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弁護士・元ロースクール教授宮武嶺の社会派リベラルブログです。

ドイツ ドレスデン 爆撃65周年 ネオナチ5000人を市民12000人の人間の鎖が包囲

2010年02月15日 | 人権保障と平和
 感動しました!

 民主主義がダイナミックですね!
 第二次大戦における連合軍のドレスデン爆撃は、広島、長崎への原爆投下や東京大空襲などと並ぶ、連合軍側の戦争犯罪です。
 なぜなら、市民と軍を区別せず無差別に大量に殺戮したからです。

 ネオナチはナチズムを肯定するためにこの大空襲を利用しようとしました。

 しかし、ドレスデン市民はそれはむしろ死者を汚す行為だと反発し、見事に非暴力で極右を封じ込めたのです。

 私は原爆だけでなく、東京大空襲訴訟の弁護団にも入っているのですが、日本の極右が戦前の絶対的天皇制を正当化するために日本の空襲を逆利用するということもあまりないと思うのですが、市民が極右を非暴力で取り囲むという状況も生まれていません。



 ドイツと日本。
 ともに全体主義国家だった両国が戦後どう民主主義化するかに当たって、対照的な面があり、そのどちらが是ということはないのですが、ドイツ市民のありように深く感動しました。



独ドレスデン爆撃65周年、極右デモを市民が「人間の鎖」で阻止
2010年02月15日 12:25 発信地:ドレスデン/ドイツ

【2月15日 AFP】ドイツ東部ドレスデン(Dresden)で同市の大半が廃墟と化した第2次世界大戦中の連合軍爆撃から65周年を迎えた13日、極右ネオナチが計画していたデモ行進を市民グループらが「人間の鎖」を作り自力で阻止した。

 この日、追悼集会を企画したネオナチ団体6400人あまりがノイシュタット(Neustadt)駅前に集結。数人が演説を行った後、デモ行進に向かおうとしたが、市民団体メンバーら1万2000人の「人間の鎖」に行く手を阻まれた。

 市民団体が「平和的な抗議運動でネオナチのデモ行進を阻止しよう」と呼びかけ、これにドレスデン市民らが応じた。 

「欧州最大のネオナチデモ行進を、われわれ市民の手で初めて阻止した」と政治家や労働組合、アーチストらの市民連合団体「Dresden without Nazis(ナチスのいないドレスデン)」メンバー、レナ・ロス(Lena Roth)氏は誇らしげに語る。

 警察は市内各所に警官約5700人を配備したが、散発的な衝突が数件発生し、投石や割れた瓶などで少なくとも警察官15人を含む27人が負傷した。しかし、高速道路や大通り、各鉄道駅などでは市民グループが「人間の鎖」となり、ネオナチがデモ行進を実施できた場所はなかったという。

 市民による「人間の鎖」運動について市当局は、ドレスデンが暴力や外国人排斥主義に反対する、世界に開かれた都市であることを行動で象徴的に示したものと称賛した。(c)AFP/Andrea Hentschel

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7 コメント

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スローターハウス5 (スクウォッター)
2010-02-16 23:01:04
和訳すれば「場5号棟」くらいの意味で、シリーズではありません。
名作ですのでどこかで観て下さい。
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ウニさん ごめんなさい (ray)
2010-02-16 06:23:35
完全に誤解していました。私も数に頼むのは大嫌いです。たいへん失礼しました。

ネのつくウさん、パレードしたか分かりませんが、市民はたいへんうれしかったでしょうね。
スクウォッターさん、やられました。ジョージ・ロイ・ヒル!スローター・ハウスって聞いたことあるけど見てません。5ってすごいな。シリーズになってるんですね。映画は深いなあ。

ウニさん、私も報道をいくつか調べたんですが、どうやって阻止できたのかよくわからないのです。
ネオナチは警官でさえ何十人も怪我させているので、手をつないだ市民がデモにいけないようにしただけではネオナチに蹴散らされたはずです。
警官隊が実力阻止したのではないでしょうか。

ひるがえって、1万2000人がデモできる道で手をつないで立っている、それで5000人集まったネオナチがどのとおりにも入っていけなかった、それだけだとすると、私は数を頼んで不当な実力行使をしたとは思わないのです。
法律の世界で実力行使とは逮捕に近い、腕をつかんだり、胸を押したりする行為ないしそれ以上のものです。
確かに手をつないで立っているだけで物理力の行使とはいえますがそれは消極的なものですよね。だから実力行使という言葉には当たらない。
では不当かというとどちらの意見が正しいかではなくて行動が許されないかという形で考えるべきですが、デモ行進をしたいという表現の自由があり、それに対してそんなデモ許さないぞという表現の自由、自分たちの住居の平穏を守るぞという居住権が対立する場面で、デモをやめろと口頭でアピールするだけなら必ずデモされてしまうという状況下、身体を張って阻止する、しかし、手は出さないというのはありだと思います。
たとえば原生林を守るために林道に座り込む先住民と同じではないですか。
でも書いててかなり難しい問題だと思いました。
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Unknown (ウニ)
2010-02-16 03:12:51
>はじめまして。

どうもこんにちは

>手をつないだりバリケードを作っただけです。

ここがよく分らないのですが、バリケードを作って行進できなくしたという事ですか?
それならば人数を持って行く手を阻んだと同じことだと思いますが。
要するに自由に行動できるべく公道において、人のバリケードを作りネオナチの行動の自由を奪ったということですよね?

>よほど極右がお好きですか。

答えになっているかどうかは分りませんが、天皇制は反対です。民主主義と両立しません。
私は数に頼んで他人の行動を不当に制約することは卑劣だと申しておるのです
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スローターハウス5 (スクウォッター)
2010-02-16 01:05:17
ドレスデン無差別爆撃をちょっとひねって描いた映画に「スローターハウス5」(ジョージ・ロイ・ヒル監督)があります。
カート・ヴォネガットの原作もなかなかですが、よくぞ映像化したもんです。立派な反戦映画だと私は思う。

爆撃される側からの視線を、もっと世界中の人々が持てるようになればと願います。
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Unknown (ネのつくウ)
2010-02-15 19:54:23
で、この後市民グループが65周年のデモをやったのかな?
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ははは (ray)
2010-02-15 19:16:34
はじめまして。いえいえ、市民は非暴力。手をつないだりバリケードを作っただけです。ネオナチはそのバリケードに火をつけたりしました。新聞記事や私の文章をお読みください。よほど極右がお好きですか。
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これは (ウニ)
2010-02-15 18:45:23
よく事情が分らないのですが、ネオナチと呼ばれる団体のデモ行進を、市民グループが実力をもって行く手を阻み防いだということですか?

それならば不当な実力の行使だと思いますが
ネオナチ側は反撃しても良かったと思います
おそらく人数に違いがあったのでできなかったのでしょうけど
数に頼んで相手の行動を制約することは卑怯なやり口です
返信する

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