プチコミ情報局

生活に直結した新鮮で興味ある情報を発信します。
皆様からも面白く参考になる情報(正しい情報)をお寄せ下さい。

世界の公的債務激増、世界経済への暗雲

2022-05-24 | Weblog
シリーズ本音トークー世界の公的債務激増、世界経済への暗雲
 世界通貨基金(IMF)の報告書によると、2020年の先進工業諸国(日米欧など27か国)の国民総生産(GDP)に対する政府の債務残高の比率が、前年よりも23.5ポイント上昇し、128.2%になるとしている。第2次世界大戦直後の1946年に記録した124.1%を上回る。
 同報告書によると、世界各国の武漢発コロナウイルス禍に対応する経済対策の総額は、少なくとも11兆ドル(約1,170兆円)に達する。財政出動(減税を含む)の対GDP比率では、米国が12.3%、次いで日本(11.3%)、ドイツ(9.4%)、豪州(8.8%)、ブラジル(6.5%)、英国(6.2%)の順となっている。
武漢型コロナウイルス禍は安全なワクチンや効果的な治療薬が実用化されるまでは継続すると見られ、米国初め多くの国が追加的経済対策を検討、実施する可能性が高いので、各国の公的債務残高は更に積み上がる可能性が高い。IMFは一方で未だ危機を脱したわけではなく財政措置は必要とし、感染拡大の収束が見通せるまでは景気下支え策が不可欠としているが、際限なく公的債務残高を増やすことは世界経済にとり危険であり、難しい舵取りが必要になっている。
 1、際限ない公的債務の積み上げは国民への負担への転嫁となり懸念大
 問題は、こうした政府支出が税収から賄われている限り問題はないが、国・
公債などによる政府の借金により捻出される場合が問題となる。
 日本の場合、公的債務総額は既に1,114兆円を超え、国民総生産の2.4年分を超える膨大な借金を抱えている。更に2020年度予算では、コロナ禍対策で2度の補正予算を組み、それだけで約25兆円規模の国債を発行し、本予算を含め何と約180兆円にも及ぶ戦後最大の国債を発行し、世界の借金大国の座を不動のものとしている。
 世論調査では、財界や自・公与党支持層を中心として、これまでの経済政策の継続を希望する向きが強いようだが、それは国民総生産の2年半分を超える政府の借金で賄われており、目先の支持は得られるだろうが、いずれ国民が税や高インフレなどにより負担を強いられるもことになる。国民はそれを十分認識する必要があろう。
 2010年1月にギリシャで従来よりの放漫財政が表面化し、債務残高も国内総生産の113%に達していることが明るみに出るなど、経済危機に陥り、EUから緊縮財政が求められた。結局、一番困るのは国民だ。武漢発のコロナの感染拡大後、既にレバノンやアルゼンチンが債務不履行に陥るなど、世界各国で財政危機に陥り始めている。財政の規律、財政の健全化に留意する必要がある。

 2、IMFが語っていない膨大な信用増発による世界インフレの危険
 更に、IMFの報告書に今回書かれていないことがある。それは中央銀行等による信用の増発だ。アベノミクスでは、中央銀行による「異次元の金融緩和」が行われ、下がり始めていた円安が更に円安となり、輸出やインバウンドの外国人観光客などで関連産業が潤い、株価も上昇し、一定の経済効果があったと言えよう。金融緩和は2008年のリーマンショック後、継続して取られてきた政策で、アベノミクスで金融が更に緩和され、7年8ヶ月に亘り一本調子で金融緩和が維持されてきた。金利もマイナス金利となったままだ。更に1月以来のコロナ禍対策の一環で金融緩和が一層強化され、もはやタガが外れ、無制限に膨大な信用供給が行われている。株価はコロナ禍以前の水準を取り戻し、一部の機関投資家や株屋、大株主などにだぶだぶと金が溜まっている。他方、実体経済は年率マイナス30%前後が予想され、財政支出と金融緩和の恩恵を受けている企業を除き、ほとんどの企業が大幅な赤字予想となっている。航空、観光、外食産業などは減収にあえいでいる。信用が増発されても金の行き場がないので株やゴールド、骨董などに流れるのも分からないではない。
そんなことが長続きする訳もないし、一部の機関投資家や株屋、大株主などにだぶだぶと金がため込まれているのも問題視されそうだ。またハイパーインフレの危険性もあり、銀行預金を含む金融資産は紙くず同然になる恐れがある。国債なども紙くず同然になろう。

 3、財政規律、金融規律の回復が不可欠
 本来であれば、安倍自・公連立政権の間に財政・金融規律を回復し、財政の健全化と金融の正常化が図られるべきであったのであろう。自・公連立政権は国会で圧倒的な多数を保ち、権力を維持してきたので、それが出来たはずだ。一般家庭でも、将来の困難に備え、貯蓄をし、節約をする。それを行っていた人はコロナ禍もなんとかしのげる。国家レベルでは全国民の生活のためであるので、財政・金融規律を回復し、財政の健全化と金融の正常化は不可欠であったのだろう。
 もっとも、国民が選んだ政権が行った政策とも言えるのだが、果たして国民に政策の意図や副作用の危険性、国民に戻ってくる負担などについて公正に伝えられていたか疑問である。
 最近のマスコミの報道や論評などはどうも政権への忖度が強く、企業利益優先で短絡的で無気力に響き、マスコミ力が低下しているように映る。知識人と言われる国・公立の教授等も所詮教職に従事する公務員であるので自然に政府寄りであり、また専門家やコメンテーターなども仕事優先で世論迎合型になるのも仕方が無いのかもしれない。情報番組にお笑い系のコメンテーターが多くなっているが、視聴率稼ぎでしかないのであろう。だが1局や2局であればまだしも、NHKを含むほとんど全局でお笑い系が登場しているので、笑えない。民間研究機関に至っては、ほとんど全てが企業利益優先で、公正な研究機関としての役割を果たしているとは思えない。従って、多くの国民は一定方向の情報や分析、政策の選択肢しか見聞きすることはない状態になっているのではないか。
 それぞれの報道機関が特定政権や政党を支持、擁護する形で報道することは企業体である以上仕方ないことであるが、論調を国民に押しつけるのではなく、対立する意見や選択肢を提示して、国民に選ばせる姿勢が欲しいものだ。それがマスコミ力というものであろう。マスコミ力の低下は、民主主義の発展を妨げる。(2020.9.10.)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

マイナス金利はアベノミクス失敗の証し!ー再掲

2022-05-24 | Weblog
シリーズ平成の本音―マイナス金利はアベノミクス失敗の証し!ー再掲
 <はじめに>米欧諸国は、コロナウイルス対策のための大幅な金融緩和策の副作用に加え、最近の石油の高騰から、急速なインフレが懸念されることから、段階的な金利の引き上げを含む金融の引き締めに転じている。日本については、これらに加え大幅な円安から輸入物価の上昇が懸念されて中で、日銀総裁は「良い円安」や「良いインフレ」があるなどとして、2013年から長期に実施されている「異次元の」金融緩和策を継続するとしている。家計所得が安倍政権時代に低下している中で「良い円安」や「良いインフレ」などがあるのだろうか。(2022年3月27日補足)

 2016年2月16日、日銀はマイナス金利を導入した。マイナス金利については、政府も住宅ローンの金利低下などによる効果に期待を表明しており、短期的には一定の刺激策になる。しかし他方で、低迷している銀行・金融業を更に圧迫すると共に、国民は預金金利のゼロ化に加え、手数料と物価上昇を加味すると実質マイナス金利が拡大し、負担が増える上行き場を失った金は停滞する経済には還流せず、たんす預金や海外逃避として市場から消える可能性が更に強まるなど、中長期的にはマイナス効果が大きくなろう。住宅ローンの金利低下についても、借り換え需要は増えても、建設費・新規物件が高騰しているなかでの大口支出となるので効果はそれ程期待出来なさそうだ。
 しかしマイナス金利政策の最大の問題は、通貨供給の大幅緩和、2%のインフレ目標によるデフレからの脱却、賃金・物価の好循環というアベノミクスの失敗を意味することだ。賃金・物価の好循環が実現すれば、需要は上がり、景気回復と共に預金金利も上昇して行かなくてはならない。2013年1月から異次元の金融緩和、円安誘導が実施され3年強、輸出産業を中心とする景気の回復、賃金・物価の好循環が期待されると言われて来たが、マイナス金利政策は、自・公連立政権が自らアベノミクスではこのようなシナリオを実現出来なかったことを宣言しているに等しい。
アベノミクスでは、異次元の金融緩和による円安と放漫な財政支出いう2つの矢は放たれたが、第3の矢として期待された規制緩和などの成長戦略については見るべき成果は無かった。2015年9月の改造内閣で表明された‘GDP600兆円達成’などの‘新3本の矢’も‘矢’では無く、目標としての‘的’でしかないと言われている。その上、一億総活躍社会を目指すとして補正予算で低所得老齢者に3万円給付(総額3,500億円内外、補正予算の約1割)を打ち出す一方、多数の待機児童問題を放置し、働く女性の活躍の機会を奪うなど、的を得ていない選挙目当ての政策に終始している。政権側は、中国など世界経済環境の厳しさを上げているが、アベノミクスとはその程度のものだったと言いたいのだろうか。
更に、自・公連立政権によって法律で定められた2017年4月からの10%への消費税再増税について延期が検討されている。もし消費税再増税が延期されるようなことになれば、自・公連立政権の読みの甘さ以上に、アベノミクスの失敗を自らが認めることを意味する。
個人消費の低迷は、8%への消費税のためではない。3%の増税分は、3~5%内外のポイント還元や割引で相殺されており基本的な影響は少ない。国民の消費節約はもっと根深く、インフレ容認による生活用品の実質的便乗的な値上げと年金の目減り、消費増税・復興税・マイナス金利などの負担増を含む家計所得の実質減、将来不安であろう。政府のインフレ容認により飲食料他の生活用品などは、価格が軒並み2~3割内外高騰しており、消費増税率を遥かに上回る。価格が据え置かれているように見える商品も、ボトルやサイズが縮小し、実質的な値上げをしている。好例はバターで、2014年10、11月頃より高騰している上、棚から商品が消えている。酪農など農業失政の一例と言えよう。
(2016.4.9.)(All Rights Reserved.)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

日銀の金融緩和策、底が抜けた危険な運営!(再掲)

2022-05-24 | Weblog
 日銀の金融緩和策、底が抜けた危険な運営!(再掲)
<はじめに>日銀は、2013年1月からの「異次元の金融緩和」を実施しているが、安倍政権が管、岸田政権に変わっても終って、9年間に亘り大盤振る舞いの金融緩和を継続している。欧米各国は、コロナ禍により後退している経済社会活動の浮揚を図っており、消費が戻り始めている一方、人手不足等により供給不足により一部物資が値上がりしている上、石油価格が上昇しており、インフレ圧力が高まっているので、緩やかな金利引き上げを含む金融引き締めに転換している。
日本においても、石油価格の上昇や円安による輸入物資の値上がり、電気料金の引き上げ等により、家計所得が減少している中で1.1%の物価上昇を招いている。日銀は、この状況を「良い円安」、「良い物価上昇」などとしているが、膨大な信用を長期に供給しているにも拘わらず、家計所得は増加していない。日銀は産業優先であり、家計や消費者は重視していないのであろうが、9年間もの長期に亘り一本調子で金融緩和を継続し、所得が上昇しない中での2%のインフレターゲットは、更に家計を圧迫し、消費節約により家計を守るしかない状況を理解していないのであろうか。2%のインフレターゲットは、家計を圧迫するばかりであり、もはや賞味期限切れと言えよう。(2022.1.19.補足)

 日本銀行は、2020年6月16日、金融政策決定会合において、「大規模な金融緩和政策の維持」を決定した。日銀は、安倍自・公政権において、2013年1月以来大幅な金融緩和策を継続してきたが、新型コロナウイルス対応として3―5月に一層の緩和策を導入し、更に企業への資金繰り支援として総枠を75兆円から110兆円に大幅に引き上げた。
 資金供給の主要なものは、市中(銀行や信託投資会社等)からの「株価指数連動型上場投資信託(ETF)」の買い入れであるが、既に2013年から大規模な買い入れを実施し、市中に資金を放出してきており、それが株価や信託投資証券の価格を押し上げて来た。流動性過多、金余りの中で、資金供給の総枠110兆円に引き上げた。それがコロナ大不況の中で、意味の分からない株高に繋がっている。
 日銀は、金利もマイナス金利としており、大幅な量的緩和も7年間続け、実体経済の伴わない金余りの中での大幅緩和であり、金利面でも量的にも節度を失い、底が抜けた金融緩和政策といえよう。
 日本経済は、世界経済の大幅低迷の中で、大幅な後退が予想されており、その中で実体経済に裏打ちされない形で株価と信託証券などの価格が人為的につり上げられている形であり、危険な状態となっている。何かのきっかけで、大幅に下落する恐れがある。個人投資家としては非常に危険な状態にあることを認識する必要がありそうだ。
 日銀総裁は、「投資家のリスクテイクの動きが弱い」などとコメントしているようであるが、実物経済を理解していないか、その知識はあるが善意の投資家の損失など気にも掛けていない発言としか考えられない。まともな経済人であれば、大損が予想される中で投資はしない。(2020.6.18.、2022.1.19.冒頭補足)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

江戸城最古の石垣発掘、内外の人々に公開すべし

2022-05-21 | Weblog
江戸城最古の石垣発掘、内外の人々に公開すべし
 江戸城趾の1 部である東御苑に開設されている三の丸尚蔵館が2019年から拡張工事を行っているところ、2020年11月に「現存する最古とみられる江戸城の石垣」が発掘された。石垣は、同館の建て替え工事実施に伴い、江戸城趾が所在する東京都千代田区が必要な発掘調査を行ったところ発見されたもので、2021年4月13日なって公表された。
 石垣は、地下約7メートルから7段程度積まれており、高さ約4メートル、幅約16メートルのもので、江戸時代初期の1610~1620年ごろに築かれた堀の石垣と推定とすいていされている。石組みは粗く石と石の間に河原石がそのまま使われているなど、荒い作りとなっている。
 千代田区は、関係当局とも協議の上、積み方が弱く、くずれる危険性もあることなどから埋め戻すこととしている。
 1、折角の貴重な歴史的遺跡、展示する方法を検討すべし
 東御苑尚蔵館は、皇室が国に寄贈した美術品などを展示するために1992年(平成4年)9月に建設されたもので、石垣はその拡張工事に伴い発見された。ここは、現在東御苑とよばれているが、江戸城趾の中心部の1角の「3の丸」があった付近である。東御苑のある一帯には、嘗て江戸城の天守閣があり、将軍の居所であり、接見等の場所である本丸のほか、大奥や二の丸、三の丸があったところである。本丸は江戸初期に火災で焼失し、それとは別の二の丸のあった場所に建設され、その後拡張と焼失を繰り返しながら区画を移動した。従って、東御苑として公開されている区画は、江戸城の中心部に当たり、焼失毎に埋め立て、別の区画を拡張するなどを繰り返しているので、地下に貴重な遺跡が残っている可能性が高い。
 宮内庁は、尚蔵館が手狭になったことから新館の建設を提案したが、文化庁(宮田亮平文化庁長官当時)が反対し、立て替え拡張されることになった。幸いなことに、工事前に遺跡の有無の調査が行われ、江戸城最古とみられる石垣が発見されたものだ。
 今回発掘された石垣は、江戸初期のもので当時の情景を残す数少ない遺跡であり、その後の城内の変化発展している様子を見て取ることができるので、適切な防護、安全措置を執り、公開されるべきであろう。折角の貴重な遺跡を埋め戻してしまえば、国民の目に触れることなく、歴史を埋めることになるので適切でない。
 逆に、江戸城にはなじみのない現代の建物である尚蔵館の拡張工事のために、江戸城の最古の石垣を埋め戻すというチグハグさ、歴史的遺跡への過小評価に違和感をおぼえる。
 2、江戸城趾東御苑などの再発掘の良い機会
 今回尚蔵館の拡張工事に際し、発掘調査が行われ、‘たまたま’石垣が見つかったことは幸いであったと言えよう。ということは、少なくても江戸城三の丸周辺では十分な発掘調査が行われていなかったことを物語っている。
 三の丸のある東御苑には、江戸城天守閣をはじめ、本丸や大奥、二の丸、三の丸など、1603年から1868年までの江戸幕府の中枢部分があった歴史的にも文化的にも非常に興味ある遺構である。現在は、天守閣の石垣や二の丸庭園の一部があるのみで、三の丸の尚蔵館など新たに建てられた建物を除き、更地の庭園となっている。公開はされているが、江戸城の面影は天守閣の石垣や二の丸庭園を除き何もない。265年続いた歴代将軍の生活の痕跡がない。江戸城は、内戦を避け英仏列強の介入を避けるため歴史的な無血開城が行われ、第2次世界大戦での米国による直接の爆撃が避けられ、大手門を失っただけであるので、明治維新には、お堀周辺の石垣や門などだけでなく、東御苑となった場所にも歴史的な建物が存在したはずである。
 本丸や大奥、二の丸、三の丸などの建物は、江戸初期から何回も火事に遭い、本丸、二の丸、三の丸へと移動しながら再建、拡張を繰り返し、使われてきたものである。従って、地上にあった建物等が倒壊されたとしても、地下には江戸時代に焼けた建物の一部や土台、礎石、及び生活用具類等の一部がが残っている可能性がある。
 今回、三の丸尚蔵館拡張工事のため、周辺の発掘調査が行われ、予期していなかった江戸城最古の石垣が「たまたま」発見されたことは、これまで三の丸を含め東御苑等の発掘が十分に行われていなかったことを示している。
 江戸城が無血開城された後、明治維新となり明治政府が江戸城の一部を残しで倒壊したが、担当太政官と写真師内田九一が江戸城内を写真撮影し、また内田九一は自らも当時の映像を残している。その写真師内田丸一については、「内田九一の江戸城新発見写真」 展覧会が2020年3月上旬にお茶の水シェイクスピア・ギャラリーで開催されたようだが、コロナウイルス騒ぎの真っ最中であったこともあり、一部の通信社が伝えているのみで余り話題にならなかったようだ。内田丸一は宮内省御用掛の写真師となったが、32歳の若さで亡くなったこともあり、江戸城の写真はほとんど世に出ることはなかった。
 江戸265年の歴史は、庶民文化や商業主義や家内工業的な匠の技術を含む経済・社会が急速に発展し、地方と江戸との各種の交流等を促進させ、良きにつけ悪しきにつけ、多くの分野で今日の日本、そして将来の日本のルーツの1つになっている。因みに、各藩の藩主に江戸詰めを求めた参勤交代は、謀反を起こさせないための制度とか各藩を疲弊させるためのものとかと批判されることが多いが、その面だけで無く、地方と江戸との交流促進や交通通信制度の基礎となった面がある。歴史研究においても江戸城趾の発掘が進めば、多くのことを学ぶことが出来、また内外の人たちの観光資源となることが期待される。
 3、両国の片隅に立つ「江戸博物館」
 両国にある国技館の裏手に「江戸博物館」がある。展示物等に目を見張る物は少なく、下町の庶民生活の様子は暗く狭苦しい。人影もまばらなことが多い。
 江戸城趾の広大な敷地の中に江戸を伝える博物館や展示場は1つもない。江戸の歴史が消されているような印象を受ける。明治以降の治世は第2次世界大戦後、現行憲法の制定をもって終わっている。もはや江戸の歴史を埋める必要はないのではないだろうか。江戸城趾は全国民の、そして恐らく世界の多くの観光客を引きつける歴史的遺跡となろう。(2021.5.14.)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

韓米軍事同盟に日本は参加すべきではないー再掲

2022-05-21 | Weblog
 韓米軍事同盟に日本は参加すべきではないー再掲
 韓国の康京和(カン ギョンファ)外交部長官は2017年10月30日、議会での外交関係の国政監査において、対北朝鮮防衛強化のため配備された米国の迎撃ミサイルTHAADを巡り悪化している中国との関係について、中韓首脳会談開催への期待を表明しつつ、次の3つの立場を明らかにした。
・THAADの追加配備は行わない。
・米国のミサイル防衛(MD)システムに参加しない。
・韓日米安保協力は軍事同盟に発展しない。
 これはTHAADの配備を巡り悪化している中韓関係の‘復元’、正常化を狙った発言と見られており、‘三不’政策とも言われている。
 これに対し中国外務省は、同日午後に報道官が康長官の発言に関連して、「韓国側のこうした3つの立場を重視する」とし、韓国側がこれを実際に行動に移すことを願う旨述べた。しかし中国側が、韓国外交部長官の発言を‘約束’との表現を用いたため、韓国内でも議論となっている。
 中国側は、韓国におけるTHAAD配備と共に、米韓日の軍事同盟化を強く警戒していると見られ、中国が10月の全人代で習体制を固めて以降、日本との関係を改善する姿勢になっているのはこれを阻止するためとも思われる。
 韓国が、米韓日の軍事同盟を望んでいなければそれに参加する必要はない。日本側がそのような意向を表明したこともない。もっとも軍事同盟については、一方の同盟国への北朝鮮を含む第三国からの攻撃は日本への攻撃とみなされ、参戦しなくてはならなくなるので、日本の現行憲法ではそのような軍事同盟に参加することは困難であろう。従って韓国側から言われるまでもない。
 そもそも朝鮮戦争は1953年の休戦協定により軍事対決こそ回避されているが、米韓両国と北朝鮮は現在でも敵対関係にあり、北の核、ミサイル開発は基本的に米韓への対抗措置として進められているものである。日本は、朝鮮戦争の当事国でもない。また第二次世界大戦後、北朝鮮とは平和条約を締結していないが、2002年9月に小泉首相(当時)と金正日総書記(当時)とで調印された日朝ピョンヤン宣言において、拉致家族問題の他、日朝国交正常化交渉の開始などが盛り込まれており、この宣言は自・公連立政権において破棄はされていない。
従って政策論としても、朝鮮半島有事の場合には米軍への必要な後方支援は行うことになろうが、日本及び日本国民の安全のためにも、米韓との軍事同盟に参加しないことが賢明な選択肢と言えよう。
(2017.11.23.)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

戦争発言はタブーか?!(再掲)

2022-05-21 | Weblog
シリーズ本音トークー戦争発言はタブーか?!(再掲)
 <はじめに> ロシアのプーチン大統領がウクライナのNATO加盟の動きに危機感を強め、2022年2月24日、武力侵攻し、また米欧諸国がウクライナ支援のため、派兵は行わないとする一方、軍事物資等の提供や厳しい経済制裁を課した。特に国際決済通信システム(SWIFT)からロシアを除外する措置は、バイデン大統領が「国際金融における核抑止力」とも述べた程の強力な制裁措置を実施した。これらの厳しい対ロ措置を背景としてプーチン大統領は、「抑止力の特別態勢」の準備を指示するなど緊張感は更に高まった。
 このような東欧での緊張を受けて、安倍元首相は同派の会合(2022年3月3日)で「核シェアリング」を検討するよう示唆した。岸田首相は「非核三原則」堅持の姿勢から米国との「核シェアリング」検討しないとしているが、自民党の右派議員や維新の会の一部議員などは議論はすべきとしている。
 今や戦争論を飛び越えて、核兵器シェアリングにまで議論が飛躍している。どうなのであろう。(2022年2月4日追補))

 2019年5月上旬、北方4島の一つ国後島へのビザなし交流の訪問団に参加していた丸山穂高衆議院議員(当時日本維新の会)が、団長への同行記者インタビューに割って入り、酒を飲んだ状態で団長に向かって『戦争でこの島を取り返すことは賛成ですか?反対ですか?』、『戦争しないとどうしようもなくないですか?』などと発言したことが物議を巻き起こしている。ほとんどのテレビや新聞各紙などの論調も、コメンテーターと称する知識人タレントを含め、国会議員として不適切などとして批判の渦だ。このようなマスコミ、世論の批判を背景として、所属していた日本維新の会は同議員を除名処分とし、野党6党派は議員辞職勧告決議案、与党は問責決議案を出し、また根室市議会も辞任要求決議を採択した。
 これを受け与・野党が協議の上、「糾弾決議」として一本化して6月6日の衆議院本会議において全会一致で採択された。
 同議員は、議員辞職を拒否すると共に、体調不良により2か月間の療養診断書を提出し、議運への出席も拒否していたが、決議の採択を受けて改めて議員辞職を否定している。なお、小泉進次郎議員は、議員の進退については有権者が判断すべきであるとして採択には欠席した。勇気ある見識だ。
 丸山議員の発言は、ビザなし交流の趣旨に反するばかりか、議員でありながら酒を飲んで公の場に出て、発言を求められてもいないのに他人のインタビュー割って入るなど、団員、公人としてTPOをわきまえない不適切な言動で、更に宿舎内で酒の上とは言え、大声を出したり、夜中に遊びに出たいなど、品位を疑う言動が伝えられており、事実とすれば人として論外だ。糾弾決議の理由の大半はこうした同議員の言動や品位に向けられており、戦争発言には2行ほどしか触れていない。戦争発言が、憲法9条との関係を含め、何故議員辞職勧告に相当するのかなど、理由が記されておらず、戦争発言をぼやかし、いわば‘別件’での糾弾決議のようだ。
 しかし、そもそも北方領土問題を含む平和交渉で「戦争」を持ち出しているのはロシア側に他ならない。
 1、『北方領土は戦争で取得した』と主張しているのはロシア側
 プーチン大統領は、数年前より『北方領土は戦争で取得した』ロシアの領土としている。だからこそ4島問題を解決して平和条約を締結しようとしているのではないのか。ロシア側は、平和条約の意味を分かっていないのだろうか。ロシア側が北方4島は『戦争で取得した領土』に固執する限り平和条約はあり得ない。
 日本とすれば、『戦争で奪取された領土』を回復、防護する権利がある。その平和的手段が外交交渉による平和条約の締結だ。それが困難となれば、論理上は‘領土を回復、防護’するためのあらゆる選択肢‘を検討しなくてはならない。
 北方4島にはソ連に追い出された多くの日本の地権者がおり、島には墓石がある。一方ロシア人もたくさん生活している。日本側は、早く北方領土返還後のロシア人の移住支援や住宅支援の概要を提示し、在住ロシア人の不安を払拭すべきだ。
 なお、丸山議員の戦争発言について、日本維新の会が在京ロシア大使館に「謝罪」に行ったと伝えられている。それでは維新の会は何故ロシア側の『戦争で奪取』を抗議しないのか。またこのビザなし交流には、国会議員枠が5つあるようだが、5月には2人しか参加していないようだ。自・公政権は、領土問題を解決して平和条約締結を進める、日・ロ首脳会談は20回以上としているが、本気で解決したいのならば何故もっと多くの議員が参加し、返還への熱意が示されても良さそうだ。また同議員の発言を批判する側も、それではどのような方法で北方領土問題を解決できるのか、具体的な選択肢を示すべきであろう。

 2、戦争という言葉をタブーとしてはならない
 今回の戦争発言がこれほど広く批判されたことは注目に値する。日本は、憲法9条で防衛を除き、戦争が放棄されているところであり、右翼グループ、保守派知識人やタカ派議員などは別として、これがマスコミや日本国民に広く浸透していることを示していると言えるであろう。もっとも批判は、場をわきまえず、酒を飲んだ状態での公人への発言に向けられているのかも知れないが、「戦争」という言葉をタブーとしたり、死語としてはならない。
 世界各地には、内戦を含め戦争が各地で行われているのが現実であり、その世界の現実に目をつぶり、或いは建前論の平和意識に浸っていれば、独りよがりの平和論になってしまう。無論、与党や日本維新の会などのタカ派議員や右翼グループ、保守派知識人は、戦争を意識し、軍備増強や憲法改正、或いは日・米軍事同盟の強化を日常的に意識しているであろう。
 しかし戦争をタブーとしてしまうと、これらの勢力だけでなく、テレビ、新聞等のマスコミでの戦争への言及は極度に抑止され、建前論に終始し、戦争議論を伏せる恐れがある。現在でも差別用語は禁止され、どこでも見聞きする、或いは批判の少ない‘常識的’な、いわば金太郎飴的な議論や解説に終始する傾向も見られ、マスコミの質の低下とも見られるが、「戦争」テーマについても表面的には常識的な建前論に終始し、本音が隠される不健全な社会となる恐れがある。
 丸山議員は戦後世代で戦争に関する体験や知識もないが、同世代、特に高度成長期以降の世代では体験はもとより、戦争の悲惨さについての知識もないので、ともすると戦争に対する忌避意識は相対的には小さいと見られる。歴史教育の場でも、明治維新や明治時代の近代化などは教科書にも掲載されているが、戦前、戦中を含め近代史の記述は少ない上、3学期は入学試験などで近代史を教える時間にも制約があり、また多くの場合試験にはほとんど出ないので関心も低くなりがちのようだ。従って丸山議員の戦争発言については、現実論としてはまずあり得ないことであるが、若い世代の人達の間で本音ベースでは、同議員の発言に何らかの共感を覚えてえている面もあろう。
 第2次世界大戦は、旧帝国憲法の下で昭和天皇が軍事大権を持ち、軍人出身の東条内閣の下で進められたが、将兵約200万、民間人100万人以上の日本人が死亡している。唯一の本土決戦となった沖縄、集中爆撃を受けた東京、そして原爆被害を受けた広島、長崎の4地点では、10万人から20万人ほどの一般民間人が死亡している。言論統制が無くなった戦後直後から1960年代半ばくらいまでは、悲惨な戦争・戦闘や軍隊内での新参兵士へのいじめをテーマとする映画、演劇、TVドラマなどが多く見られたようだが、今日では海外での地域紛争の報道以外余りないので、若い世代は戦争に対する忌避感は少ない。逆に、攻撃されれば反撃するという意識が強くなっているように見える。
 それはそれとして頼もしくもあるが、第2次世界大戦がもたらした惨禍やその責任の所在を含め、バランスある認識が持たれることが望ましい。
現在「空母いぶき」が上映されている。漫画をベースとした未来フィクションで、第3国が太平洋上の日本の島を占拠し、これに対応する「空母いぶき」の艦隊も攻撃され、被害が出たことから「防衛発動」が出され、「戦争」に発展する恐れがあったが、外交努力により戦争を回避するというストーリだ。洋上の戦闘場面が多くドラマとしての厚みに欠ける面があるものの、「戦争」をテーマとしたタイムリーな映画と言えよう。中学生や女性などの入場者も多く、防衛活動の現実的な必要性と「戦争」を回避したいという気持ちの葛藤と厳しさを見る一つの機会を提供している。

 3、ダメ議員を選ぶのも落とすのも原則有権者の責任
 衆議院議員については、有権者が4年の任期で国政を付託しているもので、犯罪行為や重大な法令違反でもない限り、任期満了か退場させるのは有権者の責任であろう。それにより、有権者は責任を自覚し、より注意深く議員を選ぶようになると期待される。
 丸山議員としては、決議をどう判断するかは別として、酒の上で場にふさわしくない言動を行ったことを深く反省する一方、信念があるのであれば、国会議員として戦争発言の真意を正々堂々と国会と国民に説明すべきであろう。その将来については、有権者が判断すべきことだ。
 衆議院議員の任期については、国民から4年間付託されており、本来であれば任期に近い期間責任を果たすべきであろう。衆議院には解散があり、『解散は首相の専権事項』と言われているが、議員の任期を短縮する結果となるので、国家の将来を左右するような余程重要な政策課題がない限り、みだりに解散権を行使すべきではない。それは議員の任期を縮め有権者の選択を毀損することになるので、職権乱用となる恐れがある。
 現自・公政権は、7月の参院選挙に合わせ衆院の解散風を吹かせているが、国会での議論は低調で、国論を分けるような具体的な重大案件もない。現政権は2012年12月の総選挙から7年間で既に3回の解散、総選挙を重ねている上、いずれについても国民にとって何のための選挙であったか分からない‘争点無き解散’に近い。それにより有権者が選んだ議員の任期を半分くらいに縮め、選挙期間中政治的空白を作った上、1回の総選挙で650億から800億円もの費用を掛けており、職権乱用と言われても仕方ない状況だ。更に本年7月に解散総選挙となると、2017年10月22日に選挙をしたばかりであるのに、重大な争点もなく解散総選挙となるので、職権乱用と言えそうだ。
 マスコミやコメンテーターなど知識人タレントは、ほぼ無条件で『解散は首相の専権事項』などとしているが、それ相応の重大な理由がなければ任期を大幅に残しての解散・総選挙は職権乱用として批判が出ても不思議はない。いわゆる知識人タレント等を含めたマスコミ力の低下、各種の民間研究所などの発想力、発信力の低下が著しい。各分野での商業化が進んだからであろうが、民主主義の健全な発展だけでなく、日本の健全で想像力に富む社会発展にとって憂慮される。(2019.6.7.)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

‘皇居’を京都御所に戻すべきこれだけの理由!! (再掲)

2022-05-21 | Weblog
‘皇居’を京都御所に戻すべきこれだけの理由!! (再掲)
 2019年4月30日に平成天皇が退位、5月1日の新天皇が即位され、同年10月22日に新天皇の即位を内外に表明する「即位の礼」が実施される。
 新天皇のご即位をお祝いする。しかし戦後の新憲法の下でのあり方には違和感もある。即位の礼についても、詳細は明らかにされていないが、式典に使用される「高御座(たかみくら)」が保管されている京都御所で解体させたうえ東京に輸送された。それだけに掛かる費用が、総重量8トンの解体・輸送経費などで9億円と言われているが、平成天皇同様、新天皇の即位の礼が東京で行われ、江戸城址内にある‘皇居’に住まわれ続けるのであろうか。
 即位の礼は、伝統に基づき、明治天皇はもとより、大正天皇、昭和天皇も京都御所で行われている。天皇は、明治維新後、江戸幕府が無血開城した江戸城内に‘皇居’を新設し、京都御所からそこに移り住まわれている。それは徳川将軍派の再起を封じ込める意味と米欧列強の介入を抑止する上で必要であったと思われる。第2次世界大戦後も、昭和天皇は江戸城址内の皇居に留まった。これは、米国を中心とする連合軍が進駐し、皇居のある江戸城跡内に連合指令本部が置かれることを防ぐためにも止むを得ない措置であったと考えられる。
 昭和天皇崩御後、平成天皇はそれを継承したが、現在は米軍の進駐はもとより考えられず、また国内情勢は歴史上最も安定していると共に、憲法上の天皇の地位は国民に広く認識されているので、もはや天皇が江戸城址内の‘皇居’に留まっている必要はなくなっているのではないだろうか。即位の礼が東京で行われたのは、平成天皇が歴史上唯一の例外となっている。
 むしろ新憲法の下の新時代においては、伝統に沿って天皇は京都御所に復帰され、江戸城址は国民に開放すべきであり、その理由は次の通りである。
 1、歴史上最も平安な現在、天皇が江戸城址に留まる必要はなくなった
 明治維新となり天皇は京都御所から江戸城内に移り住んだが、上記の通り、明治維新直後や戦後直後と異なり、今日国内情勢は歴史上最も安定していると共に、憲法上の天皇の地位は国民に広く認識されているので、もはや天皇が江戸城址内の‘皇居’に陣取っている必要はなくなっていると言えよう。「帝国憲法」が廃止され新憲法となった居る今日でも、江戸城址内に宮内庁が占拠しているのも適切でない。
 新天皇は、歴史に則って京都御所に復帰することが望ましい。天皇が国民統合の象徴であることは認識されているので、京都におられても問題はない。それ以上に関西及び西日本の人々にとっては喜ばしく、誇りにもなることであろう。無論、京都御所には必要な改修等を行った上である。
 天皇のご公務については、憲法上国事行為として10項目掲載されているが、必要な時には東京等、必要な場所に赴くことは交通事情が飛躍的に向上している今日では問題ない。また東京に滞在し、或いは一定の期日東京での公務が必要な時は、赤坂の迎賓館(赤坂離宮)を所定の改築をし、そこで執務、宿泊されればよい。現在赤坂の迎賓館は、年数回しか使用されておらず、著しい無駄になっており、その活用を真剣に考える時期であろう。日本は、少子超高齢化の本格化を迎え、税負担人口が減少する一方、国民総所得の2倍に当たる1,000兆円を超える公的債務を抱え、これが年金支給額の実質削減と並んで国民の将来不安の大きな原因になっている。国家や地方公共団地が無駄な施設や土地を抱えている余裕はなく、無駄を無くしていくことが不可欠になっている。

 2、旧帝国憲法の下での’皇居’の存在は現行憲法の下では時代錯誤
 戦後日本においては、旧帝国憲法に代わり、新憲法が制定され、主権は国民にあり、いわば大政は国民に奉還されているので、国民の偉大な歴史的、文化的遺産である江戸城跡に‘皇居’を置いておく必要性はもはやなく、江戸城址を国民に奉
 3、日本や世界にとっての偉大な歴史遺産、江戸城址は国民に開放すべき
 江戸城を中心とする江戸の人口は、幕府が発足した17世紀初頭には15万人程度と言われているが、18世紀初頭には100万人を超えたと考えられている。
人口はロンドン(1801年約 86万人)、パリ(同約 54万人)と比較しても世界一の大都市であったと推定されている。文化的にも、参勤交代により地方の文化も持ち込まれ還することが望ましい。それ以上に明治維新は過去のものとなり、天皇専制は終わり新憲法になっても江戸城址を‘皇居’により封じ込めて置くことは不適当とも言える。‘皇居’、‘皇居’と言われ、そのような先入観があるようだが、江戸城址なのである。
 そのようにすることが、日本の歴史に沿うことになると共に、東西の文化的、社会的なバランスが回復し、東西のバランスある発展が望めるのではなかろうか。
、多様性があり、また版画や日本画、歌舞伎、相撲そして魚市場など、欧州でも評価される高い文化が華を開いた。
 その中心が江戸城であり、江戸文化は東京だけの歴史、文化遺産ではなく、日本の、そして世界の文化遺産と言えるので、それを再評価し、人々に開放し、可能な範囲で復元、保存して行くことが望まれる。江戸城址は世界有数の観光資源となるであろう。またそれに関連する城外の江戸時代の遺跡を加えると更に豊かな歴史文化遺産となろう。

 4、首都圏直下地震等の大規模災害等に備え、天皇の京都御所復帰が望ましい
 首都圏直下地震等の大規模災害の発生は現実のものとなりつつあり、各種の、緊急対策が検討されているが、それでも自然災害や何らかの不測の事態が想定の範囲を超える可能性も念頭に入れて置く必要があろう。そのような首都圏緊急事態への対応の一環として、伝統に則り天皇の居所を京都御所に戻しておくことが望ましい。そのような緊急事態の際、立法、行政、司法の政府機能が打撃を受けるが、象徴たる天皇をも巻き込むことを避けるため、皇居の京都御所復帰を真剣に検討すべきであろう。天皇が京都御所に復帰される場合の対応については、上記1.の通りであり、十分対応可能であると共に、江戸城址の国民への開放や赤坂御所の有効活用などの可能性が広がり、有益であろう。
 江戸城址が開放されれば、国民の憩いの場、歴史研究の場や格好の観光スポットとして活用できる以上に、大規模災害時の都民の避難場所となると共に、緊急時総合対策センターとして活用できるように整備して置けば、都心の360度対応可能な緊急センターとして活用も出来る。
東京への一極集中を是正し、地方都市の活性化を図るため、従来型の地方への助成金などでは限界的な効果しか期待できず、もっと抜本的なシステムの転換を図らなければ達成できないことは明らかだ。戦後の歴代政権の施策では地方の活性化を実現出来なかったばかりか、逆に東京への集中を招き、地方の人口減や限界集落の増加が加速していることからも明がだ。抜本的な転換が望まれる。
(2019.5.1.改定、同7.4.補足)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

世界の公的債務激増、世界経済への暗雲

2022-05-19 | Weblog
シリーズ本音トークー世界の公的債務激増、世界経済への暗雲
 世界通貨基金(IMF)の報告書によると、2020年の先進工業諸国(日米欧など27か国)の国民総生産(GDP)に対する政府の債務残高の比率が、前年よりも23.5ポイント上昇し、128.2%になるとしている。第2次世界大戦直後の1946年に記録した124.1%を上回る。
 同報告書によると、世界各国の武漢発コロナウイルス禍に対応する経済対策の総額は、少なくとも11兆ドル(約1,170兆円)に達する。財政出動(減税を含む)の対GDP比率では、米国が12.3%、次いで日本(11.3%)、ドイツ(9.4%)、豪州(8.8%)、ブラジル(6.5%)、英国(6.2%)の順となっている。
武漢型コロナウイルス禍は安全なワクチンや効果的な治療薬が実用化されるまでは継続すると見られ、米国初め多くの国が追加的経済対策を検討、実施する可能性が高いので、各国の公的債務残高は更に積み上がる可能性が高い。IMFは一方で未だ危機を脱したわけではなく財政措置は必要とし、感染拡大の収束が見通せるまでは景気下支え策が不可欠としているが、際限なく公的債務残高を増やすことは世界経済にとり危険であり、難しい舵取りが必要になっている。
 1、際限ない公的債務の積み上げは国民への負担への転嫁となり懸念大
 問題は、こうした政府支出が税収から賄われている限り問題はないが、国・
公債などによる政府の借金により捻出される場合が問題となる。
 日本の場合、公的債務総額は既に1,114兆円を超え、国民総生産の2.4年分を超える膨大な借金を抱えている。更に2020年度予算では、コロナ禍対策で2度の補正予算を組み、それだけで約25兆円規模の国債を発行し、本予算を含め何と約180兆円にも及ぶ戦後最大の国債を発行し、世界の借金大国の座を不動のものとしている。
 世論調査では、財界や自・公与党支持層を中心として、これまでの経済政策の継続を希望する向きが強いようだが、それは国民総生産の2年半分を超える政府の借金で賄われており、目先の支持は得られるだろうが、いずれ国民が税や高インフレなどにより負担を強いられるもことになる。国民はそれを十分認識する必要があろう。
 2010年1月にギリシャで従来よりの放漫財政が表面化し、債務残高も国内総生産の113%に達していることが明るみに出るなど、経済危機に陥り、EUから緊縮財政が求められた。結局、一番困るのは国民だ。武漢発のコロナの感染拡大後、既にレバノンやアルゼンチンが債務不履行に陥るなど、世界各国で財政危機に陥り始めている。財政の規律、財政の健全化に留意する必要がある。

 2、IMFが語っていない膨大な信用増発による世界インフレの危険
 更に、IMFの報告書に今回書かれていないことがある。それは中央銀行等による信用の増発だ。アベノミクスでは、中央銀行による「異次元の金融緩和」が行われ、下がり始めていた円安が更に円安となり、輸出やインバウンドの外国人観光客などで関連産業が潤い、株価も上昇し、一定の経済効果があったと言えよう。金融緩和は2008年のリーマンショック後、継続して取られてきた政策で、アベノミクスで金融が更に緩和され、7年8ヶ月に亘り一本調子で金融緩和が維持されてきた。金利もマイナス金利となったままだ。更に1月以来のコロナ禍対策の一環で金融緩和が一層強化され、もはやタガが外れ、無制限に膨大な信用供給が行われている。株価はコロナ禍以前の水準を取り戻し、一部の機関投資家や株屋、大株主などにだぶだぶと金が溜まっている。他方、実体経済は年率マイナス30%前後が予想され、財政支出と金融緩和の恩恵を受けている企業を除き、ほとんどの企業が大幅な赤字予想となっている。航空、観光、外食産業などは減収にあえいでいる。信用が増発されても金の行き場がないので株やゴールド、骨董などに流れるのも分からないではない。
そんなことが長続きする訳もないし、一部の機関投資家や株屋、大株主などにだぶだぶと金がため込まれているのも問題視されそうだ。またハイパーインフレの危険性もあり、銀行預金を含む金融資産は紙くず同然になる恐れがある。国債なども紙くず同然になろう。

 3、財政規律、金融規律の回復が不可欠
 本来であれば、安倍自・公連立政権の間に財政・金融規律を回復し、財政の健全化と金融の正常化が図られるべきであったのであろう。自・公連立政権は国会で圧倒的な多数を保ち、権力を維持してきたので、それが出来たはずだ。一般家庭でも、将来の困難に備え、貯蓄をし、節約をする。それを行っていた人はコロナ禍もなんとかしのげる。国家レベルでは全国民の生活のためであるので、財政・金融規律を回復し、財政の健全化と金融の正常化は不可欠であったのだろう。
 もっとも、国民が選んだ政権が行った政策とも言えるのだが、果たして国民に政策の意図や副作用の危険性、国民に戻ってくる負担などについて公正に伝えられていたか疑問である。
 最近のマスコミの報道や論評などはどうも政権への忖度が強く、企業利益優先で短絡的で無気力に響き、マスコミ力が低下しているように映る。知識人と言われる国・公立の教授等も所詮教職に従事する公務員であるので自然に政府寄りであり、また専門家やコメンテーターなども仕事優先で世論迎合型になるのも仕方が無いのかもしれない。情報番組にお笑い系のコメンテーターが多くなっているが、視聴率稼ぎでしかないのであろう。だが1局や2局であればまだしも、NHKを含むほとんど全局でお笑い系が登場しているので、笑えない。民間研究機関に至っては、ほとんど全てが企業利益優先で、公正な研究機関としての役割を果たしているとは思えない。従って、多くの国民は一定方向の情報や分析、政策の選択肢しか見聞きすることはない状態になっているのではないか。
 それぞれの報道機関が特定政権や政党を支持、擁護する形で報道することは企業体である以上仕方ないことであるが、論調を国民に押しつけるのではなく、対立する意見や選択肢を提示して、国民に選ばせる姿勢が欲しいものだ。それがマスコミ力というものであろう。マスコミ力の低下は、民主主義の発展を妨げる。(2020.9.10.)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

マイナス金利はアベノミクス失敗の証し!ー再掲

2022-05-19 | Weblog
シリーズ平成の本音―マイナス金利はアベノミクス失敗の証し!ー再掲
 <はじめに>米欧諸国は、コロナウイルス対策のための大幅な金融緩和策の副作用に加え、最近の石油の高騰から、急速なインフレが懸念されることから、段階的な金利の引き上げを含む金融の引き締めに転じている。日本については、これらに加え大幅な円安から輸入物価の上昇が懸念されて中で、日銀総裁は「良い円安」や「良いインフレ」があるなどとして、2013年から長期に実施されている「異次元の」金融緩和策を継続するとしている。家計所得が安倍政権時代に低下している中で「良い円安」や「良いインフレ」などがあるのだろうか。(2022年3月27日補足)

 2016年2月16日、日銀はマイナス金利を導入した。マイナス金利については、政府も住宅ローンの金利低下などによる効果に期待を表明しており、短期的には一定の刺激策になる。しかし他方で、低迷している銀行・金融業を更に圧迫すると共に、国民は預金金利のゼロ化に加え、手数料と物価上昇を加味すると実質マイナス金利が拡大し、負担が増える上行き場を失った金は停滞する経済には還流せず、たんす預金や海外逃避として市場から消える可能性が更に強まるなど、中長期的にはマイナス効果が大きくなろう。住宅ローンの金利低下についても、借り換え需要は増えても、建設費・新規物件が高騰しているなかでの大口支出となるので効果はそれ程期待出来なさそうだ。
 しかしマイナス金利政策の最大の問題は、通貨供給の大幅緩和、2%のインフレ目標によるデフレからの脱却、賃金・物価の好循環というアベノミクスの失敗を意味することだ。賃金・物価の好循環が実現すれば、需要は上がり、景気回復と共に預金金利も上昇して行かなくてはならない。2013年1月から異次元の金融緩和、円安誘導が実施され3年強、輸出産業を中心とする景気の回復、賃金・物価の好循環が期待されると言われて来たが、マイナス金利政策は、自・公連立政権が自らアベノミクスではこのようなシナリオを実現出来なかったことを宣言しているに等しい。
アベノミクスでは、異次元の金融緩和による円安と放漫な財政支出いう2つの矢は放たれたが、第3の矢として期待された規制緩和などの成長戦略については見るべき成果は無かった。2015年9月の改造内閣で表明された‘GDP600兆円達成’などの‘新3本の矢’も‘矢’では無く、目標としての‘的’でしかないと言われている。その上、一億総活躍社会を目指すとして補正予算で低所得老齢者に3万円給付(総額3,500億円内外、補正予算の約1割)を打ち出す一方、多数の待機児童問題を放置し、働く女性の活躍の機会を奪うなど、的を得ていない選挙目当ての政策に終始している。政権側は、中国など世界経済環境の厳しさを上げているが、アベノミクスとはその程度のものだったと言いたいのだろうか。
更に、自・公連立政権によって法律で定められた2017年4月からの10%への消費税再増税について延期が検討されている。もし消費税再増税が延期されるようなことになれば、自・公連立政権の読みの甘さ以上に、アベノミクスの失敗を自らが認めることを意味する。
個人消費の低迷は、8%への消費税のためではない。3%の増税分は、3~5%内外のポイント還元や割引で相殺されており基本的な影響は少ない。国民の消費節約はもっと根深く、インフレ容認による生活用品の実質的便乗的な値上げと年金の目減り、消費増税・復興税・マイナス金利などの負担増を含む家計所得の実質減、将来不安であろう。政府のインフレ容認により飲食料他の生活用品などは、価格が軒並み2~3割内外高騰しており、消費増税率を遥かに上回る。価格が据え置かれているように見える商品も、ボトルやサイズが縮小し、実質的な値上げをしている。好例はバターで、2014年10、11月頃より高騰している上、棚から商品が消えている。酪農など農業失政の一例と言えよう。
(2016.4.9.)(All Rights Reserved.)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

日銀の金融緩和策、底が抜けた危険な運営!(再掲)

2022-05-19 | Weblog
 日銀の金融緩和策、底が抜けた危険な運営!(再掲)
<はじめに>日銀は、2013年1月からの「異次元の金融緩和」を実施しているが、安倍政権が管、岸田政権に変わっても終って、9年間に亘り大盤振る舞いの金融緩和を継続している。欧米各国は、コロナ禍により後退している経済社会活動の浮揚を図っており、消費が戻り始めている一方、人手不足等により供給不足により一部物資が値上がりしている上、石油価格が上昇しており、インフレ圧力が高まっているので、緩やかな金利引き上げを含む金融引き締めに転換している。
日本においても、石油価格の上昇や円安による輸入物資の値上がり、電気料金の引き上げ等により、家計所得が減少している中で1.1%の物価上昇を招いている。日銀は、この状況を「良い円安」、「良い物価上昇」などとしているが、膨大な信用を長期に供給しているにも拘わらず、家計所得は増加していない。日銀は産業優先であり、家計や消費者は重視していないのであろうが、9年間もの長期に亘り一本調子で金融緩和を継続し、所得が上昇しない中での2%のインフレターゲットは、更に家計を圧迫し、消費節約により家計を守るしかない状況を理解していないのであろうか。2%のインフレターゲットは、家計を圧迫するばかりであり、もはや賞味期限切れと言えよう。(2022.1.19.補足)

 日本銀行は、2020年6月16日、金融政策決定会合において、「大規模な金融緩和政策の維持」を決定した。日銀は、安倍自・公政権において、2013年1月以来大幅な金融緩和策を継続してきたが、新型コロナウイルス対応として3―5月に一層の緩和策を導入し、更に企業への資金繰り支援として総枠を75兆円から110兆円に大幅に引き上げた。
 資金供給の主要なものは、市中(銀行や信託投資会社等)からの「株価指数連動型上場投資信託(ETF)」の買い入れであるが、既に2013年から大規模な買い入れを実施し、市中に資金を放出してきており、それが株価や信託投資証券の価格を押し上げて来た。流動性過多、金余りの中で、資金供給の総枠110兆円に引き上げた。それがコロナ大不況の中で、意味の分からない株高に繋がっている。
 日銀は、金利もマイナス金利としており、大幅な量的緩和も7年間続け、実体経済の伴わない金余りの中での大幅緩和であり、金利面でも量的にも節度を失い、底が抜けた金融緩和政策といえよう。
 日本経済は、世界経済の大幅低迷の中で、大幅な後退が予想されており、その中で実体経済に裏打ちされない形で株価と信託証券などの価格が人為的につり上げられている形であり、危険な状態となっている。何かのきっかけで、大幅に下落する恐れがある。個人投資家としては非常に危険な状態にあることを認識する必要がありそうだ。
 日銀総裁は、「投資家のリスクテイクの動きが弱い」などとコメントしているようであるが、実物経済を理解していないか、その知識はあるが善意の投資家の損失など気にも掛けていない発言としか考えられない。まともな経済人であれば、大損が予想される中で投資はしない。(2020.6.18.、2022.1.19.冒頭補足)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする