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1審の大阪地裁は、少年の過失を認めた上で、両親にも監督責任があるとして約1500万円の賠償を命じました。さらに2審の大阪高裁も、減額したものの両親の監督責任を認め、約1100万円の支払いを命じていたのです。
東京都庁ができるまで、日本最悪の建築物と言われていた最高裁。テロ対策用に内部は迷路になっています。私も迷いましたw
これは最高裁の大法廷です。裁判官は15人。憲法判断など重要な判決などをするときにはこちらの法廷となります。
この事件での原告遺族側は最高裁の上告審で
「6年生であればボールが道路に飛び出す危険性を認識できたはずなのに、両親の教育が不十分だったため事故が起きた」
と主張しました。
これに対し両親側は、「一般家庭並みの教育やしつけはしていた。親として必要な監督義務は果たしており、責任を免除されるべきだ」と反論していたのです。
そして、被告となった少年の父親は朝日新聞の取材に対し、
「サッカーをするなと注意のしようもない。こんなことにまで親が責任を負わされるのは納得できない」
と話していたということです。
この日の判決で、最高裁判所第1小法廷の山浦善樹裁判長は
ところが、この日の最高裁判決は、親が目が届かない場所での事故を防ぐために、現実的に取れる対応を考慮したもので、事故の状況にかかわらず、ほとんどの場合で、子どもの過失の賠償責任は親が負うとしてきた司法判断の流れを変えるものとなりました。
久しぶりに法律の先生になりました。
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不法行為判例に学ぶ -- 社会と法の接点 | |
大村敦志 | |
有斐閣 |
民法は大村先生、加藤雅信先生、川井建先生がいいが、不法行為はこの本が一番新しくて受験生にも新鮮なはず。
子供が蹴ったボール避けて事故、「親は賠償責任を負わない」 最高裁の判断理由は?
小 学6年生の子供が蹴ったサッカーボールを避けようとして転倒し、後に死亡した男性(当時85歳)の遺族が、ボールを蹴った少年の 両親に損害賠償を求めた裁判で、最高裁第一小法廷(山浦善樹裁判長)は4月9日、両親の監督責任を否定する判断を下した。「通常は危険でない行為でたまた ま人を死傷させた場合、親は賠償責任を負わない」として、両親に賠償を命じた2審判決を破棄。両親側の逆転勝訴が確定した。産経ニュースなどが報じた。
同小法廷は、今回の子供の行為について「ゴールに向かってボールを蹴る通常の行為で、道路に向けて蹴ったなどの事情はうかがわれない」と指摘。両親が普通 のしつけをしていたことなども考慮し、今回の事故を「予測できたとはいえない」として、監督義務を尽くしており、賠償責任は負わないと判断した。
(ボールよけ転倒死、男性の遺族が逆転敗訴 親の子供への責任「被害の予見可能性で線引き」 最高裁初判断 - 産経ニュースより 2015/04/09 15:48)
産経ニュースに よると、事故は2004年に愛媛県今治市の公立小学校脇で起きた。当時11歳だった男性(23)が、放課後に校庭で友人らとサッカーをしていた際、ゴール に向けて蹴ったボールが外の道路に飛び出した。そこにバイクで走ってきた85歳の男性が、ボールをよけようとして転倒。足を骨折した。直後に認知症の症状 が出て、事故から約1年半後に肺炎で死亡。遺族は2007年に裁判を起こし、少年とその両親に損害賠償を求めた。
1審の大阪地裁は、少年の過失を認めた上で、両親にも監督責任があるとして約1500万円の賠償を命じた。2審の大阪高裁も、減額したものの両親の監督責任を認め、約1100万円の支払いを命じた。
3月19日のNHKニュースに よると、遺族側は上告審で「6年生であればボールが道路に飛び出す危険性を認識できたはずなのに、両親の教育が不十分だったため事故が起きた」と主張。こ れに対し両親側は、「一般家庭並みの教育やしつけはしていた。親として必要な監督義務は果たしており、責任を免除されるべきだ」と反論していた。少年の父 親は朝日新聞の取材に対し、「サッカーをするなと注意のしようもない。こんなことにまで親が責任を負わされるのは納得できない」と話したという。
民法では、子供が事故を起こした場合、親などが監督責任を怠っていれば代わりに賠償責任を負うと定めている。 これまで類似の訴訟では、被害者を救済する観点から、ほぼ無条件に親の監督責任が認められてきた。キャッチボールをしていた小学生のボールが、近くで遊ん でいた別の小学生の胸に当たり死亡させた事故、小学生男児が自転車で女性に衝突し、寝たきりにさせた事故などで、児童の親に賠償金の支払いが命じられる判決が出た。
今回の最高裁の判断は親の責任を限定するもので、同様の争いに今後影響を与えるとみられる。
2015.4.9 15:48更新 産経新聞
ボールよけ転倒死、男性の遺族が逆転敗訴 親の子供への責任「被害の予見可能性で線引き」 最高裁初判断
小学校の校庭から蹴り出されたサッカーボールをよけようとして転倒した後に死亡した男性の遺族が、ボールを蹴った当時小学生の元少年(23)の両 親に損害賠償を求めた訴訟の上告審判決が9日、最高裁第1小法廷(山浦善樹裁判長)であった。同小法廷は、「子供の行為が及ぼした被害に対する予見可能性 の有無で、親らが監督義務を尽くしたかどうかを線引きできる」とする初めての判断を示した。
その上で、「両親は被害を予測できなかった」として、両親に賠償を命じた2審大阪高裁判決を破棄、遺族側の逆転敗訴を言い渡した。4人の裁判官全員一致の意見。
子供の行為と死亡の因果関係に争いはなく、両親が監督義務を尽くしていたかが争点。民法では、子供の行為で被害が生じた場合、親らが監督義務を尽くしてい なければ子供に代わり賠償責任を負うと規定している。ただ、過去の訴訟では因果関係が認められた場合、「被害者救済」の観点から無条件に親に賠償を命じて きた。今回の判決は、子供や認知症で責任能力がない老人を世話する家族に対する賠償責任のあり方に影響が大きいとみられる。
同小法廷 は、 今回の子供の行為について「ゴールに向かってボールを蹴る通常の行為で、道路に向けて蹴ったなどの事情はうかがわれない」と指摘。両親が普通のしつけをし ていたことなども考慮し、今回の事故を「予測できたとはいえない」として、監督義務を尽くしており、賠償責任は負わないと判断した。
学 校の校庭から転がり出たサッカーボールをよけようとして転倒し、約1年半後に死亡した80代の男性の遺族が、ボール を蹴った小学生(当時11歳)の両親に損害賠償を求めた裁判で、最高裁は4月9日、遺族側の請求を棄却する判決を下した。1審と2審では、子どもの「監督 義務」を怠っていたとして、両親に1000万円以上の賠償を命じる判決が出ていたが、最高裁はそれを覆す判断を示した。
今回の最高裁判決を受けて、少年の父親は、代理人を通してコメントを公開した。その全文は次のとおり。
●児童の父親のコメント
私たち夫婦、息子にとって苦悩の10年でした。
被害者の方にケガを負わせ、結果的に死亡したという事実を厳粛に受け止め、親としての道義的責任を痛切に感じています。
息子は自分の蹴ったサッカーボールが原因で人が一人亡くなったということで、ずっと罪の意識を持ちながら、思春期、青年期を歩んできました。
ただ親として子供を守ってやりたいと思ったのも事実です。
息子は当日の放課後、学校のグラウンドで、友人とフリーキックの練習をしていたに過ぎません。もともとあったゴールにむかってボールをける、法律のことはよくわかりませんが、このことが法的に責められるくらい悪いことなのかという疑問がずっと拭えませんでした。
ま た、親として、少なくとも世間様と同じ程度に厳しくしつけ、教育をしてきたつもりでした。この裁判を通じて、「息子に過失がある」、「違法行為 だ」、「親のしつけ、教育がなっていない」と断じられたことは、我々親子にとって大変なショックであり、自暴自棄になりかけたこともありました。
本日、最高裁で判決が出たとお聞きしました。正直、まだ気持ちの整理もできておりませんが、我々の主張が認められたということでひとまず安堵しています。
ただ、被害者の方のことを考えると、我々の苦悩が終わることはありません。
(判決内容や弁護士の記者会見についての記事)
<最高裁・逆転判決>小学生が蹴ったボールで転倒し死亡――親の「賠償責任」認めず
http://www.bengo4.com/topics/2936/
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どうにもならないです。。。。
あとはどう受容するかだけですね。
サッカーボールを蹴った少年は賠償責任保険に加入していたようなのです(確証はありません)。報道では被害者vs. 少年のように描かれていますが、ことはそう単純ではなく、保険会社もからんで、11年間も裁判が続いてしまったようです。
骨折しただけでしょ!死因は別物!
訴えられた親が可哀想!
裁判費用、賠償容認等の考え方から言い方は悪いですが、勝てる可能性が高い、時間もかからないところだけを訴えたのではと思います。
元気があっての子供ですから子供の活発さを損なわないような判決を支援したいです。
今回の事案で私が最初に不思議に思ったことは、少年の行為と被害との因果関係についてでした。
少年がボールをける→ボールが外に出る→バイクに乗ったおじいさんに当たる→おじいさんがこけて骨折する→おじいさんが認知症になる→おじいさんが一年半後に肺炎になる→おじいさんがお亡くなりになる。
加害者がボールを蹴ったことと被害者が骨折するところまでは文句なく因果関係がありますが、その後認知症になる、肺炎になる、死亡する、となるとどんどん遠くなります。
この点は調べてみると、1審・2審とも死亡までの因果関係を認めて、死亡の損害賠償を認めています。最高裁も因果関係についてはその判断を維持したものと思われます。
ここがかなり不思議なんですが、これは下級審の判決を読んで、その基礎となる事実を見ないと何とも言えません。
もちろん、皆さんと同様に、学校の責任は?ということは大変気になりました。
校門やフェンスの高さの問題、なにより道路側にゴールを設置しているので、シュートの練習をしていたらボールが外に飛び出ることは予見可能だったのではないか。
これは加害者側への請求とは全く法律論や訴訟形態が違うので別訴になってるんですかねえ。それとも訴訟提起できない理由があるのか、別訴で勝ってしまっているのか、和解が成立したのか、学校の保険で解決しているのか。
でも、別に解決してお金が支払われているのなら、被害者側の損害額はその分減るので、そのことが報道されていない事を見ると、今治市を被告にした別訴はないような気がするんですよね。
すみません、法科大学院性の読者の方、教えてください。
塀の外に蹴りださなくても6年生の蹴ったボールが低学年の子の頭に当たれば大事です。
最近はスポーツ少年団で練習をしている子どもが多いので遊びではなく競技レベルの威力になっています。
何の警戒もしていない小さい子にボールが当たっても加害児童側に責任を問えないのなら学校を訴えるのは自然な事です。
で、学校側は校庭の開放を止め、サッカーや野球と言った競技レベルの子どもが多い種目は禁止していくのではないか予想します。
最高裁の皆さまは今どきの子どもの状況をご存知でしょうか?
こういう問題こそ裁判員の意見を聞けたらいいのではと考えてしまいます。
根本的な疑問なのですが、これってそもそも学校の責任にはならないのでしょうか?
柵にネットも備えず、門を背にサッカーゴールを置いたら、そりゃこうなるだろと。
「6年生であればボールが道路に飛び出す危険性を認識できたはず・・・」というのならば、
学校を管理する大人こそ、その危険性を認識して対策するべきだったのでは?
この件はニュースで少し聞き齧った程度なのですが、色々おかしいなと思いまして・・・
○だから責任を問うなら先ず学校にってのがスジでしょうね。
○それが、子供の過失の有無と親の監督責任の有無に話が流れてしまって、間抜けた判決で決着したんですよね。
○それにしても被害者もあくどいし加害者も責任感が欠けているし、どっちもどっちですね。