「小沢氏起訴」で混乱露呈=離党要求の牧野氏辞任-民主
民主党の牧野聖修国対委員長代理は5日、鉢呂吉雄国対委員長に辞表を提出し、受理された。
牧野氏は、強制起訴される小沢一郎元幹事長に自発的な辞任を求めるなど、「反小沢」の急先鋒(せんぽう)。小沢氏の対応などを見極めたい他の党幹部との温度差が表面化していた。就任わずか2週間での国対幹部の突然の辞任は、党の混乱ぶりを印象付けた。
「わたしの言動が足かせとなり、(党の)団結力を失うのは、良くない」。5日に衆院議員会館で記者会見した牧野氏は、辞任の理由をこう説明した。牧野氏は4日、検察審査会の議決を受け、「自ら退くべきだ」と述べたほか、離党しない場合の「離党勧告か除名」の可能性に言及。小沢氏に近い議員からは、牧野氏への批判が噴出し、鉢呂氏から「軽率だ」と注意を受けていた。
小沢氏は、離党や議員辞職をせず、裁判に臨む意向とみられるが、岡田克也幹事長ら執行部は、直ちに離党勧告などの処分に踏み切ることには及び腰だ。小沢氏を支持するグループが反発し、党内に亀裂が生じるのが確実なためだ。党内や世論の動向を見て処分について判断したい考えで、「これ以上無用の波風を立てたくない」という計算もあった。5日朝に牧野氏から辞表を受け取った鉢呂氏は、慰留しなかった。
牧野氏は会見で「(自らの発言で)役員に迷惑を掛けた」と陳謝したが、「国民目線で自由に力強く発言していく」とも強調。「(小沢氏が)党にいて裁判闘争をすれば、党に迷惑が掛かる」と改めて小沢氏に離党を求めた。
一方、執行部には「検察審査会の議決による強制起訴と、検察による起訴では意味合いが違う」(参院幹部)という判断もある。執行部の1人は5日、「『大政治家』だから、離党勧告は難しい」と、自発的な離党に期待を示した。
当の小沢氏は5日午前10時半ごろに、都内の個人事務所入り。その後、別の事務所に移動し終日滞在。午後7時前に事務所を出て、自宅に戻った。この間、事務所を訪れる議員の姿はなく、記者団にも無言を通した