福岡応援blog

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梅が枝餅と太宰府天満宮

2025年01月03日 | 日記

新年あけましておめでとうございます。初詣に太宰府天満宮を訪れた方から「梅が枝餅」をいただきました。ところで「太宰府天満宮」や「梅が枝餅」は、なぜこんなに有名なんだろう? 由緒がある事は知っているけれど、どんな由緒なの? と疑問に思い、調べてみました。

太宰府天満宮に祀られている菅原道真は、平安時代を代表する学者であり文芸家だったそうです。藤原氏の血を引いていなかったにも関わらず、学問を身に付けることで天皇の信頼を得て「右大臣」という役職に就きました。これは「太政大臣」や「左大臣」とともに天皇を支える、現在でいう「総理大臣」を支える「副総理」のようなポジションにあたります。

しかし、それを妬んだ人々が、道真の罪をでっち上げ、彼を太宰府に左遷させてしまいました。当時の太宰府は、外国との窓口や防衛拠点として重要な場所で、九州を一つの国にたとえるならば、その「首都」のような存在でした。それでも、道真にとって、太宰府は「無念の地」でありました。そして、学問や文芸に打ち込みながら、余生を送ったといいます。そんな彼を地元の人々が励ますため、梅の枝を添えたお餅を献上した、という伝承に基づいて作られたのが「梅が枝餅」なのだそう。

道真が亡くなった後、都では天変地異が相次ぎ、人々は「道真を不当に扱った罰だ」と恐れるようになりました。そして、彼の霊を鎮め、功績を称えるため、各地に「天満宮」が建設されました。その中心となったのが「太宰府天満宮」でした。なので「太宰府天満宮」には、勉強を頑張っている人を応援してくれる「学問の神様」がいるとされ、現在も合格祈願に訪れる人で賑わっている、という事でした。

その逸話を知って、ふと気づいたことがあります。今は生涯学習の時代であり、勉強は「学生だけがするもの」ではなく「生きている限り続けるもの」だとされています。道真も、生涯にわたって学び続けた人です。なので「太宰府天満宮」は、受験生だけでなく、全ての人の学びを応援してくれる神社なのだと思います。

 

 

 


福岡の制服と博多織

2024年12月14日 | 日記

ある朝、通勤電車で見かけた制服に目が止まりました。その制服には「博多織」のリボンが使われていたのです。思わず「どこの学校だろう?」と調べたものの、結局分からずじまい。もしかしたら高校ではなく、中学校や専門学校の制服だったのかもしれません。

しかしこの制服が、改めて博多織の価値を考えさせてくれました。博多織といえば「献上柄」と呼ばれる伝統的な模様が有名です。これは、一目見ただけで「これは(国指定伝統工芸品の)博多織」と分かるアイコン的存在。まるで世界の高級ブランドのモノグラム柄のように、その価値を主張しています。

考えてみると、日本には各地に素晴らしい伝統織物が数多くあります。しかし、柄を見ただけで「これはあの地域の織物だ」とすぐに分かるものは、意外に少ないのではないでしょうか。

今回見かけた制服がどの学校のものかは分かりませんでしたが、調べてみると、福岡の複数の学校で、博多織のネクタイやリボンが採用されているそうです。学生さんが大人になった時に、博多織をみて「これは博多織だ」とか「誇らしい気持ちになる模様だな」と思って下されば、この取り組みは成功なんだろうな、と思いました。

 

 


福岡産のエノキについて考える

2024年10月18日 | 日記

先日、九州最大のエノキ産地である「福岡県大木町」のエノキ工場がテレビで紹介されているのを見ました。エノキ工場では現在、利益が出ない状況が続いており、工場で働く女性が「夫から『利益が出ない仕事は、もはや仕事ではない』と言われている」と話していたのが印象的でした。

エノキは、スーパーで安価に手に入るキノコの1つで、火が通りやすく使いやすいのが特徴です。また、エノキを他のキノコとミックスして「キノコミックス」にすることで、リゾットやパスタ、マリネなどの料理が一気に華やかになります。さらには栄養価が高く、冷凍保存が出来る食材です。冷凍すると細胞壁が壊れてダシが出やすくなり、料理の旨味が増すというメリットもあります。

しかしエノキには、それ以外にも特別な役割があります。日本の国蝶である「オオムラサキ」の幼虫は、榎(えのき)の葉を食べて成長します。かつては日本各地で見られたオオムラサキですが、急激に個体数が減っており、現在では環境省の「レッドデータ」に掲載されるほど希少な存在となっています。

もしも福岡でエノキ産業が衰退し、エノキの木が大きく減少してしまったら… これからも、美しい蝶が空を舞う姿を見られるよう、福岡産のエノキを応援したいです。


 


和白干潟のアオサ問題について考える

2024年10月14日 | 日記

福岡市東区にある「和白干潟」は、都市に近いながらも貴重な生態系が残るエリアです。干潟を訪れた際、私が目にした光景は、青々と広がるアオサに覆われた壮大な景色でした。何も知らなければ、草千里のような美しい風景です。しかし、そのアオサの繁殖が問題視されている事を知り、改めて考えさせられました。

この海藻は、以前は少なかったのだそうです。しかし、アイランドシティが出来てから過剰に繁殖し、干潟の表面を覆ってしまい、そこに住む小さな生き物たちが光を十分に得られなくなっているのだそう。

そこで思ったのは「これをもっと、食料として活用できないのだろうか…」という事です。というのも、これ普通に美味しいのです。例えば、バジルの代わりにアオサを使って作った「和風バジリコパスタ」。ケチらずたっぷり使えるので、緑が鮮やかで、和風の食材によく合います(干潟で採れる「アサリ」や「博多あごだし」とも相性バッチリ)。そして栄養価が高く、生でも乾燥させても使える、賢い食材です。

福岡市では現在(エコチャレンジとして)和白干潟での「アオサ回収イベント」を開催しているようですが、これを「ゴミ回収」ではなく「アサリ狩り」や「フルーツ狩り」のような楽しいイベントにすれば、さらに多くの人々に参加してもらえるのではないだろうか、と思ってしまいました。採ってその場でグリーンペーストにして、パスタソースを作って食べることが出来たら最高です。

さらに、和白干潟のアオサを活用したメニューを提供している飲食店を、もっと宣伝すればいいのにと思いました。例えば、地元の飲食店が「和風バジリコパスタ」や「(わかめスープならぬ)あおさスープ」などの料理を提供し、それがSNSで広がれば、他の飲食店も「われも、われも」と追随し、新しい福岡グルメの誕生につながるかもしれません。



 


福岡が誇る緑のストリート ~赤坂けやき通り~

2024年10月05日 | 日記

福岡市の中心を走る「赤坂けやき通り」。通勤で何気なく通り過ぎていたその道が、実は「新・日本街路樹百景」や「福岡市都市景観賞」「福岡アメニティ百選」などに選ばれていた事を知りました。

赤坂けやき通りは、福岡市中央区の「警固」から「赤坂三丁目」交差点を結ぶ、約800メートルの道です。しかし、実際に現地を訪れてみると、けやき並木は「警固神社」の辺りから続いており、もっと長く感じられます。そして本格的に「赤坂けやき通り」に入ると、けやきの樹々が大きくなり、存在感を増していきます。

特に私が心を奪われるのは、けやきの枝が両サイドから伸び、まるで緑のトンネルを作り出しているような景色です。通りを歩くと、まるで森の中にいるかのような気持ちになり、マイナスイオンで癒されます。そして「護国神社」や「大濠公園」「福岡城跡」「福岡市美術館」など、福岡の名所が集積するエリアに到着します。

この通り沿いは、高級住宅街として知られています。街路樹が地域の価値を高めていることは、ここを訪れるとすぐに実感できます。木々が育つことで街が豊かになり、不動産の価値が高まる。それならば、もっと多くの地域で樹木を大切に育てていけばいいのにと、思わず考えてしまいます。

すべての道が緑に溢れ、すべての家が木々に囲まれるようになれば、少しは地球が涼しくなるのではないだろうか… 赤坂けやき通りは、そんな自然との共生を考えさせてくれる道でもあります。