セリカ魂

「初代セリカに乗りたい!」
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天地明察/冲方丁

2012年08月02日 19時27分53秒 | つぶやき

レンタルした漫画版「天地明察」が面白かった。
原作小説の文庫本が出てたので購入して読みました。
上巻のP.195までが漫画版2巻までに描かれた範囲かな。
キャラの心情は漫画版より詳細に描かれていた。
読み進むにつれ、漫画版は原作に忠実だと良く分かった。

 

ライトノベル界で作品を発表し続けて来た作者・冲方丁さん。
この作品でも場面描写や登場人物の服装が省略されがち。
「描写も挿絵も無くて情景が見えない」と面食らった。
でもそれらはストーリー自体には関係ない。
ある意味作者の自己満足の世界かも。
必要最小限の場面描写と台詞はまるで映画やドラマの脚本。
ドラマティックな物語にぐいぐい引き込まれて行った。

漫画版で読んだ先の話になると、面白さは更に加速。
「北極出地」の旅路はただただ楽し気だった。
酒井や安藤のストイックさが小気味良くて目に浮かぶ。
建部と伊藤の軽妙なやり取り。
真摯に対応する春海の誠実さが際立っていた。
えんとの縁、颯爽とした村瀬、謎の男・関孝和、
道策の真っ直ぐさ、孤高の人・保科正之、
豪快・光国など次々と魅力的なキャラが登場した。
映画では誰が彼らを演じ、どう描かれるのか?
「イメージを壊さないで欲しい」と願うようになっていた。
ごめん、岡田君って春海のイメージじゃない。
もっとナヨナヨした中性的なイメージがする。

頼りなかった春海が終盤で見違える行動力を発揮。
物語のスピードも一気に加速。
絶妙な布石を打って敵を追い詰め自らの思いを遂げていく。
何手も先を見越して手を打つのは碁も政治も同じだった。
ここで春海が「碁打ち」だったことが活きた!

「関は最後まで出ない?」
そう推測したけど、ちゃんと出たね。
それもあんな感じで登場するとは!
見事に予想を裏切ってくれました。

小説の中身を全て映像化出来る訳はない。
だからと言って映画と小説は別物と割り切って観れもしない。
ただ「天測」は映像で見たいとは思う。



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