安倍首相が2016年5月16日の衆院予算委員会で、民進党の山尾志桜里政調会長を「勉強不足」と指摘しながら、内閣総理大臣であって行政府の長である自身を「立法府の長」と混同して発言したことが話題になりました。
もちろん、立法府の長は衆院両議院の長である衆参両議長です。
このうち16日の発言は、民進党が提出した保育士給与を引き上げる法案が審議入りしないことについて、山尾しおりんが
「委員会が決めることと言って逃げている」
と首相を批判したことに対する答弁で、安倍首相は尊大にも
「議会の運営について少し勉強して頂いた方がいい。議会については、私は『立法府の長』。立法府と行政府は別の権威。(国会での)議論の順番について私がどうこう言うことはない」
と反論しました。
「勉強していただいた方がいいのはどっちですか」、とここでしおりんが気づいて逆ねじを食わせたら痛快だったのですが、その場で気づいたのは石破茂大臣のみだった?
そして、さらに翌日の5月17日の参院予算委で、民進の福山哲郎氏が安全保障法制採決の議事録について質問した際にも、安倍首相は
「立法府の私がお答えのしようがない」
と答弁しました。
これも、国会の議事録は立法府の問題だから、行政府の長である私にはお答えのしようがない、でないと意味がつながりません。
そして、いずれにしても安倍首相の言い逃れがおかしいのは、安倍首相は内閣総理大臣であるだけでなく、与党である自民党の総裁ですからね。国会議員であり与党のトップでもあるのですから、国会のことはあずかり知らぬでは通りません。
ちなみに末尾の記事にもありますように、安倍首相は第一次政権時代の10年前にも、自分のことを立法府の長と言っていたそうです。
こうなると、単なる言い間違いではなくて、昔から立法府と行政府を混同しているわけで、安倍総理は国会が終わったら豪華な会食をするのを控えて、夜間中学に入って公民の授業を受けなおした方がいいのではないでしょうか。
先月の4月18日、衆議院TPP特別委員会でも「立法府の長として」と言ってる。9分25秒あたり。もう何をかいわんや。
相手の程度が低すぎて、それに合わせて追及していくのが大変そうです。
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「私は立法府、立法府の長であります」。国会で飛び出した安倍晋三首相の発言が話題を集めている。発言があったのは5月16日の衆議院予算委員会。民進党の山尾志桜里議員の質問に答えている最中だった。
山尾氏は、民進党が提出した保育士の給与を上げる法案を国会で議論しないことを批判。「この場でぜひ一歩でも前に進めようと、対案を議論するべきだと、おっしゃること、できないんですか」
安倍首相の発言が飛び出したのはここだ。
「山尾委員はですね、議会の運営ということについて少し勉強していただいたほうがいいと思う訳なんですよ。議会についてはですね、私は立法府、立法府の長であります」
背後に座っていた石破茂地方創生担当大臣。首相の発言に驚いたような顔をして、首相を見上げた。
山尾氏は、安倍首相の間違いを指摘することはなく、次の話題に移っていった。
だが、ネット上には見逃さない人たちがたくさん。
実は、安倍首相が「立法府の長」と発言するのは初めてではない。2007年5月11日、「日本国憲法に関する調査特別委員会」でも述べている。
憲法改正議論をめぐって、民主党の簗瀬進参院議員(当時)が「総理が国民とともに議論をするとおっしゃったその言葉と全く矛盾する対応を現場がしている。これどう思うんですか」と追求すると、こう答えた。
「それは、正に参議院のこの委員会の運営は委員会にお任せをいたしておりますから、私が立法府の長として何か物を申し上げるのは、むしろそれは介入になるのではないかと、このように思います」
簗瀬氏は、この場で、安倍首相の間違いを正している。
「先ほど憲法尊重擁護義務の話がございましたけれども、総理大臣として現在の憲法を尊重し擁護をすると、これは憲法にちゃんと明記されている。しかも、三権分立というものがあります。国権の最高機関として定められているのは国会である。そして、その国権の最高機関と分立する形で立法府のほかに内閣があり司法があって三権が成り立っているんです。あなたはそういう意味では行政府の長であります」
【10年ぶり2度目】安倍首相が本気で「私は立法府の長」だと勘違いしていたことが判明
野党議員も「反安倍」を掲げる多くの人も単なる言いまつがいだと思ってたようでしたが、どうやら本気で勘違いしていました。詳細は以下から。
民進党の山尾志桜里政調会長が激しく安倍首相とやりあった5月16日の衆院予算委員会。塩崎厚労相が保育士待遇改善に関し、全産業の女性労働者の平均賃金との差が4万円あることを踏まえて改善していくと述べたことを発端に、山尾政調会長は「男女の賃金格差を認めている。女性活躍どころか『男尊女卑政権』だ」と激しく非難。安倍首相が「誹謗中傷だ」と反論したことが大きな話題となりました。
しかし、それとは別の場面で見過ごされていた大きな問題がありました。熊本地震があったにも関わらず無理矢理TPPの審議を進めたことを引き合いに、保育問題を前向きに議論する心意気を示して欲しいと安倍首相に迫った際のことです。
安倍首相は「山尾委員は議会の運営ということについて少し勉強していただいた方が良いと思います」と、相手の無知を指摘するかのような言葉の後にこう言い放ちました。
「議会についてはですね。私は立法府、立法府の長であります」
安倍総理「私は立法府の長であります」 2016年5月16日衆院予算委員会 – YouTube
完全なる間違いです。内閣総理大臣は行政府の長ではありますが、立法府の長は衆議院議長と参議院議長であり、安倍首相では断じてありません。これは三権分立の原則がある以上、絶対に崩してはいけない原理原則であり、中学校の社会科の教科書に載っているレベルの極めて初歩的かつ根本的な話です。
本来ならば山尾議員は安倍首相のこのとんでもない勘違いに対して「中学校の社会科の教科書を少し勉強し直していただいた方が良いと思います」とツッコんでもよい場面なのですが、いくら何でも総理大臣ともあろう人物がこんな基礎知識に関して馬鹿げた間違いをするとも考えにくいところ。おそらくは単なる言い間違いとしたのでしょう、山尾議員はあっさりスルーしてしまいました。その後ネット上でも多少ツッコミはありましたが、生産性のない挙げ足取りにしかならないと判断されたのか、大きく炎上することもありませんでした。
ですがその後、第一次安倍内閣時代であった2007年の国会の議事録で、安倍首相が全く同様に自らを「立法府の長」と答弁していた事実が発掘され、衝撃を与えています。
さすがに内閣総理大臣が「立法府の長」だという認識を、かつて内閣総理大臣が示していたことがあるのかと、国会の議事録を検索してみたら、なんとビックリぽん。
— ドン・プロタジオ (@meisouchizu) 2016年5月17日
安倍は第一次政権の2007年にも「私が立法府の長」と発言していたことが判明。https://t.co/aWheWYMpRz
以下、当該部分を少し長めですが引用します。
○簗瀬進君 (前略)正にそれは総理が、総裁として、自民党の総裁として国民とともに議論をするとおっしゃったその言葉と全く矛盾する対応を現場がしている。これどう思うんですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) それは、正に参議院のこの委員会の運営は委員会にお任せをいたしておりますから、私が立法府の長として何か物を申し上げるのは、むしろそれは介入になるのではないかと、このように思います。
○簗瀬進君 先ほど憲法尊重擁護義務の話がございましたけれども、総理大臣として現在の憲法を尊重し擁護をすると、これは憲法にちゃんと明記されている。しかも、三権分立というものがあります。国権の最高機関として定められているのは国会である。そして、その国権の最高機関と分立する形で立法府のほかに内閣があり司法があって三権が成り立っているんです。あなたはそういう意味では行政府の長であります。
正にそういう意味では、行政府の長として、内閣の例えば審議の在り方に対する外部的な様々な注文というのは絶対にこれ抑制すべきじゃないですか。正に、審議促進を様々にさせるような、そういう圧力を国会やら自民党に対して掛けてくるということは、これは絶対に避けるべきじゃないですか。それを延々とおやりになって今日まで来ているんじゃないんですか。正にそういう意味では、総理のこの国会に対する様々な総理としての圧力というようなものは行政府の立法府に対する容喙であり、立憲主義に違反する憲法違反の態度だと私は思いますが、いかがですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) そう何回も指を指さないでくださいよ。指を指されなくても私に話していると分かっていますから。よろしいですか。
そこで、私は圧力なんか掛けていませんよ。じゃ、聞いてみてください。今日までに審議を終えろとか、いつまでに上げろとか、そんな圧力は掛けていないということは申し上げておきたいと思います。(後略)
質問している簗瀬進議員は当時の民主党所属議員で、弁護士でもあります。安倍首相が「立法府の長」と自称した際、即座に憲法尊重擁護義務と三権分立の原則を持ち出してこれを否定し「行政府の長」であると訂正しています。
安倍首相といえば2014年2月12日の衆院予算委の集団的自衛権を巡る答弁で「最高責任者は私です」と述べたのを始め、何度か自らを最高責任者と称しています。もちろんこれも間違いなのですが、「日本で一番偉いのは誰?」「そうりだいじーーん!!」といった、子供向けのレトリックとしてはまだ理解できるものではありました。
しかし、内閣総理大臣が自らを「立法府の長」と称するのは火を見るよりも明らかな間違い。国会という公の場で、目の前で即座に訂正されたにも関わらず、10年経って国会でまた同じことを言ってしまうのはどういうことなのでしょうか?単なる勉強不足や言い間違いで済む問題ではなさそうです。
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安倍の馬鹿、小学生からもう一度勉強しなおせ。まあ、でも史上最低最悪知能の総理大臣に相応しい答弁だ。そういう点では、いい仕事をした(笑)。
でもね。 管理人様。 夜間中学で学ぶ人たちが、拒否るのでは? あの人と同程度、と思われると困る、って。
回りの人たち、どうして止めないのでしょうか。 途中でタオルでも投げて。
そこでは、これからやろうとしてる願望の一部でも言う時やなかったで、きいつけやとゆうといたりや、反動勢力のみなはん。注文の多い料理店山猫軒やねんから。皆喰わしてもらう気で来てはんねんからって。(怪人1面相)
個人の尊厳が大切なのじゃなかったのですか…
悲しくなりますよ。
とにかく夜やってる学校ということです。
昼は仕事がありますから。
昼は仕事がありますから。
そういう意味ですね、失礼しました。
夜間中学を下に見たニュアンスを感じてしまいました。
ありがとうございました。
野党議員も、すぐに指摘しなければ
だめだと思います。
新聞やテレビはこのことを扱わないのかと疑問に思っていたら、今日(19日)の東京新聞の特報面に出ていたので、少しほっとしました。
それにしても、安倍首相には困ったものです。
「立法府の長である私は…」はご指摘の通りなんですが、
「行政府」と訂正を促されたとき、「(一瞬戸惑った後)ああっそうですね」と訂正したように見えたのです、しかし、
訂正したのは「行政府の歳費の削減・・・」と違ったところだったのです。
結局、この人わかってなかった。
だったのです。
後の塩崎大臣の驚いた表情が面白いですね。総理が一旦訂正したのでお顔がほころんだのですが「行政府の歳費の削減・・・」のところでは眼をぱちくり。表情が硬くなりました。
それに加えて、何で「行政府じゃないの?」的な野次が、どこからも飛ばなかったんですかね。
日本の国会はここまで堕ちたのか。