気持ちよさそうに
うとうとしていたCocoさんですが
窓の外の物音に
ふと、目を覚ましました。
マンションのベランダには
緊急時に備えて
下の階へと降りることのできる
避難はしごが備え付けられています。
普段は折りたたんで収納されていますが
扉を開いてハンドルを回すことで
階下にはしごが伸びて行く仕組みです。
今日は、半年に一度の
避難はしご点検の日。
ちょうど我が家の上の階で
点検が始まったようです。
Cocoさんが駆け寄って見上げたベランダの天井から
カラカラカラとハンドルを回す音といっしょに
はしごが降りてきました。
緊張の面持ち!
低く唸りながら
後ろに下がっていきます。
「おかーさん、逃げたほうがよくはないですか」
「わたしは一人でも逃げますよ」
と、私を捨てて立ち去ろうとするCocoさん。
しかし、やはり気になるのか
緊張を振り払うかのように体を震わせ
再び、ベランダの様子を
見張ることにしたのでした。
カラカラカラカラ・・・。
点検は無事に終了したようで
今度は梯子が上がっていきます。
いっしょに上を向いてしまう
Cocoさんの首。
やがて
はしごはいつも通り
天井に設置されたケースに収納され
扉が閉められたのでした。
いざ、という時にしか
使われないはずのこのはしごですが
もしも、ある日突然上の階から
見知らぬ人が、このはしごをつたって
下りてくるようなことがあったら・・・と思うと
時々怖くなります。
その時は、あなたと私、
いっしょに一目散に、
逃げるとしましょうね。
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