NHKの「BSプレミアム」で「チェッカーズ ファイナル・ツアー ㏌ 武道館」を見ました。
とにかく良かった! 素晴らしかった! ボーカルのフミヤさんが39度の熱を出し、点滴で熱を下げての公演でしたが、フミヤさんが歌えなくなった分を、他のメンバーが全力でカバー。その結果、メンバー全員の凄さが浮き彫りになる公演となっていた。そして、フミヤさんも、歌いまくり踊りまくりで凄かった!
- ナオユキ(藤井尚之)さん:間奏の部分で目立つだけでなく、時にはステップを踏み、時にはのけぞりながら、フミヤさんが歌っている最中も、次々と繰り出すオブリガート。キーボードに挑戦しようとしたナオユキさんに「サックスをやれ」と言ったフミヤさんの先見の明はすごかった。アナログ楽器が入る事により、ロックだけでなくジャズやブルース、レゲエやスカ、アイドルポップなど、多ジャンルに対応できるバンドとなっていた。
- クロベエ(徳永善也)さん:常に笑顔だったのが印象的でした。チェッカーズにエネルギーを与えてくれる、太陽のような存在。
- ユウジ(大土井裕二)さん:クールな感じの、縁の下の力持ち。チェッカーズの安定感を作っていた、まさにベースという存在。
- トオル(武内亨)さん:お母様が経営されているスナックを練習場とする形で、チェッカーズを結成された方。歌って踊れて楽器が弾けて、作詞作曲も出来るメンバーを集めた功績はすごいです。最後にファンへの感謝の言葉を述べられていましたが、トオルさんはその後、コロナが流行る直前まで、当時のファンを毎年キャンプに招待し、同窓会みたいな事をされていました。メンバーだけでなくファンにとっても、面倒見の良い兄貴分のような存在の方だと思います。
- マサハル(鶴久政治)さん:基本的にはフミヤさんを立てる役割に徹しているが、やるべき時にはやる男! 要所要所で実力を見せ付ける頼もしさが印象的でした。
- モクさん(高杢禎彦)さん:歌って踊ってトークで盛り上げる、すごいオーラのある方でした。だからこそ、フミヤさんとライバルの様になってしまったのかもしれません… もちろん、少年のような魅力のあるフミヤさんがセンターでなくては、アイドル雑誌の表紙を飾ったり、子供人気を得る事は難しかったでしょう… しかし、時々モクさんが歌う事で「アイドルPOPに留まらない実力派」だと証明する事が出来た。どちらも凄い人だけど、全く違う個性を持った2人は、求められる役割も似合う曲も違うはず… なので2人は、共存出来る関係だったとも思うのです…
- フミヤ(藤井郁弥)さん:最後のステージを全力で届けようとする気迫が感じられ、プロフェッショナリズムを強く感じました。これだけ強烈なメンバーを従えて、そのセンターとして燦然と輝いていたフミヤさん。一方、ボーカルだけが大きく取り上げられる風潮の中、仲間の凄さを一番分かっていたのも、フミヤさんなのではないかと。そして、このライブを「チェッカーズの完成形」と呼ぶのであれば、簡単に「再結成」とはいかないのも、無理はない… そこは、メンバーの意思を尊重したいような気もしました。
MCで印象的だったのが「西鉄電車」や「久留米」という言葉が何度も出てきたこと。メンバーが出会った場所であり、青春時代を過ごした久留米という街が、チェッカーズの原点であることを改めて感じました。久留米でスタートした彼らが、日本全国、そして武道館という大舞台でファンを魅了する存在になったことに、感慨深いものがありました。
チェッカーズは、ただのバンドではなく、多くの人々の心に刻まれた「青春そのもの」なのかもしれません。このライブ放送を通して、改めて彼らの音楽が持つ力と、福岡・久留米が生んだ伝説の軌跡を感じることができました。