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シリーズ平成の乱 民主党セカンド・ベストの悲劇

2010-08-31 | Weblog
シリーズ平成の乱 民主党セカンド・ベストの悲劇
 8月26日、民主党小沢一郎前幹事長が9月の同党代表戦に出馬することを表明し、鳩山前首相も旧民主党と旧自由党の合体の経緯からこれを応援することが大義として支持を表明した。これで昨年8月の総選挙において民主党が大勝し、本格的な政権交代をもたらした最大の功績者であり、またマニフェストを含む政策面でも対外関係においても自らの考えでリーダーシップを取れる候補者が立ったことになる。同候補は、好き嫌いなどは別として、政治理念や内外の政策においても、また卓越した政治経験と決断力においても、目下与野党を通じて日本をリードして行ける最有力の政治家と言って良いであろう。
 6月に沖縄普天間飛行場の県内移設問題の取り扱いと社民党の連立離脱、そして「政治とカネ」の問題で責任を取って、鳩山首相が小沢幹事長(当時)と共に辞職し、菅政権に引き継いだ。しかし菅首相は、厚生大臣として薬害エイズ問題で関心を引いたことはあるが、政権運営の経験はなく、7月の参院選では、消費税増税発言とマニフェストの修正、脱マニフェスト方針などで大敗した。本来であれば、鳩山首相の次は党内一の実力者である小沢一郎議員が首班となっても良かったところであるが、鳩山首相の辞任と合わせて幹事長職を辞したため、いわばセカンド・ベスト(次善の選択)として菅直人議員を首班とせざるを得なかった民主党の悲劇と言えよう。
 09年8月の衆院総選挙を受けて政権交代を実現し成立した鳩山首相自体も、同年春に小沢議員事務所の政治資金の記載問題で元秘書が逮捕されたことから、同議員の違反容疑はなかったが、責任を取って民主党総裁を辞任したため、鳩山由紀夫議員が同党総裁になった。鳩山総裁自体も、セカンド・ベストの選択であったと言える。そして鳩山総裁は同年8月の総選挙でマニフェストを掲げて大勝したが、選挙対策を担った小沢議員他の努力が無ければ実現しなかったであろう。
 民主党は09年9月に政権を取ることに成功はしたが、リーダーはそれぞれ有力な議員ではあるが、2代続けてセカンド・ベストを当てざるを得なかったことから悲劇を招いている。それは同党にとっての悲劇であるだけでなく、政権交代を支持した有権者にとっても悲劇である。「国民との契約」を謳ったマニフェストが1年を経ずして後退している。情勢の変化に伴う弾力性と若干の修正は望ましいし、野党側等から批判はあろうが、それが有権者の選択である以上、少なくても4年間の実績で判断されるべきなのであろう。それを変更するのであれば民意が問われることが望ましいが、参院選では支持は得られなかったと言えよう。
 首相を1年間で3人も替えるべきではないとの意見がある。そうあって欲しい。しかし国民にとっては首相の交代の頻度より、国民にどのような政策を届けるかが重要だ。何をするのかが分らないような政権であれば早期に交代させ、強いメッセージとそれを実現出来る強いリーダーシップを持った政権とすることが望ましい。そもそも、権力を維持するために4年間で4人の首相を擁立したのは旧自民党政権であり、当初の政策は変質し、国民の信託から離れて行った経緯がある。この意味から、現在の不況は「政治不況」と言っても良い。内外の国難を乗り切るためには強いリーダーシップが望まれる。
 民主党が昨年8月に受けた国民からの信託を担うことの出来るリーダーとして、9月の代表選挙でベストの選択をすることが期待される。
 「政治とカネ」の問題が野党や党内の一部グループから指摘されている。しかしこの問題は重要ではあるが、過剰に強調され政争の具や規制の体制維持に利用されてはいないだろうか。清廉な政治を維持することは極めて大切であり、そのために不正な資金をチェックすることが大切である。検察当局は、昨年春と本年1月に小沢議員事務所で資金管理に携わっていた現職議員を含む3人の元秘書をそれぞれ逮捕し、関連事務所や家宅を広範囲に捜査したが、嫌疑不十分で議員の起訴は行えなかった。嫌疑が十分でなく、違反の事実が立証できない場合はもとよりであるが、“疑わしきは罰せず”が原則であろう。それが守られなければ冤罪を助長する恐れがある上、官僚組織の一部である検察当局により自由な政治活動を萎縮させ、或いは抑制する恐れさえある。特に現在行政制度の改革を巡り官僚側の抵抗が明らかであり、検察当局を官僚組織の砦とするようなことは厳に避けなくてはならない。いずれにしてもこの問題はニュースとしては興味があるが、国民の最大の優先事項ではない。国民の最大の関心は、年金の安定と信頼性の回復、景気と雇用、強いリーダシップなどであろう。強いリーダシップがなければ政治的安定も望めないし、国際社会で存在感も示せない。野党を中心として保守系メデイアが「政治とカネ」問題を大きく報道して来ているが、何時まで引きずるのであろうか。優先順位が違うのではないだろうか。国民が政権交代を是としたことを前提として、そろそろ国家、国民の優先事項、政策に焦点を当るべき時期ではないか。
 検察審議会が更に検討しているが、昭和23年の法律に基づき設置されているもので、米国の大陪審を除きほとんどの先進工業国では廃止されている上、証拠などは検察が提示しており、新たな証拠がないまま、検察や一部マスコミにより流された報道や噂で判断されているに等しい。新しい証拠がある場合を除き、一部マスコミの世論捜査、情報操作で結論が左右される恐れが強い。小沢議員については、既に党総裁を辞任し、更に幹事長を辞任しており、一定の政治的な責任は示している。
 特に政治資金規正法違反容疑のように議員活動に関係する事案は、反対勢力に政治的に利用される恐れが強い一方、国会で審議出来るので二重にも三重にも審議する制度は過剰であると共に、政治活動を抑制する恐れがあるので、議員の政治活動に関する事案を検察審議会の対象から外すなど同審議会自体のあり方や要否を検討する必要もあろう。単に“何となく怪しい”というだけで罪人を作ることは望ましくない。(08.10.)
(All Rights Reserved.)(不許無断引用)
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シリーズ平成の乱 民主党セカンド・ベストの悲劇

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シリーズ平成の乱 民主党セカンド・ベストの悲劇
 8月26日、民主党小沢一郎前幹事長が9月の同党代表戦に出馬することを表明し、鳩山前首相も旧民主党と旧自由党の合体の経緯からこれを応援することが大義として支持を表明した。これで昨年8月の総選挙において民主党が大勝し、本格的な政権交代をもたらした最大の功績者であり、またマニフェストを含む政策面でも対外関係においても自らの考えでリーダーシップを取れる候補者が立ったことになる。同候補は、好き嫌いなどは別として、政治理念や内外の政策においても、また卓越した政治経験と決断力においても、目下与野党を通じて日本をリードして行ける最有力の政治家と言って良いであろう。
 6月に沖縄普天間飛行場の県内移設問題の取り扱いと社民党の連立離脱、そして「政治とカネ」の問題で責任を取って、鳩山首相が小沢幹事長(当時)と共に辞職し、菅政権に引き継いだ。しかし菅首相は、厚生大臣として薬害エイズ問題で関心を引いたことはあるが、政権運営の経験はなく、7月の参院選では、消費税増税発言とマニフェストの修正、脱マニフェスト方針などで大敗した。本来であれば、鳩山首相の次は党内一の実力者である小沢一郎議員が首班となっても良かったところであるが、鳩山首相の辞任と合わせて幹事長職を辞したため、いわばセカンド・ベスト(次善の選択)として菅直人議員を首班とせざるを得なかった民主党の悲劇と言えよう。
 09年8月の衆院総選挙を受けて政権交代を実現し成立した鳩山首相自体も、同年春に小沢議員事務所の政治資金の記載問題で元秘書が逮捕されたことから、同議員の違反容疑はなかったが、責任を取って民主党総裁を辞任したため、鳩山由紀夫議員が同党総裁になった。鳩山総裁自体も、セカンド・ベストの選択であったと言える。そして鳩山総裁は同年8月の総選挙でマニフェストを掲げて大勝したが、選挙対策を担った小沢議員他の努力が無ければ実現しなかったであろう。
 民主党は09年9月に政権を取ることに成功はしたが、リーダーはそれぞれ有力な議員ではあるが、2代続けてセカンド・ベストを当てざるを得なかったことから悲劇を招いている。それは同党にとっての悲劇であるだけでなく、政権交代を支持した有権者にとっても悲劇である。「国民との契約」を謳ったマニフェストが1年を経ずして後退している。情勢の変化に伴う弾力性と若干の修正は望ましいし、野党側等から批判はあろうが、それが有権者の選択である以上、少なくても4年間の実績で判断されるべきなのであろう。それを変更するのであれば民意が問われることが望ましいが、参院選では支持は得られなかったと言えよう。
 首相を1年間で3人も替えるべきではないとの意見がある。そうあって欲しい。しかし国民にとっては首相の交代の頻度より、国民にどのような政策を届けるかが重要だ。何をするのかが分らないような政権であれば早期に交代させ、強いメッセージとそれを実現出来る強いリーダーシップを持った政権とすることが望ましい。そもそも、権力を維持するために4年間で4人の首相を擁立したのは旧自民党政権であり、当初の政策は変質し、国民の信託から離れて行った経緯がある。この意味から、現在の不況は「政治不況」と言っても良い。内外の国難を乗り切るためには強いリーダーシップが望まれる。
 民主党が昨年8月に受けた国民からの信託を担うことの出来るリーダーとして、9月の代表選挙でベストの選択をすることが期待される。
 「政治とカネ」の問題が野党や党内の一部グループから指摘されている。しかしこの問題は重要ではあるが、過剰に強調され政争の具や規制の体制維持に利用されてはいないだろうか。清廉な政治を維持することは極めて大切であり、そのために不正な資金をチェックすることが大切である。検察当局は、昨年春と本年1月に小沢議員事務所で資金管理に携わっていた現職議員を含む3人の元秘書をそれぞれ逮捕し、関連事務所や家宅を広範囲に捜査したが、嫌疑不十分で議員の起訴は行えなかった。嫌疑が十分でなく、違反の事実が立証できない場合はもとよりであるが、“疑わしきは罰せず”が原則であろう。それが守られなければ冤罪を助長する恐れがある上、官僚組織の一部である検察当局により自由な政治活動を萎縮させ、或いは抑制する恐れさえある。特に現在行政制度の改革を巡り官僚側の抵抗が明らかであり、検察当局を官僚組織の砦とするようなことは厳に避けなくてはならない。いずれにしてもこの問題はニュースとしては興味があるが、国民の最大の優先事項ではない。国民の最大の関心は、年金の安定と信頼性の回復、景気と雇用、強いリーダシップなどであろう。強いリーダシップがなければ政治的安定も望めないし、国際社会で存在感も示せない。野党を中心として保守系メデイアが「政治とカネ」問題を大きく報道して来ているが、何時まで引きずるのであろうか。優先順位が違うのではないだろうか。国民が政権交代を是としたことを前提として、そろそろ国家、国民の優先事項、政策に焦点を当るべき時期ではないか。
 検察審議会が更に検討しているが、昭和23年の法律に基づき設置されているもので、米国の大陪審を除きほとんどの先進工業国では廃止されている上、証拠などは検察が提示しており、新たな証拠がないまま、検察や一部マスコミにより流された報道や噂で判断されているに等しい。新しい証拠がある場合を除き、一部マスコミの世論捜査、情報操作で結論が左右される恐れが強い。小沢議員については、既に党総裁を辞任し、更に幹事長を辞任しており、一定の政治的な責任は示している。
 特に政治資金規正法違反容疑のように議員活動に関係する事案は、反対勢力に政治的に利用される恐れが強い一方、国会で審議出来るので二重にも三重にも審議する制度は過剰であると共に、政治活動を抑制する恐れがあるので、議員の政治活動に関する事案を検察審議会の対象から外すなど同審議会自体のあり方や要否を検討する必要もあろう。単に“何となく怪しい”というだけで罪人を作ることは望ましくない。(08.10.)
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シリーズ平成の乱 民主党セカンド・ベストの悲劇
 8月26日、民主党小沢一郎前幹事長が9月の同党代表戦に出馬することを表明し、鳩山前首相も旧民主党と旧自由党の合体の経緯からこれを応援することが大義として支持を表明した。これで昨年8月の総選挙において民主党が大勝し、本格的な政権交代をもたらした最大の功績者であり、またマニフェストを含む政策面でも対外関係においても自らの考えでリーダーシップを取れる候補者が立ったことになる。同候補は、好き嫌いなどは別として、政治理念や内外の政策においても、また卓越した政治経験と決断力においても、目下与野党を通じて日本をリードして行ける最有力の政治家と言って良いであろう。
 6月に沖縄普天間飛行場の県内移設問題の取り扱いと社民党の連立離脱、そして「政治とカネ」の問題で責任を取って、鳩山首相が小沢幹事長(当時)と共に辞職し、菅政権に引き継いだ。しかし菅首相は、厚生大臣として薬害エイズ問題で関心を引いたことはあるが、政権運営の経験はなく、7月の参院選では、消費税増税発言とマニフェストの修正、脱マニフェスト方針などで大敗した。本来であれば、鳩山首相の次は党内一の実力者である小沢一郎議員が首班となっても良かったところであるが、鳩山首相の辞任と合わせて幹事長職を辞したため、いわばセカンド・ベスト(次善の選択)として菅直人議員を首班とせざるを得なかった民主党の悲劇と言えよう。
 09年8月の衆院総選挙を受けて政権交代を実現し成立した鳩山首相自体も、同年春に小沢議員事務所の政治資金の記載問題で元秘書が逮捕されたことから、同議員の違反容疑はなかったが、責任を取って民主党総裁を辞任したため、鳩山由紀夫議員が同党総裁になった。鳩山総裁自体も、セカンド・ベストの選択であったと言える。そして鳩山総裁は同年8月の総選挙でマニフェストを掲げて大勝したが、選挙対策を担った小沢議員他の努力が無ければ実現しなかったであろう。
 民主党は09年9月に政権を取ることに成功はしたが、リーダーはそれぞれ有力な議員ではあるが、2代続けてセカンド・ベストを当てざるを得なかったことから悲劇を招いている。それは同党にとっての悲劇であるだけでなく、政権交代を支持した有権者にとっても悲劇である。「国民との契約」を謳ったマニフェストが1年を経ずして後退している。情勢の変化に伴う弾力性と若干の修正は望ましいし、野党側等から批判はあろうが、それが有権者の選択である以上、少なくても4年間の実績で判断されるべきなのであろう。それを変更するのであれば民意が問われることが望ましいが、参院選では支持は得られなかったと言えよう。
 首相を1年間で3人も替えるべきではないとの意見がある。そうあって欲しい。しかし国民にとっては首相の交代の頻度より、国民にどのような政策を届けるかが重要だ。何をするのかが分らないような政権であれば早期に交代させ、強いメッセージとそれを実現出来る強いリーダーシップを持った政権とすることが望ましい。そもそも、権力を維持するために4年間で4人の首相を擁立したのは旧自民党政権であり、当初の政策は変質し、国民の信託から離れて行った経緯がある。この意味から、現在の不況は「政治不況」と言っても良い。内外の国難を乗り切るためには強いリーダーシップが望まれる。
 民主党が昨年8月に受けた国民からの信託を担うことの出来るリーダーとして、9月の代表選挙でベストの選択をすることが期待される。
 「政治とカネ」の問題が野党や党内の一部グループから指摘されている。しかしこの問題は重要ではあるが、過剰に強調され政争の具や規制の体制維持に利用されてはいないだろうか。清廉な政治を維持することは極めて大切であり、そのために不正な資金をチェックすることが大切である。検察当局は、昨年春と本年1月に小沢議員事務所で資金管理に携わっていた現職議員を含む3人の元秘書をそれぞれ逮捕し、関連事務所や家宅を広範囲に捜査したが、嫌疑不十分で議員の起訴は行えなかった。嫌疑が十分でなく、違反の事実が立証できない場合はもとよりであるが、“疑わしきは罰せず”が原則であろう。それが守られなければ冤罪を助長する恐れがある上、官僚組織の一部である検察当局により自由な政治活動を萎縮させ、或いは抑制する恐れさえある。特に現在行政制度の改革を巡り官僚側の抵抗が明らかであり、検察当局を官僚組織の砦とするようなことは厳に避けなくてはならない。いずれにしてもこの問題はニュースとしては興味があるが、国民の最大の優先事項ではない。国民の最大の関心は、年金の安定と信頼性の回復、景気と雇用、強いリーダシップなどであろう。強いリーダシップがなければ政治的安定も望めないし、国際社会で存在感も示せない。野党を中心として保守系メデイアが「政治とカネ」問題を大きく報道して来ているが、何時まで引きずるのであろうか。優先順位が違うのではないだろうか。国民が政権交代を是としたことを前提として、そろそろ国家、国民の優先事項、政策に焦点を当るべき時期ではないか。
 検察審議会が更に検討しているが、昭和23年の法律に基づき設置されているもので、米国の大陪審を除きほとんどの先進工業国では廃止されている上、証拠などは検察が提示しており、新たな証拠がないまま、検察や一部マスコミにより流された報道や噂で判断されているに等しい。新しい証拠がある場合を除き、一部マスコミの世論捜査、情報操作で結論が左右される恐れが強い。小沢議員については、既に党総裁を辞任し、更に幹事長を辞任しており、一定の政治的な責任は示している。
 特に政治資金規正法違反容疑のように議員活動に関係する事案は、反対勢力に政治的に利用される恐れが強い一方、国会で審議出来るので二重にも三重にも審議する制度は過剰であると共に、政治活動を抑制する恐れがあるので、議員の政治活動に関する事案を検察審議会の対象から外すなど同審議会自体のあり方や要否を検討する必要もあろう。単に“何となく怪しい”というだけで罪人を作ることは望ましくない。(08.10.)
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 8月26日、民主党小沢一郎前幹事長が9月の同党代表戦に出馬することを表明し、鳩山前首相も旧民主党と旧自由党の合体の経緯からこれを応援することが大義として支持を表明した。これで昨年8月の総選挙において民主党が大勝し、本格的な政権交代をもたらした最大の功績者であり、またマニフェストを含む政策面でも対外関係においても自らの考えでリーダーシップを取れる候補者が立ったことになる。同候補は、好き嫌いなどは別として、政治理念や内外の政策においても、また卓越した政治経験と決断力においても、目下与野党を通じて日本をリードして行ける最有力の政治家と言って良いであろう。
 6月に沖縄普天間飛行場の県内移設問題の取り扱いと社民党の連立離脱、そして「政治とカネ」の問題で責任を取って、鳩山首相が小沢幹事長(当時)と共に辞職し、菅政権に引き継いだ。しかし菅首相は、厚生大臣として薬害エイズ問題で関心を引いたことはあるが、政権運営の経験はなく、7月の参院選では、消費税増税発言とマニフェストの修正、脱マニフェスト方針などで大敗した。本来であれば、鳩山首相の次は党内一の実力者である小沢一郎議員が首班となっても良かったところであるが、鳩山首相の辞任と合わせて幹事長職を辞したため、いわばセカンド・ベスト(次善の選択)として菅直人議員を首班とせざるを得なかった民主党の悲劇と言えよう。
 09年8月の衆院総選挙を受けて政権交代を実現し成立した鳩山首相自体も、同年春に小沢議員事務所の政治資金の記載問題で元秘書が逮捕されたことから、同議員の違反容疑はなかったが、責任を取って民主党総裁を辞任したため、鳩山由紀夫議員が同党総裁になった。鳩山総裁自体も、セカンド・ベストの選択であったと言える。そして鳩山総裁は同年8月の総選挙でマニフェストを掲げて大勝したが、選挙対策を担った小沢議員他の努力が無ければ実現しなかったであろう。
 民主党は09年9月に政権を取ることに成功はしたが、リーダーはそれぞれ有力な議員ではあるが、2代続けてセカンド・ベストを当てざるを得なかったことから悲劇を招いている。それは同党にとっての悲劇であるだけでなく、政権交代を支持した有権者にとっても悲劇である。「国民との契約」を謳ったマニフェストが1年を経ずして後退している。情勢の変化に伴う弾力性と若干の修正は望ましいし、野党側等から批判はあろうが、それが有権者の選択である以上、少なくても4年間の実績で判断されるべきなのであろう。それを変更するのであれば民意が問われることが望ましいが、参院選では支持は得られなかったと言えよう。
 首相を1年間で3人も替えるべきではないとの意見がある。そうあって欲しい。しかし国民にとっては首相の交代の頻度より、国民にどのような政策を届けるかが重要だ。何をするのかが分らないような政権であれば早期に交代させ、強いメッセージとそれを実現出来る強いリーダーシップを持った政権とすることが望ましい。そもそも、権力を維持するために4年間で4人の首相を擁立したのは旧自民党政権であり、当初の政策は変質し、国民の信託から離れて行った経緯がある。この意味から、現在の不況は「政治不況」と言っても良い。内外の国難を乗り切るためには強いリーダーシップが望まれる。
 民主党が昨年8月に受けた国民からの信託を担うことの出来るリーダーとして、9月の代表選挙でベストの選択をすることが期待される。
 「政治とカネ」の問題が野党や党内の一部グループから指摘されている。しかしこの問題は重要ではあるが、過剰に強調され政争の具や規制の体制維持に利用されてはいないだろうか。清廉な政治を維持することは極めて大切であり、そのために不正な資金をチェックすることが大切である。検察当局は、昨年春と本年1月に小沢議員事務所で資金管理に携わっていた現職議員を含む3人の元秘書をそれぞれ逮捕し、関連事務所や家宅を広範囲に捜査したが、嫌疑不十分で議員の起訴は行えなかった。嫌疑が十分でなく、違反の事実が立証できない場合はもとよりであるが、“疑わしきは罰せず”が原則であろう。それが守られなければ冤罪を助長する恐れがある上、官僚組織の一部である検察当局により自由な政治活動を萎縮させ、或いは抑制する恐れさえある。特に現在行政制度の改革を巡り官僚側の抵抗が明らかであり、検察当局を官僚組織の砦とするようなことは厳に避けなくてはならない。いずれにしてもこの問題はニュースとしては興味があるが、国民の最大の優先事項ではない。国民の最大の関心は、年金の安定と信頼性の回復、景気と雇用、強いリーダシップなどであろう。強いリーダシップがなければ政治的安定も望めないし、国際社会で存在感も示せない。野党を中心として保守系メデイアが「政治とカネ」問題を大きく報道して来ているが、何時まで引きずるのであろうか。優先順位が違うのではないだろうか。国民が政権交代を是としたことを前提として、そろそろ国家、国民の優先事項、政策に焦点を当るべき時期ではないか。
 検察審議会が更に検討しているが、昭和23年の法律に基づき設置されているもので、米国の大陪審を除きほとんどの先進工業国では廃止されている上、証拠などは検察が提示しており、新たな証拠がないまま、検察や一部マスコミにより流された報道や噂で判断されているに等しい。新しい証拠がある場合を除き、一部マスコミの世論捜査、情報操作で結論が左右される恐れが強い。小沢議員については、既に党総裁を辞任し、更に幹事長を辞任しており、一定の政治的な責任は示している。
 特に政治資金規正法違反容疑のように議員活動に関係する事案は、反対勢力に政治的に利用される恐れが強い一方、国会で審議出来るので二重にも三重にも審議する制度は過剰であると共に、政治活動を抑制する恐れがあるので、議員の政治活動に関する事案を検察審議会の対象から外すなど同審議会自体のあり方や要否を検討する必要もあろう。単に“何となく怪しい”というだけで罪人を作ることは望ましくない。(08.10.)
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 8月26日、民主党小沢一郎前幹事長が9月の同党代表戦に出馬することを表明し、鳩山前首相も旧民主党と旧自由党の合体の経緯からこれを応援することが大義として支持を表明した。これで昨年8月の総選挙において民主党が大勝し、本格的な政権交代をもたらした最大の功績者であり、またマニフェストを含む政策面でも対外関係においても自らの考えでリーダーシップを取れる候補者が立ったことになる。同候補は、好き嫌いなどは別として、政治理念や内外の政策においても、また卓越した政治経験と決断力においても、目下与野党を通じて日本をリードして行ける最有力の政治家と言って良いであろう。
 6月に沖縄普天間飛行場の県内移設問題の取り扱いと社民党の連立離脱、そして「政治とカネ」の問題で責任を取って、鳩山首相が小沢幹事長(当時)と共に辞職し、菅政権に引き継いだ。しかし菅首相は、厚生大臣として薬害エイズ問題で関心を引いたことはあるが、政権運営の経験はなく、7月の参院選では、消費税増税発言とマニフェストの修正、脱マニフェスト方針などで大敗した。本来であれば、鳩山首相の次は党内一の実力者である小沢一郎議員が首班となっても良かったところであるが、鳩山首相の辞任と合わせて幹事長職を辞したため、いわばセカンド・ベスト(次善の選択)として菅直人議員を首班とせざるを得なかった民主党の悲劇と言えよう。
 09年8月の衆院総選挙を受けて政権交代を実現し成立した鳩山首相自体も、同年春に小沢議員事務所の政治資金の記載問題で元秘書が逮捕されたことから、同議員の違反容疑はなかったが、責任を取って民主党総裁を辞任したため、鳩山由紀夫議員が同党総裁になった。鳩山総裁自体も、セカンド・ベストの選択であったと言える。そして鳩山総裁は同年8月の総選挙でマニフェストを掲げて大勝したが、選挙対策を担った小沢議員他の努力が無ければ実現しなかったであろう。
 民主党は09年9月に政権を取ることに成功はしたが、リーダーはそれぞれ有力な議員ではあるが、2代続けてセカンド・ベストを当てざるを得なかったことから悲劇を招いている。それは同党にとっての悲劇であるだけでなく、政権交代を支持した有権者にとっても悲劇である。「国民との契約」を謳ったマニフェストが1年を経ずして後退している。情勢の変化に伴う弾力性と若干の修正は望ましいし、野党側等から批判はあろうが、それが有権者の選択である以上、少なくても4年間の実績で判断されるべきなのであろう。それを変更するのであれば民意が問われることが望ましいが、参院選では支持は得られなかったと言えよう。
 首相を1年間で3人も替えるべきではないとの意見がある。そうあって欲しい。しかし国民にとっては首相の交代の頻度より、国民にどのような政策を届けるかが重要だ。何をするのかが分らないような政権であれば早期に交代させ、強いメッセージとそれを実現出来る強いリーダーシップを持った政権とすることが望ましい。そもそも、権力を維持するために4年間で4人の首相を擁立したのは旧自民党政権であり、当初の政策は変質し、国民の信託から離れて行った経緯がある。この意味から、現在の不況は「政治不況」と言っても良い。内外の国難を乗り切るためには強いリーダーシップが望まれる。
 民主党が昨年8月に受けた国民からの信託を担うことの出来るリーダーとして、9月の代表選挙でベストの選択をすることが期待される。
 「政治とカネ」の問題が野党や党内の一部グループから指摘されている。しかしこの問題は重要ではあるが、過剰に強調され政争の具や規制の体制維持に利用されてはいないだろうか。清廉な政治を維持することは極めて大切であり、そのために不正な資金をチェックすることが大切である。検察当局は、昨年春と本年1月に小沢議員事務所で資金管理に携わっていた現職議員を含む3人の元秘書をそれぞれ逮捕し、関連事務所や家宅を広範囲に捜査したが、嫌疑不十分で議員の起訴は行えなかった。嫌疑が十分でなく、違反の事実が立証できない場合はもとよりであるが、“疑わしきは罰せず”が原則であろう。それが守られなければ冤罪を助長する恐れがある上、官僚組織の一部である検察当局により自由な政治活動を萎縮させ、或いは抑制する恐れさえある。特に現在行政制度の改革を巡り官僚側の抵抗が明らかであり、検察当局を官僚組織の砦とするようなことは厳に避けなくてはならない。いずれにしてもこの問題はニュースとしては興味があるが、国民の最大の優先事項ではない。国民の最大の関心は、年金の安定と信頼性の回復、景気と雇用、強いリーダシップなどであろう。強いリーダシップがなければ政治的安定も望めないし、国際社会で存在感も示せない。野党を中心として保守系メデイアが「政治とカネ」問題を大きく報道して来ているが、何時まで引きずるのであろうか。優先順位が違うのではないだろうか。国民が政権交代を是としたことを前提として、そろそろ国家、国民の優先事項、政策に焦点を当るべき時期ではないか。
 検察審議会が更に検討しているが、昭和23年の法律に基づき設置されているもので、米国の大陪審を除きほとんどの先進工業国では廃止されている上、証拠などは検察が提示しており、新たな証拠がないまま、検察や一部マスコミにより流された報道や噂で判断されているに等しい。新しい証拠がある場合を除き、一部マスコミの世論捜査、情報操作で結論が左右される恐れが強い。小沢議員については、既に党総裁を辞任し、更に幹事長を辞任しており、一定の政治的な責任は示している。
 特に政治資金規正法違反容疑のように議員活動に関係する事案は、反対勢力に政治的に利用される恐れが強い一方、国会で審議出来るので二重にも三重にも審議する制度は過剰であると共に、政治活動を抑制する恐れがあるので、議員の政治活動に関する事案を検察審議会の対象から外すなど同審議会自体のあり方や要否を検討する必要もあろう。単に“何となく怪しい”というだけで罪人を作ることは望ましくない。(08.10.)
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シリーズ平成の乱 民主党セカンド・ベストの悲劇

2010-08-31 | Weblog
シリーズ平成の乱 民主党セカンド・ベストの悲劇
 8月26日、民主党小沢一郎前幹事長が9月の同党代表戦に出馬することを表明し、鳩山前首相も旧民主党と旧自由党の合体の経緯からこれを応援することが大義として支持を表明した。これで昨年8月の総選挙において民主党が大勝し、本格的な政権交代をもたらした最大の功績者であり、またマニフェストを含む政策面でも対外関係においても自らの考えでリーダーシップを取れる候補者が立ったことになる。同候補は、好き嫌いなどは別として、政治理念や内外の政策においても、また卓越した政治経験と決断力においても、目下与野党を通じて日本をリードして行ける最有力の政治家と言って良いであろう。
 6月に沖縄普天間飛行場の県内移設問題の取り扱いと社民党の連立離脱、そして「政治とカネ」の問題で責任を取って、鳩山首相が小沢幹事長(当時)と共に辞職し、菅政権に引き継いだ。しかし菅首相は、厚生大臣として薬害エイズ問題で関心を引いたことはあるが、政権運営の経験はなく、7月の参院選では、消費税増税発言とマニフェストの修正、脱マニフェスト方針などで大敗した。本来であれば、鳩山首相の次は党内一の実力者である小沢一郎議員が首班となっても良かったところであるが、鳩山首相の辞任と合わせて幹事長職を辞したため、いわばセカンド・ベスト(次善の選択)として菅直人議員を首班とせざるを得なかった民主党の悲劇と言えよう。
 09年8月の衆院総選挙を受けて政権交代を実現し成立した鳩山首相自体も、同年春に小沢議員事務所の政治資金の記載問題で元秘書が逮捕されたことから、同議員の違反容疑はなかったが、責任を取って民主党総裁を辞任したため、鳩山由紀夫議員が同党総裁になった。鳩山総裁自体も、セカンド・ベストの選択であったと言える。そして鳩山総裁は同年8月の総選挙でマニフェストを掲げて大勝したが、選挙対策を担った小沢議員他の努力が無ければ実現しなかったであろう。
 民主党は09年9月に政権を取ることに成功はしたが、リーダーはそれぞれ有力な議員ではあるが、2代続けてセカンド・ベストを当てざるを得なかったことから悲劇を招いている。それは同党にとっての悲劇であるだけでなく、政権交代を支持した有権者にとっても悲劇である。「国民との契約」を謳ったマニフェストが1年を経ずして後退している。情勢の変化に伴う弾力性と若干の修正は望ましいし、野党側等から批判はあろうが、それが有権者の選択である以上、少なくても4年間の実績で判断されるべきなのであろう。それを変更するのであれば民意が問われることが望ましいが、参院選では支持は得られなかったと言えよう。
 首相を1年間で3人も替えるべきではないとの意見がある。そうあって欲しい。しかし国民にとっては首相の交代の頻度より、国民にどのような政策を届けるかが重要だ。何をするのかが分らないような政権であれば早期に交代させ、強いメッセージとそれを実現出来る強いリーダーシップを持った政権とすることが望ましい。そもそも、権力を維持するために4年間で4人の首相を擁立したのは旧自民党政権であり、当初の政策は変質し、国民の信託から離れて行った経緯がある。この意味から、現在の不況は「政治不況」と言っても良い。内外の国難を乗り切るためには強いリーダーシップが望まれる。
 民主党が昨年8月に受けた国民からの信託を担うことの出来るリーダーとして、9月の代表選挙でベストの選択をすることが期待される。
 「政治とカネ」の問題が野党や党内の一部グループから指摘されている。しかしこの問題は重要ではあるが、過剰に強調され政争の具や規制の体制維持に利用されてはいないだろうか。清廉な政治を維持することは極めて大切であり、そのために不正な資金をチェックすることが大切である。検察当局は、昨年春と本年1月に小沢議員事務所で資金管理に携わっていた現職議員を含む3人の元秘書をそれぞれ逮捕し、関連事務所や家宅を広範囲に捜査したが、嫌疑不十分で議員の起訴は行えなかった。嫌疑が十分でなく、違反の事実が立証できない場合はもとよりであるが、“疑わしきは罰せず”が原則であろう。それが守られなければ冤罪を助長する恐れがある上、官僚組織の一部である検察当局により自由な政治活動を萎縮させ、或いは抑制する恐れさえある。特に現在行政制度の改革を巡り官僚側の抵抗が明らかであり、検察当局を官僚組織の砦とするようなことは厳に避けなくてはならない。いずれにしてもこの問題はニュースとしては興味があるが、国民の最大の優先事項ではない。国民の最大の関心は、年金の安定と信頼性の回復、景気と雇用、強いリーダシップなどであろう。強いリーダシップがなければ政治的安定も望めないし、国際社会で存在感も示せない。野党を中心として保守系メデイアが「政治とカネ」問題を大きく報道して来ているが、何時まで引きずるのであろうか。優先順位が違うのではないだろうか。国民が政権交代を是としたことを前提として、そろそろ国家、国民の優先事項、政策に焦点を当るべき時期ではないか。
 検察審議会が更に検討しているが、昭和23年の法律に基づき設置されているもので、米国の大陪審を除きほとんどの先進工業国では廃止されている上、証拠などは検察が提示しており、新たな証拠がないまま、検察や一部マスコミにより流された報道や噂で判断されているに等しい。新しい証拠がある場合を除き、一部マスコミの世論捜査、情報操作で結論が左右される恐れが強い。小沢議員については、既に党総裁を辞任し、更に幹事長を辞任しており、一定の政治的な責任は示している。
 特に政治資金規正法違反容疑のように議員活動に関係する事案は、反対勢力に政治的に利用される恐れが強い一方、国会で審議出来るので二重にも三重にも審議する制度は過剰であると共に、政治活動を抑制する恐れがあるので、議員の政治活動に関する事案を検察審議会の対象から外すなど同審議会自体のあり方や要否を検討する必要もあろう。単に“何となく怪しい”というだけで罪人を作ることは望ましくない。(08.10.)
(All Rights Reserved.)(不許無断引用)
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 8月26日、民主党小沢一郎前幹事長が9月の同党代表戦に出馬することを表明し、鳩山前首相も旧民主党と旧自由党の合体の経緯からこれを応援することが大義として支持を表明した。これで昨年8月の総選挙において民主党が大勝し、本格的な政権交代をもたらした最大の功績者であり、またマニフェストを含む政策面でも対外関係においても自らの考えでリーダーシップを取れる候補者が立ったことになる。同候補は、好き嫌いなどは別として、政治理念や内外の政策においても、また卓越した政治経験と決断力においても、目下与野党を通じて日本をリードして行ける最有力の政治家と言って良いであろう。
 6月に沖縄普天間飛行場の県内移設問題の取り扱いと社民党の連立離脱、そして「政治とカネ」の問題で責任を取って、鳩山首相が小沢幹事長(当時)と共に辞職し、菅政権に引き継いだ。しかし菅首相は、厚生大臣として薬害エイズ問題で関心を引いたことはあるが、政権運営の経験はなく、7月の参院選では、消費税増税発言とマニフェストの修正、脱マニフェスト方針などで大敗した。本来であれば、鳩山首相の次は党内一の実力者である小沢一郎議員が首班となっても良かったところであるが、鳩山首相の辞任と合わせて幹事長職を辞したため、いわばセカンド・ベスト(次善の選択)として菅直人議員を首班とせざるを得なかった民主党の悲劇と言えよう。
 09年8月の衆院総選挙を受けて政権交代を実現し成立した鳩山首相自体も、同年春に小沢議員事務所の政治資金の記載問題で元秘書が逮捕されたことから、同議員の違反容疑はなかったが、責任を取って民主党総裁を辞任したため、鳩山由紀夫議員が同党総裁になった。鳩山総裁自体も、セカンド・ベストの選択であったと言える。そして鳩山総裁は同年8月の総選挙でマニフェストを掲げて大勝したが、選挙対策を担った小沢議員他の努力が無ければ実現しなかったであろう。
 民主党は09年9月に政権を取ることに成功はしたが、リーダーはそれぞれ有力な議員ではあるが、2代続けてセカンド・ベストを当てざるを得なかったことから悲劇を招いている。それは同党にとっての悲劇であるだけでなく、政権交代を支持した有権者にとっても悲劇である。「国民との契約」を謳ったマニフェストが1年を経ずして後退している。情勢の変化に伴う弾力性と若干の修正は望ましいし、野党側等から批判はあろうが、それが有権者の選択である以上、少なくても4年間の実績で判断されるべきなのであろう。それを変更するのであれば民意が問われることが望ましいが、参院選では支持は得られなかったと言えよう。
 首相を1年間で3人も替えるべきではないとの意見がある。そうあって欲しい。しかし国民にとっては首相の交代の頻度より、国民にどのような政策を届けるかが重要だ。何をするのかが分らないような政権であれば早期に交代させ、強いメッセージとそれを実現出来る強いリーダーシップを持った政権とすることが望ましい。そもそも、権力を維持するために4年間で4人の首相を擁立したのは旧自民党政権であり、当初の政策は変質し、国民の信託から離れて行った経緯がある。この意味から、現在の不況は「政治不況」と言っても良い。内外の国難を乗り切るためには強いリーダーシップが望まれる。
 民主党が昨年8月に受けた国民からの信託を担うことの出来るリーダーとして、9月の代表選挙でベストの選択をすることが期待される。
 「政治とカネ」の問題が野党や党内の一部グループから指摘されている。しかしこの問題は重要ではあるが、過剰に強調され政争の具や規制の体制維持に利用されてはいないだろうか。清廉な政治を維持することは極めて大切であり、そのために不正な資金をチェックすることが大切である。検察当局は、昨年春と本年1月に小沢議員事務所で資金管理に携わっていた現職議員を含む3人の元秘書をそれぞれ逮捕し、関連事務所や家宅を広範囲に捜査したが、嫌疑不十分で議員の起訴は行えなかった。嫌疑が十分でなく、違反の事実が立証できない場合はもとよりであるが、“疑わしきは罰せず”が原則であろう。それが守られなければ冤罪を助長する恐れがある上、官僚組織の一部である検察当局により自由な政治活動を萎縮させ、或いは抑制する恐れさえある。特に現在行政制度の改革を巡り官僚側の抵抗が明らかであり、検察当局を官僚組織の砦とするようなことは厳に避けなくてはならない。いずれにしてもこの問題はニュースとしては興味があるが、国民の最大の優先事項ではない。国民の最大の関心は、年金の安定と信頼性の回復、景気と雇用、強いリーダシップなどであろう。強いリーダシップがなければ政治的安定も望めないし、国際社会で存在感も示せない。野党を中心として保守系メデイアが「政治とカネ」問題を大きく報道して来ているが、何時まで引きずるのであろうか。優先順位が違うのではないだろうか。国民が政権交代を是としたことを前提として、そろそろ国家、国民の優先事項、政策に焦点を当るべき時期ではないか。
 検察審議会が更に検討しているが、昭和23年の法律に基づき設置されているもので、米国の大陪審を除きほとんどの先進工業国では廃止されている上、証拠などは検察が提示しており、新たな証拠がないまま、検察や一部マスコミにより流された報道や噂で判断されているに等しい。新しい証拠がある場合を除き、一部マスコミの世論捜査、情報操作で結論が左右される恐れが強い。小沢議員については、既に党総裁を辞任し、更に幹事長を辞任しており、一定の政治的な責任は示している。
 特に政治資金規正法違反容疑のように議員活動に関係する事案は、反対勢力に政治的に利用される恐れが強い一方、国会で審議出来るので二重にも三重にも審議する制度は過剰であると共に、政治活動を抑制する恐れがあるので、議員の政治活動に関する事案を検察審議会の対象から外すなど同審議会自体のあり方や要否を検討する必要もあろう。単に“何となく怪しい”というだけで罪人を作ることは望ましくない。(08.10.)
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 8月26日、民主党小沢一郎前幹事長が9月の同党代表戦に出馬することを表明し、鳩山前首相も旧民主党と旧自由党の合体の経緯からこれを応援することが大義として支持を表明した。これで昨年8月の総選挙において民主党が大勝し、本格的な政権交代をもたらした最大の功績者であり、またマニフェストを含む政策面でも対外関係においても自らの考えでリーダーシップを取れる候補者が立ったことになる。同候補は、好き嫌いなどは別として、政治理念や内外の政策においても、また卓越した政治経験と決断力においても、目下与野党を通じて日本をリードして行ける最有力の政治家と言って良いであろう。
 6月に沖縄普天間飛行場の県内移設問題の取り扱いと社民党の連立離脱、そして「政治とカネ」の問題で責任を取って、鳩山首相が小沢幹事長(当時)と共に辞職し、菅政権に引き継いだ。しかし菅首相は、厚生大臣として薬害エイズ問題で関心を引いたことはあるが、政権運営の経験はなく、7月の参院選では、消費税増税発言とマニフェストの修正、脱マニフェスト方針などで大敗した。本来であれば、鳩山首相の次は党内一の実力者である小沢一郎議員が首班となっても良かったところであるが、鳩山首相の辞任と合わせて幹事長職を辞したため、いわばセカンド・ベスト(次善の選択)として菅直人議員を首班とせざるを得なかった民主党の悲劇と言えよう。
 09年8月の衆院総選挙を受けて政権交代を実現し成立した鳩山首相自体も、同年春に小沢議員事務所の政治資金の記載問題で元秘書が逮捕されたことから、同議員の違反容疑はなかったが、責任を取って民主党総裁を辞任したため、鳩山由紀夫議員が同党総裁になった。鳩山総裁自体も、セカンド・ベストの選択であったと言える。そして鳩山総裁は同年8月の総選挙でマニフェストを掲げて大勝したが、選挙対策を担った小沢議員他の努力が無ければ実現しなかったであろう。
 民主党は09年9月に政権を取ることに成功はしたが、リーダーはそれぞれ有力な議員ではあるが、2代続けてセカンド・ベストを当てざるを得なかったことから悲劇を招いている。それは同党にとっての悲劇であるだけでなく、政権交代を支持した有権者にとっても悲劇である。「国民との契約」を謳ったマニフェストが1年を経ずして後退している。情勢の変化に伴う弾力性と若干の修正は望ましいし、野党側等から批判はあろうが、それが有権者の選択である以上、少なくても4年間の実績で判断されるべきなのであろう。それを変更するのであれば民意が問われることが望ましいが、参院選では支持は得られなかったと言えよう。
 首相を1年間で3人も替えるべきではないとの意見がある。そうあって欲しい。しかし国民にとっては首相の交代の頻度より、国民にどのような政策を届けるかが重要だ。何をするのかが分らないような政権であれば早期に交代させ、強いメッセージとそれを実現出来る強いリーダーシップを持った政権とすることが望ましい。そもそも、権力を維持するために4年間で4人の首相を擁立したのは旧自民党政権であり、当初の政策は変質し、国民の信託から離れて行った経緯がある。この意味から、現在の不況は「政治不況」と言っても良い。内外の国難を乗り切るためには強いリーダーシップが望まれる。
 民主党が昨年8月に受けた国民からの信託を担うことの出来るリーダーとして、9月の代表選挙でベストの選択をすることが期待される。
 「政治とカネ」の問題が野党や党内の一部グループから指摘されている。しかしこの問題は重要ではあるが、過剰に強調され政争の具や規制の体制維持に利用されてはいないだろうか。清廉な政治を維持することは極めて大切であり、そのために不正な資金をチェックすることが大切である。検察当局は、昨年春と本年1月に小沢議員事務所で資金管理に携わっていた現職議員を含む3人の元秘書をそれぞれ逮捕し、関連事務所や家宅を広範囲に捜査したが、嫌疑不十分で議員の起訴は行えなかった。嫌疑が十分でなく、違反の事実が立証できない場合はもとよりであるが、“疑わしきは罰せず”が原則であろう。それが守られなければ冤罪を助長する恐れがある上、官僚組織の一部である検察当局により自由な政治活動を萎縮させ、或いは抑制する恐れさえある。特に現在行政制度の改革を巡り官僚側の抵抗が明らかであり、検察当局を官僚組織の砦とするようなことは厳に避けなくてはならない。いずれにしてもこの問題はニュースとしては興味があるが、国民の最大の優先事項ではない。国民の最大の関心は、年金の安定と信頼性の回復、景気と雇用、強いリーダシップなどであろう。強いリーダシップがなければ政治的安定も望めないし、国際社会で存在感も示せない。野党を中心として保守系メデイアが「政治とカネ」問題を大きく報道して来ているが、何時まで引きずるのであろうか。優先順位が違うのではないだろうか。国民が政権交代を是としたことを前提として、そろそろ国家、国民の優先事項、政策に焦点を当るべき時期ではないか。
 検察審議会が更に検討しているが、昭和23年の法律に基づき設置されているもので、米国の大陪審を除きほとんどの先進工業国では廃止されている上、証拠などは検察が提示しており、新たな証拠がないまま、検察や一部マスコミにより流された報道や噂で判断されているに等しい。新しい証拠がある場合を除き、一部マスコミの世論捜査、情報操作で結論が左右される恐れが強い。小沢議員については、既に党総裁を辞任し、更に幹事長を辞任しており、一定の政治的な責任は示している。
 特に政治資金規正法違反容疑のように議員活動に関係する事案は、反対勢力に政治的に利用される恐れが強い一方、国会で審議出来るので二重にも三重にも審議する制度は過剰であると共に、政治活動を抑制する恐れがあるので、議員の政治活動に関する事案を検察審議会の対象から外すなど同審議会自体のあり方や要否を検討する必要もあろう。単に“何となく怪しい”というだけで罪人を作ることは望ましくない。(08.10.)
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 8月26日、民主党小沢一郎前幹事長が9月の同党代表戦に出馬することを表明し、鳩山前首相も旧民主党と旧自由党の合体の経緯からこれを応援することが大義として支持を表明した。これで昨年8月の総選挙において民主党が大勝し、本格的な政権交代をもたらした最大の功績者であり、またマニフェストを含む政策面でも対外関係においても自らの考えでリーダーシップを取れる候補者が立ったことになる。同候補は、好き嫌いなどは別として、政治理念や内外の政策においても、また卓越した政治経験と決断力においても、目下与野党を通じて日本をリードして行ける最有力の政治家と言って良いであろう。
 6月に沖縄普天間飛行場の県内移設問題の取り扱いと社民党の連立離脱、そして「政治とカネ」の問題で責任を取って、鳩山首相が小沢幹事長(当時)と共に辞職し、菅政権に引き継いだ。しかし菅首相は、厚生大臣として薬害エイズ問題で関心を引いたことはあるが、政権運営の経験はなく、7月の参院選では、消費税増税発言とマニフェストの修正、脱マニフェスト方針などで大敗した。本来であれば、鳩山首相の次は党内一の実力者である小沢一郎議員が首班となっても良かったところであるが、鳩山首相の辞任と合わせて幹事長職を辞したため、いわばセカンド・ベスト(次善の選択)として菅直人議員を首班とせざるを得なかった民主党の悲劇と言えよう。
 09年8月の衆院総選挙を受けて政権交代を実現し成立した鳩山首相自体も、同年春に小沢議員事務所の政治資金の記載問題で元秘書が逮捕されたことから、同議員の違反容疑はなかったが、責任を取って民主党総裁を辞任したため、鳩山由紀夫議員が同党総裁になった。鳩山総裁自体も、セカンド・ベストの選択であったと言える。そして鳩山総裁は同年8月の総選挙でマニフェストを掲げて大勝したが、選挙対策を担った小沢議員他の努力が無ければ実現しなかったであろう。
 民主党は09年9月に政権を取ることに成功はしたが、リーダーはそれぞれ有力な議員ではあるが、2代続けてセカンド・ベストを当てざるを得なかったことから悲劇を招いている。それは同党にとっての悲劇であるだけでなく、政権交代を支持した有権者にとっても悲劇である。「国民との契約」を謳ったマニフェストが1年を経ずして後退している。情勢の変化に伴う弾力性と若干の修正は望ましいし、野党側等から批判はあろうが、それが有権者の選択である以上、少なくても4年間の実績で判断されるべきなのであろう。それを変更するのであれば民意が問われることが望ましいが、参院選では支持は得られなかったと言えよう。
 首相を1年間で3人も替えるべきではないとの意見がある。そうあって欲しい。しかし国民にとっては首相の交代の頻度より、国民にどのような政策を届けるかが重要だ。何をするのかが分らないような政権であれば早期に交代させ、強いメッセージとそれを実現出来る強いリーダーシップを持った政権とすることが望ましい。そもそも、権力を維持するために4年間で4人の首相を擁立したのは旧自民党政権であり、当初の政策は変質し、国民の信託から離れて行った経緯がある。この意味から、現在の不況は「政治不況」と言っても良い。内外の国難を乗り切るためには強いリーダーシップが望まれる。
 民主党が昨年8月に受けた国民からの信託を担うことの出来るリーダーとして、9月の代表選挙でベストの選択をすることが期待される。
 「政治とカネ」の問題が野党や党内の一部グループから指摘されている。しかしこの問題は重要ではあるが、過剰に強調され政争の具や規制の体制維持に利用されてはいないだろうか。清廉な政治を維持することは極めて大切であり、そのために不正な資金をチェックすることが大切である。検察当局は、昨年春と本年1月に小沢議員事務所で資金管理に携わっていた現職議員を含む3人の元秘書をそれぞれ逮捕し、関連事務所や家宅を広範囲に捜査したが、嫌疑不十分で議員の起訴は行えなかった。嫌疑が十分でなく、違反の事実が立証できない場合はもとよりであるが、“疑わしきは罰せず”が原則であろう。それが守られなければ冤罪を助長する恐れがある上、官僚組織の一部である検察当局により自由な政治活動を萎縮させ、或いは抑制する恐れさえある。特に現在行政制度の改革を巡り官僚側の抵抗が明らかであり、検察当局を官僚組織の砦とするようなことは厳に避けなくてはならない。いずれにしてもこの問題はニュースとしては興味があるが、国民の最大の優先事項ではない。国民の最大の関心は、年金の安定と信頼性の回復、景気と雇用、強いリーダシップなどであろう。強いリーダシップがなければ政治的安定も望めないし、国際社会で存在感も示せない。野党を中心として保守系メデイアが「政治とカネ」問題を大きく報道して来ているが、何時まで引きずるのであろうか。優先順位が違うのではないだろうか。国民が政権交代を是としたことを前提として、そろそろ国家、国民の優先事項、政策に焦点を当るべき時期ではないか。
 検察審議会が更に検討しているが、昭和23年の法律に基づき設置されているもので、米国の大陪審を除きほとんどの先進工業国では廃止されている上、証拠などは検察が提示しており、新たな証拠がないまま、検察や一部マスコミにより流された報道や噂で判断されているに等しい。新しい証拠がある場合を除き、一部マスコミの世論捜査、情報操作で結論が左右される恐れが強い。小沢議員については、既に党総裁を辞任し、更に幹事長を辞任しており、一定の政治的な責任は示している。
 特に政治資金規正法違反容疑のように議員活動に関係する事案は、反対勢力に政治的に利用される恐れが強い一方、国会で審議出来るので二重にも三重にも審議する制度は過剰であると共に、政治活動を抑制する恐れがあるので、議員の政治活動に関する事案を検察審議会の対象から外すなど同審議会自体のあり方や要否を検討する必要もあろう。単に“何となく怪しい”というだけで罪人を作ることは望ましくない。(08.10.)
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 8月26日、民主党小沢一郎前幹事長が9月の同党代表戦に出馬することを表明し、鳩山前首相も旧民主党と旧自由党の合体の経緯からこれを応援することが大義として支持を表明した。これで昨年8月の総選挙において民主党が大勝し、本格的な政権交代をもたらした最大の功績者であり、またマニフェストを含む政策面でも対外関係においても自らの考えでリーダーシップを取れる候補者が立ったことになる。同候補は、好き嫌いなどは別として、政治理念や内外の政策においても、また卓越した政治経験と決断力においても、目下与野党を通じて日本をリードして行ける最有力の政治家と言って良いであろう。
 6月に沖縄普天間飛行場の県内移設問題の取り扱いと社民党の連立離脱、そして「政治とカネ」の問題で責任を取って、鳩山首相が小沢幹事長(当時)と共に辞職し、菅政権に引き継いだ。しかし菅首相は、厚生大臣として薬害エイズ問題で関心を引いたことはあるが、政権運営の経験はなく、7月の参院選では、消費税増税発言とマニフェストの修正、脱マニフェスト方針などで大敗した。本来であれば、鳩山首相の次は党内一の実力者である小沢一郎議員が首班となっても良かったところであるが、鳩山首相の辞任と合わせて幹事長職を辞したため、いわばセカンド・ベスト(次善の選択)として菅直人議員を首班とせざるを得なかった民主党の悲劇と言えよう。
 09年8月の衆院総選挙を受けて政権交代を実現し成立した鳩山首相自体も、同年春に小沢議員事務所の政治資金の記載問題で元秘書が逮捕されたことから、同議員の違反容疑はなかったが、責任を取って民主党総裁を辞任したため、鳩山由紀夫議員が同党総裁になった。鳩山総裁自体も、セカンド・ベストの選択であったと言える。そして鳩山総裁は同年8月の総選挙でマニフェストを掲げて大勝したが、選挙対策を担った小沢議員他の努力が無ければ実現しなかったであろう。
 民主党は09年9月に政権を取ることに成功はしたが、リーダーはそれぞれ有力な議員ではあるが、2代続けてセカンド・ベストを当てざるを得なかったことから悲劇を招いている。それは同党にとっての悲劇であるだけでなく、政権交代を支持した有権者にとっても悲劇である。「国民との契約」を謳ったマニフェストが1年を経ずして後退している。情勢の変化に伴う弾力性と若干の修正は望ましいし、野党側等から批判はあろうが、それが有権者の選択である以上、少なくても4年間の実績で判断されるべきなのであろう。それを変更するのであれば民意が問われることが望ましいが、参院選では支持は得られなかったと言えよう。
 首相を1年間で3人も替えるべきではないとの意見がある。そうあって欲しい。しかし国民にとっては首相の交代の頻度より、国民にどのような政策を届けるかが重要だ。何をするのかが分らないような政権であれば早期に交代させ、強いメッセージとそれを実現出来る強いリーダーシップを持った政権とすることが望ましい。そもそも、権力を維持するために4年間で4人の首相を擁立したのは旧自民党政権であり、当初の政策は変質し、国民の信託から離れて行った経緯がある。この意味から、現在の不況は「政治不況」と言っても良い。内外の国難を乗り切るためには強いリーダーシップが望まれる。
 民主党が昨年8月に受けた国民からの信託を担うことの出来るリーダーとして、9月の代表選挙でベストの選択をすることが期待される。
 「政治とカネ」の問題が野党や党内の一部グループから指摘されている。しかしこの問題は重要ではあるが、過剰に強調され政争の具や規制の体制維持に利用されてはいないだろうか。清廉な政治を維持することは極めて大切であり、そのために不正な資金をチェックすることが大切である。検察当局は、昨年春と本年1月に小沢議員事務所で資金管理に携わっていた現職議員を含む3人の元秘書をそれぞれ逮捕し、関連事務所や家宅を広範囲に捜査したが、嫌疑不十分で議員の起訴は行えなかった。嫌疑が十分でなく、違反の事実が立証できない場合はもとよりであるが、“疑わしきは罰せず”が原則であろう。それが守られなければ冤罪を助長する恐れがある上、官僚組織の一部である検察当局により自由な政治活動を萎縮させ、或いは抑制する恐れさえある。特に現在行政制度の改革を巡り官僚側の抵抗が明らかであり、検察当局を官僚組織の砦とするようなことは厳に避けなくてはならない。いずれにしてもこの問題はニュースとしては興味があるが、国民の最大の優先事項ではない。国民の最大の関心は、年金の安定と信頼性の回復、景気と雇用、強いリーダシップなどであろう。強いリーダシップがなければ政治的安定も望めないし、国際社会で存在感も示せない。野党を中心として保守系メデイアが「政治とカネ」問題を大きく報道して来ているが、何時まで引きずるのであろうか。優先順位が違うのではないだろうか。国民が政権交代を是としたことを前提として、そろそろ国家、国民の優先事項、政策に焦点を当るべき時期ではないか。
 検察審議会が更に検討しているが、昭和23年の法律に基づき設置されているもので、米国の大陪審を除きほとんどの先進工業国では廃止されている上、証拠などは検察が提示しており、新たな証拠がないまま、検察や一部マスコミにより流された報道や噂で判断されているに等しい。新しい証拠がある場合を除き、一部マスコミの世論捜査、情報操作で結論が左右される恐れが強い。小沢議員については、既に党総裁を辞任し、更に幹事長を辞任しており、一定の政治的な責任は示している。
 特に政治資金規正法違反容疑のように議員活動に関係する事案は、反対勢力に政治的に利用される恐れが強い一方、国会で審議出来るので二重にも三重にも審議する制度は過剰であると共に、政治活動を抑制する恐れがあるので、議員の政治活動に関する事案を検察審議会の対象から外すなど同審議会自体のあり方や要否を検討する必要もあろう。単に“何となく怪しい”というだけで罪人を作ることは望ましくない。(08.10.)
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