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空想特撮映画「シン・ウルトラマン」(ネタバレ感想)

2022年05月14日 01時35分23秒 | つぶやき

ネタバレされたくない。
だから公開初日のレイトショーで観て来た。そのくせ制限なしで考察を語りたい(←をい)ので「これから観るつもり」の方はここでサヨウナラ〜(;'∀')ノシ

観たら是非帰っておいでm(__)m

よくぞ、よくぞここまで振り切ってくれた!迂闊に素人が観たらヤケドする敷居の高さ。ウルトラマン世代の特撮ファン「じゃない方」にとっては「なんこれ?」な内容に拍手喝采したいと思う。

 ネ
 タ
 バ
 レ
 注
 意

基本はオリジナル版のエピソードを幾つか選んで繋げた感じ。映画「実相寺昭雄監督作品ウルトラマン」などと同じスタイルだった。マニアなら細かく語れるのだろうが私はファンのレベルなので何となく分かる程度だった。

#3 科特隊出撃せよ(ネロンガ)
#9 電光石火作戦(ガボラ)
#18 遊星から来た兄弟(ザラブ星人・にせウルトラマン)
#33 禁じられた言葉(メフィラス星人・他)
#39 さらばウルトラマン(ゼットン・他)

オリジナル版ではウルトラマンは宇宙の平和維持部隊のような組織・宇宙警備隊の隊員だった。護送中の怪獣を逃がすという業務上のミスをリカバリしようと地球に立ち寄る。
ところがここでも更にポカしてハヤタを死なせてしまった。その償いに、と自分の命を分け与えてハヤタと融合。そのまま本来の仕事を放棄して地球に居座わることにした。
子供心に「その設定ムリあるよね」と呆れていた。

「シン」でもそのムリ筋設定は活かされていて当然だが所属元の上司・ゾーフィが連れ戻しにやって来る。これをシンマンは饒舌な話術で丸め込んで説得してしまう。まるで「スタートレック」のカーク船長の様だった。

滝の趣味で禍特隊の職場には多くのミニチュアが飾られているが、その中で何度も映り込む印象的なモデルが「無印エンタープライズ」だった。そう、カーク船長が指揮する誰もが良く知る宇宙船だ。
昨年のエヴァでもジムニーのナンバーがエンタープライズの船籍番号の「1701」だったりと、特撮好きなら必ず洗礼を受ける特別な存在ではあるが今回の映り込み度は異常なレベルだった。

ザラブやメフィラスが話していた他の星の住人への干渉を制限する星間条約みたいな設定は「艦隊の誓い」からヒントを得た?エンタープライズが暗示していた様に思う。

パンフレットの「役者名 as 役名」の記載スタイルもスタートレックのそれを踏襲していたし。

人間がベータシステムで巨大化すれば強力な生物兵器となる。驚愕の事実とメフィラスの策謀が人類の危機を呼び、兵器の素材として今後も外星人たちから狙われるリスクが残った。
これで連想するのは「強殖装甲ガイバー」で、こちらにもよく似た設定があった。庵野さんがインスパイアしたのだろうか?

ゾーフィは危険すぎる人類を抹殺する為に天体制圧用最終兵器ゼットンを投入・起動させる。この手の「人間は脅威になる」プロットはSFの世界では使い古された定型モノだ。「地球の静止する日」や日本でも古くは手塚先生の「W3(ワンダースリー)」や横山光輝の「マーズ」など数多くある。

もっともマーズは最後の最後で人間の醜さにブチ切れて地球を破壊してしまうが、あの見事なキレ芸は「デビルマン」譲りだろう。

その対ゼットン戦。
滝が中心となって人類の英知を結集した作戦を立案・遂行して勝利する。オリジナル版のテイストが利いた悪くないシナリオではあるけれど、どうせなら「全人類がベータシステムで巨大化してゼットンをタコ殴りして殲滅」なんて劇的な展開だったら更に楽しめたと思う。

観ていて「これはアレのオマージュ?」「この場面ってオリジナルと同じカットだよね?」などと感じ入る事が多かった。気のせいだったり勝手な思い込みもあるだろうけれど。

全編に亘ってウルトラマンのみならず他の特撮作品やSF作品への愛情とリスペクトが伝わる空想特撮映画だった。残念ながら一般人にそれらがきちんと伝わるかは疑問だが。

興行的にはそれ程の結果は残せないのでは?でも大事なのは結果ではない。こんな空想特撮映画が実現したことが大事なのだ。
「シン・ゴジラ」の成功が原動力なのは間違いない。ニッチな案件を実現させるにはメジャーな成功という前例が必要なのだと痛感した。したたかな確信犯?庵野さん。

さぁ、次は「シン・仮面ライダー」だ。

ところで「滝、後は頼む」って台詞は仮面ライダーのオマージュ?漫画版かTV版のどこかでこんなシーンがあったような。てか「シン・仮面ライダー」に滝は出ないのか。



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