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イギリスで14年ぶりに政権交代を果たした労働党のスターマー政権が初めての予算案を発表し、日本円で約7兆8000億円規模の増税を行う方針を示しました。
スターマー労働党政権のリーブス財務相が2024年10月30日に議会下院で秋季財政計画を発表したのですが、それによると雇用主が支払う国民保険料の引き上げや2025年1月から私立学校の授業料に消費税にあたる付加価値税を導入するなどして、合わせて400億ポンド、日本円にして約7兆8000億円規模の増税を行う方針というのです。
リーブス財務相は今年7月の政権交代まで14年間政権を担った保守党に対して
「保守党の緊縮財政が国民医療サービスを破壊した」
と非難し、増税は
「機能不全に陥った公共サービスの回復に必要だ」
などと訴えました。
1993年以来の大増税を打ち出した英労働党のキア・スターマー首相。
英国初の女性財務大臣、レイチェル・リーブス
保守党が大敗して、労働党が議会で労働党史上初の圧倒的多数を占めたのでできた大胆な増税策。
英労働党政権ではこの増税で得られた財源で実現することがこんなにあります。
1 医療や教育などに5年で20兆円投資
2 公的医療の受信件数を週4万件増やす
3 500校以上の公立学校を建て替え
日本では医療費の削減ばかりいっていますが、スターマー政権はこのように医療・福祉・教育予算を拡充して医療予算だけでも200億ポンド以上の約4兆円増やすとしており、日本経済新聞の詳報の副題が
となっているように、これぞ高福祉高負担の大きな政府論といった具合です。
しかも高負担と言っても、負担が増える先をよく見ると、キャピタルゲイン増税や相続税の増税など富裕層への増税と国民保険料の雇用主負担の引き上げであって、日本のように政府が高所得者・富裕層への増税は及び腰で、逆進性のある消費税ばかりに頼るというのとは全く違います。
とにかく言いたいのは、日本のように減税ばかり唱えていたら肝心の市民へのサービスは絶対に低下するということなんです。
郵便冤罪事件とは、イギリスの郵便局を巡る冤罪事件で、1999年から2015年にかけて郵便局長ら900人以上が横領や不正経理の罪で訴追された事件。
えん罪事件に対する補償・賠償も労働党政権なら日本とは桁が違う。
今回の日本の衆院選で議席4倍に躍進した国民民主党は「手取りを増やす」を合言葉にしたのがよかったと言っていますが、実際には市民の負担を減らす話ばかりで所得を増やす話はありません。
今一番話題になっている103万円の壁を突破するという話は、課税の最低ラインを103万円から最大178万円に75万円引き上げる、そこまでは所得税がかからないようにするという話です。
細かく見ると国民民主党の案は、東京の最低賃金の引き上げ率をもとに基礎控除を48万円から75万円引き上げて123万円にする、給与所得控除(最低55万円)を加えると課税最低ラインは計178万円になるということになります。
この政党と代表に社会保障を語る資格はない。
【#国民民主党に騙されるな】「社会保障の保険料を下げるため尊厳死の法制化も含めて踏み込む」という玉木雄一郎代表が、自党の元立候補予定者自死に「一般人の自殺をことさら報じる意義があるのか」と言い放つ非情
しかし本当にこれをやると、これだけで7・6兆円かかる(国の減収になる)と試算されています。
そしてこの国民民主党案は一見、低中所得層への配慮がある政策のようですが、減税額は年収200万円の人が8.2万円、500万円だと13.3万円、1千万円だと22.8万円と、高額所得者になるほど減税幅が大きくなります。
これを是正するには高所得層への累進課税率をあげて減った分の所得税をそちらで確保する、と言えばいいのですが、大企業の正規労働者の組合が集まった連合の支持(指示?)を受ける国民民主党は、そういうことは絶対に言いません。
つまり、所得の格差を拡大する金持ち優遇の政策、それが国民民主党の減税案なのです。
国民民主党のポスターだけでも、詐欺商法的なヤバい感じが汲み取れそうなものなのだが。
連合の芳野友子会長が「共産党と共闘しなくても勝てるわけだ。それが明らかになった」とまるで国際勝共連合会長。衆院選での立民・国民民主の躍進の主な原因は自民党の裏金としんぶん赤旗のスクープだ。驕るな連合!
さて、国民民主党の「手取りを増やす」案に対して、英労働党政権は今回の発表で、21歳以上の最低賃金について来年4月から5.8%引き上げて、現在の11.44ポンド(約2279円)から12.21ポンド(約2433円)に値上げすると明らかにしました。
ちなみに、東京都の最低賃金は1163円で、もうこれで2倍以上の差になります。
「手取りを増やす」を実際に実現しているのも英労働党政権であって、負担を減らすだけの日本の国民民主党のやり方では国民は救われないのです。
実際に減税一本やりの減税真理教では、実は政府の歳入が減るわけですから歳出も減らさざるを得ず、必然的に政府が低中所得層を助けない弱肉強食の新自由主義政策を取らざるを得なくなります。
消費税減税を主張するのはまあいいのですが、その代わりに所得税や法人税の累進課税率アップ、相続税のアップ、富裕層への資産税、金融所得への課税強化など格差是正と財源確保を一挙に解決する歳入改善策がセットになっていて初めて信用できます。
それをやるのが英国の労働党政権であり、日本でこういう公約の出し方をしているのが日本共産党なのです。
だから、立憲民主党ももっと明確に高所得層・富裕層・大企業への負担強化を打ち出すべきです。
「年収の壁」103万円→178万円の国民民主案は7.6兆円減税との政府試算。しかしその財源は示されず、高所得者ほど減税効果が大きい不公正も。
— 山添 拓 (@pioneertaku84) October 30, 2024
選挙中、日本共産党も指摘したこと。「手取りを増やす」は最低賃金の抜本引上げでこそ実現すべき。なお、国民民主の最賃案は1150円。https://t.co/0IcM73oiB1
【#枝野勝て】立憲民主党の枝野幸男氏が「無駄にメスを入れるのと、ただ金をカットするのは別問題だ」「本当に社会のために必要な予算をしっかりと確保していこう」と大きな政府=福祉国家論を前面に打ち出した。
【#立憲民主党代表選2024】第1回討論会から見る吉田晴美ら各候補の政策比較1 立憲民主党は消費税減税真理教になるな。所得の再分配を最重視する「大きな政府」を目指せ。【#吉田はるみを立憲民主党代表に】
英保守党の前政権スナク内閣は選挙で日本の国民民主党のようなさらなる減税を主張しましたが大敗。
スターマー氏は保守党の減税計画について、大規模な減税政策を打ち出して金融市場を混乱させ、英国史上最短で瓦解したトラス前保守党政権の二の舞いだと指摘して大勝しました。
財源の裏付けのない大減税の表明をしてあっという間に政権を投げ出すことになったトラス保守党政権の姿は、日本の国民民主党と重なります。
良い政府、良い政治を勝ち取るためには我々有権者が人気取り政策に迷わされない賢さを持っていることが必要不可欠ということです。
今回、日本の衆院選で国民民主党の政策が有権者に評価されて支持率と議席を伸ばしたのだという話になってきているので、来年夏の参院選などはさらに減税合戦のポピュリズム選挙になりかねません(日本維新の会なんてそればっかり言うに決まっている)。
しかし、本来、北欧4か国のように高負担でも政府が集めた税金を適正に使ってくれるという政治への信頼度が高ければ、高福祉高負担で国民は納得できるのです。
それが日本のように血税を湯水のように利権誘導で余計なところに使われるとわかっていると、負担を減らす話にしかなりません。
実に政治とカネの問題を解決して政府の政治に対する信頼を取り戻すことは、高福祉高負担の大きな政府への第一歩なのです。
大きな政府論ならここ。古寺多見さん主宰の鍋パーティブログもぜひお読みください。
参考記事 kojitakenの日記さんより
「増税は絶対悪という風潮はおかしいと書いたら減税派から社会主義者と言われ」るらしい
リズ・トラスの減税政策は新自由主義の極北でしかなく、社会民主主義とは対極にある。細谷雄一氏の主張には全く賛成できない
イギリスのスナクも岸田文雄そっくりの低支持率に苦しむ。世界的に保守政治そのものが大きな壁にぶち当たっている
「リズ・トラスがトランプへの支持を表明するばかりか国連廃止も呼びかけるレベルで極右デマゴーグと化した」(kazukazu88氏のXより)
英総選挙で労働党が大勝、保守党が大敗して政権交代。元首相のリズ・トラスも落選\(^○^)/
国民民主党と玉木雄一郎代表批判ならこちら
村野瀬玲奈の秘書課広報室さんより
#国民民主党に騙されるな 国民民主党は自民民主党、第三自民党。自民党批判のつもりで国民民主党に投票しても、自国維公連立政権になりかねないのだから。
#国民民主党に騙されるな 。国民民主党は自民民主党、第三自民党と評されても仕方のないことをたくさん言い、実行しているから。
#国民民主党に騙されるな 。冷血玉木雄一郎代表の国民民主党は国民間の分断をあおってそれに乗じて自分たちの権力拡大をはかっているだけ。民民は大勢落選してほしい。
自民党の年金政策は国の責任であって年金受給中の高齢者の責任ではないし、富裕層でない高齢者の現在の苦境は将来年金受給世代となる現役世代の将来の苦境でもあります。
自民党と絡む国民民主党・玉木雄一郎代表の言動は常に批判的に見なければなりません。
編集後記
そもそも政府というのは税金の徴収権を主権者である国民が与えて(自分たちの納税の義務を受け入れて)、政府がそれを有効に使うという約束(社会契約)を結んで我々市民が樹立するものです。
我々の負担を減らす話ばかりではなく、負担があってもそれが我々に必要なことに使われる政府を打ち立てることこそが大事なんです。
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英8兆円増税、医療・教育再建 経済界にしわ寄せ
スターマー政権「大きな政府」鮮明
【ロンドン=江渕智弘】英労働党のスターマー政権は30日、初めての予算案を議会に示した。保守党政権下で悪化した医療や教育などの公共サービスを立て直すとして、過去最大級の411億ポンド(約8兆2000億円)の増税を盛り込んだ。経済界に税負担のしわ寄せがいく。
リーブス財務相が議会下院で演説し、2025年度の歳出や税制改正、中長期の財政見通しを提示した。「保守党政権が破綻させた公共サービスを根本から直す」と述べた。
7月の総選挙で14年ぶりに政権復帰した労働党は大きな政府を志向する。25年度の予算総額は1兆3351億ポンドと24年度に比べて5%拡大する。
国民医療制度(NHS)は700万人を超える待機患者が問題になっている。待ち時間の解消に向け、手術施設や検査機器などに投資する。医療予算を200億ポンド以上増やす。
教育予算も積み増し、老朽化した公立学校の建て替えを急ぐ。
政権発足後、電車の運転士や若手医師らに対する大幅な賃上げを早々に決め、2年に及んだストライキを終結させた。こうした公的部門の賃上げも歳出増加につながった。
財源は国民保険料の雇用主負担の引き上げが柱になる。現在は従業員の給与の13.8%分の保険料を雇用主が支払う。25年4月から15%に上げ、年257億ポンドの歳入増を見込む。
キャピタルゲイン課税や相続税の税率も上げ、免除してきた私立学校の授業料への付加価値税の課税を始める。労働党は選挙公約に国民保険料を「上げない」と記していた。最大野党・保守党からは「公約違反」との指摘がでている。
選挙で強調した「親ビジネス」ともちぐはぐになる。英経営者協会(IoD)のロジャー・バーカー氏は「予算案にはビジネス界に短期的な痛みを強いる以外のものはほとんど含まれていない。国民保険料の増額は間違いなく大打撃だ」と非難した。
予算案にあわせて最低賃金を7%高い時給12.21ポンドに上げることも決めた。企業よりも働く人に手厚い姿勢が鮮明になっている。
英国の財政はこの数年、混乱続きだった。22年に保守党のトラス政権が財源の裏付けのない大減税の表明で金融市場を混乱させた。24年に入ると、総選挙を意識した同党のスナク前政権が国民保険料の従業員負担を立て続けに引き下げた。
リーブス氏は政権交代直後の7月末、前政権の組んだ予算に「220億ポンドのブラックホール(財源不足)が見つかった」と主張した。年金生活者およそ1000万人の暖房費補助の打ち切りや各省庁の経費節減といった緊縮策を打ちだした。
今回は公共サービスの立て直しや財源不足の穴埋め、再生可能エネルギーなど成長分野への投資を一気に進めるため巨額の増税が必要になった。
増税だけでは足りず、財政ルールを緩めてより多くの借り入れも可能にした。24年度の国債発行額を春の計画より7%増やすと発表し、財政悪化の懸念などから10年債の利回りは5カ月ぶりの水準に上昇した。
下院議員の任期は5年。議会解散がなければ29年まで総選挙はない。政権は国民生活を安定させれば企業にも好影響が波及し、経済界の支持を取り戻せるとみる。リーブス氏は「良い学校、健全な公的医療、強固な財政は企業の成功につながる」と訴えた。
英スターマー労働党政権 約8兆円の増税案を発表 最低賃金は東京の2倍以上へ
10/31(木) 1:26配信
テレビ朝日系(ANN)
"英スターマー労働党政権 約8兆円の増税案を発表 最低賃金は東京の2倍以上へ"
イギリスで14年ぶりに政権交代を果たした労働党のスターマー政権が初めての予算案を発表し、日本円で約7兆8000億円規模の増税を行う方針を示しました。
イギリスのリーブス財務相は30日、議会下院で秋季財政計画を発表しました。
雇用主が支払う国民保険料の引き上げや来年1月から私立学校の授業料に消費税にあたる付加価値税を導入するなどして、合わせて400億ポンド、約7兆8000億円規模の増税を行う方針を明らかにしました。
リーブス財務相は今年7月の政権交代まで14年間、政権を担った「保守党の緊縮財政が国民医療サービスを破壊した」と非難し、増税は「機能不全に陥った公共サービスの回復に必要だ」などと訴えました。
一方、21歳以上の最低賃金について来年4月から5.8%引き上げ、現在の11.44ポンド、約2279円から12.21ポンド、約2433円に値上げすると明らかにしました。
東京都の最低賃金は1163円で、2倍以上の差があります。
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俺はこの人を知りませんが、wiki の日本語版もないし知らない人のほうが多いでしょう
聞けばそのルーツに反して移民や性的少数者を貶める「名誉白人」らしく、黒人女性版のメローニ、杉民夫といったところだと思います
こういった「役者」を輩出して政治が混迷しても詰み状態にしないイギリスは流石と思うところもあります
しかしホワイトハウスにインチキ不動産屋が返り咲くのが秒読みとなった今、先進国で移民の流動性を低下させ競争力を奪う「真の売国勢力」をまた勢いづかせるのを座視するだけなのは残念です
さすが腐っても議会制民主主義の草分けというところなんでしょうか
中身は高市早苗やけど(^_^;)