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【3月16日 AFP】(更新)ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー(Volodymyr Zelensky)大統領は16日、米議会に対しオンライン形式で演説した。この中で大統領は、ロシアによる侵攻の恐怖を、2001年の米同時多発攻撃や1941年の旧日本軍による真珠湾(Pearl Harbor)攻撃になぞらえ、ウクライナ上空での飛行禁止区域の設定を改めて訴えた。

 ゼレンスキー氏は、ロシア軍に包囲されているウクライナの首都キエフから演説に臨んだ。ナンシー・ペロシ(Nancy Pelosi)下院議長がウクライナ語で「ウクライナに栄光を」と述べてゼレンスキー氏を迎えると、議員らは立ち上がり、熱烈な拍手を送った。

「真珠湾を思い出してほしい。1941年12月7日、あのおぞましい朝のことを。あなた方の国の空が、攻撃してくる戦闘機で黒く染まった時のことを」「9月11日を思い出してほしい。2001年のあのおぞましい日のことを。悪があなた方の都市を、独立国の領土を、戦場にしようとした時のことを」と呼び掛けたゼレンスキー氏は、「わが国は同じことを毎日経験している」と語った。

 また、公民権運動を主導した故マーティン・ルーサー・キング(Martin Luther King Jr.)牧師の「私には夢がある」という有名な演説の一節に触れ、「これは今日、あなた方全員が知っている言葉だと思う。私には必要がある。私には領空を防衛する必要がある。私にはあなた方の決断、協力が必要だ」と述べた。

 ジョー・バイデン(Joe Biden)米大統領に対しても直接語り掛け、「平和の指導者」となるよう要請。演説中には、崩壊した建物や子どもを含む負傷者を捉えた悲惨な映像が流され、「空の封鎖を」とのメッセージで締めくくられた。

 米国と北大西洋条約機構(NATO)高官はこれまで、核保有国ロシアとの直接対立を懸念し、ウクライナ上空に飛行禁止区域を設定することを一貫して拒否している。(c)AFP

 

 

ウクライナ・ゼレンスキー大統領(AP)

 

 リモートで行われた演説では、米国が攻撃を受けた第2次世界大戦の真珠湾攻撃や同時テロを例に出し「空から攻撃され、罪のない市民が殺されたことを思い出してほしい」と訴えた。
 日本も、ウクライナ側からゼレンスキー大統領によるリモートの国会演説の打診を受け、岸田文雄首相は前向きな意思を示している。
 日本がハワイの米軍基地に行った真珠湾攻撃を例に出してゼレンスキー大統領が演説したことに困惑する声がネット上では多く投稿された。ツイッターでは「真珠湾攻撃」がトレンド入り。
 「真珠湾攻撃を911と並べて語られた事は日本人として不愉快だし、とても残念」「日本の議会で演説させようという意見に耳を疑う」「真珠湾攻撃は民間人を的にしなかったので、例えとして不適切」と不快に感じたとして抗議する声が散見された。
 一方で「真珠湾攻撃そのものを非難するつもりは無いよ。あの時と我らは同じだ。って言いたいだけ」「当然では。なによりこの戦争ではアメリカの支援を如何に引き出すかが大事」と理解を求める声も見られた。