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弁護士・元ロースクール教授宮武嶺の社会派リベラルブログです。

野党5党が選挙協力で一致。国民連合政府構想を「凍結」した共産党は痛みに耐えてよく頑張った。

2016年02月19日 | 日本の政治

庶民の気持ちを裏切ったらいかんよね。

 

 

 もうそろそろ、野党の共闘は無理だから、市民連合は自分たちが立候補者になって選挙に出た方がいいという記事を書こうと思っていたところでしたが。

 民主・共産・維新・社民・生活の野党5党が2016年2月19日、党首会談を開き、安倍政権の打倒を目指し、国政選挙での協力を進めていくことで一致しました。


 会談には、民主党、共産党、維新の党、社民党、生活の党と山本太郎となかまたちの野党5党首が出席し、

①安保法制廃止と集団的自衛権行使容認の閣議決定撤回

②安倍政権の打倒をめざす

③国政選挙で現与党及びその補完勢力を少数に追い込む

④国会や国政選挙でできる限りの協力を行う

の4点で一致し、今後連携を深め、4月に予定されている衆議院の補欠選挙や7月の参議院選挙での候補者の一本化など選挙協力を進めることになりました。

 そして、会談終了後、5党は安全保障関連法を廃止するための法案を衆議院に共同提出しました。

 やっとここまで来たかという感じです。

ほんとに、「安倍はやめろ」の一点で頑張ってほしい。

 


 この野党の選挙協力のため、共産党の志位和夫委員長は、この会談で、夏の参院選に向けて共産党が提案していた安全保障関連法廃止のための野党連立政権「国民連合政府」構想を凍結する考えを示しました。

 この構想の事実上の撤回は、反発する有力議員を抱える民主党などに配慮し、参院選の協力を進めるためのものです。

 志位委員長は会談で

「国民連合政府は必要だと主張してきたが、賛否はさまざまだ。政権の問題は横に置いて、選挙協力の協議に入りたい」

と述べ、32個ある1人区での選挙協力についても、共産党がすでに擁立を決めた候補者を取り下げるなど

「思い切った対応をする」

と語ったそうです。

 

 共産党が安保法案成立直後に国民連合政権構想を発表するという機動性に、当時、私は驚きました。安保法案が成立することを前提に準備していたわけで、その現実主義には少し鼻白むところもありましたが。

 とにかく、共産党が思い切った提案と行動に出たことで、野党共闘を求める市民連合ができる刺激にもなりましたし、共産党はグッジョブだったと言えるのではないでしょうか。

 しかも、政権構想までは無理だと潔くあきらめ、さらには一人区では自分の候補を取り下げることも辞さないと明言したことで、野党の選挙協力ができるわけです。

 非常に思慮深い、大人の政党だという気があらためてします。

 民主党、維新の党の中には獅子身中の虫と言うべき議員が何人もいますし、自民公明とおおさか維新の会がいろいろ揺さぶりをかけてくるでしょうが、なんとか戦後最悪の政府というべき安倍政権にストップをかけるために、これからの国政選挙で頑張ってほしいものです。

こういう人とかに。


負けないで頑張ってください。

 

 

私たちは政治の暴走を許すのか (岩波ブックレット)
立憲デモクラシーの会 (編集)
岩波書店

いま日本では、首相自らが憲法を無効化すべく暴走している。デモクラシーの危機を前に、憲法学の愛敬浩二氏、青井未帆氏、中国政治の毛里和子氏、政治学の山口二郎氏、杉田敦氏、思想史の西谷修氏と大竹弘二氏がその深層を平易に読み解き、私たちのいのちやくらしを守るためのデモクラシーをどう取り戻すかを論じる。


2015年安保 国会の内と外で――民主主義をやり直す
奥田 愛基 (著), 倉持 麟太郎 (著), 福山 哲郎 (著)
岩波書店

「勝手に決めるな!」9月19日午前2時すぎ、日本が現行憲法の下で守り続けてきた平和主義、専守防衛を真っ向から否定する「平和安全法案」が“可決”。その時、国会前では抗議に集まった人々が、強行採決に抗う議員への激励のコールを叫んでいた―。2015年の夏、学生、ママ、学者、中年等々、10万を超える人々が「国のあり方」を強引に変えようとする政権に対し、各地で倦むことなく声を挙げた。路上、法曹、議員の3つの視点から見た2015年安保の記録を中心に、公述、国会、路上のスピーチも併せて収録。

 

SEALDs 民主主義ってこれだ!
SEALDs(自由と民主主義のための学生緊急行動) (編集)
大月書店

高橋源一郎さん、津田大介さん、古賀茂明さんなど著名人も応援する「SEALDs」。若者たちはどんな思いで運動に参加し、日本をどのように変えたいのか。メンバーみずからが撮影、デザイン、編集し、ムーブメントの最前線にいる若者たちの素顔に迫ったビジュアルドキュメント。

 

 

実際、共産党の方々って我慢強いよね。

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野党5党 国政選挙での勝利へ最大限協力

2月19日 12時07分 NHK


 
民主党や共産党など野党5党の党首が会談し、夏の参議院選挙をはじめ今後の国政選挙での勝利に向けて、5党で最大限、協力することで一致しました。また、会談で、共産党の志位委員長は、参議院選挙での野党側の候補者調整を進めるため、党として求めている「国民連合政府」の構想を調整の前提とはしない考えを示しました。
 
会談には、民主党、共産党、維新の党、社民党、生活の党と山本太郎となかまたちの野党5党の党首が出席し、各党の幹事長・書記局長も同席しました。

会談では、来月29日に施行される安全保障関連法と、集団的自衛権の行使を容認した閣議決定について、「憲法違反であり認められない」として、法律の廃止と、閣議決定の撤回を共通の目標とすることを確認しました。そのうえで、野党5党は、夏の参議院選挙をはじめ今後の国政選挙での勝利に向けて、最大限、協力することで一致しました。

また、会談で、共産党の志位委員長は、夏の参議院選挙で野党側の候補者調整の前提としてきた、安全保障関連法を廃止するための「国民連合政府」の構想について、「賛否についてさまざまな意見があるので、いったん横において、選挙協力の協議に入りたい。定数が1人の『1人区』では思い切った対応をしたい」と述べ、「国民連合政府」の構想を候補者調整の前提とせず、1人区で党の公認候補者を取り下げることも視野に入れて対応していく考えを示しました。

民主 岡田代表「認識は完全に一致」

民主党の岡田代表は、国会内で記者団に対し、「5党で確認したところに意義があり、認識は完全に一致した。きょうの確認事項を達成するため、今後、5党の幹事長、書記局長が早急に協議して、具体化していきたい」と述べました。

共産 志位委員長「思い切った対応したい」

共産党の志位委員長は、記者会見で、「国政選挙での協力と具体化のための協議に入ることは、多くの国民の声に応える極めて重要で画期的なことであり、わが党としては、誠実かつ真剣に協議に臨み、できるだけ速やかに合意を得るよう全力を挙げたい。参議院選挙の1人区の候補者調整にあたっては、『戦争法』の廃止と、立憲主義の回復という大義の実現のために、思い切った対応をしたい」と述べました。
 
 
 
 

 民主、共産、維新、社民、生活の野党五党は十九日午前、他国を武力で守る集団的自衛権の行使容認を柱とする安全保障関連法を廃止する関連二法案を衆院に共同提出した。安保法は三月末までに施行され、法律として効力を持つようになる。五党は、「違憲」との指摘もある安保法の問題点を施行の前に国民に訴え、四月の衆院補選や夏の参院選での争点化にもつなげたい考えだ。

 五党は法案提出に先立ち、党首会談を国会内で行い、安保法の廃止のほか、集団的自衛権の行使を容認する憲法解釈の変更をした二〇一四年七月の閣議決定の撤回を共通目標とすることを確認した。夏の参院選など国政選挙で与党を過半数割れに追い込むことでも一致した。

 民主党の岡田克也代表は会談後、五党の選挙協力などについて「合意事項に基づき、具体化を早急に進めたい」と述べた。共産党の志位和夫委員長は会見で、廃止二法案について「安保法に不安と怒りを持つ多くの国民の声に応えた法案だ。国会で真剣に審議することを求めたい」と述べた。

 廃止二法案は、集団的自衛権行使を可能にする武力攻撃事態法など関連する法律十本を一括して改正した「平和安全法制整備法」と、国際貢献を目的に他国軍支援を随時可能にする「国際平和支援法」をそれぞれ廃止するとしている。

 民主、維新両党は廃止二法案とは別に十八日、安保法の対案として領域警備法案など三法案を衆院に提出した。

◆「反対」の世論 共闘後押し

 安全保障関連法の成立から五カ月を経ても反対を続ける世論に押され、野党五党が廃止法案の共同提出で足並みをそろえた。「一強」の安倍政権に結束して対抗するために、国会共闘を国政選挙での協力に結び付けられるかどうかが今後の課題になる。

 安倍内閣の支持率は、一月末の共同通信社の世論調査で53・7%と高水準を保っている。一方で「政治とカネ」にまつわる閣僚辞任や、不用意な発言などトラブルが相次ぎ、政権内に不安材料も目立ってきた。

 対する野党五党は、衆院では定数の約四分の一の計百十八議席、参院では約三分の一の計八十五議席にとどまる。現状では廃止法案の成立どころか、審議入りさせることも難しい。政策面でも、かなり開きがある。例えば、維新の党は改憲を基本政策に掲げるのに対し、共産、社民両党は改憲そのものに反対だ。

 それでも安保法をめぐっては、安倍政権が昨年九月、「憲法違反」との声が国会の内外に広がる中で成立させたことに五党が一致して抗議した。これを機に、四月の衆院補選や夏の参院選に向け安保法廃止を合言葉に野党統一候補の擁立を模索する動きが各地で始まっている。 (宮尾幹成)

 

 

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24 コメント

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5野党は、頑張ってほしい (憂う一市民)
2016-02-19 17:45:53
安保法の廃止法案を5野党共同で提出し、
選挙協力を確認できたことは、本当に良かったと
思います。

共産党は大人の対応をしましたね。
立派だと思います。

5野党は力を合わせ、安倍政権打倒に向けて
頑張ってほしいです。大いに期待しています。
返信する
??? (アメフトファン)
2016-02-19 18:48:35
野党5党の選挙協力?うーん、民主党も、いくら共産党の票が欲しいからって、さすがに「共産党と組む」というのは選挙戦術としてどうかなあ。いかにもあの党(だけではないけれど)センスのなさを感じます。
他方、共産党にとっては、どうせ当選の可能性のなかった候補(失礼)を下ろすだけだから実質的な影響はないし、協力したということで野党内での発言力を高めることができるから、悪い策ではないでしょうね。
返信する
Unknown (mz-dog)
2016-02-19 19:09:47
民主党なんかはまだまだ「共産党アレルギー」が強いみたいですけどね。

僕は「自民党アレルギー」の方が強いです。

っていうか、「安倍アレルギー」で死にかけてます。
返信する
ようやく (kei)
2016-02-19 19:24:09
ここまで来ましたね。
良かった。
俄然選挙が楽しみになってきました。
返信する
安保もいいけど、、、 (K)
2016-02-19 20:33:10
まともな経済政策を打ち出すことを期待してる。
消費税を上げるべきという民主党をどう丸め込むのか注目です。
返信する
「歴史的合意」を喜ぶ (洲蛇亜林)
2016-02-19 20:35:02
野党協力の合意が成ったことを、このブログ記事で初めて知りました。
何かの間違い、夢を見ているのではないかと思いましたが願っていたことが現実となり涙が出そうな気分です。

野党各党にはそれぞれの立場と意見の違いがあるとは思いますが、それはひとまず脇に置いて暴走するアベ政治にストップ
をかけるという一点で力を合わせて欲しいと思います。

日本会議と創価学会とは本来水と油で全く合意点などありそうも無いのに、それぞれが強力に支えている自民党と公明党という政治組織のレベルにおいては強力に共闘しています。
野党各党にどれほどの違いがあろうとも共闘出来ないはずがありません。
もし、自公の側が野合批判をして来るのなら、「日本会議と創価学会の野合」と返してやりましょう。
返信する
Unknown (とら猫イーチ)
2016-02-19 20:45:08
 選挙協力は、良いことでしょうが、これでは、仮に勝っても、共産党は、蚊帳の外に出されてしまうのでしょうね。

 反共の風がそれだけ強い、と言うことですが、野党の協力と言っても、最初から、共産党抜きが決まっているようなもので、何だか、空虚な思いがしますね。 

 民主党の右翼勢力は、自民党と何等変わらない存在なので、昔の似非政権交代騒ぎに似たことになりはしませんか。。。

 小沢氏辺りが党首に座っていれば、違った感想を持つことになったのでしょうが、今の民主と維新を中心とした政治勢力なら、自民党とどう違うことになるのでしょうか。 

 これ等政党の支持基盤は、ガリガリの利権擁護勢力で、連合のように反共で固まっています。 何等、自民党とその支持基盤と変わらないでしょう。

 今から、このようなことを言うのは、白けるのですが、個人的には、期待は出来ません。 

 寧ろ、志井氏が、社民党大会に出席されることの方が期待感がありますね。 

 民主主義を擁護し、立憲主義の旗の下に政治に携わる政党も、支持基盤も、未だ目覚めていないのがこの国の現状でしょう。 或は、目覚めないままなのでしょうか。 

 これで、安倍政権が、不況対策で消費税増税延期を掲げて、選挙戦を戦えば、勝てるのでしょうか? 
返信する
「自民党と同じ」=「安倍と同じ」か? (洲蛇亜林)
2016-02-20 09:38:34
確かに民主党の中に政策面で自民党とほとんど同じという人たちが多いということも事実ですが、だからといって自民党Vs民主党という選挙区で民主党に投票しないという理屈にはならないと思うのですけどね。

なぜ安倍首相がこれほどまでに傲慢な態度になり、安倍政権が秘密保護法や新安保法制を押し通せたのか、なぜ報道の自由圧殺に突き進んでいるのかと言えば、国会内で多数を取っていて数の力を頼みとしているからです。
ならば、安倍政権の暴走にストップをかけようとするならば、国政選挙で自民党に勝たせないということに全力集中するしか道はないのだと思います。

国政選挙に自民党が敗北すれば安倍首相の力は今より確実に落ちて安倍政権の「磁力」は弱まり、少なくとも暴走にブレーキをかけることは出来るでしょう。
そのことが、取り敢えず今為すべきことだと思われます。
返信する
Unknown (とら猫イーチ)
2016-02-20 10:34:48
 洲蛇亜林 様

 私は、安倍政権は、結果であって、現政治状況の原因では無い、と認識しているのです。

 それには、冷戦体制を前に、敗戦時の戦犯追及を曖昧にし、旧統治機構を温存し、旧支配層に依る日本統治を継続した連合国軍司令部の方針が、今に至るも、大きく影響しています。

 この旧支配体制は、永らく、高度成長路線の陰で、復讐史観の現実化を見ないで来ましたが、日本の成長が陰り、周辺諸国、中でも中国の強大化を前に、その旧来の念願を従米路線を踏まえて現実化させようとしている、と認識しています。

 その基盤には、多くの国民が経済成長鈍化を踏まえて、意識が保守、右翼化したことの影響が大であり、安倍首相は、その反映なので、主導者では無いのです。

 これは、昔、ナチス・ドイツの全体主義を指して、「一千万人のヒトラーが居た」と評されたことと同様です。

 従って、その一般大衆の意識を反映している政治家ならば、安倍政権で無くても良い訳です。 例えば、橋下氏ならば、安倍首相よりも早期に全体主義が完成するでしょう。

 実は、私は、現時点は、最早、ファシズム前夜、と、思っております。 
返信する
Unknown (いわき)
2016-02-20 11:04:49
とら猫イーチ様の仰る不安も分かりますが、似非政権交代は言い過ぎではないでしょうか。
野党は「安保や集団的自衛権の撤回」を大前提として選挙協力をすると言っているので、堂々と公約無視でもされない限りは安倍政権よりマシな状況になることは間違いありません。
返信する

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