お盆真っ只中、久留米の石橋文化センターで開催された「ドラゴンクエストX ~目覚めし5つの種族~」を鑑賞しに行きました。現地のタクシー運転手さんいわく、今回のチケットは非常に高倍率だったそうです。しかし、直前まで予定が決まらなかった私は、当日券を狙う形に。幸運なことに、スムーズにチケットを購入でき、期待を胸に会場へと向かいました。
冒頭、指揮者の方から故・すぎやまこういち先生を偲ぶMCがあり「きっと今日もここに来られているでしょう」と語られました。そして、久留米市は毎年、すぎやま先生を指揮者として迎え「ドラゴンクエストコンサート」を開催していた歴史がある事を知りました。だから「敢えてのお盆」だったのかもしれません… 音楽の街・久留米といえば、松田聖子とチェッカーズ、そしてもう1つは「ドラゴンクエストコンサート」といっても過言ではないのかもしれない… と思いました。
ドラゴンクエストシリーズには沢山のバージョンがありますが「X」には日本的なメロディーが多用されており、初期に比べ、さらに芸術性が増しているように思いました。ロシアのチャイコフスキーがバレエと交響曲、イタリアのプッチーニやヴェルディがオペラと交響曲、アメリカのガーシュウィンがジャズと交響曲を融合したように、日本の雅楽と交響曲が融合されているように感じたポイントが多くありました。
ドラゴンクエストといえば、冒頭部分のホルンのファンファーレ、フルートの奏でる「おおぞらをとぶ」、オーボエの切ないメロディ、ラストのトランペットのファンファーレ… これらの定番の聴きどころポイントに加え、打楽器や中低音楽器の見せ場も豊富で、そこがまた素晴らしかったです。そして特筆すべきは、金管楽器の中低音が奏でる、九響独特の野太いカッコいい音。以前から、ホルンなのかトロンボーンなのかチューバなのか、と疑問に思っていたのですが、その正体は「バストロンボーン」だった事が分かりました。
ラストのアンコールで、本日のVIPは全員であるかのように紹介され、まさにその通りだと思いました。あと、パンフレットが前回(A4ペラ)より進化し、楽曲名が記載された見開き4ページの仕様に。そして、ドラゴンクエストの世界を思い出す、舞台上の演出も健在でした。亡くなられた方の魂が還ってくる「お盆」という特別な日を、この場所で過ごせた事に感謝です。