シリーズ平成の本音―迷走する東京オリンピック用新国立競技場
東京オリンピック2020の目玉となる新国立競技場の建設については、従来の施設を取り壊したものの、キールアーチ式の開閉式屋根の競技場の建設費問題や完成が間に合うかなどで、もめにもめている。ところが文部科学省が、400mの2本のキールアーチを残すなど現行のデザインで、大手ゼネコン2社と今月末にも総工費2,500億円の契約を結ぶ方針を固めたと伝えられている。
しかし、この問題は次の通り単純明快であり、国民に説明してきた通り、基本設計時に立ち返って、総工費1,625億円以下で実施すべきであろう。それでもロンドン・オリンピックでの経費と比較しても予算を掛け過ぎており、これまでの国民への説明とかけ離れて来ている。
1、日本の財政逼迫状況等から、費用削減が最優先
日本は既に1,100兆円近くの公的債務を抱えており、今後3年間は国として
も財政改善のための集中期間としており、東京オリンピックやラグビー・ワールドカップなどのために、贅沢や無駄は許されない。
キールアーチ式の開閉式屋根の競技場とする場合、節約しても2,500億円となるとしており、何故オリンピックにそのような贅沢をすべきだろうか。多分実際はそれをオーバーすることになるのだろう。そんな余裕があれば、身障者のための施設の改善や老齢者対策、周辺の生活環境の改善などに充てるべきであろう。
基本設計時に立ち返って、総工費1,625億円以下での建設とすべきであろうし、それでも十分以上であろう。
国民には、未だに東北地震復興特別税を課しておきながら、新国立競技場のために当初計画の総工費を900億円近く上回る無駄を国民に強いる必要があるのだろうか。東北地震復興特別税は、企業については2014年度から免除(廃止)となっているが、新国立競技場のために900億円も追加支出する予算上の余裕があるのであれば、個人所得に対する東北地震復興特別税も廃止する方が遥かに国民のためになるのではないか。
2、新競技場完成日を優先すべし
オリンピック大会組織委員会の森喜朗会長は、自らが関係するラグビー・ワールドカップが開催される2019年までに完成させることに固執しており、現在有力となっているキールアーチ式の開閉式屋根の競技場とする場合、開閉式屋根は間に合わないようだ。開閉式屋根の敷設はオリンピック後となるようだが、そもそもそれならば、キールアーチ式の開閉式屋根はオリンピックにもラグビーにも必要ないということであり、キールアーチ式の開閉式屋根などは無駄であり、大会自体には必要ないということなのだろう。
キールアーチ式の開閉式屋根は取り止め、より単純で機能性の良い競技場とし、建設完成が大会に間に合うことを優先すべきであろう。もっともラグビー・ワールドカップは別のスポーツであり、ラグビー場等で開催出来るので、オリンピックまでに間に合えば良いのであろう。
デザインが日本的な特性を生かしたものならば別であろうが、イランの女流建設家のデザインであり斬新なデザインではあるが、固執する必要はなさそうだ。
どうも総工費を膨らませることが目的ではないのかと疑いを抱かせる。
3、大会後の維持管理費に関し少子高齢化、人口減を考慮すべし
大会後の維持管理費については、少なくても年間35億円かかるとされており、これを各種のイベント、行事開催により費用を賄うとしている。しかし直接費用だけではなく維持管理組織も必要となるので、少子高齢化、人口減を考慮すると、負担になることは目に見えている。もし赤字となる場合は誰が責任を負うのか。(2015.6.24.)(All Rights Reserved.)
東京オリンピック2020の目玉となる新国立競技場の建設については、従来の施設を取り壊したものの、キールアーチ式の開閉式屋根の競技場の建設費問題や完成が間に合うかなどで、もめにもめている。ところが文部科学省が、400mの2本のキールアーチを残すなど現行のデザインで、大手ゼネコン2社と今月末にも総工費2,500億円の契約を結ぶ方針を固めたと伝えられている。
しかし、この問題は次の通り単純明快であり、国民に説明してきた通り、基本設計時に立ち返って、総工費1,625億円以下で実施すべきであろう。それでもロンドン・オリンピックでの経費と比較しても予算を掛け過ぎており、これまでの国民への説明とかけ離れて来ている。
1、日本の財政逼迫状況等から、費用削減が最優先
日本は既に1,100兆円近くの公的債務を抱えており、今後3年間は国として
も財政改善のための集中期間としており、東京オリンピックやラグビー・ワールドカップなどのために、贅沢や無駄は許されない。
キールアーチ式の開閉式屋根の競技場とする場合、節約しても2,500億円となるとしており、何故オリンピックにそのような贅沢をすべきだろうか。多分実際はそれをオーバーすることになるのだろう。そんな余裕があれば、身障者のための施設の改善や老齢者対策、周辺の生活環境の改善などに充てるべきであろう。
基本設計時に立ち返って、総工費1,625億円以下での建設とすべきであろうし、それでも十分以上であろう。
国民には、未だに東北地震復興特別税を課しておきながら、新国立競技場のために当初計画の総工費を900億円近く上回る無駄を国民に強いる必要があるのだろうか。東北地震復興特別税は、企業については2014年度から免除(廃止)となっているが、新国立競技場のために900億円も追加支出する予算上の余裕があるのであれば、個人所得に対する東北地震復興特別税も廃止する方が遥かに国民のためになるのではないか。
2、新競技場完成日を優先すべし
オリンピック大会組織委員会の森喜朗会長は、自らが関係するラグビー・ワールドカップが開催される2019年までに完成させることに固執しており、現在有力となっているキールアーチ式の開閉式屋根の競技場とする場合、開閉式屋根は間に合わないようだ。開閉式屋根の敷設はオリンピック後となるようだが、そもそもそれならば、キールアーチ式の開閉式屋根はオリンピックにもラグビーにも必要ないということであり、キールアーチ式の開閉式屋根などは無駄であり、大会自体には必要ないということなのだろう。
キールアーチ式の開閉式屋根は取り止め、より単純で機能性の良い競技場とし、建設完成が大会に間に合うことを優先すべきであろう。もっともラグビー・ワールドカップは別のスポーツであり、ラグビー場等で開催出来るので、オリンピックまでに間に合えば良いのであろう。
デザインが日本的な特性を生かしたものならば別であろうが、イランの女流建設家のデザインであり斬新なデザインではあるが、固執する必要はなさそうだ。
どうも総工費を膨らませることが目的ではないのかと疑いを抱かせる。
3、大会後の維持管理費に関し少子高齢化、人口減を考慮すべし
大会後の維持管理費については、少なくても年間35億円かかるとされており、これを各種のイベント、行事開催により費用を賄うとしている。しかし直接費用だけではなく維持管理組織も必要となるので、少子高齢化、人口減を考慮すると、負担になることは目に見えている。もし赤字となる場合は誰が責任を負うのか。(2015.6.24.)(All Rights Reserved.)