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超短期決戦ということで本日投開票の衆院総選挙の期間中はロシアやイスラエルについて書く余裕がなかったので、どちらの国の蛮行についても資料が溜まってたまって何回か書かないといけなさそうです。
まず、ロシアがウクライナ侵略戦争開始以来何十万人という死傷者を出していて、それを補うために受刑者を兵士に駆り出したり、インド・ネパールなどで若者を騙してロシア軍に編入していることはもう有名な話です。
自国兵士の命を顧みない「肉ひき器」戦術でロシア軍がチャシウヤールの東端地区を制圧したが、3カ月で10万人損耗。自国民の命さえ一顧だにしないプーチン政権が占領地でウクライナ人を犠牲にするのは必然だ。
例えば、1992年バルセロナ五輪の50キロ競歩で優勝した金メダリストのアンドレイ・ペルロフは3月に逮捕されたのですが、ウクライナで戦うことに同意するよう圧力がかけられている、見返りとして横領罪での起訴を凍結し、戦争が終われば取り下げる可能性もあると当局から言われているとBBCが伝えています。
2024年3月に成立したロシアの現行法では、ほとんどの犯罪事件において検察と弁護側の双方は起訴された人に対し、裁判を受ける代わりに戦争に行く選択肢があると知らせる法的義務を負っているのだそうです。
こんな「近代」国家、他にありませんよ!
親露派陰謀論者たちはウクライナ戦争でロシアが勝つのは間違いないといっていますが、BBCの分析によると、ロシア軍への勧誘の主な対象が当初の有罪確定者から、まだ裁判を受けていない人へと移っていることが判明したということですので、毎日1000人以上が死傷しているというロシア軍も内実は火の車なのでしょう。
ロシア軍の受刑者軍団「ストームZ」
ロシア軍はウクライナへの侵略を開始してからの2年弱で、現役の地上兵力のうち87%、31万5千人以上の死傷者を出して失った。それでも戦争を継続できるプーチン大統領の専制支配はもはや奴隷制だ。
というわけで、とうとうウクライナ軍に西部クルスク州への越境攻撃を許して3か月たつのにまだ撃退できないロシア軍が、北朝鮮軍に支援を求めたのは確実なようです。
ウクライナ国防省情報総局は2024年10月24日、ロシア東部で訓練を終えた北朝鮮軍部隊が、ウクライナが越境攻撃しているクルスク州に到着したと発表しました。
そして、ロシアのプーチン大統領もロシア中部タタール共和国カザンでの記者会見で、北朝鮮の派兵について問われても否定せず、衛星画像などを根拠に韓国や米国が北朝鮮兵士がロシアに派遣されたと主張していることに関して
「画像というのは重要なものだ。何かを反映している」
と述べたんだそうです。
そりゃそうだ(笑)。
上から衛星で見られてるんだからミエミエの嘘と分かるのに国連安保理ではデマと一応言ってみせる、これぞプーチン仕草。
ウクライナ軍がロシアのクルスク州に越境攻撃。軍司令部も設置。ロシアに侵略されているウクライナが反撃するのは国際法で認められた自衛権の行使であり、侵略と戦争犯罪を続けるプーチン政権に批判する権利はない。
北朝鮮国営朝鮮中央通信も10月25日に、北朝鮮軍がロシアに派兵したと指摘されている問題について、
「国際報道が騒ぎ立てているようなことがあるなら、それは国際法の規範に合致する行動である」
と北朝鮮外交部が述べて派兵を否定しなかったと報道しました。
北朝鮮軍の兵士たちの命がプーチン氏と金氏によって今後どのように使い捨てられるのか。
自国兵士の命を顧みない「肉ひき器」戦術でロシア軍がチャシウヤールの東端地区を制圧したが、3カ月で10万人損耗。自国民の命さえ一顧だにしないプーチン政権が占領地でウクライナ人を犠牲にするのは必然だ。
もちろん、ロシア軍によるウクライナ侵略は国連憲章に違反しており国際法違反。
その後のロシア軍によるウクライナ占領地での原発攻撃や市民の殺戮・処刑・強姦・拷問などはもちろん戦争犯罪です。
また、子どもたちの大量強制連れ去りはジェノサイド条約違反で、プーチン大統領らは国際刑事裁判所(ICC)により逮捕状が出されています。
だから10月24日にそのカザンでプーチン大統領と会談した国連事務総長のグテレス氏が
「ロシアによるウクライナ侵攻は、国連憲章と国際法の違反だ」
とあらためて非難を表明したのは当然のことです。
ですから、自国の軍隊をそのロシア軍に派兵して加担する北朝鮮も国際法違反なのは当然のことです。
ところが国営スプートニクの報道はこれ(-_-;)。
グテーレス国連事務総長がロシアやイスラエルが処罰されないと訴え「彼らは国際法を踏みにじり国連憲章を侵害し、国際法廷の判決に目をつぶることもできる。他国を侵略することもできる。でも何も起こらない」と演説
グテーレス事務総長はこの日、カザンで開かれたBRICS首脳会議の「BRICSプラス/アウトリーチ」行事に出席し、
「ウクライナに国連憲章、国際法、国連総会決議に基づく正しい平和が必要だ」
と演説したのですが、この発言に対してプーチン大統領は笑いながら
「事務総長は我々がみんな一つの大家族のように生きるべきと述べたが、不幸にも家庭ではたびたび争いと騒ぎ、財産分割、争いも起きる」
と開き直ったそうです。
ウクライナはロシア軍による侵略開始から20%の領土を占領され、住むところを失った人口の18%にあたる800万人が減っています(クリミア半島侵略からだと1000万人)。
まさにこのプーチン大統領の言葉から、プーチン政権がウクライナもロシアと同一民族とみなす歴史観から何の罪悪感もなくウクライナを侵略し、ウクライナ人の人命と領土を奪っていることは明白です。
ノーベル平和賞団体のマトビチュク代表「占領は戦争の一形態であり、そこでは暴力が続いています。強制移送、拷問、性的暴力、アイデンティティーの否定、強制的な養子縁組が起きるのが占領されるということです」
さて、このICC条約の加盟国としてプーチン大統領に対する逮捕義務が課せられているモンゴル共和国が、日本とソ連軍が衝突したノモンハン事件85年の記念行事に出席するためにモンゴルを訪問したプーチン大統領を逮捕せず出国させました。
これについて、10月24日にICCはモンゴルが締約国の義務に違反したと認定し、モンゴルの義務違反を締約国会合に付託するとしました。
北朝鮮がロシアに軍隊を派兵してウクライナへの侵略戦争や上記の国際法違反行為に加担すれば、それは当然、国際法違反になるのは当たり前で、
「それは国際法の規範に合致する行動である」
わけがありません。
ちなみに、韓国の「時事ジャーナル」紙によると、北朝鮮は特殊部隊1万2000人余りを派兵する見返りに、少なくとも600億ウォン(約66億円)を一括で受け取ることが判明したとしており、北朝鮮はまさに傭兵。
国際法遵守よりも、金で兵士を買うのがロシアであり、金で自国の国民を売るのが北朝鮮というわけです。
2024年6月21日、プーチン大統領から贈られたロシア製リムジン「アウルス」を運転してご機嫌の北朝鮮の金正恩氏。
プーチン大統領がウクライナへの侵略戦争で戦死した兵士の遺族に「人生は複雑で多様だ」と慰め。数十万人の自国国民の犠牲者を出しながら、自分の責任も認めず謝罪もしない独裁者の姿は自民党の政治家の鑑だ。
一方、アメリカの有力紙ウォール・ストリート・ジャーナルは10月24日、アメリカやロシア、ヨーロッパの政府関係者の話として、ロシアによるウクライナ侵略後の2022年後半から2024年にかけて、強欲資本主義の権化として知られるイーロン・マスク氏がプーチン大統領や側近のキリエンコ大統領府副長官らロシア政府高官と連絡を取っていたと伝えました。
たとえば、2022年9月にはロシアが侵略・占領しているクリミア半島でウクライナによるスターリンクの利用をマスク氏が認めなかったわけですが、WSJ誌はこの時期にロシアがマスク氏に脅しをかけていたと伝えています。
そして、プーチン政権はマスク氏に対して2023年後半から、ロシアが協調を深める中国政府への「好意」として、台湾へのスターリンクのサービス提供を断念するよう要請したということです。
アメリカ政治活動委員会(America PAC)の情報によると、マスク氏は2024年7月から9月の3ヶ月間に同じく親露派として知られるドナルド・トランプ陣営に約7500万ドルを寄付したとされていますが、10月上旬にはさらに約4400万ドルを寄付し、トランプ氏への支持を強化したということです。
1ドル150円換算で言うとわずか4か月で180億円もトランプ氏に寄付したマスク氏。それで当選しそうなトランプ氏。
北朝鮮、マスク、トランプ、さすがならず者のプーチン大統領にはそれ相応のメンバーが集まってきています。
トランプ氏が銃撃を受けた地で再び開いた演説会で飛び跳ねるイーロン・マスク氏。そのまま大気圏外に飛んでいけ。
メルトダウンした福島原発のデブリ880トンのうちやっと数グラムを事故から13年半後の8月に初めて採取予定。トランプ氏に「原発は最も安全な発電方法の一つだ」と教えたイーロン・マスク氏は世紀の詐欺師だ
親露派トランプ氏のウクライナ戦争即時停戦論が判明。現在の前線を非武装地帯にしてロシアの占領地を固定化。ウクライナはNATOに加盟せず中立化。「ロシアのプーチン大統領の和平案のようだ」(NYタイムズ)。
編集後記
プーチン政権に騙されたインド・ネパール人や、ロシアに送られる北朝鮮の兵士・市民の命は一顧だにしない伊勢崎氏ら自称人命尊重論者。
ぬちどぅたから(命こそ宝)
— 伊勢崎賢治 (@isezakikenji) June 24, 2024
侵略者に対抗するためでも
国家の正義に
市民を動員させてはなりません。
たとえ一部の市民がそれを望んでも、です。
伊勢崎賢治 戦争に抗うライブ https://t.co/H7tY7pfdl3
イスラエル軍のガザ侵攻から100日。追い立てられるパレスチナの民「自分たちが先に立ち退いてしまえば次は隣が襲われる」「土地を追われるのは体から魂を奪われるようなもの」。「たかが領土」論の傲慢を知れ。
北朝鮮からロシア軍への弾薬などの武器輸出はつとに知られていますが、これはロシア自身が賛成した国連安保理決議違反。
ところが、欧米諸国からウクライナへの軍事支援を批判する「自称平和主義者」の口から、北朝鮮やイランからロシア軍への軍事支援や、今回の北朝鮮軍派兵を批判する言葉を聞いたことがありません。
しかし他方で、本日の選挙で躍進するはずの立憲民主党の野田佳彦代表が選挙期間中に、政府の高校授業料無償化の対象に朝鮮学校を含めるかを問われ、
「北朝鮮が日本にミサイルを乱発している状況の中で、国民感情として国民の税金を使うことに違和感を持つ人はいるだろう。無理して変えるわけにはいかない」
と記者団に答えた、この人道と人権無視の風潮が日本で再拡大しないようにも気を付けないといけないです。
政府と人民は別。これは北朝鮮でも日本でもロシアでもイスラエルでも同じことです。
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ICCは24日、加盟国であるモンゴルが逮捕状の出ているプーチン氏が9月に入国したにもかかわらず、逮捕しなかったことについて、加盟国の協力義務に違反したと認定しました。
ICCは「公的な地位や国籍にかかわらず、加盟国は逮捕状が出された個人を逮捕し、身柄を引き渡す義務がある」と強調しました。
そのうえで、「モンゴルによる協力不履行の重大性」を踏まえ、ICC設立を定めたローマ規程の締約国会議にこの問題を付託することを決めたとしています。
ICCが去年3月に戦争犯罪の疑いで逮捕状を出して以来、プーチン氏がICCの加盟国を訪問するのはモンゴルが初めてでした。
ウクライナ侵攻が長期化する中、グテレス氏は黒海の自由な航行確保は、ウクライナやロシアだけでなく、世界の食料・エネルギー安全保障にとって重要だと強調した。両国間では、2022年7月に国連とトルコが仲介し、黒海経由でウクライナ産穀物を輸出する合意が成立したが、後にロシアが履行を停止した経緯がある。
国連事務総長「ウクライナに平和必要」…プーチン大統領は笑いながら「家族もたびたび争う」
10/25(金) 10:29配信
中央日報日本語版
国連のグテーレス事務総長が24日(現地時間)、ロシアのプーチン大統領の前で「ウクライナに平和が必要だ」と強調したが、プーチン大統領は「家庭でもたびたび争いが起きる」と述べた。
AFP通信によると、グテーレス事務総長はこの日、ロシア連邦タタールスタン共和国のカザンで開かれたBRICS首脳会議の「BRICSプラス/アウトリーチ」行事に出席し、「ウクライナに国連憲章、国際法、国連総会決議に基づく正しい平和が必要だ」と演説した。
この発言に対しプーチン大統領は笑いながら「事務総長は我々がみんな一つの大家族のように生きるべきと述べたが、不幸にも家庭ではたびたび争いと騒ぎ、財産分割、争いも起きる」とし、ウクライナ紛争は避けられなかったという立場を表した。
グテーレス事務総長がロシアを訪問したのは、ウクライナ「特別軍事作戦」初期の2022年4月にモスクワを訪問して以降初めて。これに先立ちウクライナはグテーレス事務総長が「犯罪者」プーチン大統領に会うとして批判した。
グテーレス事務総長は中東の平和も促しながら「ガザ地区に休戦とすべての人質の即刻解放が必要であるようにレバノンの休戦も必要だ」とし「続く戦争拡大でこの地域の人々は想像しがたい状況を継続している」と話した。グテーレス事務総長は迅速な人道主義措置と紛争解決努力を促しながら、パレスチナの平和のために2国家解決策を実行しなければいけないと強調した。
BRICS首脳会議の最後の行事のBRICSプラス/アウトリーチはBRICS未加入国の首脳や主要国際機関のトップも出席した会議で、この日、約40人が出席して3時間25分ほど進行された。
10/25(金) 5:28配信
【キーウ、モスクワ共同】ウクライナ国防省情報総局は24日、ロシア東部で訓練を終えた北朝鮮軍部隊が、ウクライナが越境攻撃しているロシア西部クルスク州に到着したと発表した。人数は不明。プーチン大統領はロシア中部カザンでの記者会見で、北朝鮮の派兵について問われ、否定しなかった。
プーチン氏は会見で、衛星画像などを根拠に韓国や米国が北朝鮮兵士がロシアに派遣されたと主張していることに関して「画像というのは重要なものだ。何かを反映している」と述べた。
ロ朝両首脳は6月、有事の軍事援助を定めた包括的戦略パートナーシップ条約に署名。プーチン氏は、条約に基づき「北朝鮮指導部が真剣に対応していることを疑ったことがない」と強調した。
武力侵攻を受け戦争状態になった場合の軍事援助を明記した条約第4条に言及し「この条文の枠内で何をどのようにするかはわれわれの問題だ」と指摘した。
ウクライナ国防省情報総局によると、ロシアに送られた北朝鮮兵は推計約1万2千人で、将軍3人と士官約500人が含まれる。
10/26(土) 0:27配信
日テレNEWS NNN
北朝鮮がロシアのウクライナ侵攻を支援するため派兵したとされる問題について、北朝鮮外務省は「国際法に合致している」と述べ、否定しませんでした。
日本をどう守る…各党の違いは?「安全保障・核政策」【#きっかけ解説】
国営朝鮮中央通信は25日、北朝鮮軍がロシアに派兵したと指摘されている問題について、北朝鮮外務省のコメントを報じました。この中で北朝鮮外務省は、「国際報道が騒ぎ立てているようなことがあるなら、それは国際法の規範に合致する行動である」と述べ、派兵を否定しませんでした。
北朝鮮軍はすでにおよそ3000人がロシアに到着していると指摘されていますが、ウクライナのゼレンスキー大統領は25日、ロシアが2、3日中に、北朝鮮兵士を戦闘地域に派遣するとの見方を示し、「明確なエスカレーションの一歩」だと非難しました。
ウクライナ側は、北朝鮮の最初の部隊がすでにロシア西部クルスク州に配備されたとしていて、ウクライナ軍の越境攻撃に対するロシア軍の反撃を支援するとみられます。
ウクライナ派遣部隊、27日にも実戦投入 北朝鮮「国際法合致」と主張
韓国の情報機関、国家情報院(国情院)は北朝鮮による派兵の規模が12月ごろに約1万人に達すると予想。「暴風軍団」と呼ばれる特殊部隊をロシアに派遣したとみている。韓国メディアによれば、朝鮮半島有事初期に韓国に潜入して、主要施設を攻撃し、在韓米国人を人質に取る訓練を受けた精鋭部隊とされる。
韓国大統領府高官は、北朝鮮がロシアから核・ミサイル開発や軍事偵察衛星打ち上げ、老朽化した通常兵器の「現代化」の支援を期待していると指摘した。また、韓国メディアによると、国情院は、北朝鮮がロシアから兵士1人当たり月2000ドル(約30万円)ほどを得るとの見方を示す。北朝鮮の一般的な月収の数十倍に上る破格と言え、制裁やコロナ禍での国境封鎖で外貨収入が減った北朝鮮にとり大きなメリットとなる。
ただ、北朝鮮は朝鮮戦争(1950~53年)以降、大規模な地上戦力の派兵はなく、実戦能力は落ちているとみられる。さらに、意思疎通に困難が伴う他国の指揮系統に入る。国情院によると、北朝鮮兵の軍事訓練に参加したロシアの教官は「兵士の体力と士気は優れているが、無人機攻撃など現代戦への理解が足りず、戦線に投入されれば多数の死者が出る」と予想した。実際に死傷者が出れば北朝鮮内に動揺が広がる可能性もある。
北朝鮮の軍事力強化を懸念する韓国の尹錫悦大統領は24日、「ウクライナを段階的に支援し、朝鮮半島の安保上必要な措置を取る」と表明。ウクライナへの殺傷兵器の直接供給も「北朝鮮軍の活動に応じて柔軟に検討する」と警告した。
韓国大統領府高官は、ウクライナへの防御用兵器から始め、最終的に攻撃用兵器の支援も検討する方針を示す。戦闘機やミサイルを迎撃する韓国製地対空ミサイル「天弓」や砲弾の供与が選択肢にあると指摘される。
アメリカの有力紙「ウォール・ストリート・ジャーナル」は24日、アメリカやロシア、ヨーロッパの政府関係者の話として、ロシアによるウクライナ侵攻後、2022年後半から今年にかけてマスク氏がプーチン大統領やロシア政府高官と連絡を取っていたと伝えました。
マスク氏は衛星通信事業「スターリンク」を手掛けるスペースXを率いていて、アメリカ国防総省やウクライナにもサービスを提供しています。
一方、おととし9月にはロシアが実効支配するクリミア半島でウクライナによるスターリンクの利用を認めなかった経緯もあり、記事ではこの時期にロシアがマスク氏に脅しをかけていたと伝えています。
そのほか、アメリカ大統領選挙でトランプ氏を支持するマスク氏はトランプ氏が勝利した場合、要職に起用されると取り沙汰されていて、ロシアとの接触が安全保障上の懸念を招くと指摘しています。
米紙ウォール・ストリート・ジャーナルは24日、ロシア政府が2023年に宇宙企業「スペースX」を率いるイーロン・マスク氏に対して、衛星通信サービス「スターリンク」を台湾に提供しないよう要請していたと報じた。ロシアが協調を深める中国政府への「好意」として、パイプのあるマスク氏に働きかけたという。
報道によると、マスク氏は22年後半以降、プーチン露大統領や側近のキリエンコ大統領府副長官らと意見交換を重ねている。一連のやりとりの中で、露政府は23年後半、台湾へのスターリンクのサービス提供を断念するよう要請したという。
ただ、台湾も、マスク氏が電気自動車大手「テスラ」の販売などで中国との関係を重視していることを懸念。有事に接続が保証されないリスクもあり、スターリンクのサービス提供は許可していない。英紙ガーディアンによると、台湾企業が欧州拠点の別の企業と連携し、独自の衛星通信網を構築する予定だという。
スターリンクを巡っては、ロシアが22年2月にウクライナに侵攻した当初、マスク氏がウクライナ側に無償でサービスを提供し、侵攻への対処に貢献した。しかし、ウクライナが露占領下の南部クリミア半島を攻撃するためにスターリンクの利用を要望した際にはマスク氏は断り、22年10月には「ロシア寄り」の和平案を独自に提案したこともある。【ワシントン秋山信一】
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「現代の独裁者は選挙によって権力を握り、そして国家を解体する」と。トランプがどれほど危険な人物か、ソ連の圧政をよく知る識者ならではの指摘だ。
Today’s autocrats rise to power through elections, and then ‘dismantle the state’
https://www.msnbc.com/ali-velshi/watch/today-s-autocrats-rise-to-power-through-elections-and-then-dismantle-the-state-222765125962
(大意)----
現代の独裁者は民主的に選出され、ひとたび権力を握ると国家を解体し始める。権力を利用し、官僚機構、組織、米国では司法省を乗っ取ることもある。法の支配を無視し、解体し始める、
私は何でもできる。やつらは敵だ。ーーートランプは私たちに青写真を提示し、国民の一部がそれを聞きたがっていると彼は考えている。不満を持っている人々に、その解決策が独裁であり、おそらく軍隊の使用であると語る。
私がリーダーだ。私がすべてを解決すれば、もう投票する必要もない。ーーー混沌とした世界で、さまざまな情報が飛び交い、矛盾、陰謀論があり、ネット上では多くの感情が渦巻いている世界で、人々に安心感を提供しようとする。そして、近代化に負担を感じ、社会のスピードや変化を嫌い、ただ一人のリーダーを求める人々に訴える。
さらに、彼がこのような呼びかけをしているとき、同時にゴミ箱という表現を使って米国を表現していることに注目してほしい。米国は混沌として破壊されつつある。恐ろしいカオスが存在する米国を自分が解決できるーーーそんな幻想を人々に植え付けている。そのような言葉を聞きたがっている人たちに訴えている。
トランプは法律を破る権利があり、それを民衆の支持があるとほのめかしている。自分が法律より上だと暗に言っているのだ。例えば、民間人に対して軍隊を使うことができる、やつらは米国市民ではない、彼らにいかなる権利も与える必要はない、彼らを人間として扱う必要もない、と示唆している。
彼がNATOサミットに向かう途中、突然ボルトンに向かって、歴史を作ろう、今日、NATOを脱退しようと言った(ボルトンとのインタビューより)。その時は止める人がいたが今はいない。
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何をするかわからない(戦略ではなく病的である)のに、誰も止める人がいない。そんなトランプが核のボタンを手にするのは恐怖だ。自分に異を唱える人を、「内なる敵」だから軍隊を使えるというあたり、映画「シビル・ウォー アメリカ最後の日」そのままではないか。
シビル・ウォー アメリカ最後の日(公式サイト)
https://happinet-phantom.com/a24/civilwar/
「権威主義の誘惑:民主政治の黄昏(白水社 /2021) 」の原著は、Twilight of Democracy(Vintage /2020)です。大変失礼しました。
今回、Anne Applebaum 氏の新著は今年の7月、Doubleday より、「Autocracy, Inc.: The Dictators Who Want to Run the World」(独裁: 世界を牛耳ろうとする独裁者たち)刊行されました。
https://www.anneapplebaum.com/
紹介文を引用します。
引用開始----
私たちは独裁国家がどのようなものか知っていると思っています。頂点に全権を持つ指導者がいます。その指導者は警察を統制しています。警察は暴力で国民を脅かします。邪悪な協力者もいますし、勇敢な反体制派もいるかもしれません。
しかし、21 世紀では、それは現実とほとんど似ていない。今日、独裁国家は 1 人の独裁者によって支えられているのではなく、中国からロシア、イランまで複数の政権にまたがって活動する、盗賊政治の金融構造、監視技術、プロのプロパガンダで構成された洗練されたネットワークによって支えられている。ある国の腐敗した企業は、別の国の腐敗した企業と取引している。ある国の警察は、別の国の警察に武器を与え、訓練することができる。そして、プロパガンダの担当者は、リソースとテーマを共有し、民主主義の弱さとアメリカの悪について同じメッセージを繰り返し伝えている。
国際社会の非難や経済制裁も独裁者を動かすことはできない。ベネズエラから香港、モスクワに至るまで、大衆の反対運動でさえ、勝ち目はない。独裁主義株式会社のメンバーは、共産主義のような統一イデオロギーで結びついているのではなく、権力、富、免責を求める共通の願望で結びついている。ソ連の「封じ込め」を求めたジョージ・ケナンのエッセイを想起させるこの緊急の論文で、アン・アップルバウムは民主主義国に対し、新たな種類の脅威と戦うために政策を根本的に方向転換するよう求めている。
引用終わり----