宮崎監督の新作「風立ちぬ」をレイトショーで観て来た。
レイアウトとカメラアングルの見事さに大満足。
「アニメーションは動いてこそ」の宮崎イズムは健在だった。
でも声優を選ぶセンスは相変わらずゼロのままですね。
庵野監督の声は誰が聞いても失敗だと思うのでは?
ハウルの倍賞さんも明らかにミスマッチでした。
「絵を動かす」以外は無頓着だなぁ。
堀越さんを「自分の夢に忠実にまっすぐ進んだ人」と評している。
その形容は宮崎監督自身に当てはまるのでは?
「絵を動かすことに忠実にまっすぐ進む人」なのだから。
鈴木Pが「風立ちぬ」の映画化をごり押ししなければ?
これとは違う何かもっと良い作品を観れたかも。
少し残念な気持ちがある。
もっともそれは一般受けする作品をと願うファンとしての感想。
客観的な視点で評価するなら十分に楽しめました。
二郎が紙飛行機を取ろうとしてベランダから落ちそうになる場面。
落ちた紙飛行機が菜穂子をかすめて舞い上がった。
それには少しも目をくれず、ただ二郎だけを見つめ続ける菜穂子。
「彼女にとって大事なのは二郎」
一途さを見事に描いていました。
ラスト近くで心血注いで完成した九試単戦が地上に戻って来る。
そこへ虫の知らせ?
菜穂子の気配を感じて飛行機ではなくそちらの方向を見つめる。
「飛行機よりも大事な菜穂子」
見つめさせることでどちらが大事なのかを暗示。
二つのエピソードを同じ演出で描いて対になっていた。
心情の描き方こそが宮崎監督の真骨頂だと感じました。