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弁護士・元ロースクール教授宮武嶺の社会派リベラルブログです。

パレスチナの国連加盟を支持する決議案を国連総会で圧倒的多数で可決。賛成は143か国、反対はイスラエル・米国など9か国のみ。ジェノサイドにひた走るイスラエルと支援するアメリカは徹底糾弾しなければならない

2024年05月11日 | イスラエル・パレスチナ戦争

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  イギリス留学中の娘から、「日本も賛成した!」とこの画像が今朝送られてきました。

 

 

 

 国連総会は2024年5月10日、緊急特別会合を開き、パレスチナの国連正式加盟を支持し国連安全保障理事会に加盟の再検討を求める決議を、加盟国193か国中143カ国の賛成で採択しました。

 この決議には

「パレスチナには国連に加盟する資格があり、認められるべきだ」

と明記されており、日本や中国やロシアなどが賛成しました。

 反対は米国やイスラエルなど9カ国にとどまり、25か国が棄権し、16か国は投票に参加しませんでした。

 これはウクライナを侵略しているロシア政府に対して即時・無条件に完全撤退を求めた国連総会決議に匹敵する数字です。

 もちろん国連総会決議に法的拘束力はないものの、国際社会の総意として大きな意味を持ちます。

イスラエル軍の無差別攻撃で3万人以上のパレスチナ人が死亡。ガザ地区で飢餓が発生して子どもたちが死亡。食料を求めて集まった民衆を100人以上射殺。ネタニヤフ政権がやっていることはまさにジェノサイドだ。

 

こちら2023年2月のロシア非難決議。

イスラエル・パレスチナ戦争から見えてくるウクライナ戦争の真実。「たかが領土」ではなくイスラエル政府の強制入植もロシア政府の4州併合も違法。侵略しているロシアに対して即時撤退を要求するのは当たり前だ。

 

 

 しかし、パレスチナが国連に加盟するには国連安保理による勧告が必要で、拒否権を持つ米国は早くも反対を表明しています。

 詳しく言うと、新しい国が国連に加盟するには、安保理15か国中9か国以上が勧告を出すことに賛成した上で、常任理事国5カ国(米ロ中英仏)が拒否権を使わないことが条件となります。

 その後、総会で3分の2以上の賛成を得れば承認されるのですが、安保理では先月4月にもパレスチナ加盟を求める決議案が出されたばかりで、これをアメリカ合衆国が拒否権を使って葬り去っているのです。

 いま、イスラエルがガザ地区の都市ラファに侵攻するなら、アメリカはイスラエルに対する軍事支援を停止するとバイデン米大統領はイスラエルのネタニヤフ首相に宣言したわけですが、しかし、アメリカがイスラエルとの癒着関係を絶ったわけでは全くないことがここからもわかります。

国際刑事裁判所(ICC)がネタニヤフ首相らを捜査し逮捕状を出すかもしれないとバイデン米大統領に懇願し、米政府が「ICCの捜査についてはわが国は支持しない。ICCに管轄権があるとも考えていない」と発表

 

 

 現在、イスラエル軍がラファに侵攻して大虐殺を繰り返そうとしているイスラエル・パレスチナ戦争。

 これを根本的に解決するには、パレスチナ国の存在を正式に認め、イスラエルとパレスチナが対等の国家として共存していく道を探るしかありません。

 これに抵抗するイスラエルは今回の国連総会決議に抗議して、エルダン国連大使が国連憲章をシュレッダーにかけるというとんでもないパフォーマンスまでしました。

国連憲章をズタズタに引きちぎっているのは、ガザ侵攻でジェノサイドを続けるイスラエルだ(それともちろんロシア)。

【#ガザジェノサイドは続いてる】イスラエル軍によるガザ侵攻開始から200日経過。パレスチナ人3万5千人が死亡。軍が殴打や電気ショックの拷問。病院で300人が遺体に。ネタニヤフ首相がラファ突入を計画。

 

 

 ちなみに、ウクライナに侵略しているロシアのプーチン大統領はウクライナとの国境に近い地域で、戦術核兵器の使用を想定したミサイル訓練をするように指示したうえで、5月9日、対独戦勝記念日の軍事パレードで演説し、ロシアの核戦力については

「常に臨戦態勢にある」

と核兵器の使用も辞さない考えを強調して、ウクライナ支援を再開した米国や支援強化に動く欧州各国を激しく牽制しました。

ロシアが核兵器を使うかもしれないから、とまたウクライナに「即時停戦」=降伏を求める親露派陰謀論者が救いがたい。

核兵器を使うと威嚇しているロシアの行為だけでも国際法違反なのに。

ロシアのメドベージェフ前大統領がウクライナの反転攻勢に「1945年の米国による広島と長崎への原爆投下と同じことをしたら戦争はすぐに終わらせられる」と威嚇したことは国際法違反で絶対に許されない【改】

 

 

 イスラエルとロシアはいまや世界の鬼っ子。

 そのイスラエルを支援することで、ロシアに侵略されているウクライナ支援に対する世界の支持を失わせているのがアメリカです。

アメリカはもはや世界を敵に回している。

アメリカ合衆国が、国連安保理でのガザの即時停戦を求める決議案に4度目の拒否権を行使して否決。イスラエル軍のジェノサイドに加担する米国政府。日本共産党は日米安保条約廃棄の綱領を高く掲げ続けるべきだ。

 

 

 このように国際社会の世論に背を向けて国際法違反の戦争犯罪を続けるイスラエル政府を批判することは、決して反ユダヤ主義ではありません。

 というか、ユダヤ民族排斥になってはいけないし、そんなことをしなくてもイスラエル政府の批判はできます。そこは峻別すべきです。

 ユダヤ系ながらアメリカ上院でイスラエルへの軍事支援予算案に敢然と反対票を投じたバーニー・サンダース議員は、Ⅹにこうポストしました。

「はっきりさせておきます。

 反ユダヤ主義は恐ろしく、下劣であり、この国に存在するべきではありません。

 しかし、違法な戦争を止めたいと思うことは反ユダヤ主義ではないのです。

 ネタニヤフ首相は、自らの右翼過激派政権がガザで作り出した恐ろしい状況から注目をそらそうとしているのです。」

 特にリベラル・左派を自認する方には、ユダヤ民族をディスらなくても、イスラエル政府を批判できることは銘記しておいていただきたいです。

 逆にネトウヨは、イスラエル批判と反ユダヤ主義は全く別物だと知るべきでしょう。

 

 

アメリカの二枚舌がひどすぎる。バーニーが大統領だったら。。。

イスラエル軍のガザ侵攻について「民間人の死傷者数が多過ぎる」と国連安保理での停戦決議に拒否権を使えなくなったバイデン米政権が、裏ではイスラエルへの戦闘機25機や2300発以上の爆弾の売却を承認した偽善

 

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第 1 巻 (全 3 冊): 全体主義の起原 新版  | ハンナ・アーレント、 大久保 和郎 | 2017/8/24
 
 
 
 
 

プーチン政権やロシア軍の侵略と戦争犯罪を非難しても、一般のロシア市民は迫害しない。

ネタニヤフ政権やイスラエル軍のジェノサイドを批判しても、反ユダヤ主義には堕さない。

そうであればこそ、ウクライナ人やパレスチナ人の命や権利を守れと主張する資格があるというべきです。

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10日、ニューヨークの国連本部で、パレスチナの国連加盟を支持する総会決議を採択する緊急特別会合(EPA時事)

10日、ニューヨークで開かれた国連総会の緊急特別会合で、国連憲章の冊子を細断するイスラエルのエルダン国連大使(AFP時事)

複数の加盟国、パレスチナ国家承認へ 21日にスペインなど―EU外相

 反対はイスラエルや米国など9カ国にとどまり、英独伊など25カ国が棄権。パレスチナ自治政府のアッバス議長はメディアを通じた声明で「対イスラエルで世界が結束した」と採択を歓迎した。

 パレスチナは現在、投票権を持たない「オブザーバー国家」として活動。正式な加盟国となるには安保理が勧告を出す必要があるが、イスラエルの後ろ盾の米国が4月、安保理で加盟勧告決議案に拒否権を行使した。

 これを受け、アラブ諸国を代表してアラブ首長国連邦(UAE)が今回の総会決議案を提出。パレスチナが国連憲章の定める加盟資格を有するとして「加盟が認められるべきだ」と明記し、安保理に対し「好意的に再検討」するよう勧告した。

 

 

国連総会ではパレスチナの国連加盟を支持する決議案の採決が行われ、143か国が賛成したのに対し、反対はアメリカやイスラエルなど9か国にとどまり、圧倒的多数の賛成で決議は採択されました。安全保障理事会での勧告がない現状ではパレスチナの加盟は実現しないものの、イスラエルとそれを擁護するアメリカの孤立が際立ったかたちです。

国連総会に提出された決議案は、現在は国連で「オブザーバー国家」の地位にあるパレスチナについて、国連への正式な加盟に向け安全保障理事会で協議するよう、求めています。

採決は10日、日本時間の11日未明に行われ、▽日本を含む143か国が賛成、▽イギリスなど25か国が棄権、▽反対はアメリカやイスラエルなど9か国にとどまり、決議は賛成多数で採択されました。

採択の瞬間、議場から大きな拍手がおこり、パレスチナのマンスール国連大使と決議を支持した各国の大使らが握手を交わしていました。

国連への加盟には安保理の勧告決議が必要で、パレスチナの加盟をめぐっては先月、安保理でアメリカが拒否権を行使したことから、現時点で実現する見通しは立っていません。

ただ、すべての国連加盟国が参加できる総会で140を超える圧倒的多数の支持を得たことで、イスラエルとそれを擁護してきたアメリカの孤立が際立ったかたちです。

アラブ諸国を代表して演説したUAE=アラブ首長国連邦の国連大使は、ガザ地区での情勢が緊迫する中、パレスチナの国連加盟を通じて「2国家解決」への道筋をつけるべきだと訴えました。

一方、決議に反対したアメリカの国連次席大使は、あくまでも当事者どうしの直接交渉によって事態の打開を目指すべきだと、強調しました。

パレスチナ アッバス議長「賛成票を投じた国々に感謝」

国連総会がパレスチナの加盟を支持する決議を採択したことについて、パレスチナ暫定自治政府のアッバス議長は「パレスチナに賛成票を投じた国々に感謝する。安全保障理事会の決定によって完全な国連加盟を実現するための努力を続ける」などとする声明を発表し、決議の採択を歓迎しました。

イスラエル カッツ外相「人質解放の努力損なうゆがんだ決定」

イスラエルのカッツ外相は自身のSNSに「政治的な劇場となっている国連は、ハマスに報酬を与え、人質解放のための努力を損なうゆがんだ決定を下した。国連が送っているメッセージは『暴力は報われる』というものだ」と投稿して、国連総会がパレスチナの加盟を支持する決議を採択したことを非難しました。

イスラエル国連大使 国連憲章を細断するパフォーマンス

 

採決を前に演説したイスラエルのエルダン国連大使は、パレスチナの国連加盟を支持する決議案について、テロ組織に国家の権利を与えようとしているなどと非難しました。

そのうえで決議案に賛成する国に対して、「きょうの採決であなたたちが国連憲章に何をしようとしているのか、これをみれば分かる」と述べ、小型のシュレッダーを取り出して国連憲章が書かれた紙を細断するパフォーマンスを行いました。

そして演説の最後に「恥を知れ」と言い残して、演壇を離れました。

 

 

ガザ地区での戦闘が続く中、パレスチナを国連の正式な加盟国とするよう勧告する決議案が、安全保障理事会で採決にかけられ、理事国15か国のうち日本を含む12か国が賛成しましたが、アメリカが拒否権を行使して否決されました。

パレスチナは現在、国連で加盟国ではない「オブザーバー国家」の地位にありますが、ガザ地区で戦闘が続く中、将来のパレスチナ国家の樹立とイスラエルとの「2国家共存」への道筋をつくるべきだとして、アラブ諸国を代表してアルジェリアが、正式な加盟を勧告する決議案を安保理に提出していました。

国連への加盟が認められるには、安保理で勧告の決議が採択されたうえで、総会で3分の2以上の賛成を得る必要があります。

18日午後、日本時間の19日朝、行われた採決の結果、理事国15か国のうち日本やフランスなど12か国が賛成しましたが、イギリスとスイスが棄権し、アメリカが拒否権を行使して、決議案は否決されました。

賛成した国のうち日本の中東和平担当特使の上村政府代表は、ガザ地区の厳しい状況に言及したうえで「当事者間の平和的な交渉を通じてパレスチナ国家の樹立を促すという観点に立って賛成した」と説明しました。

一方、アメリカのウッド国連次席大使は拒否権を行使した理由について「決議案が想定するパレスチナ国家と不可分なガザ地区で、いまもテロ組織のハマスが権力と影響力を行使している」などと述べ、あくまでもイスラエルとパレスチナの直接交渉による解決が必要だと強調しました。

上村政府代表「平和的な“2国家解決”しか道はない」

 

採決のあと、日本の中東和平担当特使の上村政府代表は記者団に対し、決議案が否決されたことについては「残念なことだが、この問題には時間がかかり、一朝一夕に解決できないということを示していると思う」と述べました。

一方で、「安保理のメンバーはほぼ同じ立場を示している。特に今のガザの厳しい状況をみて、この問題は平和的な『2国家解決』しか道はないという認識が関係国の間でさらに強まったと思う。そのためには当然話し合いが必要で、壊れた信頼関係や相互理解をもとに戻していく必要がある。非常に時間はかかると思うが、国際社会は基本的な共通認識を持っていると思う」と述べ、イスラエルとパレスチナの「2国家共存」の和平に向けて、各国と連携していく考えを強調しました。

イスラエル・パレスチナ双方の反応は

パレスチナを国連の正式な加盟国とするよう勧告する決議案がアメリカの拒否権で否決されたことについて、イスラエルとパレスチナの双方が反応を出しました。

イスラエルのカッツ外相はハマスによる奇襲攻撃から半年後にパレスチナを国家として認める提案は「テロに見返りを与えることになる」とした上で、「この恥ずべき提案に拒否権を行使したアメリカを称賛する」とSNSに投稿しました。

一方、パレスチナ暫定自治政府はアメリカによる拒否権の行使について「不公平かつ、倫理に反する不当なもので、国際社会の意思にも反するものだ」と非難したうえで、「この攻撃的な拒否権の行使は、『2国家解決』への支持を主張しながら、拒否権の行使によってそれを繰り返し妨害するアメリカの政策の矛盾を露呈している」などと批判しました。

また、ガザ地区を実効支配するイスラム組織ハマスはSNSへの投稿でアメリカの立場はイスラエルに偏っているとして「最も強いことばで非難する」とした一方で、「賛成したすべての国の立場を高く評価する」と謝意を示しました。

林官房長官 “中東和平の実現へ 総合的に判断し賛成”

林官房長官は閣議のあとの記者会見で「安全保障理事会が適切な形で意思表示できなかったことは残念だ。わが国はパレスチナが国連加盟に関する要件を満たしているとの認識のもと、中東和平の実現に向けて、和平交渉を通じた国家の樹立を促進するとの観点を含め総合的に判断し、決議案に賛成した」と述べました。

また記者団から、今後パレスチナを国家として承認する考えがあるか問われ「わが国は当事者間の交渉を通じた『2国家解決』を支持し、独立国家樹立に向けたパレスチナの努力を支援してきた。国連加盟に関する安保理決議に賛成したことと、パレスチナを国家として承認することは別個の問題で、わが国の立場に変更はない」と述べました。

 

 

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3 コメント

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Unknown (暗黒大将軍)
2024-05-12 22:38:06
反対した9ヵ国にはオルバンのハンガリー、ハビエル・ミレイのアルゼンチンなど「いかにも」ってところが入ってますが、想定内です

一方の棄権25ヵ国ですが、イギリス、ドイツ、イタリア、カナダ(つまりG7中 4ヵ国)に、オランダ、スイス、スウェーデン、そしてウクライナ、、、

いくら賛成が143ヵ国の大勢力といっても、この9ヵ国と25ヵ国を「取るに足らぬ少数派」と見做す人はいないでしょう

基本的にパレスチナは中国、ロシア、インド、ブラジル、サウジなどの各地域大国の庇護を受けていくことになりそうですが、反対する欧米諸国同様いまひとつ全幅の信頼をおけないタヌキばかり

特にインドはイスラエルべったりから想像のつかない掌返しぶりで、人道的ポーズの裏に寝業師モディらしい含み笑いが垣間見えます

でも折角ここまで来たんだから、先月の轍を踏まないためにアメリカの立場を「棄権」に留めるような落としどころが必要ですね
返信する
Unknown (津木野宇佐儀)
2024-05-13 01:05:17
>暗黒大将軍さん
>でも折角ここまで来たんだから、先月の轍を踏まないためにアメリカの立場を「棄権」に留めるような落としどころが必要ですね

そのためにも、トランプは絶対に落選(&投獄)させなければいけませんね
返信する
Unknown (暗黒大将軍)
2024-05-13 12:59:08
うさぎさん、指名争いと違って、トラ公は本選ではかなり苦戦すると思います
少なくとも彼の楽勝はないでしょう

一方のバイデンですが、まだ8月の民主党大会なら間に合うようなので潔く降りてほしいですね
理由はなんでもいい、病気でも、息子ハンターの疑惑でもいいし
返信する

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