(チェルノブイリ原発事故は1986年に発生し、100万人に1人のはずの子どもの甲状腺がんが事故の翌年からもう発生していることがわかる。しかも、その数年後に爆発的に甲状腺がんが増加するのだ)
あと一か月で東京電力福島第1原発事故からまる2年になります。
この事故での放射線の影響を調べている福島県の県民健康管理調査の検討委員会が2013年2月13日、福島市内で開かれ、18歳以下(震災当時)の2人が新たに甲状腺がんと確定したと報告されました。2012年9月に判明の1人と合わせ、これで3人となったことになります。この3人の子たちは甲状腺がんですでに手術をおえていますが、さらに7人に悪性腫瘍の疑いありということです。
この甲状腺がんを切除する手術をすると、一生ホルモンや薬を飲まなければいけません。まだ若い方々には本当にお気の毒です。
しかし、甲状腺がんは大半は進行が遅く、生存率も高いそうで、診断30年後の生存率は9割以上です。3人の方々も進行が遅いタイプだそうですから、今後健康に過ごされますように。そして、7人の方々は疑いのままで終わることを心よりお祈りいたしします。
さて、この調査は、原発事故のときに18歳以下だった子どもたちを対象に行なわれています。対象となる18万人のうち、3万8千人分の検査結果がまとまって、このたび発表されたので、まだ14万2千人の方々の結果はまだこれからということになります。
甲状腺がんは珍しい病気で、子どもに甲状腺がんができる可能性は、通常では「100万人に1人」だというのが通説です(検討委の鈴木真一・福島県立医大教授)。ですから、4万人の中で3人ないし最悪10人という今の福島の子どもたちの現状はごく単純にかんがえるなら、通常の75倍ないし250倍ということになります(年間検出率でみると最高130倍)。
これに対して、鈴木教授は
「チェルノブイリでは事故から4~5年たってから甲状腺がんが発生しているので、総合的に判断すると被曝(ひばく)の影響は考えにくい」
と述べています。しかし、同じ記者会見で鈴木教授は
「断定はできない。これからきっちり検討していく」
とも述べています。断定できないものを被曝との関係はないと言ってしまうのは極めて不誠実でしょう。
ちなみに、国連放射線影響科学委員会(UNSCEAR)2000年報告中の下のグラフのように、ベラルーシではチェルノブイリ事故後1年でも子どもの甲状腺がんが増加しています。
チェルノブイリでは、事故から4~5年たって甲状腺がんが初めて「発生した」のではなくて「急増した」のです。4~5年経つまでは被曝による甲状腺がんが出ていないというのは間違いです。逆に言うと、むしろ、あと数年すると福島を中心とする子供たちにさらに爆発的に甲状腺がんが増える可能性が高いというべきでしょう。
東日本大震災 福島原発事故 チェルノブイリ事故から25年 原子力発電の不都合な真実と向き合え
国連放射線影響科学委員会(UNSCEAR)2000年報告
http://www.unscear.org/unscear/en/publications.html
UNSCEAR 2000 report - Vol. II: Effects
http://www.unscear.org/unscear/en/publications/2000_2.html
Annex J: Exposures and effects of the Chernobyl accident (115 pages)
pp.498-499
この福島県民健康管理調査の座長である「Mr.100ミリシーベルト」こと山下俊一福島県立医大副学長は、100ミリシーベルト以下の被ばくでは健康被害は起こらないと言い続けてきました。
しかし、米国立がん研究所や米カリフォルニア大サンフランシスコ校の研究チームは米専門誌に2012年11月8日に、チェルノブイリ原発事故の除染などに関わって低線量の放射線を浴びた作業員約11万人を20年間にわたって追跡調査した結果、血液がんの一種である白血病の発症リスクが高まることを確かめられたと発表しました。
しかも、調査対象者の被曝(ひばく)線量は積算で100ミリシーベルト未満の人がほとんどで、低線量による影響が無視できないことを示したのです。
100mSv未満の低線量被曝で白血病に 米国立がん研究所がチェルノブイリ除染作業員11万人の調査を発表
そもそも、この検討委は2011年5月に設置され、山下俊一・福島県立医大副学長を座長に、 これまで計8回開催されており、当初を除いて公開し、議事録も開示されています。
ところが、事務局を務める県保健福祉部の担当者の呼びかけで、検討委の約1週間前か当日の直前に委員が集まり非公開の準備会を開催し、会場は検討委とは別で配布した資料を回収し議事録も残さず、存在自体を隠していました。
しかも、福島県の甲状腺検査で初めて1人が甲状腺がんと診断されたことが2012年9月11日、検討委で報告され、今回と同じく鈴木真一教授が福島原発事故との因果関係を否定した際に、この秘密会で、調査結果に対する見解をすり合わせ、
「がん発生と原発事故に因果関係はない」
ことなどを共通認識とした上で、本会合の検討委でのやりとりを事前に打ち合わせていたことが発覚しています。
山下俊一福島県立医大副学長と福島県の県民健康管理調査の闇 秘密会議ですり合わせ 県民はモルモット
こんな検討委員会の実態では、原発事故とガンの因果関係を否定するために検討委は存在していると言われても仕方ないのです。
まず、今回、山下座長が退くようですが、検討委の組織改革を抜本的に進めて、公開性や透明性を高め、本当に福島と日本の人々の健康を図るための組織に作り直すべきです。
そうでなくては、チェルノブイリの例からすれば爆発的に増えるであろう甲状腺がん一つにも対処できません。放射性物質で起こる障害の中で、甲状腺がんなど氷山の一角にすぎないのですからなおさらでしょう。
福島原発事故から1年 原爆症訴訟がまた勝訴! 裁判で確定した放射線に起因する全病名はこれだ
これから何が起こるのか、本当に恐ろしい。
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東京電力福島第1原発事故による放射線の影響を調べている福島県の県民健康管理調査の検討委員会が13日、福島市内で開かれ、18歳以下(震災当時)の2人が新たに甲状腺がんと確定したと報告された。昨年9月に判明の1人と合わせ、3人となった。
福島県立医大の鈴木真一教授は「甲状腺がんは最短で4~5年で発見というのがチェルノブイリの知見。今の調査は もともとあった甲状腺がんを把握している」と述べ、福島第1原発事故による放射線の影響を否定。一方で「断定はできない。これからきっちり検討していく」 とした。鈴木教授によると、3人とも手術を受け、経過は良好という。
福島子ども調査:甲状腺がん、新たに2人 他7人に疑い
毎日新聞 2013年02月13日 20時40分
福島県が行っている子ども(震災時18歳以下)の甲状腺検査で、新たに2人が甲状腺がんと診断されたことが、13日の県民健康管理調査の検討委員会(座長・山下俊一福島県立医大副学長)で報告された。昨年9月に判明した1人と合わせ計3人になった。他に7人に甲状腺がんの疑いがあり、追加検査を行う。同検討委は原発事故の影響について否定的見解を示したが、「断定も否定もできない」と話す専門家もいる。
疑いのある人を含めた10人の内訳は男性3人、女性7人で平均年齢15歳。11年度に受診した原発周辺13市町村の3万8114人の中から見つかり、地域的な偏りはないという。甲状腺がんと判明した3人は手術を終え、7人は細胞検査により約8割の確率で甲状腺がんの可能性があるという。7人の確定診断は今後の手術後などになるため、最大10人に増える可能性がある。
記者会見した鈴木真一・県立医大教授によると、子どもの甲状腺がんの発生率は「100万人に1人」が通説。今回の検査は大きく上回るが、甲状腺がんは自覚症状が出てから診察する場合がほとんどで、今回のような精度での疫学調査は前例がなく比較できないという。さらに、チェルノブイリ原発事故では最短で4年後に発症が増加しているとして、鈴木教授は「元々あったものを発見した可能性が高い。(原発事故との因果関係は)考えにくい」と語った。
福島県の甲状腺検査は約36万人を対象に実施中。環境省は福島と他地域の子どもたちを比較するため、青森県などで約4500人を対象に検査を進めており、結果は3月下旬に公表予定。【蓬田正志、泉谷由梨子】
福島県は13日、東京電力福島第一原発事故の発生当時に18歳以下だった3人が甲状腺がんと診断され、7人に疑いがあると発表した。チェルノブイリ事故では、被曝(ひばく)から最低4~5年後に甲状腺がんが発生しており、県は「総合的に判断して被曝の影響は考えにくい」と説明している。
県は事故当時、18歳以下だった約18万人のうち、約3万8千人の甲状腺の超音波検査結果をまとめた。計10人の平均年齢は15歳、男性は3人で女性が7人。腫瘍(しゅよう)の直径は平均15ミリ。確定診断された3人は全員、進行がゆっくりしたタイプの早期だった。甲状腺の被曝線量などは不明だ。今回の調査対象は、飯舘村や浪江町など避難区域などの子どもたちだ。3人は手術でがんを摘出、通常の日常生活を送っているという。
甲状腺がんの大半は進行が遅く、生存率も高い。診断30年後の生存率は9割以上。これまで、子どもの甲状腺がんの発生頻度は100万人に1~2人程度とみられていた。今回、それより高い頻度で見つかった。福島県立医大の鈴木真一教授は「今回のような精度の高い超音波検査で大勢の子どもを対象にした調査は前例がなく、比較はできない」と説明した。成人の超音波検査では3・5%に甲状腺がんが見つかったとの報告もあるという。
(朝日新聞デジタル 2013年2月13日20時37分)
福島の小児甲状腺がん 「事故無関係」、危うい即断 医師の菅谷・松本市長が警鐘
2012年9月27日) 【北陸中日新聞】【朝刊】【その他】
福島原発事故に伴う福島県の調査で、1人に小児甲状腺がんが見つかった問題。同県立医大は事故の影響を否定したが、1986年のチェル ノブイリ原発事故後、現地で甲状腺がんの治療に当たった医師の菅谷(すげのや)昭・長野県松本市長は「即断は禁物」とし、丁寧な対応を訴える。 (中山洋 子)
「このデータをまさか日本で必要とする日が来るとは思わなかった」
そう語りつつ、菅谷市長はベラルーシ国立甲状腺がんセンターから入手した小児がん患者数(15歳未満)の推移のデータを示した。
チェルノブイリ(ウクライナ)は国境近くにあり、ベラルーシは深刻な汚染にさらされた。同センターは急増した小児甲状腺がんの治療などのため、90年に設立された。菅谷市長は甲状腺がん専門医として96年から5年半、同センターの活動に携わった。
菅谷市長が注目するのは、ベラルーシの場合、86年には2例だった小児甲状腺がんが、翌年には新たに4例、88年に5例、89年には7例と増加している点だ。
今回の福島県での結果(検査対象は18歳以下)について、検査を担当する県立医大の鈴木真一教授は「チェルノブイリ事故でも、甲状腺が んが見つかったのは最短4年」と説明したが、同市長は「事故後、早い時期に甲状腺がんが発生する可能性は否定できない。現段階では『分からない』としか言 えないはずだ」と即断をいさめる。
菅谷市長が入手した同センターの資料によると、86~97年の小児甲状腺がんの患者570人のうち、半数以上の385人にリンパ節転移が見られ、16.5%に当たる94人が肺に転移していた。
甲状腺がんは進行も遅く、早期に治療すれば完治するとされている。ただ、菅谷市長は「ベラルーシでは、転移していたケースが非常に多い。将来にわたって、注意深く経過を追わなければならない」と指摘する。
診察よりも調査を優先している検査体制にも疑問を投げかける。
「しこりがあると言われたら、親は心配するに決まっている。でも、同じしこりでも水のたまったのう胞はがんにはならない。心配なのは肉のかたまりである結節。一人一人への丁寧な説明を怠ってはならない」
県側は一定の大きさのしこりが見つかり、2次検査した子どもたちについては「個別の経過観察をする」とし、他の子どもたちは2年に1回検査するとしている。
だが、菅谷市長は「心配な保護者には、むしろ他の機関でも調べることを勧めるべきだ。データをまとめるには、県立医大に送るよう指導すればよい。保護者の不安解消が大切だ」と語る。
ちなみにベラルーシの子どもらの甲状腺がん検査は半年に1回。同市長は「子どもが甲状腺がんになった場合、何年も治療や検診を続けねばならない家族の苦しみは深い。現地の往診で、そんな姿を見てきた。チェルノブイリの先例に真摯(しんし)に学ぶべきだ」と話した。
福島県甲状腺検査 ~3人が甲状腺がん、7人悪性疑い
東京電力福島第一原発事故の発生当時18歳以下だった子どもを対象に実施されている福島県の甲状腺検査で、新 たに2人が甲状腺がんと診断されたことが、13日の県民健康管理調査の検討委員会で報告された。昨年9月に判明した1人と合わせ、甲状腺がんと診断された 子どもは3人になった。このほか、7人に甲状腺がんの疑いがあり、追加の検査を行う。
今回、公表されたのは、2011年(平成23年)に先行して甲状腺検査をおこなった13市町村の3万8114人の調査結果。二次検査の対象となったB判定 の186人のうち、これまでに151人の検査が終了しているが、そのうち、細胞診断が必要となった85人中10人に悪性または悪性の疑いがあると診断され た。更に、この10人のうち、昨年9月に甲状腺がんと診断された1人を含む計3人が甲状腺がんであることが確定した。3人は、既にがんの摘出手術を終え、 通常の日常生活を送っているという。
(資料:「甲状腺検査」の実施状況及び検査結果等について)
細胞診断で悪性または悪性の疑いと診断された10人の内訳は、男性3人、女性7人で、平均年齢15歳。居住地域や外部被曝線量などの情報は公表されなかっ た。甲状腺がんかどうかが分かっていない7人の確定診断は、摘出手術の後になるという。細胞診断の誤差は上下10%。最大10人ががんと診断される可能性 も残っている。なお、昨年11月にC判定とされた1人については、2012年度(平成24年度)の受検者なため、今回の10人には含まれていない。
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検討会後の記者会見で福島県率医大の鈴木真一教授は、「チェルノブイリで甲状腺がんが発症が増加したのは、原発事故後4~5年経ってから。元々あったもの を発見した可能性が高い。(原発事故との因果関係は)考えにくい」と語った。鈴木教授や検討会では、これまで、子どもの甲状腺がんの発生頻度は100万人に2人程度と説明していた。また、チェルノブイリで、甲状腺がんヨウ素被曝によるとの因果関係を証明した福島県立医大山下俊一副学長は、自身の論文と矛盾するのではないかとの質問に対し、今回のような精度での疫学調査は前例がなく比較できないと回答した。
福島県の甲状腺検査は約36万人の子どもを対象に実施している。環境省は福島と他地域の子どもたちを比較するため、青森県などで約4500人を対象に検査を進めており、3月下旬以降公表する予定だ。
県民健康調査検討会では、このほか、福島県民の調査データをデータベース化する計画(資料:「県民健康管理調査データ管理システム」概要)や、秘密会の開催などによって失われている信頼を取り戻すために、同検討会を見直しを行う(資料:「福島県『県民健康管理調査』検討委員会」のあり方等の検討について) ことなどが報告された。同検討会は、元長崎大学の山下俊一教授が座長が務めているが、山下氏が県から委託を受け調査する県立医大の副学長と、委託元である 県の検討委座長を兼任していることについて、山下氏は、「私がこの場にとどまるのは不適切だと思う」と述べ、退任する意向を示した。検討会の見直しは、県 が行う。
配布資料
1)議事次第、出席者名簿、座席表など
2)県民健康管理調査「基本調査」の実施状況について
3)「甲状腺検査」の実施状況及び検査結果等について
4)平成23・24年度県民健康管理調査「健康診査」の実施状況について
5)「こころの健康度・生活習慣に関する調査」について
6)平成24年度「妊産婦に関する調査」実施状況について
7)「県民健康管理調査データ管理システム」 概要
8)「福島県『県民健康管理調査』検討委員会」のあり方等の検討について
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【大岩ゆり】東京電力福島第一原発事故によって、住民らは甲状腺局所にどれぐらい被曝(ひばく)したのか。国は昨年から、実態を解明するプロジェクトを 進めている。1月末のシンポジウムでは、大半の福島県民は30ミリシーベルト以下という推計結果が中間報告された。推計の精度を高めるには課題も山積して いる。
■セシウム比でヨウ素推計
放射性ヨウ素は半減期が8日と短く、事故直後の実測データはほとんどない。このため、甲状腺被曝の実態ははっきりせず、限られたデータから推計するしかない。
環境省は放射線医学総合研究所(放医研)に委託し、実態解明を進める。二つの手法で線量を推計中だ。半減期が比較的長く、内部被曝でのデータが豊富なセシウムの線量から、ヨウ素の被曝線量を推計する手法と、環境中に出たヨウ素の拡散状況のシミュレーションを使う手法だ。
シンポジウムでは主にセシウムを使う推計が報告された。甲状腺局所の被曝線量が最高とされた飯舘村の1歳児でも9割は30ミリシーベルト以下、それ以外の地区は27~2以下との推計だった。甲状腺被曝の防護剤を飲む国際基準の50ミリシーベルトを下回っていた。
この推計では、体内のセシウムとヨウ素の比率を調べる必要がある。両方を計測できた人のデータを使うのが理想だが、少数しかなく、研究チームはデータを入手できなかった。
このため、ヨウ素は2011年3月下旬に政府が実施した飯舘村や川俣町などの子ども1080人の甲状腺検査のデータ、セシウムは日本原子力研究開発機構 (JAEA)で内部被曝検査を受けた飯舘と川俣の18歳以上の約300人のデータを使った。これらのデータから、体内のセシウムとヨウ素の比率を1対3と 仮定して、各地の住民のセシウム被曝線量から、甲状腺被曝線量を推計した。
■個人・地域の差 考慮必要
シンポでは、比率をさらに検討する必要があるとの指摘が多数出た。
原子力規制委員会などによると、原発から放出された大気中のセシウムとヨウ素の比率は1対10だ。土壌での比率は原発北西は1対10、南は1対50とみられている。
一方、事故直後から福島第一原発の周辺で放射線量調査に従事した研究者約50人の体内被曝を分析すると、セシウム対ヨウ素比は1対1~1対50、中央値は1対11だった。弘前大の床次眞司教授らが11年4月に調べた浪江町の5人は逆にヨウ素のセシウム比は1未満だった。
「なぜ、土壌など環境と体内のセシウム比が異なり、なぜ個人差があるのか、検討して比率を考える必要がある」と研究チーム代表の栗原治・放医研内部被ばく評価室長は話す。
弘前大の床次さんは「いつ、どの方向に流れた放射性雲(プルーム)に含まれるヨウ素を吸入したのかによっても体内の比率は変わる。少なくとも原発の北西部と南部では比率は変えて推計するべきだ」と言う。
既存データの活用も課題だ。1080人の子どもの甲状腺被曝線量検査(ヨウ素)の結果は国が、内部被曝検査(セシウム)は県が別々に管理している。 1080人の中に内部被曝検査も受けている子がいれば、比率の精度を高める上で参考になるが、検証されていない。「さらに比率の検討を進め、県民の実際の 行動を考慮して推計する必要がある」とJAEAの本間俊充・安全研究センター長は指摘する。
■米ロ、自国民を独自検査
ロシアや米国の両政府は日本国内で自国民の甲状腺被曝線量を検査していた。
ロシア研究者によると、11年4月、ロシア政府の指示で研究者数人が来日。東京のロシア大使館の職員や家族らを検査した。268人のうち3人からヨウ素が検出され、それから甲状腺被曝線量を計算すると、成人は2、1歳児が4ミリシーベルトになったという。
一方、各地の在日米軍基地では約7千人が甲状腺被曝検査を受けた。横田基地(東京都)にいた空軍兵らの測定結果から、24時間外にいたなどの前提で甲状腺被曝線量を推計すると、平均5・3ミリシーベルトだったという。
(朝日新聞デジタル 2013年2月14日)
毎日新聞 2012年10月03日 02時30分(最終更新 10月03日 05時14分)
東京電力福島第1原発事故を受けた福島県の県民健康管理調査について専門家が意見を交わす検討委員会 で、事前に見解をすり合わせる「秘密会」の存在が明らかになった。昨年5月の検討委発足に伴い約1年半にわたり開かれた秘密会は、別会場で開いて配布資料 は回収し、出席者に県が口止めするほど「保秘」を徹底。県の担当者は調査結果が事前にマスコミに漏れるのを防ぐことも目的の一つだと認めた。信頼を得るた めの情報公開とほど遠い姿勢に識者から批判の声が上がった。【日野行介、武本光政】
9月11日午後1時過ぎ。福島県庁西庁舎7階の一室に、検討委のメンバーが相次いで入った。「本番(の検討委)は2時からです。今日の議題は甲状腺です」。司会役が切り出した。委員らの手元には、検討委で傍聴者らにも配布されることになる資料が配られた。
約30分の秘密会が終わると、県職員は「資料は置いて三々五々(検討委の)会場に向かってください」と要請。事前の「調整」が発覚するのを懸念する 様子をうかがわせた。次々と部屋を後にする委員たち。「バラバラの方がいいかな」。談笑しながら1階に向かうエレベーターに乗り込み、検討委の会場である 福島市内の公共施設に歩いて向かった。
県や委員らはこうした秘密会を「準備会」と呼ぶ。関係者によると、昨年7月24日の第3回検討委までは 約1週間前に、その後は検討委当日の直前に開かれ、約2時間に及ぶことも。第3回検討委に伴う秘密会(昨年7月17日)は会場を直前に変更し、JR福島駅 前のホテルで開催。県側は委員らに「他言なさらないように」と口止めしていた。
◇「今後はやめる」
秘密会の日程調整などを取り仕切っていた福島県保健福祉部の担当者との主なやり取りは次の通り。
−−検討委の会合ごとに秘密の準備会を開いていなかったか。
記憶にない。
−−昨年7月、秘密会の会場を急きょ変更し、口止めを図ったことはないか。
……覚えていない。
−−検討委の約1週間前に委員を呼び出したり、検討委と別に会場を設けたりしていなかったか。
……確認のため時間をください。
<約1時間中断>
−−確認できたか。
指摘の通りの事実があった。毎回準備会を開催していた。
−−調査結果や進行についてあらかじめ話し合っていたのか。
事前に調査結果を説明し、委員に理解してもらったうえで臨んでほしかった。事前に調査結果を配りたいが、それができない。
−−マスコミに漏れるからか?
それもある。
−−なぜ隠していたのか。
隠していたつもりはないが、積極的に知らせるのは避けた。ナーバスになっていた。
−−県民に不安を与えないように検討委を進めたかったのか。
それはあった。秘密会合と言われても否定できず、反省している。こうした準備会は(今後)開催しない。
毎日新聞 2012年10月03日 02時31分(最終更新 10月03日 05時12分)
東京電力福島第1原発事故を受けて福島県が実施中の県民健康管理調査について専門家が議論する検討委員 会を巡り、県が委員らを事前に集め秘密裏に「準備会」を開いていたことが分かった。準備会では調査結果に対する見解をすり合わせ「がん発生と原発事故に因 果関係はない」ことなどを共通認識とした上で、本会合の検討委でのやりとりを事前に打ち合わせていた。出席者には準備会の存在を外部に漏らさぬよう口止め もしていた。
県は、検討委での混乱を避け県民に不安を与えないためだったとしているが、毎日新聞の取材に不適切さを認め、今後開催しない方針を示した。
検討委は昨年5月に設置。山下俊一・福島県立医大副学長を座長に、広島大などの放射線医学の専門家や県 立医大の教授、国の担当者らオブザーバーも含め、現在は計19人で構成されている。県からの委託で県立医大が実施している健康管理調査について、専門的見 地から助言する。これまで計8回あり、当初を除いて公開し、議事録も開示されている。
しかし、関係者によると、事務局を務める県保健福祉部の担当者の呼びかけで、検討委の約1週間前か当日の直前に委員が集まり非公開の準備会を開催。会場は検討委とは別で配布した資料を回収し議事録も残さず、存在自体を隠していた。
9月11日に福島市内の公共施設で開いた第8回検討委の直前にも県庁内で準備会を開いていた。同日は健 康管理調査の一環である子供の甲状腺検査で甲状腺がん患者が初めて確認されたことを受け、委員らは「原発事故とがん発生の因果関係があるとは思われない」 などの見解を確認。その上で、検討委で委員が事故との関係をあえて質問し、調査を担当した県立医大がそれに答えるという「シナリオ」も話し合った。
実際、検討委では委員の一人が因果関係を質問。県立医大教授が旧ソ連チェルノブイリ原発事故で甲状腺がんの患者が増加したのは事故から4年後以降だったことを踏まえ因果関係を否定、委員からも異論は出なかった。
また、昨年7月の第3回検討委に伴って開かれた準備会では、県側が委員らに「他言なさらないように」と口止めもしていた。
毎日新聞の取材に、県保健福祉部の担当者は準備会の存在を認めた上で「あらかじめ意見を聞き本会合をスムーズに進めたかった。秘密会合と言われても否定できず、反省している。(今後は)開催しない」と述べた。
福島県の県民健康管理調査は全県民を対象に原発事故後の健康状態を調べる。30年にわたり継続する方針で、費用は国と東電が出資した基金で賄う。【日野行介、武本光政】
その上、事後に至っても後手後手どころか、放射能なんて関係ない的な対応ですし…
本来なら当初から最悪を仮定して行動しなければならないはずですのに。
同じことを考えてきました。
http://natureflow1.blog.fc2.com/blog-entry-164.html事故後わずか12ヶ月で、福島県内の3万8千人の18歳以下の子供の内36%に甲状腺のう胞か結節が見つかっています潜伏期間がこれほど短いと言うことは、この子供達が吸入と飲食によって取り込んだ放射性ヨウ素による甲状腺被曝量が尋常ではない高さであるということは、疑いの余地がありません。
そして、これらの結果は、さらなる多種多様の癌の発症を予測させるに十分な、非常に悪い前触れです。以下を見てください。
http://lucian.uchicago.edu/blogs/atomicage/category/日本語/
リンクさせていただきました。
よろしくお願いいたします。
癌はもしかしたら、東洋医学的療法で治せるかもしれません。
この地震に関して、人工地震説というのがあり、自分もそれを支持しています。そうなら目的は、製薬会社による購入の促進、というのが考えられます。新しい形のショック・ドクトリン。
癌に関しては、「温熱療法」というのがあるみたいです。ですが僕がそれを知ったサイトでは、「西洋医学療法にとりこまれるのではないか」というような危惧がされてました。東洋医学を西洋医学とごっちゃにして、健全な効果が認められるということはないでしょう。要するに確かな技術であったものが悪用される恐れがあります。金儲けの手段として。
まあとりあえず、調べてみてください。この療法が一般に認知され、セシウム除去剤(これについてもちらっと話に聞いた程度です。)が開放されれば、そのためには権力層の虚構が暴かれる日が来れば、大きな安心が手に入れられるかもしれません。
お邪魔しました。
小児がん患者のうちBリンパ腫のみだと1/400万ほどです。
大人と合算すると1/100万です。
甲状腺がんも似たようなレアなものだとお考えになれば…
http://www.rerf.or.jp/glossary/prevalen.htm
http://www.enup2.jp/newpage3.html