プチコミ情報局

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シリーズ平成の本音―財源は無いは嘘、財源はやはりあった!!

2016-06-25 | Weblog
シリーズ平成の本音―財源は無いは嘘、財源はやはりあった!!
 2017年4月からの消費税再増税(2%アップ)に際する軽減税率について、連立与党の自・公両党間において財源問題で難航したが、‘生鮮食品及び加工食品(酒類と外食を除く)’を軽減税率の対象品目とすることで合意し、更に‘定期購読契約を結んだ日刊新聞’も軽減税率の対象品目に加えることで合意し、首相もこれを評価していることから、基本的にはこれを前提として税率が決められる見通しとなった。
これにより約1兆円から1兆3千億円程度の税負担の軽減となるが、当初自民党側は‘財源は4,000億円’しかなく、‘無い袖は振れない’などとしていたが、それが一部加工食品を加えることで8,000億円程度になり、そして持ち帰り食品を加え、更に‘定期購読契約を結んだ日刊紙’まで加え1兆円から1兆3千億円の財源が出て来た。
‘財源は無い’は嘘で、やはりあることが明らかになった。打ち出の小槌はあったということだ。
そ のための‘恒久財源’が必要とされており、円安による輸出・観光産業などの局部的景気改善や通貨の大量の供給緩和による証券業界などのプチ・バブルなどによる税の増収や国債の他、たばこ税、相続税、所得税などの増税が挙げられているが、17年4月からであるので、先延ばしする意向のようだ。
今年度の補正予算として3.3兆円ほどが検討されており、低所得者に1人3万円の現ナマの大盤振る舞いが検討されるほどであるので、国民には見えないが、相当程度の税の自然増収を当て込んでいるのであろう。
軽減税率を適用する代わりにたばこ税、相続税、所得税などの増税を行うというのは筋が通らない。そもそも生鮮食料等には軽減税率を適用するが、その他消費については2%の消費増税が実施され、増収となる。生鮮食料等には2%の増税を行わないだけで、減収になるわけではないので、その他の増税などで補てんなどする必要はない。狸が取れないので、狐を捕る類の理屈でしかない。
年金、医療の社会保障費が漸増し、軽減税率により社会保障財源が足りなくなると言われ、一部マスコミやTVコメンテーターなどが紋切り型の論評をしているが、社会保障費は従来消費税を含む一般財源から支弁されていたもので、一般財源は社会保障費には支弁ぜず、消費税だけで賄うなどと決めたことはないし、そもそもそのような仕分けは不適切であろう。特に年金や医療等については、所得から保険料を拠出して運営されているので、所得税を含む一般財源で対応し、不足分を消費税で補てんして行くということであろう。
もし財務当局や一部保守党議員が言うように、‘社会保障費は全て消費税で賄う’というのであれば、従来社会保障費が充てられていた一般財源にその分大きな余裕が出来、人件費、管理費を含め、従来通りの大盤振る舞いが可能になるということになる。そんなことを国民が認めたことはないだろうし、認めるべきではない。少子高齢化の福祉型社会においては、社会保障費は予算の大きな部分を占め福祉型の予算となることは当然のことであるので、消費税を含めた一般財源で対応することが国の大きな役割なのであろう。消費税だけで社会保障費を全て賄おうとすると、消費税は更に引き上げられ、消費は更に低迷し、景気は上がらなくなるであろう。ギリシャへの道を辿ることになる。
 財源問題で政府、与党が避けてきている項目がある。それは中央官庁だけでなく、特殊法人、独立行政法人や地方公共団体、国会の人件費を含む管理費の節減である。
 消費税を2017年4月に10%に増税しても、政府が目標とする2020年度の財政黒字化が困難というのであれば、まず歳出を節減するしかないであろう。財務省や政府税調、党税調などは、‘財源不足’となると‘増税’を検討するが、歳出節減も重要な財源であると共に、財政破綻と膨大な借金を抱えている場合は、歳出の節減は不可欠だ。
 どの民間企業にしても、どの団体にしても長期間赤字が続き、膨大な借金を抱えていれば、まずコスト削減する。特殊法人や独立行政法人を含む行政組織は例外とでも言うのだろうか。逆にそのコスト感覚の無さが行政機関の最大の問題なのだろうが、同時に行政機関は経済や経営を分かっていない集団であり、また内閣も同様ということを物語っているとも言えよう。財務省を含む経済官庁の管理職には法律専攻の者が多過ぎることも、経済、経営の健全化より、法律偏重の行政に傾斜する要因ではないだろうか。いずれにしても、現政権が歳出節減に着手しないようでは、経済や国家経営への理解や誠意が欠けていると見られても仕方がないであろう。
 消費税の再増税を行っても財政赤字は解消しないし、少子化による税負担能力の低下などを勘案すると、例えば2016年度より2020年度までの5年間、歳出全体を毎年一律⒑%近く節減するなどの大胆な歳出カットを行うことが不可欠であろう。本来であれば、優先度の低くなった事業やサービス、そして人件費を含む管理費を削減することが望ましいが、‘横並び論’が支配的な行政組織であり、それは困難と予想されるので、一律カットとして、人件費を含む管理費を中心として何を節減するかは各省庁の責任に委ねることが現実的であろう。独立行政法人などは、その名の通り、真に独立させ、原則として民営化を図っても良いであろう。
 歳出の節減については、地方公共団体や国会、地方議会も同様である。人口減は見えている。
 もし政府や国会が人件費を含む管理費を中心とする歳出節減を行わないということであれば、増税してもいわば胃に穴が開いているのに輸血するのに等しいので、国民側とすれば、そのような不誠実で放漫体質の政権や行政組織、政党にレッド・カードを出すと共に、生活防衛のため徹底的に消費節約するしかないであろう。(2015.12.21.)(All Rights Reserved.)
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シリーズ平成の本音―「1億総活躍」で低年金受給者に現金給付って何??

2016-06-25 | Weblog
シリーズ平成の本音―「1億総活躍」で低年金受給者に現金給付って何??
11月26日、安倍内閣は、‘1億総活躍社会’の具体のため「1億総活躍国民会議」を首相官邸で開催し、緊急対策を決定した。
‘新3本の矢’に掲げられた「希望出生率1.8」や「介護離職ゼロ」などの達成のため、‘保育と介護の受け皿を新たに各々50万人分拡充する’ことなどが柱となるようだが、一部は‘緊急に対応すべき施策’として、3兆円規模と見られる補正予算に盛られることになる趣だ。
その中で、‘所得の低い年金受給者に対し、1人当たり3万円程度の現金給付を行う’ことも補正予算に盛られるという。恐らくマスコミは‘またばら撒き’との批判程度で済ませるのだろうが、この現金給付は、2016年6、7月の参議院選挙の時期に合わせて1回限りで行われるものであるので、特定の低所得年金受給者を狙い撃ちした自・公政権による公営の選挙買収に近い。政権与党による官製選挙違反ではないのか。しかも税金を使ったものであり、政策意図が不浄、不正であり、納税者をバカにしている。
まるで宗教団体が貧しい信者に施しをするようなものであるが、低所得年金受給者に施しをするというのであれば、巨額の企業献金で潤っている自・公両党の党費か議員のポケットマネーで行えばよい。
 この現金給付は、‘新3本の矢’の中心に据えられる‘GDP600兆円’達成に向けての‘緊急対策’と報じられているようだが、1回限りである上、国民から税金を吸い上げて低所得年金受給者に回すだけであり、国民所得に影響はない。見識が疑われる。そもそも1億総活躍「国民会議」という名称も、国民を代表するようなメンバーでもなく、行政当局に任意に任命されただけの人達で構成されており、国民の誤解を招く怪しげな名称であるので、仕方ないのかもしれない。
 だが最近、‘下流老人’や‘下流年金生活者’などとの表現が見られるが、それは年金の給付額などが実質的に引き下げられて、年金だけでは生活出来ないからであろう。とすると、年金給付額を全体として少しでも引き上げるなり、天引きされる介護保険料を引き下げるなりして、年金で生活できるように充実させて行く方が継続性のある困窮対策になろう。
 官製選挙違反まがいのばら撒きをする財源があるのであれば、2017年4月からの消費税再増税を中止か延期をするなりした方が‘GDP600兆円’達成には効果的であろう。国の借金を前倒しして返済するのも良い。
 政府がくれるというのであれば頂いておけば良かろうが、このような不浄、不正な無駄を国民に強いるような政党の議員を国会に送り込まないようにすることが必要なのだろ。(2015.11.28.)(All Rights Reserved.)
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シリーズ平成の本音―年金受給者、弱者いじめの自・公連立政権! (その1)

2016-06-25 | Weblog
シリーズ平成の本音―年金受給者、弱者いじめの自・公連立政権! (その1)
 財務相の諮問機関である財政制度等審議会の分科会において、2016年度の診療報酬の「マイナス改定」や75歳以上の医療費負担割合の2割への引き上げや受診時定額負担が復活など、社会保障抑制策が示されている。更に2016年1月に開始するマイナンバー(個人番号)制度を使った医療費削減策も考えられている。
財務省としては、2015年予算で社会保障費が31兆5000億円(国家予算の約3分の1)を占め、また毎年約1兆円が「自然増」するとして、その伸びを年5000億円程度に抑えたい意向のようだ。
他方厚生労働省は、9月28日、支払い年金保険料に対し生涯で受け取れる年金受給額を倍率で示し、‘公的年金の世代間格差’に関する試算を発表した。それによると、厚生年金では、70歳の者が保険料の5.2倍、30歳以下の者は2.3倍にとどまる等としている。これを丸呑みにして‘格差が依然として大きいことが浮き彫り’などと報道した保守系新聞もある。
長寿化に伴い増加する社会保障費を節減、圧縮する努力は評価するが、一方で消費増税により国民の負担を求めた上、社会保障の水準を引き下げ、受益者たる国民の負担を実質的に更に増やすことは、社会保障失政と言えるのではないか。
1、年金給付額の減額は国民の将来不安を煽るのみ
厚労省は‘公的年金の世代間格差’を問題にしようとしている。しかし65年
以上も前、昭和20年代の所得水準は、現在の10分の1から15分の1以下であり、当然保険料負担額は現在の負担額より遥かに少なくなることは明らかだ。年金保険金の所得比率がほぼ同一であるので、個々人にとって負担感には格差などはないと見られる。
年金給付については、退職時の給与水準が基準となることが加入時に明記されており、だからこそ、定年後も生活できる程度の給付があるという安心感が与えられる。それが少なくても6割近くが保障されないのであれば、実体的に退職後の所得保障にはならない。社会保障の本旨に反している上、年金保険の契約違反となる。
 所得水準の低い数10年前からの負担額を基準として年金支給額を決めても、受給者はそれでは生活苦に陥る可能性が強い。そうであれば公的年金保険料など支払わず、個人の貯金や財テクに頼る方が賢明と判断されるようになる可能性が強い。
そもそも、厚労省や年金機構など政府当局は、年金給付額を徐々に引き下げ、支給年齢を引き上げ、更に介護保険料を引き上げながら年金から天引きしているので、年金受給額は減少する一方であり、それが長期にわたり国民の将来不安の原因になっていると見られる。年長者への日常的な不安だけでなく、入社後間もない女性職員もボーナスなどを優先して貯金する傾向もあるようであり、世代を問わず、年金破たんによる消費の抑制にも繋がっているようだ。
 法務省や警察は兎も角として、厚労省や財務省その他の経済官庁の幹部に法学部出身者が多く、経済や経営などの見識や経験に欠け、規則、規制志向となっていることが遠因との指摘もある。
 そのような年金給付額の減額は好ましくなく、逆に削減した分を回復し、将来不安を無くして行くことが望ましい。
年金受給年齢に達している者でも、高額の報酬を受けている者が多いが、年金を同じように給付している。年金財源が潤沢な時は良いが、年金財源が不足する今日においては、例えば年750万円以上の高額の給与或いは報酬を得ている場合には、年金給付の凍結或いは2割程度の部分給付などをまず検討すべきであろう。或いは、今後就労年齢は伸びると考えられるので、65才以上でも得ている給与又は報酬が年420万円以下の者には年金を満額給付するが、それ以上の者については年金給付額を減額して行くこともやむを得ないであろう。社会保障には、所得の高い者から低い者への所得の再分配の意味合いがある。で
 2、定年後高報酬の者には現役世代と同様の病院での窓口負担を
社会保障費を節減、圧縮する努力は必要であるが、例えば65才以上の者で年750万円以上の高額の給与或いは報酬を得ている場合には、病院での窓口負担を現役世代と同水準としてもやむを得ないであろう。
 他方介護については、年金生活者には追加的な負担となっているので、75才以上で年金以外の報酬が210万円以下の者については介護保険料は免除することが望ましい。
 3、不可欠な人件費を含む行政管理費の大幅削減       (その2に掲載)
(2015.10.19.)(All Rights Reserved.)
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シリーズ平成の本音―マイナンバー情報流出の被害者に賠償を!

2016-06-25 | Weblog
シリーズ平成の本音―マイナンバー情報流出の被害者に賠償を!
 各種申請や社会保障などに使用される個人番号制(マイナンバー)が10月からスタートし、2016年1月から実施に移される。
 これにより国民のほとんどがマイナンバーを持ち(希望しないものは申請しないで良い)、一つのカードで各種申請や年金、税金の処理等が出来るので便利になる。行政事務処理においても、ほとんどの国民を捕捉出来、税金の徴収漏れなども防げるので便利になる。行政事務の簡素化になると言われているが、新しい制度に当面予算を3,000億円使用することになっており、煩雑な入力作業などが増えるし、旧来の制度は当面残るだろうから、簡素化などにはならないだろう。国民を効率的に捕捉できる膨大な行政システムが構築される。
 しかし利用者側にも行政側にも便利ということは、それを犯罪目的に利用しようとする者にも、マイナンバーには住所、戸籍、生年月日、家族構成、年金事項、銀行口座など重要な個人情報が詰まっているので、情報を入手したら使い勝手が良く、犯罪集団にも便利であろうから、情報保護が最大の課題だ。
 その恐れが現実のものになっている。茨城県取手市や札幌市厚別区でマイナンバーが入った住民票が発給された。住民票の提出先の善意を信じたいところであるが、悪用や再流失等から詐欺等に利用される可能性がある。更に深刻なのは、マイナンバー制度の企画・設計に携わっている厚労省情報政策担当参事官室の室長補佐(事務職)が制度企画・設計入札において受注したIT会社から賄賂を受け取った汚職事件が発生している。マイナンバー制度企画で不正を行ったIT民間会社がマイナンバーの仕様を最もよく知っていることになるので、その仕様が漏れれば犯罪等に悪用される幅が広がり、マイナンバー制度自体の安全性や保秘性が疑わしくなるので、深刻な問題だ。
またマイナンバー制度が実施に移されれば、その情報管理は行政当局が行うとしても、実際の情報処理は外部の民間会社か日本年金機構等と同様、天下りで作る行政法人で行われる可能性が強いので、個人情報が外部に流失する恐れは非常に高くなる。マイナンバーに入れられる情報が財産・口座情報や年金・医療情報、納税情報等と増え、使途が拡大されればされるほど、1億人以上の国民の重要な個人情報が危険に晒されることになる。マイナンバーは、地方自治体にも連結されるので、故意か過失かは別として、情報流失の危険性は更に高まる。
 厚労省の監督下にある日本年金機構でも多数の情報流失が出ており、政府機関による個人情報の流失は現実の問題になっている。マイナンバーについては、使途が複数に亘り、地方当局とも繋がるので、どのように注意していても、情報流失が起こる可能性は高い。それを防ぐためには、使途を限定的にし、外部インターネットと遮断することが必要であろう。
 しかしどのように注意していても情報流失は起こるであろうから、流失を引き起こした行政当局や行政法人等は、責任を認識にし、被害者のマイナンバーの取り消し、再発給等の不利益に対し補償すべきであろう。また情報流失により具体的な被害にあった場合には、関係行政法人を含む行政当局が賠償することが当然ではなかろうか。
 また流失したマイナンバー情報を利用して詐欺等を行って経済的利益を得た個人やグループについては、それぞれの犯罪行為に従って罰せられることになるが、従来中心となっている禁固刑から、利益の3倍以上の罰金を中心とした罰則に転換して行くことが望まれる。経済的利益を目的とした犯罪を抑止し、また被害者の被害を補てんする上でも、高額の罰金を科す方が効果的であろう。現状では罰金が少額過ぎるので、禁固刑を受けても儲かるとの印象を与えてしまい、抑止には余りなっていない。その上、税金で禁固刑中の経費を国民が負担することになり、2重の負担となっているように見える。経済犯には高額の罰金で抑止することがより効果的であろう。
(2015.10.17.)(All Rights Reserved.)
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シリーズ平成の本音-介護保険料引き上げ、反福祉政策が国民生活を直撃! (その2)

2016-06-25 | Weblog
シリーズ平成の本音-介護保険料引き上げ、反福祉政策が国民生活を直撃! (その2)
 安倍自・公連立政権は、2016年度の予算編成の基本的な方針である概算要求基準を閣議で了解し、2020年度での財政の黒字化を目途に歳出を抑制することとし、その中で社会保障費の削減を図るとしている。財政の黒字化方針は、遅きに失しているものの評価されるところであるが、増税等で歳入を図る一方、歳出面では社会保障費の圧縮など、国民への負担増加、反福祉的な色彩が強い。
 1、介護保険料再三の引き上げが年金受給者の生活を既に圧迫 (その1で掲載)

 2、増税、福祉切りに終わろうとしている「社会保障と税制の一体改革」 
 自民・公明両党は、民主党政権時代に「社会保障と税制の一体改革」に同意し、また議員定数の実質的削減にも同意し、2011年12月の総選挙で勝利し政権の座に返り咲いた。しかしいずれについても進んでいないばかりか、社会保障については反福祉の福祉切りに向かっている。
そもそも社会保障の改善のために消費増税を実施したにもかかわらず、総合的な社会保障制度改革も行わず、個別に利用者、受給者の「負担増・給付縮小」を強いることは、国民を騙しているに等しいのではないか。議員定数の削減については、衆議院は議長の下での外部の有識者会合に丸投げし、自・公連立与党が十分な多数を占めていながら取り組んではいない。参議院に至っては、10増10減の区割りを採択し、削減については取り組もうともしていない。
 年金受給者に更なる負担を強い、国民に更なる負担を強いる前に、両院の議員定数の大幅削減や議員歳費・諸手当の引き下げを実施して、国民に誠意を示すべきであろう。また独立行政法人や特殊法人を含む公務員・準公務員の新規採用の段階的な削減など定員の削減や給与の引き下げを実施すべきであろう。それが出来ないのであれば、3年間で総人件費の3割削減を実施することが望まれる。定員と給与のいずれを削減するかは各省庁に選択させればよい。人件費を除く管理費全般についても、公務員宿舎他国有財産の売却などにより、2020年度までに総額で3割から4割の程度を段階的に削減することをまず実施すべきではないのか。
 この点は地方公共団体においても検討、実施されるべきであろう。2040年までに、全国1,748の市区町村の約3割が消滅するとの予測もあり、多くの地方の人口減は深刻で現実味がある。恐らく財政の節減が少子高齢化対策の上で不可欠な対策と言えよう。
 自・公両党の上記の約束は主要公党間の約束であり、国会で表明された国民への約束であるので、実現しなければ非常に深刻な約束違反となる。それを議員や行政府・公務員が真剣に検討、実施しないのであれば、消費税の
10%への再増税は実施すべきではないのではなかろうか。
 自・公政権の約束違反はこれらだけではない。環太平洋経済連携協定(TPP)について、民主党が消費増税同様危険を冒してTPPに賛成を表明したのに対し、自民党は‘反対’を掲げ、農業票、地方票を引き寄せた。しかし政権の座に就くと賛成に転じている。上記の社会保障と税制に一体改革にしても、議員の定員削減、歳出節減やTPPにしても、政策的には民主党政権時の方針の方が正しかったように見える。
 更に現自・公連立政権は、2012年12月及び2014年12月の総選挙において、1票の格差について裁判所で‘違憲’、又は‘違憲状態’との判決を受け、是正勧告がなされているにも拘わらず、自民党政権において常態化した‘違憲状態’を解消する努力を行っていない。因みに‘違憲状態’も違憲であることに変わりがなく、自・公連立政権が憲法を軽視する姿勢が鮮明になっている。衆議院で強行採決された安保法制、特に集団的自衛権の行使に関しても、多数の憲法学者や国民が違憲と考えているにも拘わらず、このような世論にも耳を貸さず、憲法軽視の姿勢と受け止められている。政権側は、‘他国領土で戦うことはしない’、或いは‘徴兵制は行わない’などとしているが、憲法や世論を軽視する政権の言葉は空疎に聞こえる。少子化、人口減の中で、自衛隊への応募は停滞している上、集団的自衛権行使による戦闘や海外での武力行使などにより危険性が著しく高まるので応募が減少する可能性がある。従って将来兵員確保のため、何らかの形で自衛隊義務化や徴兵制度が導入される可能性は高いと言えないだろうか。更に集団的自衛権行使等により日本攻撃がより現実味を帯びて来るが、危機的状態になれば徴兵制度は実施せざるを得なくなるであろう。少なくてもその覚悟は必要であろう。
 政権側が国民に対しこのような覚悟を求めるのではなく、只々‘最低限の自衛に徹する’、‘海外で戦闘は行わない’、‘海外での自衛隊員の安全は確保する’などの安心材料のみの説明に終始することは、原子力発電で‘安全神話’を作って推進したのと同様、集団的自衛権行使でも‘安全神話’を作ろうとしているようにも見える。国家の安全保障や国際的な平和貢献はそんなに甘いものではないことは、国民は何となく気付いており、違和感と不信感を呼んでいるようだ。太平洋戦争では、日本国民が200万人以上死亡し、多数の負傷者や多くの不孝や悲劇を生んでいる。
 このように自・公連立政権は、公党や国会、国民との約束を守らず、また憲法を軽視している上、その結果でもあろうが、増税等で歳入を図る一方、歳出面では社会保障費の圧縮など、国民への負担増加、反福祉的な政策を推し進めようとしていることがだんだんと明らかになっているように見える。
 このような政策や将来を選択するか否かは、国民世論であり有権者であるので、賢明な選択が望まれる。
(2015.7.31.)(All Rights Reserved.)
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シリーズ平成の本音―民主党を食いつぶした防衛専門家!

2016-06-25 | Weblog
シリーズ平成の本音―民主党を食いつぶした防衛専門家!
 防衛専門家の森本毅拓殖大学特任教授が10月16日付で中谷防衛相の政策参与に任命された。同氏は、民主党政権下で防衛相を務めており、大臣だった人が防衛相の政策参与になるという摩訶不思議な人事だ。森本氏は、民主党政権での防衛相から自民党政権下の防衛大臣の下の政策参与に鞍替えしたことにもなる。
 降格か、加齢なる転身か?処世術のスペシャリストか、日和見評論家か?摩訶不思議な変わり身ではないだろうか。いかにも節操が無さ過ぎる。ご都合で寝返るので、その言動は信用出来そうにない。
 同氏は、テレビ番組でコメンテーターなどをしているが、元防衛相というのが売りのタイトルとなっている。しかし野田内閣或いは民主党政権ということが消えている。もともと同氏は、保守政権側の評論家であった。討論会でも自民党政権下で政権側についていた。元に戻ったということであろうが、民主党は食いつぶされた形だ。
 森本防衛相参与は、沖縄の普天間基地(米国海兵隊空港)の移転先となっている辺野古の沿岸の埋め立て工事に関連し、沖縄知事が埋立て工事許可を取り消したことに関連し‘安全保障は国の権限であり、国に任せてほしい’旨述べている。しかし辺野古への米軍基地建設は安全保障と関連しているが、75%近くの米軍基地が集中している沖縄県辺野古での米軍基地建設であるので、沖縄県での基地建設問題であり、地権者との関連を含めて国内問題である。更に政治的には、辺野古基地建設反対が県民の選択である。国が勝手に何処でも米国の軍事基地を作って良いということではない。もしそうであれば、沖縄以外のどこかに勝手に建設できるではないか。辺野古沖にはサンゴ礁が広がっており、希少動物のジュゴンの生息地でもある。周辺住民の生活環境や風紀の問題等もある。米兵については、日本側に裁判権もない。
 安倍政権は、沖縄県の経済開発ため今後5年間で年3000億円の財政支援を提案し、辺野古移設に慎重であった仲井間知事(当時)の説得に努めた結果、同知事は2013年12月に辺野古沖の埋め立てを認め、また埋め立てのための岩礁破砕を承認し、これを受けて防衛省は辺野古沿岸の調査、準備を開始した。
しかし仲井間知事は、2014年11月16日の知事選において辺野古移設に反対、普天間基地の早期返還を公約にした翁長雄志氏(自民党県連を脱退)に敗れ、落選した。更に、同年12月の衆院総選挙において、自民、公明両党は同県の4つの1人区で1議席も確保できなかった上、2年前の選挙で獲得した3議席を失った。また2014年1月に行われた辺野古の地元である名護市長選挙でも、辺野古移設反対の稲嶺進氏が当選した。自民党側は、与党候補支援のため500億円の財政支援を示唆したが、与党推薦候補は敗れた。
政治的には同県の民意は明らかだ。市レベルはもとより、県レベル、国政レベルでも辺野古移設反対が沖縄の民意と言えよう。民主党政権が発足した際、同県の民意を尊重し、‘普天間基地の移転先を県外他’と提案して本土での受け入れ先を探したが見つからず、頓挫した。その際、‘移転先は辺野古が唯一の選択肢’と主張していたのは自衛隊出身の森本氏だ。今回沖縄県の民意は明らかであり、民主党政権の判断は正しかったと言えそうだ。
国内に米軍基地や自衛隊駐屯地を建設するような国内の問題を、同氏が主張するように、‘安全保障は国の権限であり、国に任せてほしい’ということで沖縄県の民意を踏みにじるわけにはいかないだろう。それは同県の地方自治を踏みにじることにもなる。同氏のような専横的考えでは、国の安全保障上の問題と判断すれば、国民に銃を向けることにもなり兼ねない。(2015.10.17.)(All Rights Reserved.)
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シリーズ平成の本音―「民間議員」による「国民会議」って変でしょう!?

2016-06-25 | Weblog
シリーズ平成の本音―「民間議員」による「国民会議」って変でしょう!?
10月29日、政府は第1回「一億総活躍国民会議」を開催し、官邸HPで公表した。議長は安倍首相で、議長代理の一億総活躍担当大臣以下12人の閣僚と15人の‘民間議員’と報道されている有識者から構成されている。
一億総活躍担当大臣については、既に女性活躍担当や地方創生担当相の他、行政各部を担当する大臣が居るのに何をするのかなど不評だが、ネーミングに至ってはうさん臭くもある。
「一億総活躍国民会議」と発表され、有識者が‘民間議員’と報じられているが、‘議員’と言えば、通常選挙で国民により選ばれた国会議員や地方議員として広く使われている。しかしこの‘民間議員’と称される人たちは、それぞれ一定の分野で知られている方々ではあるが、政府が任意に選び、指名した人々であり、国民に選ばれた者でもなく、また識者として国民をどれだけ代表出来るのかなど、選ばれた基準もない。
それを「国民会議」などと公式に発表することは、国民の代議員である国会議員や国会自体を軽視するものであり、政府直轄の第2国会でも作ろうとでも言うのだろうか。
他方で「環太平洋パートナーシップ(TPP)」協定が大筋合意され、農産物だけでなく日本の針路に大きな影響を与える国際取り決めでありながら、臨時国会を開催せず、国民に合意内容を正式に知らせ、審議を通じ理解を得る努力もしてないのに、国会の外で訳の分からない「国民会議」を開催しており、何ともうさん臭い。それが、政府発表されるまま報道されているのも不思議だ。
政府には多数の審議会や委員会、そして最近はやりの有識者会議などがあるが、官邸主導の経済諮問会議などについて指名された参加者が‘民間議員’と報道されるようになっており、国民の間に誤解が生まれている。このような不適正なネーミングは好ましくない以上に、如何にもうさん臭い。
例えば最近でも、沖縄県辺野古沖合への米軍基地移設に関連し、防衛省に‘辺野古環境監視委員会’があり、辺野古沖への軍用空港移設の環境への影響を監視することになっているが、3人の委員が‘移設関連業者から総額1,100万円の寄付を受け取っていた’とされており、委員選任における公正さ、適正さが疑問視されている。政府関連の審議会、委員会の全てが同じとは言えないが、改めて審議会、委員会の委員の適性や検討内容の信ぴょう性、公平性が問われることになりそうだ。
また経済諮問会議や「一億総活躍国民会議」等で、政府により指名された民間委員を‘民間議員’などと呼称することは適性を欠くが、もし‘民間議員’と呼称し続けるのであれば、国会議員同様、資産の公開や関連業者との関係などが公表されるべきではなかろうか。
(2015.11.2.)(All Rights Reserved.)
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シリーズ平成の本音―‘天才’田中角栄は一時代の人でしかない!

2016-06-23 | Weblog
シリーズ平成の本音―‘天才’田中角栄は一時代の人でしかない!
 1972年7月、田中角栄議員は、自民党最大派閥を率い、官僚出身である福田赳夫議員を破り首相の座に就いた。地元の新潟で土建業を行っていたこともあり、「日本列島改造論」を展開し、日本の東西南北を結ぶ高速道路網や新幹線、ダムや橋などの整備に大きな役割を果たし、自民党の公共事業依存の基礎を築いた公共事業のドンとも言える。外交面でも、1972年に訪中し、日中国交正常化を図るなどの功績がある。
 他方、その公共事業を中心とした政策が狂乱物価を招くと共に、業界との田中金脈問題、金権政治への批判によって首相を辞職し、特に米国の航空機大手のロッキード社の航空機売込みに絡んだ贈収賄事件(ロッキード事件)で逮捕され、晩年は不遇な日々を送った。
 江戸時代中期の幕府の老中田沼意次によく似ている。田沼意次は、幕府の財政赤字の中で改革に取り組み、商業資本、高利貸などが発達し始めていたことを背景として、重農主義から重商主義政策に転換を図り、「田沼時代」を作り権勢を振るった。鉱山開発、蝦夷地の開発、俵物などの専売による貿易拡大、印旛沼の干拓等の政策を遂行した。その結果、幕府の財政は改善し、景気も良くなったが、社会が全般的に商業主義化し、インフレが進むと共に、武士、商人を問わず金銭収入が不可欠となったことから贈収賄が横行し、金権政治への批判が強まった。
 老中田沼意次は、初期資本主義の発展の他、印旛沼、手賀沼の干拓などにより地元では絶大な人気があるが、贈収賄、金権主義が幕政を歪め、腐敗した。
 田中元首相は、エネルギッシュで‘政界のブルトーザー’と言われ、地元新潟では絶大な人気があり、出色の魅力ある政治家と言えよう。しかし、自民党の金の掛かる政治体質、金で勢力拡大を図る金権政治、公共事業依存の経済財政運営、政・官・財の癒着体質を招くと共に、狂乱物価を招いた。
 田中元首相の手法は、1929年の米国の金融恐慌に際し、米国全土に亘る公共事業を実施したニューデイール政策や欧州復興計画に用いられているもので、時代の流れに乗った素晴らしい業績を残してはいるが、‘天才’云々ということではない。他方、老中田沼意次同様、インフレの他、腐敗、金権主義という公人としてあってはならない負の遺産を残したのであり、政治家としての手本とはならず、歴史的には負の遺産、悪例として残るのではないか。
どのような偉業と思われる事を行っても、国民の目を騙し、不正、不適正な手段、手法を使って達成されたことであれば、それを偉業とは言わない。ましてやそのような人を‘天才’などとは言わない。ルール違反、コンプライアンス違反であり、不正でしかない。
 現在でも、各種の政治と金の問題が、年中行事のように報道されているが、有権者としては政治家が提唱、宣伝する目先の政策や言葉だけではなく、コンプライアンスを含む政治家の資質や公平、公正さなどを見極めることが重要なようだ。経済界でも、消費者の目を騙し、コンプライアンス違反や不正を行って業績を上げても、不正でしかない。
(2016.6.17.)(All Rights Reserved.)
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シリーズ平成の本音―消費税再増税、TPP他難問先送り、将来世代への不幸の手紙!

2016-06-23 | Weblog
シリーズ平成の本音―消費税再増税、TPP他難問先送り、将来世代への不幸の手紙!
安倍首相は、自・公両党の了承を取り付けて、2017年4月からと定められている消費税の10%への再増税を2年半先送り(2019年10月まで)する方針を明らかにした。7月の参院選等、選挙対策のためと見られる。
2014年11月、総選挙を前にして、安倍首相は‘アベノミクスを継続し、インフレからの脱却を図る’としつつも、経済情勢が思わしくないとして10%への再増税を2017年4月に延期するが、‘消費増税を再び延期することはないことを確約する’と述べていた。しかし、アベノミクスは3年半を経過して、実質家計所得は低下し、また個人消費も低迷しているなど期待されたほどの成果を上げていない。消費税再増税の延期に反対するものは少ないだろうが、再増税中止とは言っておらず、7月10日の参議院選挙を前にして、目先の延期で有権者の気を引こうとしているだけだ。
要するに、景気は公約通りには回復しておらず、再増税の延期を余儀なくされたということであろう。アベノミステークと言える。
 同首相は、これを「新しい判断を行った」と述べているが、1年半前に総選挙を前にして「確約」したことであるので、任期中の‘公約違反’であることは明らかである上、奇弁、変節であり、こんなことが許されるのであれば、選挙前に適当なことを言って票を稼げば公約で嘘八百を並べ立てても許されることになる。
自民・公明両党の公約は、全く信用も信頼も出来ない。7月の参院選についても同政権の公約は全く信用も信頼も出来ない。自・公政権の発言についてはこれだけではなく、次のような諸点についても信用も信頼も出来ない。
1、「2020年に財政健全化を図るとの旗は掲げ続ける」の嘘
本来消費増税は、民主党政権になる前に、超老齢化による福祉予算で政策経費が圧迫され、公的借金が増える一方であった自民党の悲願であったが、選挙に負けるのを恐れて実現できなかった経緯がある。
しかし折角の民主党政権の努力により、消費税増税が社会保障制度の改革を合わせて行うことを前提として実現したが、自・公政権は、参院選挙を前にして消費税の10%への再増税を2019年10月まで先送りするとしている。目先で国民をぬか喜びさせて、選挙が終わると、「2020年の財政健全化の旗は掲げた」が時期を先送らざるを得ない、それが「新しい判断」と」でも言うのであろう。現状では達成は困難なことは明らかだ。だから10%への増税を行ったのだろうが、更に消費税の10%以上の引き上げが必要とでも言う可能性がある。
2014年7月、内閣府の試算によると、今後経済が順調に成長し続けても“消費税が2015年に10%に再増税されても、2020年度の「基礎的財政収支(プライマリーバランス)」は約11兆円の赤字になる”旨報じ、政府が財政健全化目標としている2020年度での黒字化は困難としている。現政権下での試算である。
この政権は、ご都合主義で雄弁ではあるが、言っていることと本心とは異なり、全く信用も信頼も出来ない。市場はそれを良く知っており、首相が新しい政策を発表すると、ほとんど例外なく株価は下落している。
これについて「信を問う」としているが、再増税を中止するわけではない上に、見通しの悪さ、判断ミスについて評価する者はいないだろう。
2、年金、医療などの福祉予算は削減される可能性大?
そもそも消費増税は、社会保障費が増加するために不人気な増税を余儀なくされたもので、再増税を延期すれば、人件費を含む行政管理費などを削減しない限り、社会保障は圧迫され、更に質が低下し、年金の実質的減額、医療費の負担増などを招くことは明らかだ。現自・公政権下で、一方で消費増税や復興税による所得税増、他方で年金の実質的減額、医療費の負担増などが行われて来たが、いわば国民酷使政策が更に進められる恐れがある。
現在の個人消費の低迷は、家計所得の実質減と国民酷使政策による将来不安が主な原因と見られているが、消費税再増税が延期されても、多くの国民が抱く将来不安は更に強くなる恐れがある。
3、TPP協定、議員定数削減、1票の格差抜本是正、行政の無駄の削減なども先送り
自民・公明連立政権は、衆議院で3分の2以上の多数を占め、意志さへあれば難問を次々と解決出来る立場にある。しかし7月10日の参院選を前にして、農業団体の反対が強いTPP協定や官僚の抵抗が強い行政の無駄の削減、人件費を含む行政管理費の実質的削減や国民の平等性に反する1票の格差の抜本是正などに真摯に取り組まず、先送っている。
1票の格差問題では、選挙のたびに最高裁から違憲、或いは違憲状態と指摘され、是正が勧告されて来ている。今回衆議院では定数10減(直接6、比例4減)し、参議院でも合区などにより若干の手直しがなれたが、「平等性」からすると不十分であり、選挙が実施されれば違憲、或いは違憲状態と指摘される可能性が高い。安保法制でもほとんどの憲法学者が現行憲法を逸脱しており、また2015年10月のTPP基本合意後の臨時国会要請を受け入れなかったことも憲法に反するなど、憲法軽視が続いている。
自民党は、1990年半ば以降のバブル経済の崩壊への対応で、世界経済の好転を頼みとしつつ、局部的な効果しかない公共事業と国債に頼り、経済構造改革、規制の抜本的緩和・撤廃や肥大化する行政組織の改革などに真摯に向かい合うことなく先送りって来た。それが経済停滞を長引かせ、世界経済頼みの経済運営として来た根源と言える。
アベノミクスについても、通貨の大量供給による円安誘導で輸出・観光産業などが収益を増やし株価も一時回復し、公共事業で若干の下支えを行って来たが、規制緩和や構造改革などの第3の矢は貧弱且つ複雑でほとんど効果はなく、市場は海外を含め失望している。アベノミクスが始まって3年半、米国はしびれを切らせて日本円を‘監視通貨’として、円安をけん制し始めている。輸出・観光産業などの収益は減少し、株安は止まらない。このままだと、ボーナスなどの低下による年収の実質低下、賃金等の低い‘非正規雇用’の更なる増加など、実質的な労働条件が低下する恐れがある。
大胆な実質的な規制緩和や行政改革を含め、構造改革などが国際的に求められていると言えよう。自民・公明両党が、世界経済の好転を期待して、避けて通れないこれらの課題を‘先送って来た’ことのツケが回って来ているようだ。
(2016.06.7.)(All Rights Reserved.)
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シリーズ平成の本音―都知事の道義的責任より政治資金の抜本改革が不可欠

2016-06-23 | Weblog
シリーズ平成の本音―都知事の道義的責任より政治資金の抜本改革が不可欠
 舛添要一都知事は、6月15日、公私混同を指摘されている政治資金の使途等を巡り
混迷を深めていた中、辞表を提出し、都議会はこれを受理する一方、同都知事を推薦・支持していた自民・公明両党を含む全政党による不信任決議は取り下げられた。これで同都知事は6月21日に辞職となり、新知事選挙が行われることとなった。
同都知事については、公用車の濫用の他、参議院議員時代の政治資金の使途につき公私混同などとの批判が強まり、2人の弁護士による‘第三者’調査が行われた。同調査結果では、一部‘不適正’な使用が認められたが、‘違法性はない’旨説明し、これを受けて同知事は、これを陳謝し、‘不適正’があったものについては返納等の措置をとるとしつつ、都政に専心したい旨表明した。
 7月10日の参議院選挙を前にして、本件は争点から消えることになるが、次の理由で本件をいわば‘トカゲのしっぽ切り’で終わらせることなく、政治資金問題のあり方についての再検討、抜本改革への契機とすべきではないだろうか。
 1、政治資金の使途は基準が曖昧で、全議員について調査、是正が必要
国民の税金で支給されている通信交通費、政務調査・活動費や政党助成金などの政治資金の使途については、嘗て松岡農水大臣(当時)の‘何とか還元水’事件や小渕経産相(当時)事務所の政治資金規正法違反、最近では兵庫県議であった野々村氏の架空交通費問題などなど、国会議員、地方議員を含め多くの事例が数え切れない程ある。これらの問題は、大臣や知事など注目される立場になると調べられ、問題となることが多い。しかし法令制度上、使途の基準が曖昧な上、監査制度もないことから、個々議員の監査を実施すれば、国会議員、地方議員を含めほとんどの議員が不適正な事例を抱えているのではないか。
今回の舛添都知事の参議院議員時代の政治資金の一部の公私混同問題は、あまりにも‘せこく’ひんしゅくを買うものではあるが、今回の問題を都知事の‘道義的責任問題’として処理してしまうと、多くの議員が抱えていると見られる同種の潜在的な不適正使用との問題で公平を欠く恐れがある上、参院選からの争点はずしに終わってしまい、法令制度上の不備が問われなくなる可能性が強い。
こ れら一連の政治資金については、‘選挙に金が掛かる’との認識から、歴代の自民党政権が中心になって作られて来たものであるが、政治活動を抑制しない等の理由で、議員がなるべく自由に使えるように、意識的に明確な基準も監査制度も明示しないように作られている。その上、‘選挙に金が掛かる’との本来の認識は‘政治に金が掛かる’という意識にすり替えられ、議員報酬とは別に、政党助成金、通信交通費、政務調査・活動費など、2重、3重に政治資金が給付される制度となっている。更に、本来企業等との癒着、不適正な関係を断つために税金による政治資金の補充が実施されたにも拘わらず、経団連等による企業献金は復活している。政治資金が潤沢になったからこそ、年中行事のように今回と同種の不適正使用問題が発生し、個々の議員の問題として‘しっぽ切り’で終わっている。
もし与野党が同都知事の辞任を求めるのであれば、明確な使用基準と公正厳格な監査制度を確立し、自らを正すべきであろう。
またもし‘道義的責任’で都知事の辞任を求めたのであれば、甘利前経済・TPP担当相の金銭受託問題についても、起訴はされなかったものの、現金を受け取ったことは同人側も認めているので、少なくても‘道義的責任’で議員辞職を求めなくては公平を失する。後者は、主要大臣による金銭受託ケースであるので、より深刻な問題とも言えよう。
 2、政党助成金の廃止と通信交通費、政務調査・活動費などの大幅削減
 このような不適正使用が可能なのは、そもそも日常的な‘政治活動’では使い切れないほどの高額の各種の政治資金が、選挙期間だけではなく、日常的に給付されているからに他ならない。
 政党助成金(2015年度総額320億円強)については、各政党が所属議員に配布しているが、配布基準や使用基準が不明朗且つ恣意的である。更に、国民の35%から40%内外が「無党派」であるので、党派別に税金から配賦するのはそもそも不適正であろう。また党が解散や分党した場合、選挙で認知された政党が消滅したり、変更されたりするので、本来であれば政党助成金は配賦されるべきではないのであろう。現在の取り扱いは、有権者、納税者の意志に反することが多いので、政党助成金は廃止されるべきであろう。
 また比例代表制の選出方法についても、無党派層の有権者にとっては記載すべき政党が無く、有権者の35%~40%内外は死に票となるので、廃止されるべきであろう。投票所で、比例代表制の政党を選ぶことになるが、有権者の中には選択に困惑することがあるようだ。当選後離党した場合の取り扱いなども不明朗である。
 通信交通費(1議員年間1200万円)と立法事務費(年間780万円)、都道府県議員等レベルでの政務調査・活動費(年間720万円)についても、高額である上、活動しても活動していなくても、各議員に一律給付されるのは適性を欠く。特に国レベルでも地方レベルでも、与党となれば行政当局から可成り手厚く情報や資料、説明を受けられるので、それほど駆け回らなくても情報等は入手できる。国会議員についてはJRがフリーパスである。大臣となれば、公用車その他手厚く処遇されている。選挙期間中なら兎も角、会期中を始めとして、通常の年には中々使い切れない場合もあろう。要するに、多額に給付されているから無駄が出来る、というより年度内に使わなくては返納となるので、何が何でも使うことが常態化している。
従って、交通・通信費、立法事務費、政務調査・活動費など、名称を問わず全ての政治資金を平均50%削減することを検討すべきではなかろうか。個々の議員からいろいろな理屈が述べられるであろうが、国民の税金であるので削減すべきであろう。
都議会も、代表質問、一般質問を通じ、ほぼ論点は尽き、質問も‘せこく’なって来ており、更にこの件で時間を浪費する必要はあるのだろうか。それよりも、政務調査・活動費のあり方や緊要な課題を議論して欲しいものだ。
3、活動を委縮させる議論や不謹慎狩り的議論も有益ではない
都知事に就任してからの問題としては、1回5,000万円以上、‘年間の海外出張経費3億5000万円’にも及ぶ海外出張、湯河原の個人別荘への年間48回にも及ぶ公用車利用や頻繁な美術館・博物館の訪問などが指摘されている。
確かに度を越している面がある。しかし批判についても、活動を委縮させ、或いは不謹慎狩り的な過度な批判がありはしないだろうか。
同知事の海外出張については、20名以上の職員等を引き連れてた大名旅行であり、公費の無駄使い等として批判されても仕方がない。しかし都知事がファーストクラスを使用することについては、多くの企業、団体の代表クラスや多くの芸能人などもファーストクラスを使用しているので、例えば4時間以上の長距離については認めて良いであろう。また首相クラスの豪華なスイートルームは論外であるが、知事として来訪者や事務方との打ち合わせなどがあるので、ビジネスタイプのスイートルームは認めて良いのであろう。知事の活動を委縮させるような批判も適切ではない。
美術館や博物館巡り等も、少し多すぎる感はあるが、とかく政治で軽視される分野であり、政治家が視野や情操を広め、文化促進に資するのであれば、夜の料亭巡り等よりは奨励して良いのであろう。
湯河原の別荘で週末を過ごすことについては、公用車の使用は不適切ではあるが、都知事が4、6時中都内にいなくてはならないことはないし、休暇、休養を取ることは理解できるところだ。そのためもあり、副知事もいる。最近、‘不謹慎狩り’や過度な批判が横行しているようだが、神経過敏な魔女狩り的な批評、批判も過度に活動を委縮させだけで、好ましくないのではないだろうか。
また舛添都知事の記者会見において、記者より‘都知事にどう言ったら、辞任して頂けるのですか’との質問がなされていたが、好き嫌いはどうあれ、一記者としての質問としては思い上がった、行き過ぎた質問であり、新聞協会等然るべき組織が注意喚起するなり、質問におけるガイドラインなどを作り周知するべきではないだろうか。都知事は都民が選んだのであり、その在任の適否などは有権者が判断すべきことであるので、記者がその判断を公開の記者会見の場で行うことは世論誘導ともなる上、傲慢との印象を与える。取材においても一定のルールは必要なのだろう。
 いずれにしても、このような贅沢や無駄が可能となるのは、予算が各所に贅肉のごとくダブダブと付いているからに他ならない。民主党政権下で、‘事業仕分け’が行われ、無駄を省く努力がなされたが、急ぎ過ぎたことと既得権益保グループや官僚からの批判、これを支持する保守系紙などから批判され、失速した経緯がある。しかし地方、中央を問わず、行政の無駄の排除、節減努力は現在でも必要ということであろう。東京都は、地方自治体で独り勝ちの状態であるので、豪華な都庁舎や低廉、至便で立派な職員宿舎が象徴しているように、予算は潤沢(年間予算役13兆円、職員16万人)であるので、知事の‘せこい’公私混同問題を繰り返し議論するよりは、東京都の行政の無駄、贅沢や多数の基金、割高な地方税などについて時間を割いて議論して欲しいものだ。(2016.6、15.改訂)(All Rights Reserved.)
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