福岡には、知る人ぞ知る隠れた名所が存在します。大名エリアは、新旧多国籍入り混じった感じが魅力の街ですが、若者向けのショップが立ち並ぶ中、1855年(江戸時代)から続く「ジョーキュウ醤油」が佇んでおり、今もなお伝統の製法で醤油を作り続けています。
ジョーキュウ醬油は、国体通りから「紺屋町通り」に入り、突き当たりまで進んだところにあります。もしくは、有名ラーメン店「一風堂」の斜め向かいといった方が、分かりやすいのかもしれません。店内に足を踏み入れると、様々な種類の醤油や(焼肉のたれやポン酢など)バラエティ豊かな調味料が目に入ります。また、無料で提供されているレシピがありますので、立ち寄るだけでも価値があります。
今、店頭でプッシュされている「塩ぽん酢」は(肝心の醤油が入っていない事に後から気付きましたが)塩メインではなく、フルーティ過ぎる味わいで「ぽん酢」の「ぽん」とは柑橘類を指していた事を思い出しました。オリーブオイルと組み合わせて刺身にかけると、カルパッチョが手軽に楽しめそうです。さらに「博多あごだし」と「ジョーキュウ醤油」で作る「博多大名あごだしラーメン」は、豚骨とは一味違う博多ラーメンが楽しめそうだと思い、思わず買ってしまいました。
高い塀に囲まれた中には、国の登録有形文化財が7つもあり、店内奥の扉を抜けて中庭に出ると、見る事が出来ます。まさに「知る人ぞ知る、秘密の場所」という感じです。近くに勤めていたのに知らなかった。ジョーキュウ醬油は「福岡市都市景観賞」を受賞していますが、この、地味にひっそり佇んでいる感じがいいのだろうと思います。県外からの友人を案内する際には「一風堂」だけでなく、こちらにも立ち寄りたいなと思いました。