厚生労働省によりますと、きょう全国では新たに9万5308人の感染が報告されました。

死者は336人で、累計死者数は6万人を超えました。5万人を超えた去年12月2日から1か月あまりで1万人以上増加しています。

これまで国内の死者は、去年2月に累計2万人を超えた後、12月初めまでおよそ3か月に1万人のペースで増加していました。

現在、入院中の重症者は648人となっています。

きょう新たに報告された東京都の感染者は8199人でした。先週の月曜日から662人増加しています。

重症者は55人で、新たに28人の死亡が報告されています。

 

 

コロナ第8波で死者急増の理由 本当は感染者がもっと多いのでは?


2023年01月09日19時00分 J-castニュース

   新型コロナウイルスの感染拡大が止まらない。死者も急速に増えてきた。そうしたなかで、現在進行中の第8波では、実際の感染者数が、公表されている人数よりも多いのではないかという指摘が相次いでいる。なぜなのか。

「隠れ感染者」が多数存在している可能性がある
死者数が過去最多を更新し続ける
   コロナ第8波による全国の死者は、2023年1月に入って、過去最多を更新することが続いている。6日には456人に達した。これは昨年7月から9月の第7波ピーク時の347人を大きく上回る。

   第7波の感染者の最多は約26万人。今回の第8波は6日の24万人強が最多。死者数は感染ピークから2週間ほど遅れて最多になるといわれているので、第8波の死者はさらに増える可能性がある。

   第7波はほぼ100%がオミクロン株のBA.5によるものだった。東京都の昨年12月末の調査によると、第8波ではBA.5が半分以下に減ってきた。残りの大半はオミクロンの派生株。特に重症度が高まってはいないという。

   そもそも、第8波では、オミクロン株に対応するワクチンも接種が進み、治療薬も開発されて使用されている。それなのになぜ、第7波よりも、明らかに感染者に占める死者の人数が多くなっているのか。

集計方法の変更が影響
   複数の感染症専門家が指摘するのは、「コロナ全数把握簡略化」による影響だ。政府は昨年9月末、突然コロナ感染者数の集計・公表方法を変えた。

   日経新聞によると、それまでは都道府県がウェブサイトで公表する感染者数を厚労省が集計していたが、以後は医療機関や保健所が情報一元管理システム「HER-SYS(ハーシス)」に入力した値を用いることになった。

   この方式変更が、感染者数のカウントに影響しているというのだ。

   毎日新聞は6日、厚労省が感染者の全数把握を簡略化したことで、「以前より感染者数を正確に把握できなくなり、実際には第7波を超えている可能性がある」という東京医科大の濱田篤郎特任教授の見方を伝えている。

   NHKも昨年12月26日、感染者数の報告形式が変わって以降、報告の精度が下がり、感染しても受診しない人が増えているとみられるなど感染者数が以前よりも正確に把握できなくなり、実際にはさらに多くの感染者が出ている可能性もある、という専門家の指摘を伝えている。

登録システムが複雑すぎる
   実際、コロナに感染したが、報告しなかったという人は少なくないようだ。TBSは1月6日、「死者456人」のニュースを報じ、ヤフーにも掲載された。その記事に付いたコメントには、以下のように「システムが複雑で、登録しなかった」というものが目立つ。

・ファミリー7人全員が感染しました。感染登録をしようとしましたが、あまりにも細かな情報をもとめられ、更にそれを7人分入力するのはコロナで体調が悪い状態で、諦めました・・・。それにしても、今の感染登録システムは、何故(なぜ)こんなにも難しくする必要があるのか、理解できません。
・入力したところでなにかサポートを受け(ら)れる訳でもなければ、みなし入院の保険金ももらえなくなった今、一体どれだけの人がこのやりにくいシステムに真面目に入力しているのでしょうか?
・病院は電話すら繋がらない発熱外来の人数がオーバーしていて診察はできない。フォローアップセンター登録は面倒で途中でやめました。体が辛い時に慣れない作業と携帯を見るのもすごく苦痛でした。同じく登録せずに自宅療養してる方はたくさんいると思いました。
   第8波では、水面下で、こうした「隠れ感染者」が多数存在している可能性がある。NHKの取材に東京医科大・濱田篤郎特任教授は、「亡くなった人の数は表に出てきている一方で、感染者数はいま報告されているより少なめになっている可能性もある」と語っている。政府の第8波の対応も、こうした実態に即したものに変える必要がありそうだ。