ミサイルを北朝鮮から米国本土やハワイの方向に飛翔させる場合、地球は球体であるので北方向へ発射すれば最短距離で到達する。旅客機も類似のルートをとっている。従って、北朝鮮から北海道方面に向け発射することとなるが、具体的に飛翔したのは津軽海峡から北海道襟裳岬の上空の大気圏外であった。津軽海峡は国際海峡ともなっており、陸地を極力避けている。しかもそもそも大気圏外を飛翔するものであり、北朝鮮側には今回日本に直接的な危害を与える意図はなかったと見られる。
北朝鮮が当初表明していた山陰、四国上空を越え、グアム近海に発射すると言っていたが、今回はそれと異なるルートとなっている。
軍事専門家や防衛関係者は、職業上からも脅威を強調し防衛力増強に繋げたいのであろうから、脅威を強調することは仕方がないことであろう。
しかし脅威を強調するだけで総合的な安全保障や安全な国家関係の構築に繋がるものでもないので、総合的な観点から北朝鮮側も一定の考慮をしていることは認識して置くことが必要だ。
武器そのものは、攻撃的にも防御的にも使用可能であるので、その存在もさることながら、北朝鮮の敵意の対象や意図、ターゲットをどこに向けているかを判断することが重要であろう。
日本が、休戦中の米・韓と北朝鮮との朝鮮戦争に首を突っ込むことは極力避けることが望ましい。
(2)また、日本には約50万人の在日朝鮮人が暮らしている。大阪など関西地域に多いが、東京には朝鮮総連が存在し、良しにつけ悪しきにつけ、日朝交流の中心的役割とともに、日朝間には国交がないものの、事実上の朝鮮代表部或いは大使館的役割と、情報収集や諜報・工作活動の拠点となっていると見られている。
従って、北朝鮮側もこれら同胞の存在を多少なりとも考慮するであろう。逆に、日本側とすれば、朝総連の幹部、職員の動向をこれまで以上に注視する必要があろう。


 この問題は、これまで以上に機微で厳しい警戒が必要になっているが、いたずらに脅威を強調することなく、総合的な熟慮としたたかな対応が必要になっていると言えよう。
(2017.9.10.)(Copy Rights Reserved.)
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北朝鮮のミサイル発射テストへの対応に疑問! (その1)

2017-10-28 | Weblog
北朝鮮のミサイル発射テストへの対応に疑問! (その1)
 北朝鮮は、8月29日早朝(5時58分頃)、日本の津軽海峡から北海道襟裳岬上空の大気圏外を飛翔する形で太平洋公海上に達する中距離ミサイルの発射実験(飛行距離約2,700㎞)を実施し、朝鮮半島を巡り米・韓両国と北朝鮮の緊張が高まっている。北朝鮮が核兵器とその運搬手段であるミサイル開発を加速させる一方、米国は韓国にミサイル迎撃のためのTHAAD配備し、また3月の米韓合同軍事演習‘首斬り作戦’を実施したのに続き、8月に合同軍事演習を実施する中で、これへの反発と見られている。
 更に北朝鮮は、このような国際的な批判の中で、9月3日、地下核実験(6回目)を実施した。水爆実験とされている。また北朝鮮は、核爆弾を大気圏外の宇宙空間で爆発させ、電磁パルスにより地上に広範囲な被害を与えることも示唆している。電磁パルス攻撃については、宇宙空間の平和的利用の趣旨に反する上、軍事政策的にも、倫理的にも、人道的にも常軌を逸した考えと言えよう。
 このような中で、国連安保理は、石油の部分的輸出制限を含むこれまでで最も厳しい制裁決議を全会一致で採択した。北朝鮮の非人道的で常軌を逸した考え方が明らかになった以上、強い対応が必要になっていることは明らかだ。
しかし北朝鮮のミサイル発射テストへの日本の対応については疑問を残した。
 1、正確を欠く発表と過剰な反応
 日本は、8月29日午前6時2分頃Jアラートで警報を鳴らし、北海道、北陸を中心に広範囲で避難を呼び掛け、同6時7分頃北海道襟裳岬の上空大気圏外を通過した。首相は、‘ミサイルの発射直後から、その動きについては完全に掌握していた’としている。しかし、もしそうであるなら領空を含む日本の領域にはミサイル本体は向かって来ず、大気圏外(最高550㎞上)を飛翔することも分かっていたはずであるのに、何故‘これまでにない深刻かつ重大な脅威’として脅威を強調し、いたずらにJアラートを出したのか。過剰反応として疑問視される向きもある。
発表の仕方も‘日本(又は北海道)の上空を通過’等としているが、‘上空’と言っても、大気圏県外を飛翔したものである。多くの国民は、航空機のように地表に近いところを飛翔したのではないかと恐怖心を抱いたのではないだろうか。
 上空ということであれば、北朝鮮の上空には、米国他の軍事、非軍事の衛星が多数飛翔している。
 更に、日本政府当局は、‘ミサイルの破壊措置はとらなかった’としているが、ミサイル本体については大気圏外を越えて行くのだから迎撃などあり得ない。そもそも届かない。各地に配備されている迎撃ミサイルPAC3は、射程15㎞から20㎞の範囲であるので、ミサイル本体が日本を直撃するのであれば迎撃自体は可能であろう。しかし今回のような発射実験であればよいとしても、万一核や化学兵器などの弾頭が付いていたら、破壊すれば周辺地域への被害は甚大となろうし、目標となっている地域にも大きな影響があろう。切り離したブースター部分その他のミサイルの破片などの落下物にしても、それを正確に探知し、迎撃するのは至難の業であろうし、その破片が広範囲に飛び散る危険性は残る。
 日本海上のイージス艦の迎撃ミサイルにしても、射程は150km前後であり、中・長距離ミサイルとなれば発射直後の数分の間でない限り届かないであろう。それ以上に、日本が直接の目標となっていない限り、太平洋方面に向かっている発射実験のミサイルを撃ち落とすことは過剰防衛となろう。
 いずれにしても、落下してくる破片の場合は別として、ミサイルの弾頭部分を含む本体については、‘国民の生命と財産の防護に万全を期す’というのであれば、日本海上で落とすことが必要と言えよう。他方、領土、領空上で本体を迎撃する場合、命中しても甚大な被害があることを想定しなくてはならないであろう。
 米国防省相は、この時点で‘北朝鮮のミサイルは米国の脅威にはならない’としている。それを日本が撃ち落とす必要があるのだろうか。北朝鮮から米国の方向となる太平洋に向けて実験発射されたミサイルを日本が撃ち落とす云々の議論は、過剰な反応であり必要とは思われない。日本側が日米同盟を引き合いに出し、良く言って米国への‘忖度’なのであろうか。それともへつらいか。
 今回の北朝鮮のミサイル発射実験について、マスコミの報道や軍事評論家、コメンテータ等の‘ミサイル、日本上空を通過’との発言を耳にした多くの国民は、恐らく北朝鮮が日本に向けミサイルを発射したと受け止めたのではないだろうか。

 2、Jアラートの在り方
 訓練のため必要としても、次のような問題点があり、課題が多い。
 ・弾頭をつけていない‘発射実験’の段階と、実際の攻撃の目標となっている場合との区別を明確にすること。そのため、正確な表現での情報発表が不可欠。そうでないと、狼男になる恐れがある。
 ・アラートがかなり広範囲に出され、不必要な不安感を与える。
 ・アラートからミサイルが到達するまでの時間が4~5分前後と短く、且つ郊外や地方には‘強固な建物’が近隣にない場合が多いとの感想がほとんどだ。
 ・迎撃ミサイルPAC3については、事前の北朝鮮側の情報が‘山陰、四国の上空を超え、グアム近海に向けて’ということであったため、PAC3を沖縄のほか、島根、高知などに展開していたが、実際は‘北海道上空(大気圏外)’であったため、迎撃態勢が飛翔地域においては手薄になる結果となった。北の情報にかく乱された形となったが、実践においては更に巧妙な情報かく乱や無警告の攻撃も想定されるので、防御態勢において抜本的な課題を残したと言えよう。
北朝鮮等の攻撃は、基本的には日本海方面からと考えると、日本海側に防御網を設けて行く必要があろう。
 そのために自衛隊員と防御兵器を増やし続けることは困難なことは明らかであるので、新たに隊員数や兵器の増加を図るのではなく、隊員総数や予算の増加を最小限に留め、既存の隊員や武器の抜本的な再配転を図るのど、効率的で効果的な防衛体制を整えていくことが望まれる。増員、増額であれば誰でも出来る上、日報問題で露呈した内部統制への不信の中で、利権が更に拡大し、管理、実施能力面での問題が高まる恐れがある。従って、無制限に防衛能力を拡大することは望ましくないのではなく、節度ある予算が必要だろう。

 3、北朝鮮側に日本へ一定の考慮が (その2に掲載)

  この問題は、これまで以上に機微で厳しい警戒が必要になっているが、いたずらに脅威を強調することなく、総合的な熟慮としたたかな対応が必要になっていると言えよう。
(2017.9.10.)(Copy Rights Reserved.)
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北朝鮮の脅威、やはり票目当ての誇張か!?

2017-10-28 | Weblog
北朝鮮の脅威、やはり票目当ての誇張か!?
 政府は、10月17日、トランプ大統領が11月5日から7日に訪日することを発表した。
 同大統領、安倍首相ともグルフ好きのことから、訪日中に安倍首相とゴルフをすることも報じられている。世界的なプロゴルファーとなった松山プロも参加するとも伝えられ、選挙中のさなか、日・米の緊密振りをアッピールした形だ。
 日本の首相が就任するとまず米国訪問することが恒例となっているが、米国大統領が、就任10か月以内に訪日するのは初めてでもあり、同大統領の訪日と配慮を歓迎したい。
 しかし日本は現在衆院総選挙中であり、厳密にいえば安倍首相の下で自民党が勝利するか否かの国民の審判は下されていない内にこのような公表をすることは、外交を選挙に利用しているとも言え、フェアーではなさそうだ。
 それ以上に、安倍首相の下で、自民、公明両党は、‘北朝鮮の脅威’を大々的に主張し、国民を守れるのは自・公連立政権しかないと訴えている。そのような脅威があるのに、北の最大の敵となっている米国大統領とゴルフするのは、勇気があるというべきか、緊張感に欠け、やっぱり‘北朝鮮の脅威’は国民の恐怖心をあおり、票をまとめるための誇張、嘘であるのか。
 外敵の脅威を煽り国民の団結を図る手法は、よく独裁者がとる手法として知られている。北朝鮮自体がそうであり、米・韓と休戦状態にはなっているが、戦争は終結していないのでそれを梃子として軍事優先の‘専軍主義’を取り、最大の敵米国の脅威を大々的に誇張し、政府、国民の団結を図って来ている。 
自・公両党も、やっていることは類似だ。それ以上に、日本が北の脅威をかきたて、北の最大の敵米国との緊密振りを宣伝すればするほど、少しは票は取れるだろうが、北朝鮮の日本への敵対心は増幅され、日本国民の安全は害されることになろう。既に北朝鮮は、‘日本列島を核で沈める’などと脅しをかけている。これまで初めてである。
 その中で安倍首相と米国大統領とゴルフするの??
 やはり‘北朝鮮の脅威’は票をまとめるための嘘に近い誇張であるのだろうか。現在マスコミ力が低下しているので、新聞、テレビの報道に左右されず、国民は冷静に客観的に情勢や日本のあるべき道を判断する必要がありそうだ。
(2017.10.21.)
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靖国神社への首相による真榊(まさかき)奉納等を国民はどう判断するか

2017-10-28 | Weblog
平成の本音―靖国神社への首相による真榊(まさかき)奉納等を国民はどう判断するか
 衆議院選挙中の10月17日、安倍自民党総裁は、靖国神社の秋季例大祭に際し、「内閣総理大臣 安倍晋三」の名札を付して真榊の鉢植を奉納した。これに対し、野上官房副長官は記者会見において、‘総理が真榊を奉納したとの報道は承知しているが、私人としての行動に関するものであり、政府として見解を述べる事柄ではない’とし、‘靖国神社を参拝するか否かは総理が適切に判断される事柄’と述べた。
 どうも官邸側の説明振りが、何時もの通りで、どうも正確を欠く。「内閣総理大臣 安倍晋三」の名札を付して奉納しているので、‘私人としての行動’とは言えない。誰の目から見ても、「内閣総理大臣 安倍晋三」の奉納物である。どうして国民をごまかすような説明をしなくてはならないのか。どうして国民に正面から正直に説明しないのか。
 どうしてマスコミやTVコメンテーターがこの点に疑問を呈さないのか、不思議だ。また一部マスコミは、参拝でなく、まさかきの奉納だから問題がないような印象を与えているが、参拝も奉納も、信仰という点では変わりはない。この点を指摘しないのも不思議であり、マスコミ力の低下なのだろうか。
 靖国神社は、他の神社とは異なり、政治的な色合いや政治姿勢に関係する。中国や韓国が歴史認識の上で問題視していることは別として、天皇を中心とする独裁的な政治体制とするか、軍事力を認め軍国主義的な国家体制とするかなど、基本的な政府の在り方や、憲法改正の方向性などにも関係する問題なのである。
 靖国神社は、明治時代に統帥権を持つ天皇の下で国のために戦って命を落とした軍人を祀る神社として建立されたもので、軍関係者のための神社である。太平洋戦争で戦没した多くの職業軍人や軍関係者も祀られている。しかし戦後に米、英を中心とする戦勝国(連合国)が主導して、太平洋戦争を遂行した日本側の戦争責任者、指導者に対し極東国際軍事裁判(通称東京裁判)が行われ、東條英機首相、板垣陸相(いずれも当時)始め6人の軍人出身者、及び文人である広田弘毅首相の7人がA級戦犯として死刑と判決された。これら7名他の政府及び軍の戦争遂行責任者が、1978年10月に靖国神社に他の一般戦没者と共に合祀された。
 極東国際軍事裁判については、米英を中心とする戦勝国が主導したもので、日本国内には、特に新保守主義グループは裁判の公平性等に、異議を唱える者がいる。戦後、日本国内で天皇を含め時の政府の戦争責任が総括されたことはないので、戦争責任については曖昧なままになっているのが現実のようだ。
 しかし、東條英機首相などA級戦犯が1978年10月に靖国神社に合祀された後、終戦を宣言した昭和天皇を靖国を参拝しておらず、また現行天皇も参拝していない。
 首相や新保守主義と見られる議員等は、天皇が2代に亘って参拝しない靖国神社を何故参拝し、或いは榊を奉納するのだろうか。安倍首相は靖国神社参拝(2013年12月)に際し、「国のために戦い、尊い命を犠牲にした方達に尊崇の念を表し、ご冥福を祈るのは国のリーダーとして当然」と答弁しているが、真榊を首相名で奉納したことは、A級戦犯となった人々を含めて「尊崇の念を表し、ご冥福を祈った」のであろう。しかし、ここで誤った言葉の綾がある。「国のために戦い、尊い命を犠牲にした方達に尊崇の念を表し、ご冥福を祈る」云々とあるが、「国のために戦い、尊い命を犠牲にした方達」は一般将兵であり、戦犯と呼ぶか否かは別として、東條英機首相はじめ時の政府及び軍の首脳部は、第2次世界大戦を決断し、主導した責任者であり、200万人余に及ぶ兵士、軍関係者を犠牲にし、東京大空襲、沖縄戦、広島、長崎の原爆投下を含めて100万人以上の一般市民を犠牲にした責任者であるので、「国のために戦い、尊い命を犠牲にした方達」としてひっくるめて表現するのは誤りではないだろうか。
天皇は昭和天皇も平成天皇も靖国参拝をしておらず、いわば天皇の意に反してこれら議員等は参拝し、榊を奉納していることになる。
 これら自民党グループは、憲法改正を唱えているようだが、基本的に天皇制を擁護し、‘日本は天皇を中心とする神の国’などとの考え方に立って、天皇を‘国家元首’として憲法に規定し、天皇制の恒久化を図り、また軍事力の保有を実質的に認め、保守政治を常に政治の中心に据えることを意図する一方、天皇を祭り上げて内閣が実権を握ることを意図しているように映る。いわば天皇を利用して保守政権の恒久化を図ろうとしているとも解釈出来そうだ。この信条は、森友学園の復古的教育方針に共鳴した安倍首相と同夫人の姿勢に通じる。
これら議員グループは、第2次世界大戦突入を決断し主導した天皇を含む時の政府、軍の首脳部の責任をどう考えているのだろうか。
因みに、自民党の‘選挙の顔’となっている小泉進次郎自民党候補も、8月15日の終戦記念日に靖国神社を参拝しており、同一の信仰や歴史認識を持っていると言えそうだ。耳障りの良い言葉や一部マスコミの報道振りなどに惑わされず、個々の言葉や行動から国民自身が判断することが必要のようだ。(2017.10.17.)
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2017年流行語大賞候補?

2017-10-28 | Weblog
シリーズ平成の本音ー2017年流行語大賞候補?

・アメリカ ファースト        米国大統領
・選択的事実             反既成グループ
・フェイク ニュース         既成メデイアグループ
・リアル ニュース          トランプ放送局
・都民ファースト           都知事
・忖度                政府関係者
・一線を越えていない         スピード不倫マニア
・このハゲー!            女性議員
・丁寧に説明             嘘つき大賞受賞者
・覚えていません           首相側近グループ
・オフホワイト            お笑い芸人
・Jアラート             平成の狼男
・不幸な大会             オリンピック組織委員長
・お前らが日本の文化をダメにしている トランビンター
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北朝鮮の核・ミサイル開発で引いた貧乏くじ!?

2017-10-28 | Weblog
平成の本音―北朝鮮の核・ミサイル開発で引いた貧乏くじ!?
北朝鮮は、8月29日早朝(5時58分頃)、日本の津軽海峡から北海道襟裳岬上空の大気圏外を飛翔する形で太平洋公海上に達する中距離ミサイルの発射‘訓練’(飛翔距離約2,700㎞)を実施し、朝鮮半島を巡り米・韓両国と北朝鮮の緊張が高まっている。北朝鮮が核兵器とその運搬手段であるミサイル開発を加速させる一方、米国は韓国にミサイル迎撃のためのTHAAD配備し、また3月の米韓合同軍事演習‘首斬り作戦’を実施したのに続き、8月に合同軍事演習を実施する中で、これへの反発と見られている。
また北朝鮮は、このような国際的な批判の中で、9月3日、地下核実験(6回目)を実施した。水爆実験とされている。
これに対し国連安全保障理事会は、9月11日、これらの北朝鮮の行動を受け、北朝鮮への石油輸出に上限を設けるなど、一層厳しい制裁決議を中・ロを含む全会一致で採択した。
北朝鮮はこの新たな安保理制裁決議を激しく批判する一方、核保有国米国への抑止力保持のためとしつつ、核、ミサイル開発を継続することを表明した。
このような中で北朝鮮は9月15日、北東方向の太平洋に向け中・長距離ミサイルの発射‘訓練’をまた挙行した。同ミサイルは北海道上空約700キロの大気圏外を通過、北海道の東約2,000キロの太平洋上に落下した(飛翔距離約3,700㎞)。
1、北朝鮮、‘日本列島’を攻撃の対象として名指し
 朝鮮戦争は‘休戦’状態であり、北朝鮮と米・韓両国とは未だに敵対関係にあり、これまでも北朝鮮は、事あるごとに米国、韓国を激しく口撃して来ている。核、ミサイル開発は、正に米国への対抗として行われている。
 安倍政権は、北朝鮮の上記のミサイル発射実験や核爆発実験が行われるたびに、‘新たな段階の脅威’として北の脅威を強調すると共に、‘断じて容認できない’、‘圧力を強化する必要がある’と批判を強めている。
 このような安倍政権の姿勢を受けて、北朝鮮の朝鮮アジア太平洋平和委員会は、9月13日の声明で、国連安保理での対北朝鮮制裁強化決議に関し、‘日本は米国の制裁騒動に便乗した’と非難し、その上で‘日本列島4島を核爆弾で海に沈めなければならない’とした。
 北朝鮮の核、ミサイル開発は、国際世論が広く非難しており、日本が懸念を表明することは当然だ。しかし北朝鮮から、敵対関係にある米・韓両国と並んで日本列島全体が攻撃の対象とされることは、日本国民の生命と財産を危うくし、日本の北朝鮮に対する安全保障が著しく悪化する結果となっている。
 安倍政権は、北への非難を強め、国民の生命と財産を守ると口では言いながら、結果として、国民の生命と財産、日本の安全保障が著しく悪化させており、
非常に危険な‘貧乏くじ’を引いた形となっている。
 もっと賢明で大人の対応が出来ないのだろうか。脅威をあおり、防衛費を大幅増額すれば日本の安全が確保されるということでもない。言葉だけが先行し、日本の全体的な安全保障を悪化させているように映る。
 これ以上この政権に日本の安全保障、国民の生命、財産を委ねてよいものだろうか。

 2、日本を前面に出そうとする米国
 米国は、9月14日、テイラーソン国務長官名でプレス・ステートメントを発出し、‘北朝鮮のミサイル発射は、この数週間の間に、条約上の同盟国である日本が、2度にわたり直接的におびやかされたことを表している。このような継続的な挑発は、北朝鮮の外交的、経済的孤立を深めるだけである。’云々として安保理制裁決議の実施を呼びかけた。
 そもそも北朝鮮の核、ミサイル開発は米国への対抗で進められているのであり、また最近の2度に亘るミサイル発射は、米国方向の太平洋に向けられたものであり、日本が直接の脅威にさらされたものではないことは明らかだ。北のミサイルは、日本の上空をまたいだが、1回目は約350km、2回目は約750km上空の大気圏外で、宇宙空間を通過したものだ。
米国の国防総省筋は、先のミサイル発射は‘米国やグアムを標的にしたものではなく、米国にとって脅威ではない’としている。
それにも拘らず今回国務長官がこのような表現を用いたのは、日本側があたかも直接的な脅威にさらされたかの印象を与える説明を米国にも行っていたからであろう。
 米国とすれば、正に渡りに船であろう。日本が北からの脅威の盾となる。
 安倍政権が脅威を強調することは国内の関心を外に向け、内閣支持率を若干高めることが出来るとしても、誰のための安全か。日米が良好な関係にあることは望ましい。しかし北朝鮮からの危険性についてはジャパン・ファースト、安全についてはアメリカ・ファーストの構図になっているのだろうか。

3、早期解決に繋がるか、日本人拉致問題
トランプ米大統領は、9月19日の国連総会の一般討論演説で、北朝鮮を厳しい言葉で非難し、また名前は明示しなかったものの、日本人少女の拉致問題にも触れ、卑劣な北朝鮮への制裁の実施等を訴えた。
 安倍首相は、政権の座について、日本人拉致問題について‘自分の世代で解決したい’としばしば述べて、拉致被害者家族に期待感を持たせて来た。しかしそれは、言葉だけの期待感なのか。
 安倍政権は、事あるごとに‘対話と圧力’と言い続けているが、4年半に亘る政権では、‘圧力’を繰り返すばかりだ。北の核、ミサイル問題でも、脅威をあおり、対話の時期ではないとし、‘制裁強化’一辺倒だ。
 少なくても過去4年半、何の実績も出しておらず、今後についても、核、ミサイル問題での‘制裁強化’と防衛費増額が強調されることだろう。それで日本列島は北の核攻撃の対象になってしまった。(2017.9.20.)
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靖国参拝、自民など国会議員63名他の意図!?

2017-10-28 | Weblog
 平成の本音―靖国参拝、自民など国会議員63名他の意図!?
 8月15日、「靖国神社に参拝する国会議員の会」のメンバーであるの衆・参両院の議員63人が、靖国神社を参拝した。政党別では自民党が尾辻元厚労相、高市前総務相、佐藤外務副大臣など55人の他、民進党から3人、日本維新の会から2人、日本のこころ1人が参加した。
 安倍首相は自民党総裁側近により榊を奉納させている。また稲田前防衛相、萩生田前内閣官房副長官及び小泉進次郎筆頭副幹事長は、個別に参拝している。
 靖国神社は、明治時代に統帥権を持つ天皇の下で国のために戦って命を落とした軍人を祀る神社として建立されたもので、軍関係者のための神社である。太平洋戦争で戦没した多くの職業軍人や軍関係者も祀られている。しかし戦後に米、英を中心とする戦勝国(連合国)が主導して、太平洋戦争を遂行した日本側の戦争責任者、指導者に対し極東国際軍事裁判(通称東京裁判)が行われ、東條英機首相、板垣陸相(いずれも当時)始め6人の軍人出身者、及び文人である広田弘毅首相の7人がA級戦犯として死刑と判決された。これら7名他の政府及び軍の戦争遂行責任者が、1978年10月に靖国神社に他の一般戦没者と共に合祀された。
 極東国際軍事裁判については、米英を中心とする戦勝国が主導したもので、日本国内には、特に新保守主義グループは裁判の公平性等に、異議を唱える者がいる。戦後、日本国内で天皇を含め時の政府の戦争責任が総括されたことはないので、戦争責任については曖昧なままになっているのが現実のようだ。
 しかし、東條英機首相などA級戦犯が1978年10月に靖国神社に合祀された後、終戦を宣言した昭和天皇を靖国を参拝しておらず、また現行天皇も参拝していない。
 これら新保守主義と見られる議員等は、天皇が2代に亘って参拝しない靖国神社を何故参拝し、或いは榊を奉納するのだろうか。安倍首相は靖国神社参拝(2013年12月)に際し、「国のために戦い、尊い命を犠牲にした方達に尊崇の念を表し、ご冥福を祈るのは国のリーダーとして当然」と答弁しているが、今回もこれら議員がA級戦犯となった人々を含めて、「尊崇の念を表し、ご冥福を祈った」のであろう。しかし、ここで誤った言葉の綾がある。「国のために戦い、尊い命を犠牲にした方達に尊崇の念を表し、ご冥福を祈る」云々とあるが、「国のために戦い、尊い命を犠牲にした方達」は一般将兵であり、戦犯と呼ぶか否かは別として、東條英機首相はじめ時の政府及び軍の首脳部は、第2次世界大戦を決断し、主導した責任者であり、200万人余に及ぶ兵士、軍関係者を犠牲にし、東京大空襲、沖縄戦、広島、長崎の原爆投下を含めて100万人以上の一般市民を犠牲にした責任者であるので、「国のために戦い、尊い命を犠牲にした方達」としてひっくるめて表現するのは誤りではないだろうか。
天皇は昭和天皇も平成天皇も靖国参拝をしておらず、いわば天皇の意に反してこれら議員等は参拝し、榊を奉納していることになる。
 これらの議員グループは、憲法改正を唱えているようだが、基本的に天皇制を擁護し、‘日本は天皇を中心とする神の国’などとの考え方に立って、天皇を‘国家元首’として憲法に規定し、天皇制の恒久化を図り、保守政治を常に政治の中心に据えることを意図する一方、天皇を祭り上げて内閣が実権を握ることを意図しているように映る。いわば天皇を利用して保守政権の恒久化を図ろうとしているとも解釈出来そうだ。
これら議員グループは、第2次世界大戦突入を決断し主導した天皇を含む時の政府、軍の首脳部の責任をどう考えているのだろうか。(2017.8.20.)
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財務、防衛を含む行政中枢の倫理と内部統制の破たん!

2017-10-28 | Weblog
財務、防衛を含む行政中枢の倫理と内部統制の破たん!
 南スーダンの国連平和維持活動(PKO)に陸上自衛隊員が派遣されていたが(2017年5月撤収)、同部隊が本部に行っていた日報が防衛省により公表されず、隠ぺいされていたことについて、稲田防衛相は7月28日、特別防衛監察の結果を公表した。
 国連平和維持活動に自衛隊を派遣する要件として最も重要な点は、紛争当事者間の停戦合意が維持されているか否かということであるだけに、南スーダンで武力衝突や戦闘行為があるか否かが大きな問題となっていた。現地部隊よりの日報には、南スーダンにおいて政府軍と反政府軍との間で‘戦闘’が発生していたことが報告されていた。
 今回の特別防衛監察結果から、陸上自衛隊及び事務方トップの事務次官については隠ぺいに直接関与していたことが明らかとなったが、防衛相による承認や黙認については、あいまいな表現となっている。
 今回の監察結果から、防衛省による‘日報’隠ぺい事件について次の点が明らかになったと言えそうだ。
 1、防衛省事務方及び陸上自衛隊の不適正な情報管理と隠ぺい
 陸上自衛隊幕僚は、現地よりの日報で‘戦闘’状態と報告されていたこと自体を隠そうとした趣だ。公表すれば、部隊の引き上げが問題となるからだ。何故そう判断したのか。
 情勢を甘く判断していたか、現自・公連立政権が前のめりの安全保障政策や国際貢献を取っていることを配慮してのことか。一部の保守専門家等は、自衛隊が引き上げれば国際的な笑いものになるからとしている。しかし、一部外国部隊は撤退している。いずれにしても自衛隊員の命が掛かっている上に、国連平和維持活動(PKO)の派遣条件が満たされなくなったか否かを判断する重要な事態である。適正な判断が不可欠であるのに、情報を隠ぺい、破棄するのでは、国民を欺く結果となる。
 陸幕が事務方のトップである事務次官と協議した際、‘戦闘報告は、個人のコンピュータにファイルされていたもので、公的情報とは言えない’との趣旨で不公表と判断されたとされる。あり得ない。
 そもそも防衛省、自衛隊には、‘個人のコンピューター’の使用が認められているのか。そうだとすると、防衛省の情報は何時でも個人に持ち出されることになる。あり得ない。個々の担当官が使用しているのは、すべて同省の公的な‘コンピューター’であり、そこにファイルされている情報は、文書にしろ、データにしろ、基本的には公的情報であり公的に管理されるべきものであろう。
 いずれにしても、事務方も陸自も日報を不公表としたばかりか、一部破棄し、隠ぺいした。これが国連平和維持活動ではなく、日本自体の安全保障にかかわることであれば、国民は情報を隠されたまま、防衛省の言うことに騙される恐れがある。そのような防衛省、自衛隊に日本国民の安全を任せることは難しい。
日本を巡る安全保障環境が悪化している今日、本来であれば防衛に必要な兵器や軍事機材と兵力の増強が不可欠であるが、このような防衛当局に更なる兵器や兵力を預けることは難しい。厳に防衛に必要な兵器、兵力水準にとどめるべきであろう。兵力も、陸自を大幅に削減し、空、海の防衛力強化を優先することが望まれる。
2、稲田前防衛相は、未だに国会、国民に嘘をついている
日報隠しに稲田防衛相(当時)が主導的役割を果たしたことはなさそうだ。しかし、2月の予算委審議で野党からこの問題を追及される中で、同大臣は陸幕幹部及び事務次官から‘情報公開の手続き’などについて説明されたとされている。しかし、そこにおいても稲田防衛相は、日報データの存在は知らされておらず、また日報不公表を了承したことはないとされている。あり得ない。
国会で日報問題が厳しく追及されている最中に、一般的に‘情報公開の手続き’などの説明に終わっていることはないであろう。百歩譲っても、大臣自体が質問もしなかったとすれば、不真面目且つ無責任であろう。
同大臣は、‘一般的な監督責任’で辞職したとしている。同大臣は日報データの存在や日報不公表の了承(黙認)はないとしているが、明らかに保身のための嘘である。同大臣(当時)は、2月以来、国会で日報データの存在や日報不公表の了承(黙認)を否定し続けていたので、知っていたとすることは、大臣が国会で嘘をついていたこととなり、大臣の職だけでなく、議員辞職を求められる恐れがあるので、真実は語れないのである。そのため、陸幕幹部も事務方も真実は語れず、大臣から嘘を強いられた形となっている。
防衛省、自衛隊は、情報を隠し、廃棄し、また大臣答弁とつじつまを合わせるために嘘をつかざるを得ない状態になっている。行政倫理と内部統制の崩壊である。
類似のことは、森友学園における財務省、加計学園問題における文科省、内閣府、官邸でも起こっている。
3、首相側が招いた破たんの連鎖
森友学園問題で、首相、首相夫人は、同学園の「教育勅語」(明治天皇の下で出されたもので、戦後廃止)に基づく復古的教育方針を信奉しながら、超低価格での国有地売却問題が国会で問題視されるにつれ、森友学園と距離を置き、事実に反する弁明をし続けた。そのため財務省当局は、それとつじつまを合わせるため、資料隠しと記憶隠し、嘘、資料・データの廃棄などの不適正な対応を余儀なくされた。そして財務大臣がこれを擁護した。国の財政を担う行政としてはあってはならないことであり、財務行政、ひいては行政全体への信頼性を大きく失わせた。
 加計学園問題についても、国会で問題にされ始めると、首相サイドは加計理事長との距離を取り始め、加計学園の影響を否定することに終始したため、内閣府、文科省、官邸は、資料隠しと廃棄、記憶隠しと嘘を強いられたと言えよう。文科省については、当初は資料、データはないとしていたが、メデイアや一部議員に漏れたことから、一部を公表せざるを得なくなった。しかしこれにより、内閣府や首相補佐官等が記憶隠しや嘘でつじつまを合わせざるを得なくなったのだろう。良く‘言った、言わないの話’として片付けられる傾向がある。しかし、一方には一定の資料と証言があり、他方には記憶がなく、相手の主張を覆すことは出来ないのであるから、資料のある方に分があると言えそうだ。また会ったことを認めておきながら、それは言っていないとの主張についても、相手には記録があるのだから、記録に分がある。記録とはそのためにあるのだろう。
 更に防衛省の日報問題については、防衛省、陸自の問題として取り扱われているようだが、海外で活動する自衛隊員の任務と生命にかかわることであるので、‘戦闘’状態が報告された段階で、当然のことながら国家安全保障会議(首相が議長)に報告され、公表の有無を含め、審議されて良い問題であろう。首相サイドは、あたかも第3者的な姿勢を取り、防衛省内の問題であるかのように振舞っているが、指揮権を持ち、国家安全保障会議議長である首相自身が対応すべき問題であろう。
 今回の森友学園、加計学園問題、及び防衛省の日報問題については、それぞれの問題での不適正な対応は正さなくてはならないが、最大の問題は、政権トップや関係閣僚の国会等での発言や説明が、関与、関係を否定し、事実に反する説明がなされたことに端を発している。そのため財務省、文科省、内閣府、官邸など、行政の枢要な関係部局でトップの発言に合わせるため情報を隠し或いは廃棄し、その上で記憶を消し、事実に反する発言まで行い、これが政権中枢により容認されたことであろう。それをやり通した担当局長が栄転している。公正、公平であるべき行政において、行政倫理と内部統制の崩壊という最悪の事態となっている。これが容認され、繰り返されれば、公正、公平な行政どころか、適正な行政事務までおぼつかなくなる。現政権は、この意味で戦後最悪、最低の政権と言えないだろうか。
 いずれの件も、情報や意図を国民の目からそらそうとはせず、それがなぜ必要か、どうすべきかなどをきちんと説明し、国会、国民の理解を得る努力をすれば、今回のような事態にはならなかったと思われる。
 この状態で内閣改造などが行われても、行政事務において情報を隠し或いは廃棄し、その上で記憶を消し、嘘をつくということが容認、黙認された形となるので、日本の行政事務に大きな禍根を残す恐れがある。
 官僚人事について、日本は原則‘終身雇用制’になっているので、欧米諸国にように、政権が変わると課長以上の管理職を変えるという慣行はそのままでは適用困難だ。変えるならそれに見合う職を提供しなくてはならない。そうでないと職にしがみつくために、政権の意に反しない行動を強いられ、いわば人事による恐怖政治に陥る危険性がある。基本的に、公務員については、総合政策職を含め、終身雇用の職階制(年功序列)から職能制(同一労働、同一賃金)にすると共に、定年を含め年齢制限を廃止するなどの抜本的な改革が望まれる。
(2017.7.31.)(All Rights Reserved.)
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参議院審議を不要とした自・公両党と維新の会

2017-10-28 | Weblog
シリーズ平成の本音―参議院審議を不要とした自・公両党と維新の会
 6月16日、与党自民・公明両党は、参議院法務委でのテロ等準備罪法案の審議を尽くさないまま、‘中間報告’を参院本会議に提出し、そのまま採決した。同法案は、法務委での18時間弱という生煮えの審議のまま本会議で自・公両党と自民党予備軍ともなっている日本維新の会などの多数で採択したが、‘中間報告’での採択であり、審議が尽くされていないことは明白だ。
 同法案は、暴力団などの組織犯罪を撲滅する上で有用と見られるものの、277にも及ぶ準備的行為で国民を罪人に出来る法律であるだけに、慎重な審議が求められた。しかし金田法相は、‘一般人には適用されない’という当たり前のことを繰り返すのみで、具体的な質問には答えられず、事務方に答弁させる始末であり、担当大臣が理解できない法律を国民が理解できるはずがない。
首相自体も‘一般人には適用されない’との答弁を繰り返していたが、これは、‘一般人’が‘何もしなければ’ということであり、当然のことを言っているに過ぎず、誤った印象を与える不誠実な答弁でしかない。刑事局長は、‘一般人’がこの法律に触れるような行為をすれば対象になる旨答弁をしている。それにも拘らず、法相はもとより、首相さへも法律の基本的な解釈を理解せず、国民に安心感を与えた上、審議も尽くさず法案を強行採決するという乱暴且つ不誠実な対応をしている。
 今回の与党の対応から、次のことが言えそうだ。
 1、参議院は税金の無駄、廃止すべし
 与党自民・公明両党と日本維新の会が、参議院の審議を不要としたので、参議院は廃止しても良いのではないか。税金の無駄だ。
 そもそも現在の参議院は、衆議院のクローン組織、或いはコピーに近い存在であり、その必要性が疑われていた。それを与党自体が追認したに等しい。
 2、個性を失い、自分の意見を持たない議員―政党助成金は廃止すべし
 テロ等準備罪法は、本来テロではなく、組織暴力活動を防止する目的のもの
であり、この点でも疑義があるが、国民の6、7割が良く理解できない、十分な審議が必要としている中で審議を中断し、‘中間報告’で本会議採決を強行したところであり、それに自・公両党や日本維新の会の議員が一人も棄権も反対もしていないのは、独裁政党のようで非常に奇異だ。国民の疑問に答えようとする議員が出ても良いところだ。
 ‘党議拘束’に盲従するというところであろう。党の一体性を保つと言えば聞こえは良いが、議員の個性喪失、独自性の放棄でしかない。
 公明党は、支持母体が創価学会で、同じ宗教を信じるということであるの
で仕方がないのかもしれない。しかし国家緊急事態では、あらゆる形で政権側が権力強化を図り、公明党や創価学会関係者も同法の対象として捜査の対象になる可能性もあるだろうに。日本維新の会に至っては、自民党予備軍のようで、国政には意味がない政党になっている。日本に‘都’は一つで良い。大阪は大阪の有権者が決めることだろうが、東京には維新の会は不要だ。
 ‘党議拘束’が強く、議員の個性が無くなっているのは、国庫から各党に
政党助成金が出され、それを党が所属議員に給付していることが大きいように見える。議員は党から回された国民の税金をほとんど自由に使える。そもそも、有権者の4割前後が無党派層であるので、税金から党に助成金を出すのは筋が違うのではないか。政党助成金を廃止し、出すのであれば、政党を問わず、国が議員(候補者)に直接支給し、報告義務を課すべきであろう。
 3、現政権での憲法改正は不適切
 森友学園問題でも、加計学園問題でも、夫人を含めて国民の背後でいろいろ画策しているにも拘らず、それを隠そうとするばかりか、100万円の寄付はしていない、加計学園側には何もしていないなど、事実に反することを主張し、挙句の果てに関係省庁に対しつじつまを合わせるよう嘘や資料隠しをさせる結果になっている。その上、それを担当政府職員の勝手な行動によるとして片付けようとするなど、行政の適正管理能力や内部統制能力を欠くこと甚だしい。
 このままでは、官僚が嘘をついたり、資料を隠蔽、廃棄したりすることが容認されるという重大な結果を招きかねない。
 更に与党両党と日本維新の会は、国民が理解していない法案を通すために参議院を切り捨てた。まるで独裁政党のようだ。
 このような政権、政党の下での憲法改正は、独裁的で歪んだ結果になる恐れがあるので適当ではなさそうだ。そもそもこの政権は、選挙の際、憲法改正につき主要な改正項目を含む提案を国民に対して行って選ばれてはいないので、憲法改正を行うための国民からの信託を受けてはいない。(2017.6.19.)
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特区制度は特定人のための得区か!?

2017-10-28 | Weblog
特区制度は特定人のための得区か!?
 国家戦略特区制度を利用して、今治市に獣医学部を新設することについて、推進母体である加計学園の加計理事長が安倍首相と緊密な関係にある一方、国家戦略特区諮問会議の議長が首相であることから、首相が直接、間接にどのように関与しているかが問題視されている。
 特区制度は、規制緩和による経済活動の活性化の一手段として、全般的な規制は維持しながら、地区や分野などを限定して規制の対象から外す制度である。一見規制緩和に繋がりそうだが、行政上は規制の細分化、複雑化であり、審査手続きが細分化される。更に、組織面でも国家戦略特区諮問会議を新設し、内閣府が省庁横断的に事務を所掌するなど、屋上屋を重ね、複雑化しており、実体的には規制の撤廃、緩和からは程遠い制度となっている。
 今治市における加計学園による獣医学部の新設については、まず現在以上の獣医学部の新設が必要か否かであるが、京都府の京都産業大学からも提案がなされていたので、何故今治市なのか、何故加計学園なのかが問われなくてはならない。
 この問題をめぐり、同学園の理事長が安倍首相と大学時代からの友人であり、昭恵夫人も同学園の名誉園長であった他、現在でもゴルフや会食等で頻繁に交流している一方、「総理のご意向」とか「官邸の最高レベルの言ったこと」などと書かれた文科省のものと思われる文書が公表されたことから、国会の内外で問題視されている。これに対し、安倍総理大臣は「彼からこの問題について、頼まれたことはなく、働きかけていない」などと否定しているほか、菅官房長官も文書について、「怪文書のような文書だ」と述べ、また文書の存在の調査を求められた文科大臣が、‘その存在は確認出来なかった’など、働き掛けの事実や関係文書等の存在自体を否定し続けている。
 更にこの新設については、内閣府の担当審議官や和泉首相補佐官が関与している他、文科省出身の木曽氏が内閣官房参与として関与していたことが明らかになっている。木曽氏は、加計学園の理事である上、関連の千葉科学大学の学長であったことが明らかになっており、この問題への関与だけでなく、利害関係団体との実質的な関係者でありながら内閣官房参与を務めていたことから、‘利害の衝突’が存在する人物であるので、任命責任も問われるところだ。
 加計学園による獣医学部の新設については、余りにも首相サイドとの関係性が深い。それ自体に問題があるわけでは必ずしもないが、公務に就いている者が、新聞社を含め利害関係者と頻繁にゴルフをしたり、会食することは何かと疑惑を呼ぶので好ましくない。公務員の倫理規定ではこれを禁じており、首相や閣僚についても任期中は適用されるのであろう。
 また官邸首脳や自・公両党や一部保守系紙は、前川前文科省事務次官は、同省の天下り問題で辞任した人だとか、出会い系バーに出入りしていた人であるなどと言及し、同人の信頼性を疑わせる個人攻撃を行っているが、これは‘別件’で同人の発言を疑わせる‘印象操作’であり、森友学園問題同様、フェアーでないし、そのような批判をする資格もなさそうだ。首相サイドは、明らかに獣医学部の新設を強力に推進して来ており、‘関与はしていない’‘圧力を掛けていない’というのは嘘であろう。‘記録がない、文書等もない’も嘘であろう。森友学園問題同様だ。権力側が嘘や資料、記録の隠ぺいをしていながら、一方を別件で批判するのは如何なものであろうか。天下り問題にしても、文科省だけではない。若干関連団体や補助金団体への天下りは若干改善しているようだが、現在でもほとんどの経済官庁OB等が、企業等の顧問や社外取締役等として多数天下っている。その他省庁の天下り調査の結果はどうなっているのだろうか。
 しかし最大の問題は、首相や官房長官はじめ官邸、内閣府、文科省など、特区や教育行政関係者が、獣医学部の新設について、記録がない、文書が残っていない、記憶がないなどとこぞって関与していたことを否定していることだ。もし加計学園による獣医学部を今治市に新設することが必要で、京都産業大学の提案より適切であるというのであれば、その理由を具体的に説明すればよいことであろう。何故堂々と国民に対しその必要性、適切性を訴えることができないのか。何故、関与を否定しながら、国民の背後で事を進めようとするのか。森友学園の問題と類似する。今回の場合は、国家戦略として進めようとする政策において、特定団体、個人に便宜、利益を与えること、いわゆるえこひいきに直接、間接関与し、或いは推進しようとしていたものであり、公正、公平な行政の上でより責任が重い。
 関与を否定すればするほど、加計学園による獣医学部の新設が適切でなく、恣意的な筋わる案件であるとの印象を与える。
 安保法制の時に官邸が法制局長官人事に介入するなど、安倍政権下で官邸の官僚幹部への人事権が強化されている。これ自体は政権交代を前提とすると合理的な基準や範囲内の下で実施されることは必要であろう。しかし恣意的な人事介入が横行するようになると、官僚は首相、官房長官、大臣に物が言えなくなり、専制的な恐怖政治のようになる恐れがあり、物が言えなくなる。現状においては、首相や官房長官の発言や意向に沿わないことについては、記憶や記録にないと言い、また記録データや文書を廃棄したり隠したりするような行動が、今回の文科省や内閣府だけではなく、防衛省や財務省でも起こっており、非常に不健全で危険な状態にあると言えないだろうか。政策を歪めるだけでなく、真実を歪め、虚偽が正当化されようとしている。行政組織の統治能力、内部統制の欠如も甚だしい。
 最近、世界でマスコミ力も低下していると言われている。世論調査も当たらない。日本もそうなのであろう。マスコミが商業化、既成化し、報道やコメント、評論等がステレオタイプ化しているようだ。主要報道関係の論説クラス、評論家の多くは、官邸から食事等に誘われることを待ち望んでいるという話もある。だから呼ばれるような発言をし、記事を載せる。政府の考え方をいち早く報道することに追われ、それに対する疑問や多様な意見が見られない。このように政府内でもマスコミでも、発言がし難くなり、抑制され始めると、その傾向が加速し独裁化が進んで行くのではないだろうか。
 国家戦略特区は、アベノミクスの中でほとんど飛んでいない‘第3の矢’の規制緩和のいわば目玉として打ち出されたが、今日までほとんど成果が無いばかりか、規制緩和ではなく、規制の更なる細分化であり、実体的には規制の強化で、政権中枢に近い特定の団体、個人へのえこひいきや利益の供与になり易い制度となっていることが明らかになっていると言えそうだ。特区ではなく、得区だ。一定の条件で獣医学部の新設を認めるということでは‘規制緩和’だが、‘広域的に存在しないこと’という新たな条件をつけて規制を強化し、首相に近い加計学園による新設を認めている。
 確かに規制緩和には、強固な利益団体が存在し、それが保守層の支持基盤になっていることが多いので、その岩盤を打破することは困難である。それを打破するためには強いリーダーシップが必要であるが、それがえこひいき、情実のためであれば問題だ。
 特区制度などは廃止し、原則自由化し、もっと分かり易く、誰にでも公平に適用されるようにすべきであろう。原則規制ではなく、原則自由化として規制緩和を促進すべきであろう。原則自由化し、その上で弊害がある領域についてのみ規制すると共に、違反者には相当額の罰金を科すこととすれば、誰にでも公平で分かり易く、また罰金による違反者の抑止が出来るであろう。因みに、経済犯については、高額の罰金を科し、実刑は極めて悪質な事案以外は無くしてもよいのであろう。実刑判決を課しても、利益が残るようでは経済犯は無くならない。(2017.6. 2.)
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