福岡応援blog

素敵な場所や美味しいお店、応援したいアーティストやスポーツ選手などの情報を中心に、福岡の魅力を発信しています。

日本初の第九専門合唱団 ~北九州市民フロイデコール~

2021年12月30日 | 音楽

先日開催された九州交響楽団(九響)の「第九」コンサートについて「月刊九響12月号」に詳細が掲載されていました。九響と共演した合唱団の顔ぶれを見てみると「福岡公演」と「北九州公演」でそれぞれ異なる団体が参加していました。

福岡公演では「九響合唱団(32人)」を中心に「東京混声合唱団(20人)」「九州大学男声合唱団コールアカデミー(4人)」「ちくしの混声合唱団(1人)」「多目的混声合唱団“Chor Solfa!”(1人)」、そして有志の方(1人)。一方、北九州公演では「北九州市民フロイデコール(40人)」と「東京混声合唱団(20人)」が共演。この中で特に目立つのが「北九州市民フロイデコール」の40人という大人数です。

北九州市民フロイデコールについて調べてみると、昭和52年(1977年)に設立されたアマチュア合唱団で、来年2022年に創立45周年を迎えると書いてありました。そして「第九を専門に歌う合唱団」として、全国でも例を見ない形でスタートしたようです。

今回のコンサートは、出演者数が制限されていたため、ステージに立つことが叶わなかった方もいるかもしれません… ですが「九響と共演すること」ではなく「第九を歌うこと」を楽しみとする団体であれば、共演するオーケストラが増えれば、舞台の数を増やせる可能性があります。小分けにしながらでも、団員全員が「第九」を歌う喜びを味わえるといいな、と思いました。

 

九州交響楽団<第九の夕べ>with 北九州フロイデコール


日本で最初に第九を演奏したオーケストラ ~九大フィルハーモニー~

2021年12月29日 | 音楽

年末になると全国各地で演奏される、ベートーヴェンの「第九交響曲」。その荘厳なメロディーは、年の終わりにふさわしい感動を与えてくれるものです。ところでクイズです。日本で初めて「第九」が演奏されたオーケストラはどこだったか、ご存知でしょうか?

その答えは、そう「九大フィルハーモニー・オーケストラ」です(タイトルに書いてますね )。

九州大学を主体としたこのオーケストラは、1909年に創立され、日本で最も歴史のあるオーケストラのひとつです。どういうわけか、九州大学が設立される前から存在しているという、不思議な歴史を持っています。

「第九」といえば釜石市が有名ですが、実は、日本で初めて正式に「第九」が演奏されたのは福岡市でした。九大フィルの指導に携わった方が釜石市出身で「新日鉄」の関係者だったそうなのです。

なので「福岡の第九」と「釜石の第九」は、兄弟のような関係といえるでしょう。これ1つのトリビアだと思ってます。



 


九州交響楽団の「第九」コンサート(2021年版)

2021年12月27日 | 音楽

九州交響楽団の「第九」コンサートに足を運びました。ベートーヴェンの「交響曲第9番」は、4楽章構成で、合唱団とソリストは第3楽章から登場します。そして第4楽章に、普段クラシック音楽を聴かない方でも、誰もが知っている「歓喜の歌」が出てきます。

第1楽章から第3楽章までは、正直なところ「第九交響曲ってこんな曲だったんだー」と、ただただ新鮮な気持ちで聴いていました。先日、西日本新聞に掲載されていたヴァイオリン首席の西本さんの「クラシック音楽には、噛めば噛むほど味が出るスルメのような魅力がある」「初めて聴いた時は5%程度しか楽しめなくても、次に聴いた時は50%くらい楽しめると思う」という言葉を思い出しました。

そして、第4楽章の「歓喜の歌」で、ヒューマンボイスが全てを持って行きました。合唱団とソリストの力強い歌声が、オーケストラ全体のエネルギーを何倍にも引き上げるように感じられました。指揮者やソリストが舞台を退場しても拍手は鳴りやまず、何度も舞台に呼び戻されていました。

じつは当初、疑問に思っていた事がありました… 出演者数を制限している中、なぜ遠方から「東京混声合唱団」を呼ぶのだろう… 歓喜の歌は「人類みな兄弟」と歌うのだから、プロオーケストラと一般市民が競演してこそ完成する、という解釈もある。それに、プロとアマでは何が違うのか… 伝説の「カルミナ・ブラーナ」や「千人の交響曲」は、市民合唱団だけで構成されていたはず… それではダメなのだろうか…

ですが、プロ合唱団は声量が違っておりました。マスクを着用したままでの合唱でしたが、それによるハンディなど感じさせないくらいの歌声が、ホール全体に響き渡っていました。今回は、人数を減らしての上演だったため、プロが入って下さる事は、合唱団にとって心強かったかもしれません…

一方で、今回の評判が良かったからといって、来年以降、さらに市民合唱団の出演枠を減らすような事はしないで欲しい、来年こそは大人数での合唱が見たい、とも思いました。

 

 

 


九州交響楽団を支えている企業様(3)

2021年12月26日 | 音楽

九州交響楽団の定期演奏会で配られるパンフレット「月刊九響11月号」によると、新しく「九響後援会(法人会員)」に入会された企業様が、2社いらっしゃいました。

どんな企業かと思って調べてみると、2社とも「久留米情報システム株式会社」同様、既にスポンサーを務められている「久留米運送株式会社」のグループ企業様でした(参考資料)。

 

志、情熱企業|2018年5月12日放送 久留米運送株式会社

 

久留米運送さんといえば「月刊九響」の7・8月号において「福岡銀行」「西日本新聞」「安川電機」「第一交通産業グループ」などといった、そうそうたる顔ぶれの企業を差し置いて、裏表紙を飾っていた(=最も高い広告費を出したと思われる)企業様で「オーケストラトラックと関係があるのかな?」と思ったのですが、その説は正しかったのだろうか…

 


九州交響楽団のクリスマスコンサート 感想編

2021年12月25日 | 音楽

九州交響楽団のクリスマスコンサートに行ってきました。

あしや夢リアホールは、完成したばかりのコンサートホールで、芦屋競艇場の敷地内(?)と思われるところにありました。面積が狭いのに3階席まである、不思議な空間でした。

 

一番の目的は、第26回「名曲・午後のオーケストラ」で演奏された「カルメン」の続きを聴きたかったこと。その他、印象に残った事を抜粋してみました。

  • ウィリアムテルより「行進曲」:トランペットのファンファーレから始まる、有名な部分を抜粋したプログラム。
  • くるみ割り人形より「花のワルツ」:冒頭のオーボエ~ハープソロの部分が幻想的で、夢の世界にいざなわれる感じ。木管楽器はオーケストラの「ロマンティック担当」なのかも、と思った。
  • カルメンより:弦楽器が情熱的に魅了し、木管楽器が切ない心を歌い上げ、金管楽器がカッコ良く登場する。そして、要所要所で打楽器や低音楽器がいい仕事をする。全ての楽器が輝けるところが素晴らしい曲だと改めて思う
    • 闘牛士の歌:エスカミーリョの見せ場。1曲まるごとトランペットソロを堪能できるプログラムとなっていました。
    • 間奏曲:フルートソロの見せ場的なプログラム。ナレーションによると、特定の役が歌う場面ではないらしい(だからタイトルが「間奏曲」なのでしょうが)。前回は「ホセの愛のテーマ」だと思ったのですが、今回は「ミカエラのテーマ」であるように思えた。歌詞がない部分なので、解釈は、聴く人によって色々でいいのかもしれない…
    • 密輸入者の行進:どの楽器が主役を務めるのか、という事に興味がありました。最初はホルン、続いてティンパニー、まさかのフルート、そしてヴァイオリンという感じだったでしょうか。けっこう長い行進でした。
    • ジプシーの踊り:フルオーケストラの魅力を満喫できるプログラム
  • ホワイトクリスマス:弦楽器と打楽器だけのナンバー。もしかしたら、これからも未知のウイルスが蔓延し、リモートを余儀なくされる時が来るかもしれない。そんな時、楽団を小分けにしてコンサートを開催出来たら良いのではないか… そのためにも、弦楽器だけとか、管楽器だけのナンバーにも挑戦されたら良いのでは… と思っていたのです。結果、なかなか良かったです。弦楽器の奏でるしっとりした雪景色に、打楽器がキラキラを添えていた。
  • アンコール:耳にした事のある曲だったけど、曲名が分からず。ラストのトランペットが凄かった。
  • 指揮者(高井優希氏):武蔵野音楽大学の先生をされているらしく、音楽の教科書に書いてある通りの指揮棒の振り方をされていた。市川海老蔵さんが「基本の型を覚えた上で崩すから『型破り』と言われるのであって、基本をマスターしていない『形無し』とは違うのだ」と発言されていましたが「基本の型をしっかりと伝えたい」と背中に書いてあるような気がしました。

 

今回は、地方の新しいホールでの開催であるためか、入門者向けのプログラムとなっていました。ですが、次は「美味しい曲の美味しいとこだけ」ではなく、全曲通して聴いてみたいな、と思いました。